こちら6話の別視点になります。
「はぁ…疲れた~」
「腹が減ったな」
昼時をやや過ぎた時間帯にそう言って大通りを歩く人物が2人。会話の内容は別に普通だが2人には周りの女性にはない特徴がある。頭に生えた耳、腰から生えた尻尾があるのだ。この世界ではそのような人達は獣人と呼ばれている。
「もぉー、リタがごねたせいでこんな時間じゃん。これじゃあ獣王国に帰るのは遅くなるじゃない」
「そう言うなアル、おかげで有意義な取引が出来ただろ。私達商人は利益が最優先だ」
「まぁそうだけど」
どうやら2人は商人らしい。そしてつい先程取引があり片方の獣人(グレーの方)が実のある取引のため交渉を長引かせていたようだ。
「それで、何食べるんだ?」
「んー迷い中。お腹減ってるけどなんでも良いって訳じゃないし…」
2人は手頃な店を探しながら大通りを歩く。2人が歩く通りは大きな都市という事もあり多くの人とすれ違っていく。獣人は獣の種族によるが全体的に耳が良いと言う特徴がある。他愛もない会話が聞こえる中、ふとすれ違った2人組が聞き捨てならない会話をしていた。
「いやーホントに可愛いかったよねあの子」
「まさかこの時代に原初の男の子が見れて手も繋げるなんて」
「しかも初対面なのにあの笑顔!思わずこっちも笑顔になっちゃう」
「アンタの笑顔気味悪くて護衛の人すごい警戒してたけどね」
足を止め、顔を見合わせる2人。会話の内容が己の聞き間違いじゃないかと確認する。
「今の聞いた?」
「…原初と言っていたな」
「他にも何か色々言ってたわよね」
「ああ…どれもにわかには信じがたいが…」
「聞いてみよっか」
「本当にそんな子がいるとは思えないがな…」
「そーね。でも仮にそんな子がいたとして、見逃すのは単なる個人の私的にも商人兼絵描きの私としても痛いわ」
「それもそうか、確認するだけはタダだし行くとしよう」
2人は振り返り先程すれ違った2人組に近づいていく。
「少し良いだろうか?」
「持ち帰りたかっ…?はい?どうしました?」
「先程原初の男の子がどうとか言ってなかったか?それについて少し聞きたくてな」
「場所とか教えてくれない?」
「あぁそう言う事ですか。場所はこの通りを進んだ先にエリス食堂って言う店があるんですよ。多分通ってる人全員その子ガン見してるからすぐ分かります。んで、そこで宣伝してるんですよね」
「しかも笑顔で手まで繋いで案内してくれるんですよ!あんなの一生1度くるかどうかのチャンスですよ!」
「なるほど助かる」
「ありがとね」
そう言って別れエリス食堂なる店へ向かって歩を進める。2人の足取りはまだ済ませてない昼食をとるためかはたまた男の子を見るためか早いものであった。そして歩いていると通行人が明らかにどこか1点を見ていると気づく。この辺りが件の場所なのだろう2人は通行人の視線の先を見る。するとそこには黒髪黒目の小さい男の子が佇んでおり、その子もまたこちらを見ていた。少しの間目があっているとその子がこちらに歩み寄ってきた。
「あの、お腹すいてませんか?良ければエリス食堂でいかがですか?」
「まさか本当にいるとは…」
「これは確かにチャンスだわ…」
「?何か言いました?」
「なんでもない、こっちの話だ。えっと…ご飯だったね。そうだね昼ご飯も食べてないし頂こうかな」
「ありがとうございます!では」
そう言って笑顔で手を出す男の子、2人が手を握ったのを確認した後歩き出す。
(ホントにこんな無防備な子がいるのか…だがこれは…素晴らしいな)
(ッ…なかなかクルものがあるわねコレ)
2人の思いなぞつゆ知らず案内する男の子は案内した後戻って行った。席につき注文を済ませ料理が来るのを待つ間に2人は話す。
「…なんだあれは」
「私に聞かれてもかわいいってことしか分かんないわよ。むしろこっちが聞きたいわ」
「そうだな…にしても…」
「かわいかったわね…」
「あぁ…笑顔が良い」
「手もちっさくて男の子手って感じ」
料理が来るまで似たような事を延々と話していた。やがて料理が来て食べ終える2人。料理が来る前よりもやや真剣な面持ちで話し出す。
「どうだ?描けそうか?」
「描けはするけどあの子の魅力は十全には描けないでしょうね」
「アレを完全に伝えるのは不可能だろう、かわいすぎる。1部でも魅力を描ければいい。元があんなにいいんだ絵の魅力が元の1部だろうと全部だろうと売れるぞ」
「それなら大丈夫よ」
「よしそうと決まればさっさと国に帰って描くとしよう」
そう言って2人は代金を払い店を出ていった。
どうも虚飾縫合です。以下は内容には関係ないのでとばしてもらっても大丈夫です。
前書きもあった通りこちらは6話の別視点になります。それで今話のサブタイトル少し迷ったんですよね。迷った内容としてはそのまま7話にするか、6話の別視点ということで6話Bとでもするかと言った具合です。んで、Bとかつけ出すと今後また別視点とかを書いったとすると次第に小説の話数と投稿数のズレが大きくなって今何話まで書いたっけってなるのが想像出来たので7話にしました。
そしてサブタイトルでもう1つ悩んでいるのがあるんですよね。単純に話数だけでいくか、題名をつけるかというので悩んでます。
作者にとって前者は単純に題名考えなくていい、後者は題名つける練習になる。投稿日にちが空いたり読み返したりする際にタイトルを見るとどの話がどんな内容をどこまで書いたか大まかに思い出せるといった良さがそれぞれあると思ってます。今は初めが話数だけだったので話数だけですがもし読者の皆様が題名が欲しい等の要望があれば言ってください。できる限りではありますがお応えしようと思います。もちろん感想や質問も受け付けております。
長くなりましたね、この辺で失礼したいと思います。良ければ8話でお会いしましょう。では。