六連と榮美里との交友・休日の過ごし方の話(六連サイド)です。
こういうモノローグ的だったり平和だったりなお話の方が多いです。
インターホンが鳴る。
おい、誰か来たぞ、と横で眠る榮美里をゆする。宅配便です、との声に再度ゆするが起きやしない。
しかたない、いくか、と布団を出て服を探す。ちゃんと昨晩はそこに置いた筈なのに、今そこには何も無く。ざっとそこらを確認してもみあたりゃしない。
俺の服どこだよ、との問いにも榮美里は目覚めない。インターホンが響く。このままじゃ帰っちまう。
仕方なくそこらにあった榮美里の服を拝借した。黒い星柄の付いたTシャツに七分丈のズボン───いや、スパッツかな───は昨晩着ていた物とは違う。何時の頃からの物か分からない脱け殻が、そこに落ちていた。
本当、だらしねえなあ。
そう思いながら廊下を進む。視点が安定せずに進み辛い。昨晩の盛り上がりのせいもあるけど、それだけじゃない。こんな感覚を味わうのも久しぶりだ。
インターホンに応え、ドアを開ける。眼の前に居たのは紛れもなく宅配の兄ちゃん。伝票と表札を見比べながら、カガミエミリさんのお宅で間違いありませんよね、と几帳面にも確認をこちらに取ってくる。
───カガミとカガリなんて、偶然にしても面白えじゃねえか。
「『
そう、『よそ行き』の声を作って笑ってみせる。昔はぎこちなかったであろう作り声も、今こうして聞くと案外様になっているような気がする。
まああの頃とは、技巧が違うからな。
幸いにも特別なサインやら本人の確認やらが居るような荷物では無かったらしく、ちょっとした受け取りのやり取りをして、宅配便の兄ちゃんは帰っていった。
こっちのだるそうな感じや首周りの痕に気付いてなきゃいいけどな、気付いてたらどう見られるかなんて分かったもんじゃない、と思ってもしょうがない、しょうもない事を考えながら、俺は中に戻る事にした。
しかし荷物の大きさがこれぐらいでよかった。
両手でひょいと抱えられるだけの段ボール箱。これがもっと大きかったら大変だ。今の俺では持てそうにない。そうなると榮美里を起こすしかないが、そうしたら俺が運ぶのと何ら変わりない事になる。深く眠っていて起きてくれないから、今この状態の俺が表に出て色々やらないといけなくなったんだ。
───ああ、それにしても視点が違うってのはうっとうしいな。
ちょっとした荷物を抱え、廊下を歩きながら思った。
四十センチほど目線が変わるなんて、今まで味わった事が無かった。カズトと出会った後の、十五年前後昔の目線だなこりゃ。
何にしろ今の俺には視点が低すぎて、咄嗟の時には歩き辛い。大きさの合わないでかい服を着ているから、なおさらだ。
何か来てたぞ、だから俺の服どこだよ、いい加減起きてくれないとどうにもならないぞ、となどと言いながら部屋に戻る。
榮美里は相変わらず夢の中、めくれ上がりかけた布団の中ですうすうと安らかな寝息を立てている。服も着ずに裸のまま、何もかも昨晩のままだ。
本来弛緩とも厚い脂肪とも縁の無い筈のその身体は、だらりと寝汚い姿勢と安らか過ぎる寝顔と相俟って、まるでプールべりで寝そべるアザラシか何かの様に思えた。
溜息を付きながらベッドの縁に腰掛け、そっと顔を撫でる。今の俺とは違う、小さな子供の手。それでも、伝えたい気持ちは同じだった。
おはよう。今日もきっと、いい日だぞ。
榮美里というのは、変わった乳の親だ。
本人が「色々出来ない事が多い」、「やれる事も変わっている」と言っていたのは言葉の綾でも何でも無くその通りだったようで、その事実を知る度に驚かされる事が多かった。
まず、榮美里は母乳を出さない。
乳の親といえば、死んだ子を乳で養うものだろう。そう願われた時はどうしてたんだ。
そう聞くと榮美里は他の子に頼んでいた、と答えた。
「様子が他の子と違うのが分かるのか、わたしが居る所に『生きた子への乳をお願いします』と言われる事もあったんだけれどね。そういう時は貰い乳をしていたわ。生きた子供に乳をあげられる他の子や良さそうな牛や馬、あとは、別の村に居る生きた母親」
「わたしがお乳を出す訳じゃないから、頼まれ事の時に貰ったものはほとんどお願いした他の子やら生きた母親やらに渡してたわ。『手数料』として少しはわたしも貰ってたし、牛馬の場合だと食べられない、使えないものもあったから、そういう場合はそれは貰って代わりのものをあげたりもしてたかしら」
また、鏡で子を惑わし、水に引き込むという事もしない。
「『害を成すだけ、乳を与えるだけの乳の親も居るけど、うちの地域の子らは性質が半々』と前に話したけれども、正確にはわたしを除いたうちの地域の子らは、ね。わたしは水に引き込んだりしない。しないんじゃなくて、やれないのよ。やろうとも思わないけれども」
───でも、鏡でどうこう自体は出来るけれどね。
けっこう色々便利なのよ、そう言って、榮美里は髪をかき上げ、イヤリングを見せてきた。
「光を反射出来るものがあれば、わたしはそれを『鏡』と見做せる」
わたしは攻撃の手を持たない、だからその代わりに反射するものは多く持ち歩いている。
ほら、これも、と手渡されたのは化粧品を入れるコンパクトだった。中東風の装飾が施された凝った品で、萌えいずる唐草が渦を巻き表面を細やかに覆っている。
何だか鏡の精でも宿ってそうだな、と思わず漏らした感想に、あら、わたし、ひとり住まいよ、とこれまた思わぬ返答が返って来た。誰も鏡の精との同居の有無なんか聞いちゃいねえよ、と脱線を正し、本筋に戻る。
「やれる事と言えば、そうね、鏡に反射する光で他の子の魅入る力を防ぐことが出来る」
これはあの子の件の時、あなたも見たわよね、と榮美里はこちらに返事を促した。
見たどころの話ではない。あれがなければ、事態は更に悪くなっていたかもしれないのだ。
あの妨害を挟んでくれたお陰で、俺は大本を断つ事が出来た。
子供達も、入ってくる害を軽減され、命を救われた。
だから、と改めて礼を言うと、お礼を言うのはこっちの方よ、と榮美里は制し、自身の話へと戻った。
「他の子、といっても同じ乳の親に限った話。魅入る力を持った他の存在には効かない」
水に引き込むけれども乳を沢山与えてくれもする子に『貰い乳』の時にそれをやって怒られたっけ、と榮美里は思い出を引き出しながら笑った。
「人間に対しては……鏡やらで反射した光で小さく出来るわ」
この『小さく』は縮小の意味では無く、対象者を若返らせる、いや、もっと正確に言うと子供にしてしまう事を指す。これは男女の区別なく行う事が可能で、任意の時まで戻す事も出来る。また、元々人間だった妖怪や神格を若返らせる、子供化させ力を削ぐ、もしくは『かつて人だったもの』だと証明する事も、理論上は可能だという。
───但しそれらが生きた膨大な時を巻き戻すが故に相当な時間が掛かり、実用には向かないらしいのだが。
前に人間に協力しようとした時にこうだったから、戦略には組み込めないって言われたのよね。
───まあしょうがないわ、あの人達の為にある力じゃなし。
そう言って榮美里は伸びをしてみせた。
「誰の為でもない。こうやって生まれ付いただけ」
わたしは赤子の産声や子供のさんざめきを糧とするから、この力に気付いた時はその為のものかと思いもしたけれども、そうじゃない。
元々の赤子や子供と、わたしが手を加えてそうさせたものは全然違う。彼らはちゃんと大人で、糧としてはなり得ない。
───かつての子ら、糧を支える、育ててくれる存在ではあるけれども。
「わたしは『乳の親』よ。この五百年間誰からも違うと示されはしなかったし、違うという証となるようなものも見当たらなかった。自分自身で不思議に思うことがあっても、そうなんだもの」
なあ、本当にお前は乳の親なのか───そんなこちらの質問を先回りして、榮美里は答えた。
聞いた限り、あまりに違うじゃないか、なんて言葉は飲み込まざるを得なかった。
知らない訳が無いのだ、こいつも。
「だから次の五百年も、何も見当たらなかったら、きっとこのまま『乳の親』としてあり続けるでしょうね」
別にややこしい話でもないでしょう?と榮美里は笑って話を締めた。
その笑顔に何だか、胸がつまされる様な思いがした。
ほぼ初対面の時───正確には、『お礼』と称して白昼堂々床に誘われた時───俺はこいつはきっと自分とは相容れない世界の住人だと思った。けれどもどうもそうではなかったようだ。
自分自身の本質を探ってゆく、実に単純で、それでも長い長い道のり。俺たちのよく知る、長い旅。
榮美里もまた、そんな普遍的な物語を歩いていた。
けれども、俺の相容れない世界の要素───『遊びのプロ』という自称も決して間違いでもなく。榮美里は持って生まれたものを自分の快楽に活かしていた。
「こういう趣味だからこんな力を持ったのか、それともこの力を生かすためにこんな趣味になったのか。これはもう分からないわね」
榮美里は男を───人間の男を縮めて、愛でる事を覚えた。
それは主に閨で行われた。意識だけは元のままで主導権を持って行かれていいようにされるのは不本意だが、俺自身だけとのやり取りなのでそこは問題無かった。普段の口振りから、同じ事を数多く、今現在も同時進行でやっているのかもしれないけれども、そこには自分からは触れないで置いた。
時折、榮美里は俺の身体を幼くした上で外に誘った。
外に出ても何ら変わった事はしない。何の変哲も無い買い物だ。近所のスーパーやらケーキ屋に行く程度の、そんなに長い道のりでもない。
同じマンションに住まう奴は、歳が色々違う同じ顔の人間が『複数』出入りしているのをどう思っているのかな、とは行き帰りの時に少し思わないでもないが、気になるのはそれぐらいだ。
───最初の頃は、まさか野外で訳の分からない行為をおっぱじめる気なんじゃないかと気が気じゃなかったけどな。
まさか、それなら俺も全力で抵抗する、なんて思いながら着いて行ったものだ。
一応善良な市民であり、法の遵守にも携わる者だ。それに何をしてはいけないかを知る大人でもある。どの方面から見ても許されない事を仕掛けられ、おめおめとされるがままにされてはいけない。
しかしそう言った事は一切無く、買い物は順調に進んでいった。
お互いに荷物を持って帰る時に手を差し出すと、榮美里はじっと俺の顔と手を見比べていた。何だか分からないわ、といった不思議そうな顔だ。
なあに、と口に出される前に俺は榮美里の手を握った。
なあ、繋いだまま帰らねえか。
そう言った俺の声に一瞬目を丸くして、そうね、それもいいわね、と榮美里は深い笑みを浮かべた。
その後、俺達は夕暮れの中、夕飯の材料を運びながら帰った。
夕焼けに照らされた榮美里の顔はまばゆく、金色に輝くその顔の内に秘めた物、そこに深みが増している様に思えた。
そしてこちらが思う事も、色々あった。
『疑似的な親子ごっこ』、こういう事がしたくて俺をこうして連れ出したんじゃなかったのか───
荷物持ちをさせるなら元の姿のままの方がいいだろうに───
それともやっぱり、外で何かいかがわしい事でも仕掛けようとしてたのか───
───最後の問いには「そうね、それも思いつかなかった」と、まるでやればよかった、俺さえよければやったのに、と言わんばかりの口振りだったので、やめろ、と思わず大声を出してしまった。
そうなったら俺は逃げる、とのこちらの反応に、やだあにげられちゃう、とくすくす笑ってみせた榮美里。
その榮美里に続けて、こう聞いた。
───なあ、お前は、子供に手を出したりしないよな?
基本的な疑問であった。
しないだろうという確信はある。色々な方向からそれは分かる。
だが、頓着しないというのがそこまで及んでいるかもしれないという疑念が無いわけでは無かった。
俺は法の遵守にも携わる者だ。それに何をしてはいけないかを知る大人でもある。
だからもしそうなら、止めなくてはいけない。
「───どうして?」
榮美里はやはり不思議そうな顔でこちらを見ていた。
「そんな痛めつけてしまったらいけないでしょう。心が損なわれてだめになっちゃう」
元々の赤子や子供と、わたしが手を加えてそうさせたものは全然違うと、言わなかったかしら、と榮美里は更に続けた。
「何もかも違うじゃない。わたし、大人の男にしか興味無いわよ」
どうちがうんだ、わからん、とのこちらの物言わぬ問いに反論でもしたのだろうか。
それに縮める相手も選んでいるしね、と付け加え、榮美里はそう断言した。
その様子に、嘘は無い。
───よかった、と、やっぱり、が同時に訪れて、俺は身体から力が抜けるのを感じた。
赤子や子供の声から活力を得ている、との言葉通り、榮美里は子供の傍を通る時などは嬉しそうにしていた。その嬉しそうな顔に媚びもギラギラとした欲は無く、また十分に慈しみを含んだ表情をしていたので、考え過ぎだとは思っていたのだ。
それに、もし子供をどんな形であっても傷つけるような奴なら、カズトが仲良くなろうなんて思う筈は無いよな。
───だって塞ノ神は子供の守護者、子を守る神なんだから。
力の抜けた身体に血が戻るのと同時に、俺は『子供に戻って女の胸で甘える大の男』という構図が何とも間抜けで、しかもそこに自分が含まれている事への体裁の悪さに今更ながら気付いた。
でもそれはお互い了承の上だから。だから、多少妙なやり取りであっても、そこに問題は無いのだ。
なあ、榮美里よう、との声に榮美里が振り返る。
「あれ、気持ちいいけど頻度落としてくれよ」
「主導権握られ過ぎると意識が飛んで、戻った時、身体が上手く動かせるか不安になるんだよ」
俺の言葉を聞いた榮美里は、考えておくわ、と笑って返した。
どう転んでも悪いようにはならんのだろうなと、そう思った。
こんな風変りな乳の親に、俺は交際を申し込み続けている。
呼び付けてどうのやら、部屋に来てどうのするだけやら、元来俺はこういうのに向いていないらしい。いいように弄んでいるようで嫌だと感じる。それが、相手が望んだ事であったとしても。
「だって縛られると、それだけ追い詰められるって事じゃない」
そう榮美里は言った。
曰く、乳の親は死者の念に近く───念そのものかどうかは個体によって違うらしい───加えて、榮美里は戦う術を持たない。だから、警戒に越したことはない。祓いの儀式・呪術・呪術など施した武器だけでなく、人の念も脅威になるやもしれぬと、そう考えているのだ。
「他の子なら対処出来るかもしれないけれども、わたしは違うから」
ほら、人間の情念ってすごいじゃない、と尚も榮美里は話を続けた。
「女の執念、子供の恨み───そういう、こっちを害しそうになる物があるのは嫌だから、付き合う相手は選んでるの」
少なくとも人間なら条件を設けないとね、なんて口振りは楽しいのか楽しくないのか、こちらからは分からない。
「妻やら女が居るのに声を掛けてくる相手はだめ。子の世話をせずに自分の愉しみを探る様なのもだめ。確実に恨みを買うものね」
そう次々と並べられた条件に、そこまでこだわるならもはや普通に『付き合う』という形を取った方が楽なのでは無いかとすら思った。その方が面倒じゃないだろうし、条件全てに当てはまる、フレキシブルに『遊ぶ選択肢を取れる』ような相手は、恋愛やら情の絡む関係以外の恨みを買っていそうな気がしないでもない。
───けれども、理想を追い求めるってのはいいよな。
どんなに手に入りにくかろうが、道が険しかろうが、一心不乱に歩き続け追い求める。それはいつか夢見た秘宝を求める冒険家の様でもあり、何かしらの追求者の様でもあり。
その姿勢そのものを否定する気は無かった。素晴らしいとすら思った。
───ただ、俺の立場と心情的には素直に応援なんて出来ないんだけどな。
そんなこちらの気を知ってか知らずか、榮美里は一生懸命に話し続けていた。
こんな風に『身体だけの関係だ』と明言されてしまったようなものだけれども。それでも俺は榮美里と共に休日を過ごす。
今日は『南欧展』に誘おうと思う。
前に、スペイン・ポルトガル圏っていいわよね、と榮美里は笑っていた。
何だ漠然と広いじゃないか、結構色んな国が入るぞ、と返した覚えがあるが、同時に、ああ、そうなのか、と納得した覚えがある。
榮美里の身に付けている、身の回りの物は、そちらの物が多い。
大ぶりな花柄や眼を引き付ける色合い。オニゲシの様な自身の華やかな容貌にどんな物が似合うのか、よく知っているのだ。
この『南欧展』は色んなものが展示してある。服飾に関するものもあるし、退屈はしないんじゃないか。
それにもし、本格的なデートはしない主義だというんなら遊びのスパイスだと思っておくれ。
別に抱く抱かれるだけが趣味で、休日はもっぱら誰とも何もせずに裸で寝そべっている、なんて事は無いだろう?
───最後のは、大分皮肉の棘を加えてしまったな、と思った。
内容も不適切だ、喫茶店のBGMで紛れていたらいいのに、なんて『ベッドの中のアザラシ』に絡めた発言を、言った傍から後悔して。
そんな俺をさて置いて、榮美里はしばし考えていた。
考えた後、こう答えた。
「いいわ、行きましょう」
「ちょっと気になったのよ。あなたの眼が何を映すのか」
え、と考えが追い付かない俺に、榮美里は更に続けた。
───あなたの眼が何を映すのか。それを見てどんな感情を宿すのか。どう眼を輝かせるのか、それを見たい。
いきなりの、発言だった。
それって、と漏れた言葉は、違う、そういうことじゃないわとの追撃に遮られた。
びっくりした、いきなり熱烈な告白をされたかと思ったぞ、というこちらの言葉に榮美里は、そうじゃない、と更に返し、コーヒーを口にした。
本当にそういう、媚びを含んだアピールをしようと思っていた訳じゃないのだろう、それは分かる。
だってそれにしては表情に緩みの無い、随分真剣な顔をしていたから。
そして『南欧展』当日。すっぽかされるなんて事も無く、榮美里はちゃんと来てくれた。
榮美里は『南欧展』を随分お気に召したようで、興味があるだろうと俺が予想していた服飾だけに限定せず絵画・彫刻・文学・最近の大衆文化やら、色んな物を見た。俺が見ても面白い物もあれば、何だかよく分からない物もあって。一番注目したのがスペイン語に訳された『小石の本』───俺が子供の頃に持っていた絵本だ───で、ラストが違う、小石が世界を旅してる、と妙に楽しくなってはしゃぐ俺に、子供ねえと返してきたり。
宗教的都合で『神社に辿り着く』というラストがイラストそのものから改変になった(そう解説文に記載があった)、スペイン版『小石の本』を土産に抱えた俺がもう一度来よう、と言うと、わたしもそう思ってたの、と返してくれたり。
全体的に、楽しい日だったと思っている。
ここの所、楽しい事ばかり続く。酔い痴れてしまう様な言葉ばかりを貰っている。
ひょっとしたら、「こんなのはじめてなの」的なリップサービスを真に受けて舞い上がっているのかもしれない。
それなら俺は何にも気付けない、大馬鹿者だ。
けれども今は、それでいい。
なあ、榮美里よう。
俺はお前が好きだ。お前とならどんな時だって楽しめる。
だから楽しい物を一緒に見よう。
俺の眼を通してじゃよく分からないかもしれないから、一緒に。
こうして一緒に居る時は楽しい事を沢山し続けよう。
もしかしたら、いつか離れる時が来るかもしれないけど。
───だけど、それは今じゃない。
俺はお前に、楽しい今を感じて欲しいんだ。
やりたい事は沢山ある。伝えたい想いも沢山ある。まだまだやり終えてはいない。
───だから今は、これでいい。
はやくきてー、と俺を呼ぶ緩い声が前から聞こえた。
ちょっとした密やかな決意。それを胸にしまいつつ返事をしながら、俺は歩いた。
六連と榮美里との交友・休日の過ごし方の話(&榮美里の能力の長々とした解説)です。
言っている事&方向性やらは若干おかしいものの六連は色々真剣&重く受け止め考えているようです。
悪い事は出来ないし色々と弄んだりはしない奴だけれども、いっそそっちのが相手側にとっては楽かもしれない。(単純に酷い奴だと諦めも付くし心情的にも逃げやすい)
榮美里はゆるーく人間側に付いています。
産声やら子供のさんざめく声やらに含まれる生気を糧としているので、糧を得る・守るには子供らを地道に保護するしかなく、直接的・間接的に人間の誕生・育成に関わる存在=全ての人間に敵対する意味が無い(そんな事したら最終的に自分の首を絞めるだけだし理由も無い)ので。
人間は好きだけど多大な愛やら慈しみがある訳じゃない、と当人は認識している。(但し他者からの眼からはどうだとか、その自認が100%正しいかと言えば……?)
加賀美 榮美里(カガミ エミリ)というのは偽名です。鏡を使う特殊能力持ちなのでこれ。
(名前はともかく名字は後付け)
今回は違いましたが場合によっては『鏡』一文字の姓を名乗る事もあります。
Q.『縮める』・『小さくする』ってなんなん?
A.疑似おねショタという事です。(記憶やら精神は後退しない)
成人同士の同意の上とはいえ特殊なのには変わりない。
加えて、縮めると身体能力その他は相応の物になる・榮美里が意識を失おうが効果は継続される(榮美里が解除しない限りそのまま)なので、相手方にとっては実はかなりリスキーな行為でもあります。
今回の話は特殊行為についてでしたがいつもその形態で動いている訳ではありません。
(六連の中身は昔から変わらんぞとかは置いておいて)六連と榮美里は大人の男女の一対一でやり取りしている事の方が多いです。
この小説にどのような描写を求めていますか。
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アクション・動きのある描写
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独白に近い心理描写
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登場人物同士の交流描写
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ぼかしている部分の明示
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R18描写(性的な描写)
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R18G描写(グロテスクな描写)