「ごちそうさまでした」
「美味しかった?」
「とっても」
食卓に並べられた器を全て空にする。いつぞやの日から5年が経過していた。この5年間、そもそも男子が大切にされあまり外出しない事、魔道具のこともあり、両親が心配しているようなことはなく平和な日々が続いていた。異世界に来て5年、来た当初より様々な事が分かってきた。
まずはヒューマノイド王国について。名の通り人間が収めている国でヒューリア大陸のリントヴルム龍帝国とガレリア獣王国とで三つ巴になるようにして存在する。特徴としては治安が良い事が上げられる。因みに2国は実力主義で地球でいう軍事国家みたいなスタンスをとっているようだ。
次に家族、母親がエリスで父親リヒトというのは言うまでもない。現在は2人で食堂を営んでいるが、エリスは元冒険者、リヒトは典型的な箱入り息子だったらしい。因みに2人の出会いはリヒトが好奇心から1人で出かけていた時、あまりよろしくないナンパに絡まれているところをエリスが武力で助けたと聞く。そこまで聞けば良いのだが助けたリヒトを見て一目惚れ、今度は自分がナンパしてお礼として一緒にご飯とか要求して仲良くなっていったらしい…母さん…
リサとの出会いとしてはエリスが冒険者の時、ダンジョンでリサのパーティが彼女を残して全滅しピンチなとこを助けたとさ。んでリサがお礼をしたいと言ったらエリスがリヒトのために万が一にも死ぬわけにはいかないから冒険者をやめて食堂を開こうとしているから開店したら手伝ってくれという流れだ。手伝いは最初だけでよかったんだがリサのパーティはもういないことや単純にお互いに居心地が良かったらしくそのまま落ち着いている。
そしてもう2人新しい家族(2人とも妹)ができた。名前をミカとシノンという。ミカがリヒトとエリスの、シノンがリヒトとリサの娘となっている。ミカはエリスのピンク髪をやや薄くした髪に黄緑の瞳、シノンはリヒトそっくりの金髪にリサと同等かそれ以上の真っ赤な灼眼を宿している。まだ3歳に満たないくらいなのだがかわいい。
リサの話に出てきたダンジョンというのは簡単に言うと異空間みたいなものだ。外から見るとただの小さい洞窟なのに中は大きい森の空間が広がっていたりとダンジョンの外と中とでは全く空間が生成されている。中にはモンスターがいてそれを狩ることでドロップ品を持ち帰ったり、宝箱からアイテムや財宝が入手出来たりする。ダンジョンは国の経済になるのでこれが国境付近とかにできると戦争の種にもなる。
ダンジョンでモンスターからドロップした物は様々な物に加工できる。ドロップ品はモンスターにより性質が異なり、例えば魔力をよく通す、通さない、特定の属性だけ通す、辺りが暗くなると光るとか様々だ。それらの性質を上手く利用し作られた物を魔道具という。魔道具の恩恵は大きく、街頭やクーラー、コンロなど枚挙に遑がない。魔力により色が変わる魔道具で俺の髪や瞳も変えていて、これで外出出来ていると思うと頭が上がらない。
他にも分かったことはあるのだが思い出すと長くなる。これらの話は普通に家族や護衛と喋って、あるいは図書館で調べるなりして分かったのだが当然全部が分かるはずもなく分からない事も存在する。
まずは異種族についてヒューマノイド王国にも異種族はいるにはいると聞いたのだが俺はまだ見たことがない。単純にこの国にいる数が少ないらしく、俺自身箱入り息子なことも相まって余計に会えなくなっているようだ。見てみたい気持ちはある。
あとリヒトの模様について、俺がもっと小さかった頃風呂には家族に入れて貰っていた。エリスやリサはまぁ普通に大きいということ以外、イメージ通りの女性なのだがリヒトには体に、具体的に言うとへその下の下腹部に何かエリス髪色と同じ色のハートみたいな紋章があったのだ。前世の知識というか、そういう目的で読んだ漫画に淫紋のやつがありそれみたいだなと思うが実際は何なのか分からない。図書館で調べるも俺の調べ方が悪いのかそもそもそれを記した本がないのかは分からないがまだ全部の本を読んだ訳じゃないのでまた地道に探して見ようと思う。
魔力と聖力もよく分かっていない。いや知識としては転生の際に読んだ本もあってある程度は知っているのだが…。理由としては俺がまだ聖力を使えないというのがある。エリスやリサは女性故に魔力を扱えるため指先からちょっとした炎や水をだし家事をしているのを見たことがあるし、リヒトにしてもコンロとかの魔道具を聖力で起動させているものを見たことがある。ただ俺は使えていない。ただ、理由はハッキリしていて未だ体が成長していない。ただそれだけだそうだ。6歳辺りから使えるらしい。そのためこの世界では6歳から10歳まで第1学校に行きそこで一般常識はもちろん。魔力(聖力)の使い方及び個人の保有魔力からなれる職業について理解を深めそれぞれの道を行くらしい。んで11歳から15歳まで第2学校に行くらしい。話がそれた。
あと分からないことは…性欲についてだ。俺は前世で普通にオナニーとかしてた人間だ。だかこの世界に来てからと言うものめっきりそう言うのはしてない。単純に体がまだ射精とか性欲うんぬんまで成長してないのか。はたまた貞操観念逆転した男というものに精神が引っ張られているのか良くわからない。だが今の所は体が出来てないのかなと勝手に思っている。理由は護衛だ。騎士隊から護衛が定期的に変わってくるのだが見知った人(カヤ)もいれば知らない人もいる。そんな人と普通に喋っていたりしたらリヒトに「良く喋れるね、僕がルカ位小さかった頃なんて母親やお姉ちゃんとしか怖くて喋れなかったのに」みたいな事を言われた事がある。俺は別に女の人を怖いと思わないし護衛の人に頭を撫でられたりすると普通に嬉しい。よって精神が引っ張られるのは薄いとみている。
今日も別にする事がないので護衛と図書館にでも行こうかなと思うが。正直何回も行っているので飽きている。退屈しのぎや俺もあと1年で学校という事もあり提案してみても良いだろう。
「母さん、お願いがあるのですが僕に…○○○をさせて貰えませんか?」
どうも虚飾縫合です。
本文で書ききれなかった5年でルカが分かった事に着いて少し足したり補足したりしておきます。結構長いです。
貴族位…地球の様な公爵とかそういうものはなく。数字で呼んでいる。1(ファースト)から7(セブンス)まで存在し、1が1番位が高い。因みにルカが会った中で1番偉い人は当たり前だがフランを始め、玉座の間の人たちだがそれ以外だとドットレー市のレナ・ドットレー2(セカンド)になる。
ドットレー市…ヒューマノイド市の隣(と言っても移動は馬車で結構かかる)に位置する都市。ヒューマノイド王国らしく治安が良い。またヒューマノイド市が近くにあることからも人の往来が多く割と栄えている。治安がいい事と人の往来が多い事から商人が目をつけるのはもちろんの事で人間以外にも隣国の商人が結構来たりする(ルカは会えてないが)。
第2学校…なりたい職業に対して行く所が変わる学校。特殊な職業(騎士団とか)について深く学べるものもあれば、まだ決めきれなかったものや一般職(市役所職員)のためのものもある。地球で言う大学とか専門学校のようなもの。もちろん希望すれば誰でも入れるものではない。学校によって学力は差があるし何より魔力がある。騎士隊を例に上げると騎士隊に入るには最低量の魔力を満たして居ないとそもそも入れない。また最低量付近だと入れても裏方とか事務とかのサポートに回される。もしバリバリの戦闘員になりたいならもっと魔力量は要求される。だから実はルカの護衛は結構すごい。
冒険者…ダンジョンへ行きモンスターを狩るものもいればそれ以外にも荷物運びとかをやっている者様々。ダサく言うと何でも屋。ギルドに行って登録すれば魔力が少なくてもなれる。等級が存在し貴族にならい、一等級から7等級まで存在する。そしてそれに属さない特級もある。基本的に誰でもなれるので素行の悪い者もワケありの者も一定数おり敬遠する人もいる。ただし好きな時に依頼を受けたり、規律に縛られない、実力、名前によって依頼料が変わるなど見方によってはメリットがあるのも事実であるから冒険者になるものもいる(エリス、リサがそう)。等級は玉石混合する冒険者共通する数少ない基準で実力主義なこの界隈では大切なもの。等級が高く素行も別に悪くなければ指名依頼が入ることもしばしばあるし、別に等級が高くなくても人への対応が丁寧だったり継続的に依頼をこなしたりすることである程度は等級があがるので素行を意識している人もいるとかいないとか。
展開が遅いですがちょっとずつ進んで行きます。首をながーーくして待ってくだい。それでは良ければ5話で会いましょうでは。