蚕の悪魔がハズビンホテルに泊まったり泊まらなかったり 作:Bookmarklet
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8話
〔料理を、始めようか〕とフロイラインは普段は整っている顔を狂った三日月の様な笑顔をこちらに向けた。
《えぇ、始めましょうかジェーンドウ自慢の逸品を作りあげましょう?》
そうね、今日は沢山作って沢山食べましょう。そう言ってキャリーケースに手を伸ばし1人目の犠牲者を取り出すが、ピクリとも動かない。
殺してしまったかしら?手を首に当てると良かったちゃんと生きている、多分私の羽が当たった時に粉を吸い込んだのだろう運が良い子だ。
《あら、寝ているのね丁度良いわ。》
シスがバスタブに向けて指を指すと仔羊がバスタブの上に逆さまで吊るされた、丁寧に真下にバケツまで用意してある魔法って便利。今回は取り敢えずブーダンノワールを作ろうと思っていたので血液が集めやすいのは凄く助かる、起きる前にさっさと解体してしまいましょ。頭を抑えて人差し指で頸動脈目掛けて首をサッとなぞり息の根を止める、声を出して欲しくないからついでに声帯まで切り落とす。
肉が眼を見開きカヒュッと音を立てて血が流れ出す、五月蝿くなる前に頭を捻り落とす。
身体を軽く腕4本を使って摩ってあげる
《あら、お肉ちゃんに最後の情けかしら?》
いや、血抜きだよ。
こうすると血抜きが上手くいくんだ。
シスはフロラインの芯と、手元が全くがブレないのに心を惹かれていた。
上級悪魔でもないのにこの子は殺しに対して気品があるのよね、私は地獄に落ちてから時間をかけて手に入れたのに。
フロラインは既に持ってる、器と言うかなんと言うか少し哀しくなるものね。
シス手伝って、内臓を分けたいの
《OK、何がいる?何がいらない?》
えっと、心臓と胃と肝臓と子宮と小腸を少し、私は肉をブロック分けするから。
その間に分けたものを良く揉んで洗って血抜きをよろしくね、終わったら心臓を軽くオヤツにしましょう。
黙々と関節を外してもぎり、上半身と下半身に軽く分ける。
上半身は大雑把に食べる部分は腕、肋、背中位か。
下半身はもも肉だけ取って他は面倒だからまる噛じりしよ。
さて皮を剥ぐ作業だが、毛が残ると口当たりが悪くなるから丁寧に丁寧に途中でちぎれないように関節部分を気にかけて…特に美味しいモモ部分は大事だから集中して作業にあたる。
今シスは心臓の血抜きが終わったみたいで小腸をホースみたいに水を通して洗っている、小腸は時間が掛かるからね。
さてさて足肉をステーキ用にモモ肉バラ肉に分けて手のかかる肋を
蜂蜜、オリーブの実、自家製ハーブ、胡椒の実を使った特製マリネ液に漬ける、次は目と指をハーブと一緒に酢漬けするのと頭から脳を取りだして炙りとグレイビーソースで煮る。
ぐるるぅ…
《プッ、フロイラインは食欲には勝てないのねぇ〜》
シスはニッコニコで心臓を捌いている。
あー、もう無理かもしれない、無心で作ってるつもりがお腹がなりすぎて恥ずかしい。
シスが捌いた心臓を1口横取りする、あぁ美味しい。体を鍛えてたのかな良く弾力もあってこのふわっとした雑味と血の味が堪らない!!
《お行儀が悪いわねぇ、もう私も我慢してたのに》
シスも手にして口に放り込む。
《豚にしては柔らかすぎるし、牛にしては味が違うわね…やっぱり味が独特ね〜》そこがいいんだけど、と独り言を呟いてる。
《あっ、そういえばブーダンノワールって言うのはどうやって作るの?》