※この作品はR-18です。

パルワールドに転移した男の話   作:ただのトーリ

5 / 6
クルットリ作った公式は天才だと思う。
というかパルモンの説明文随分とはっちゃけてるやつ多すぎてネタにしやすいよね。特にラブマンダー。



特攻野郎クルットリAチーム

「さあ、作戦会議です」

 

 密猟団との不意の遭遇戦から始まり、初めての対人戦を終えた翌日。

 

 拠点の真ん中にドンと大きな円卓を置いた俺は、パルモンたちを招集して宣言する。

 みんなキョトンとしており、俺が何を言ってるのかわかってないご様子。

 

「密猟団を殲滅したいと思います」

「ペン?」

 

 ペンタマが不思議そうに鳴く。

「密猟団はここから相当くない所に拠点を築いているらしく、いつココに攻めてくるか分からない」

「ペン!?」

 

 俺の言葉に『襲われるの!?』みたいな顔で驚くペンタマ。

 

「そう、だからこのまま放置は危ないので先に駆除をしちゃおうかと思う」

「にゃうん……」

 

 ツッパニャンは肩肘つきながらため息混じりに鳴く。なんとなく『なんか策でもあるの?』と言わんばかりだ。

 

 

 そこで俺はにやりと笑みを浮かべて、声を上げる。

 

「おいで、特攻部隊!」

 

 ばぁん、とテーブルを叩きながら宣言すると物陰で待機していたパルモンたちがゾロゾロと出てきた。

 

 緑の羽毛にオウムのような嘴、世紀末のような見事なモヒカン。そして何を考えてるか分からない虚無の瞳。

 

 彼らこそ、名は体を表すを地で行くパルモン、クルットリである!!!

 

「クエェ!」

 

「彼はクルットリ隊長。特攻野郎クルットリAチームのリーダーだ」

 

 隊長、リーダーという呼称を説明するどこか誇らしげにひと鳴きするクルットリ隊長。

 

 周りのパルモンたちも何となく羨望の眼差しだ。

 

「彼らを引連れ、奴らの拠点を強襲する!」

 

 

 作戦は簡単だ。

 

 奴らが寝静まった頃にクルットリ5匹と先日捕まえたツノガミ1匹を連れて、密猟団の拠点へと接近。

 

 一気に攻撃を仕掛けて拠点をぶっ壊すのだ。

 

 簡単に行くのかって?

 行くんだなこれが。

 

「ちゃららちゃっちゃらー。クルットリのてぶくろーー」

 

 ダミ声を意識しつつ、高らかに取りだしたるは少し分厚めな軍手のような手袋。

 見た目はただの軍手なのだが、これを手につけてクルットリを持ち上げると何故かクルットリはバタつきをやめて、ピタリと固まる。

 そしてクルットリのケツを敵に向けて、嘴を握りしめ、クイッと嘴を引くとそのケツから卵がポーンと射出されるのだ。

 

 そして放物線を描いた卵が地面にぶつかると……大爆発を起こす。

 

 うん、冗談じゃなくマジでそうなるんだ。

 

 頭がおかしくなりそうだけど、そもそもクルットリってひたすら相手に特攻して自爆する名前通り頭の狂ったパルモンなのだから、今更ケツからグレラン卵を発射しても驚かない。

 

 実は次点として「ペンタマランチャー」なる兵器があったのだが、これはペンタマを弾丸として飛ばす少々可哀想な武器。

 

 しかも今の俺では1発ぶちかましたらペンタマは問答無用で戦闘不能。

 

 なら連射も聞くクルットリの方が何倍も使い勝手いい。

 弾切れしたら、最後は本来の戦法で突撃してもらう。最後の最後まで無駄のない狂った戦法だ。

 

 

 

 それを説明するとクルットリチームは『どうだ!?』と言わんばかりに胸を張る。

 対する他のパルモンたちは先程までの羨望の眼差しから憐憫の眼差しになっている。

 

 まあ、クルットリにとって大爆発を起こすのは名誉的な感覚らしいので、当人ならぬ当パル達は満足なので問題は無い。

 

 

「そんな訳で、お前たちには留守の間を頼む。先日戦ったヤツらがお礼参りに来る可能性もあるから、仕事は程々にして防衛に意識を回してくれ」

 

「にゃ」

「ペン!」

「モコ!」

「コケ!」

 

 

 パルモンたちが声を上げる。

 

 出来れば射撃の力のあるクルリスも欲しかったのだが、流石に真夜中では見通しが悪すぎて射撃が生かしきれない。

 なので拠点防衛としてお留守番。

 

 

 

 

「よろしくな、ツノガミ」

 

 サドルを着けた角上に跨り声をかけると、まるで馬のような嘶きで答えた。

 

 

 既に日が落ち始めている中、俺はマップだけを頼りに先日密猟団と交戦した所へと走り出した。

 

 

 駆け抜ける途中、何度か迷子になりかけたが何とか密猟団と交戦した広場に辿り着くと遠目に焚き火の光を発見。

 

 どうやら思ったより拠点は遠くなかったようで、もはや目と鼻の先だった。

 

 ツノガミからおりると、クルットリ隊長と隊員達全てを出して手袋を装着、そして隊長を抱えて構える。

 

「準備はいいか」

「クエ」

 

 任せろとばかりに頷く。

「あ」

 

 嘴がトリガーなのに頷いたら……。

 

 すぽーん、と小気味良い音を立てて放たれる白い玉。

 それは放物線を描いて拠点の中へ……。

 

 

 

 大爆発がおきた。

 

「あー……」

「クエェ……」

 

 互いにどうしようと言った感じである。

 

「いや、切り替えよう! 元々全部ぶっ飛ばすつもりだったんだ! なら、ドンパチバディやるのも一興だ!」

 

 俺がそう言うと、足元で待機していたクルットリ隊員達の目がキラキラして俺を見る。

 

「行くぞクルットリ隊長! 卵が切れるまで連射だ!! お前たちも準備はいいな!?」

「クエェェェェ!!!」

『クエェェェェ!!!』

 

 ぽすん、ぽすん、と音を立てて飛んでいく爆発物。

 そしてリズム良く巻き起こる大爆発。

 

 拠点からワラワラと密猟団が飛び出してくるがお構い無しだ。

 

 そのタイミングで待機していたクルットリ隊員達に号令を出す。

 

「よし、お前たちのど根性の花を咲かせてこい! 大和魂を見せてやれ!!」

『クエェェェェ!!』

 

 地面に下ろすとクルットリはピカピカひかりながら拠点へと突撃して言った。

 

 

「なんだ!?」

「クルットリだ! 近寄らせるな!」

「なんだこいつやらたと避けるぞ!」

「くるなくるなぁ!!」

 

 

 必死に応戦するが、俺が事前に教えた蛇行突撃で翻弄しつつ接近し大爆発。

 

 流石に敵も完全接近はさせなかったようで被害は浅い。

 だが、凌いだと安堵してるところに畳み掛ける。

 

「行くぞクルットリ隊長! 隊員に負けない爆発を見せてみろ!」

「クエェェェェ!!」

 

 同じように卵ランチャーを連射からの突撃爆発を繰り返す。

 大盤振る舞いとばかりにギリギリまで連射を繰り返し、弾切れになったところでクルットリを高らかに投げつける。

 

「たーーーまやーーー!!」

「クエェェェェェェェェェ!!!」

 

 クルットリ隊長の爆発は他隊員立ちを凌ぐ大爆発で、先に起爆して地面に倒れ伏すクルットリ隊員たちもどこか誇らしげに隊長の爆発を眺めるのだった。

 

 

 その結果、拠点は跡形もなく吹き飛び、彼らの消えた後に寂しく残された荷物だけが寂しげに置かれていた。

 

 

 

「撤収!」

 

 回収を終えた俺はツノガミの背中に乗って、来た道戻っていくのだった。

 

 途中、エミリオと遭遇。

「なんかすごい爆発音が聞こえたけど大丈夫だった? 密猟団の方角だったけど、物騒だねぇ」

「ウンソウダネー、アーパルモンガダウンシテルカラ拠点二帰ルネー」

 

 

 というやり取りだけがあった。

 

 

 

 後日、跡地を見に行ったら拠点はすっかり撤去されていた。

 代わりに「謎の爆弾魔出没、注意されたし」という看板が至る所に飾られていた。

 

 俺は熊か何かか。

 

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