「手伝い?」
「はい、店の手伝いです。」
「じゃあ僕と一緒に野菜切るのとか手伝ってみる?」
「いえ、調理の手伝いじゃなくて宣伝をやってみたいんです。それを色を変える魔道具なしで」
「それは…」
「え…」
2人は呆然と固まる。2人以外にも護衛の人も同じような反応をする。
「なぜそんな事を思うのです?」
2人を他所にリサが聞いてくる。
「男である僕が宣伝をすれば目新しさから客も増えると思ったからです…というのは建前で本音は外出時に毎回毎回誰かに魔道具を使って色を変えるのも面倒じゃないですか。だからここらで原初なこと明かしても良いと思うんですよね」
「見ず知らずの女の人が怖くないのかい?」
「特には」
「下手したら攫われるかもしれないんだよ?」
「ここはヒューマノイド王国のドットレー市です。治安はいいし護衛がいます。それに裏道とかならまだしも大通りですし大丈夫かと。ダメでしょうか?」
「うーん…あまり子どもらしいワガママ言わなかったけどこれは…」
エリスはやや難しい顔をする。やっぱり無理なのか。
「僕はいいと思うよ?」
「リヒト?」
「僕は昔というか今も人見知りだけどルカはそうじゃない。もし女の人とも無理なく関われるならそうなって欲しいと思ってる。そうは思わない?」
「…リサは?」
「本人がいいなら別にいいと思います」
「そう…護衛の方は?」
「護衛の観点から言うともちろんリスクは増えます。ただ外に出たいという1人の男の子を守れなくて騎士を名乗るような者はこの国にはいません。心配の気持ちも分かりますがここは任せて欲しいです」
「はぁ…それもそっか。分かったわ、ルカの宣伝を許可します。ただ3日くらい待ってほしいの」
「なぜ?」
「どうせ店員として働くなら制服がいるでしょ?作ったげる」
「ありがとうございます!」
いけると思わなかったし、いったとしてももっと時間がかかると思ってた。流れを作ってくれた父さん様々だ。
3日後
「ごちそうさまでした」
「はい」
朝食を食べ終わる。あれから3日たちそろそろ制服が出来る日だ。外出と言えば髪と目を変えて、しかも家と図書館、たまに買い物の手伝いで来る売店を最短で往復するだけだったので柄にもなくソワソワしてしまう。そんな様子をエリスが見て微笑んで席を外す。戻ってくる時には制服を手に取っていた。因みに食堂の制服は男女ともに帽子とコックコート、腰から下のエプロンである。それらを受け取り場を移し着替える。
「どうですか?」
「客が寄ること間違いなしね」
「似合ってるよ」
「いい…」
「私が守るよ」
「……」頭なでなで
きちんと着こなせているか聞きたかったのだが…まぁエリスから護衛まで皆反応は様々だが好感触なようだ。開店時間までまだあるが着替えるのも面倒だしこのままでいいか。
そしてついに開店時間になる。店を出た俺に気づく人もいてその人たちはみな驚いている。俺はそんな人たちを他所に道行く人に聞こえる声で言う。
「いらっしゃいませー!エリス食堂どうですか~?おいしいですよ~」
大通りに元気な男の子の声が響いた。