現地人でモモンガを名乗るタイプの転生者 作:圓上あゆむ
リ・エスティーゼ王国カルネ村。
エ・ランテル北東、トブの大森林を背にした辺境の穏やかな開拓村で大森林で取れる薬草が特産品…。
そんな何処にでもあるような農村に賊が入り込んだ…ただの賊ではない…鋼鉄の鎧を着込んだ帝国騎士だ。
たまたま滞在していた商人の護衛の冒険者が数人…必死の避難誘導も虚しく逃げ遅れた数人の村人が凶刃に倒れる。
「村長の家へ逃げ込め!そこからは俺達が何とかする!」
「ありがとう!気を付けて!」
「礼はいい!急げ!」
村人は手を取り助け合いながら騎士から逃れ大半は村長の家へ集まった…だがそこを守る冒険者はたった5名…。
村長の家の入り口に立つ大柄な冒険者が指示を飛ばしながら騎士を蹴散らす。
しかし他の冒険者は2人1組で必死に抵抗しているが拮抗しているようで段々と追い詰められ傷が増えている…。
リーダー格の大柄な冒険者が雄叫びを上げる。
「〈要塞〉!〈斬撃〉!」
「中々やるが…何時まで持ち堪えられるかな?」
「囲め!多少強くともコイツは1人だ!」
帝国騎士たちは巧みな連携をしていき…個人間の力量の差を埋めていく…。
そして分断された他の冒険者たちは…。
「ぐあああっ」
「ぎゃああっ」
「お前ら!邪魔な冒険者どもをさっさと殺してこっちに集まれ!1人以外は大したことはねえぞ!」
「くそっ!お前ら踏ん張れ!こっちが片付いたら俺が助けに行…く…ぬぅっ…」
大柄な冒険者がなけなしの気力で発破をかける…が既に2人がやられ残り3人…絶体絶命だ…。
「ほう!まだ足掻くか…お強い冒険者様でも多勢に無勢…たった1人で何時までもつかな?」
「くそがあああああ!〈斬撃〉!〈斬撃〉!」
「ほーら頑張れ…お仲間は限界だぞ?」
「ひいいい止め!ぐあああ!」「ぎゃああああ!」
「はははは!どんどん消えていくぞ!さっさとお前も諦めて死ね!」
「くそおおおおお!ぐっ!ぐぎゃ」
守るべきもののため己の全てを賭けた漢の叫び声、そして…断末魔…。この村の運命が確定したかに見えた…その時。
冒険者が守っていた扉が開け放たれ中年の太った男性が出てきた…巻物を複数手にしている…。
「お?何だ商人?自慢の護衛は全滅したぞ?」
「金品を貢いで自分だけでも命乞いでもして助かるつもりか?」
「ぎゃはははは」
帝国騎士たちは下品に嗤う。最初から皆殺しにするつもりであるのだろう…足掻く商人を小馬鹿にして嘲り笑う。
「私は確かに金に汚い商人だとも……だが1人の人間として恩義ある村を売るような汚い真似はしないと決めているのだよ!」
手に持つ巻物を即座に帝国騎士へ向け広げる。
「〈
「魔法だとっ!?ぐあ!」
「スクロールだ!大した数は無いはずだ!直接ぶっ叩け!」
衝撃波が騎士を吹き飛ばす雷の槍が騎士に走っていく…双方が単体の対象への攻撃ではあるが第2位階魔法…帝国騎士を怯ませるには十分過ぎる魔法だ。
勿論大変高価だ…そうそう数を揃えられる代物でもない…。
「オオオアァァァァァァァ!!!」
「〈
「ぐあっ!」
「攻撃が止まった!スクロールが終わったぞ!ぶっ殺せ!」
そして一時的な攻勢も終わった…商人は冒険者の亡骸からボロボロの盾を引っ張り出し両手で不慣れな手付きで構える…。
「ここまでかー」
「死ねぇ!」
とその時。
「オオオアァァァァァァァ!!!」
帝国騎士が叫んだ直後…全く別種の劈くような咆哮が聞こえる。
肌があわ立つような叫び声…殺気が撒き散らされビリビリ空気が振動している。
そこに黒い絶望が現れた。
巨大な大盾を持つ巨体な死霊の騎士…波打った長剣を一度振る…外周を取り囲んでいた帝国騎士が木端のごとく吹き飛ばされていく…。
そしてそのまま村長の家の前まで剣を振りながら走って向かってきて……反転した。
生者を恨むアンデッドは見境なく人間を襲うはずだが…冒険者を背にし…まるで村民を守るかのように…。
「あ…ああ……み…味方ですかな?…ありがとう…助かりましたぞ…死霊の騎士殿…」
死霊の騎士が軽く頷く。
あっという間に周囲の騎士を狩り尽くした。
逃げ惑う騎士たちを死霊の騎士が追撃して惨殺し始める。
薙ぎ払う剣は草刈りのように障害がないかのごとく鎧ごと人間の騎士の命を刈り取っていく。
そしてあっという間に残り数人まで追い詰めた…その時声が響く。
「デスナイトよ、そこまでだ」
そこに現れる死霊の主。
仮面を被る漆黒の豪華なローブをはためかせた男とフルプレートアーマーを着た女が現れた…。
死霊の騎士の手が止まる。
「はじめまして諸君…私の名は…アインズ・ウール・ゴウン」
圧倒的強者の出現…戦闘での立場が捕食者から被食者へ…強者から弱者への転落だ…。
騎士たちは直ぐ様剣を捨て降参した…。
戦闘は終わり犠牲者の遺体を集めた…村人5人冒険者5人の犠牲者が出た。
戦闘の規模としてはかなり少数の犠牲で済んだとも言える。
村人たちは悲しみながらも感謝を述べる…。
仮面の魔術師へ…。
村長が代表して感謝を伝え仮面の魔術師はそれを気持ちを受け取る。
そして報酬の話となると…村長宅へ入っていった。
「…なんじゃそりゃ」
「っ!ど…どうかされましたか」
「あ…こちらの話です。すいません…」
「詳細をお知りになりたいのなら…外で埋葬作業を手伝っている商人に聞いてみるとより分かると思いますが…」
「商人か…なるほど…」
仮面の魔術師は鎧の女戦士を伴い商人の元へ訪れた。
「アインズ・ウール・ゴウン様…この度はこのカルネ村を救っていただき誠にありがとうございます。我々だけでは押し切られ村人諸共皆殺しにされていたことでしょう」
「いえいえ…とんでもない。貴方がたの決死の抵抗がなければ私の援護も間に合わなかった…誇るべきですよ」
「いえいえこの村を救った決定打はアインズ・ウール・ゴウン様で私はそんな」
「いやいや」
「いやいや」
2人は顔を見合わせた。
「ははっ」
「はははっ」
「このような問答をしても仕方ありませんな…改めて…私の名前はモモンガ。しがない商人でございます。」
「なっ!何をっ!この下等生b」
「よせっ…アルベドっ…」
商人の名前を聞いた瞬間…側に無言で控えていた女戦士が武器を取り出す…が魔術師がそれを止める…。
「…?…なるほど…申し訳ありません、奥方様。私のような卑賤な農民の出でありながらこのような素晴らしいローブをお召になれる貴きお方と対等かのようにお話を…」
「そういう訳ではありません…安心して下さい…我々は対等の立場ですよ…。気持ちは分かるが落ち着けアルベド………一言……も…モモンガ…さんに謝罪を…」
「なっ…モモンガ様っ…私にとってモモンガ様は貴方様だけです…」
「私はアインズ・ウール・ゴウンだ…丁度いい機会だ…モモンガはこの商人…私はアインズ・ウール・ゴウンだ…分かったかアルベド」
「そんな…モモンガ様…」
「アインズ・ウール・ゴウンだ…これからこの商人に世話になるかもしれない…気を付けるんだ…この人間がモモンガだぞ…分かったな」
「そのー…大丈夫ですかな奥方様は?アインズ・ウール・ゴウン様」
「問題ない。心配をかけて申し訳ないモモンガ殿…。…この娘の亡くなった恩人に似た名前の者がいたのだ……」
「何をっ!モm」
「アルベド…」
「……くっ…。……武器を向けてすまなかったわ……も……モモンガ…殿…」
「いえいえ…こちらこそすみません…アルベド様」
「……」
「申し訳なかったモモンガ殿……。すまないが本題に戻らせていただきましょう…。ここの周辺国家の情報と金銭の価値…様々な情報を貴方に伺いたかったのだ」
「なるほど…お安い御用ですぞ。アインズ・ウール・ゴウン様」
「これからはアインズで結構…我々は対等なのだから」
「ありがとうございまする、アインズ様…。では何なりとお聞きくだされ」
「そうだな…まずは…」
仮面の魔術師、アインズ・ウール・ゴウンは致命的なミスをした…。
たかが名前…されど名前…。
決して書き換えられない設定という魂に刻まれた文字は…確かにアルベドの精神を狂わせ始める…。
「モモンガ様…いえアインズ・ウール・ゴウン様…いや…モモンガ様…お慕いしてるのはアインズ・ウール・ゴウン様であって…あれではないのよ…あの人間は…モモンガじゃない…いえ命令は絶対で……あのモモンガとモモンガ様は別で……でもモモンガ様は…アインズ・ウール・ゴウン様で…あの下等生物がモモンガ様で…うぅぅう…ぅうううううううぅ」
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酒タバコ三昧だった俺は不摂生が祟って病気……ではなく泥酔して帰宅した後に玄関で倒れ伏し寝ゲロで窒息……あっさり死んだ。
享年25歳。
気が付けば中世っぽい異世界に転生していた。
最初は喜んだ。俺は特別な存在なんだと、久しく少年期に忘れて去っていた思い違いを再発させた…。
きっと俺もチートがあって無双して成り上がって行く行くは美女を並べてハーレムなんて…。
がそんな物は一瞬で消え去った。
中世っぽい剣と魔法の世界ではあったのだが普通に暗黒時代してた。
搾り取ることしかしない傲慢な貴族と一方的に蹂躙されるしか無い農民たち…。
終わってる…。
農家の5男坊として生まれた俺は更に過酷で食うに困りに困った。
名前さえ呼ばれないため本名さえ知らずに…おい!やら…お前!から始まる過酷な労働…。
中世よりも遥かに富んだ世界で貴族よりも豪華で恵まれた環境で生きてきた俺には苦痛なことしかなかった。
もう嫌だ。
このままじゃ死んでしまう。
せっかく転生したのに。
せめて今世ではもっと自由にもっと勝手にもっと縛られずに生きたい!
そう考えて冒険者とかいうド定番の職業に就こうと7歳で何とか地獄のような農村を飛び出てきた。
…のだが…辿り着いた街のギルドで恐ろしいことを聞いてしまった。
「え?もう一回お願いします、ここなんて国なんですか?」
「何度も言わせんなクソガキ。リ・エスティーゼ王国だよ。リ・エスティーゼ王国」
俺、オバロ世界に転生したらしい。
しかもよりにもよってリ・エスティーゼ王国の農民に…終わった。
クソゲーオブクソゲーやん!お家に返して!
あ、いやいや農村の方ではないですはい現代の方でお願いします。
てか…え、詰んでね?
確か現地人ってレベルキャップが生まれながらに決まってるとかいう設定なかった?
スレイン法国のプレイヤーの血を引いてる連中ならまだやりようはあった。
せめてバハルス帝国なら実力さえあれば成り上がれるし例え出世出来なくても滅亡する王国と比べれば遥かにマシ。
しかしここはリ・エスティーゼ王国…。
なんでや!俺が何をしたと言うんだ…何も悪いことはやってなかったじゃないか……まあ良いこともしてこなかったけど。
……今そんなことを考えても仕方がないとにかくどうにかして生きて行かなければ…。
冒険者になって出世した後にカルネ村でのんびり暮らすぞー!
ギルド周辺で聞き込みをしていくと…この街はエ・ランテルの近くらしい……ツイてるー!むしろSSRやんけ!神様ありがとー!
そんで時代的にはバルブロ王子が生まれたばかり…原作開始の30年くらい前っすね。
原作開始した頃には俺は…今は7歳…30年以上も後となると…おっさんに片足突っ込んでるな。
ブリタに変わってカルネ村の戦闘面のリーダー的ポジションになれないかなぁー。
まあそこそこ強くならないとカルネ村でも死にかねないけどさ…。
てか不意に思い付いた。
これ…前世で温めてきたネタ…やるべきじゃね?
せっかくオバロ世界に転生したならやらなきゃ損だろ…。
アルベドの前でモモンガを名乗ればアインズ・ウール・ゴウンと名乗る鈴木悟くんからアルベドを寝取れてしまうのでは?という超スリリングなハイリスク・ハイリターンな作戦を。
よし!
…そうと決まったのなら原作開始時点でベテラン冒険者になって…現地人でアルベドと接触できる数少ない場所…カルネ村を拠点に活動する冒険者(偽装帝国騎士に負けない程度)になるために頑張るぞ!
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はい。
色々取り返しのつかない失敗を繰り返し行ってきてしまった。
言い訳をさせてほしい。
まず生きるには金が必要…子供の特権を使って愛想を振りまきながら計算が出来るという強みを活かして商人の手伝いをして小銭を稼いだ。
そして俺の予定では…先輩冒険者について行きながら…慣れないふりをしながら弱らせた魔物のトドメを刺させてもらいまくって経験値だけ奪っていく作戦で強くなる……はずだった。
色々と強くなるために計画を練っていたが…資金集めための準備段階であった商人の仕事が普通に忙しすぎてそれどころじゃなくなった。
押しに弱く頼られたら断れない日本人的特性を今世でも立派に引き継いでしまいズルズルと商人の仕事の沼にはまっていった…。
途中…せめてもの足掻きとして人脈を広げに広げ様々な人と顔を合わせて認知度を上げはしたが…どれほど意味があったことやら…。
街で有名な働き者ことこの俺、モモンガくんは…貧しい農民の5男坊だったとは思えないほどの立派な商人……店舗型ではなく村々へ売り歩く行商人になりました!
ガリガリでヘラヘラと愛想を振りまいていた精神的に逞しい少年は今では幼少期に食べられなかった反動でどか食いした結果…肉体的に大きく逞しく太ましく育ってしまった。
行商人って結構歩き回るのに何でや!丁度いい細マッチョが良かったのに!
まあそんなことは置いておいてこの世界で行商をやるのは並大抵のことではない…。
野盗は溢れているし客人もまともとは限らないし…貴族からも搾取される対象であることも間違いない。
ここで役に立ったのは俺のチートタレント。
『自身が属していると思っている組織の運を大幅に上昇する』
え、強すぎじゃね?と思ったそこの貴方…はい…その通りです。
まあちゃんと魔法で確認してもらった訳では無いが体感そんな感じのタレント。
自分が見習い商人時代に世話になっていたロフーレ商会が小さな街のお店屋さんから大商会へとみるみる頭角を表した。
偶然にしては出来過ぎるほど不可解なレベルの豪運を繰り返して…。
そして次に世話になった雑貨屋…これもまた王都に支店を出すほどの大きな商会へ。
これもまた不自然なまでの偶然に出くわし続けた結果だ。
不思議に思い自分の出自について改めて考察してみれば…リ・エスティーゼ王国の村落で5男が食うに困る程度の飢えで済み周りにも人身売買が横行していなかったことを考えれば非常に運が良い。
しかもエ・ランテルとは違って悪名高い貴族の領地であったのにも変わらず…今思い返してみれば王国内の悪徳貴族とは比べられない程度にはいい扱いではあった。
これはもはや運が多少良いだけの話ではない…。
そう思ってタレントの詳細を調べようとしたが…タレントの有無だけなら街の第3位階を使える魔術師に調べてもらえたのだが詳細な内容はより高位の魔法でないと分からないらしく頓挫した。
そして推測という形でタレントを把握することしか出来なかった。
自身の属する物にリ・エスティーゼ王国があるが普通にバハルス帝国に負け続きであるしエ・ランテルもいつも好景気に湧いている訳では無い…つまり自分の直接所属している…もしくは自分の認識の問題か…。
ということで『自身が属していると思っている組織の運を大幅に上昇する』ではないかと思ったわけである。
そんなこんなでこの街、エ・ランテルに来て30年ほど経ったある日…仕入れ先の食料品関係の業者からある噂話が出て来た…。
どうやら最近帝国騎士と思われる賊による襲撃事件が頻発しているらしく近々それに対応するためリ・エスティーゼ王国が誇るガゼフ王国戦士長の戦士団がエ・ランテル方面へ出動するらしい。
スレイン法国のガゼフ抹殺計画がついに始動したようだ…。
原作が始まる…。
よーし…それじゃあ適当な程々の強さの冒険者を1パーティー雇って出発しますか…。
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そして冒頭に至る。
村長の家でアインズ様と話し込む俺ことモモンガくん(37)……アインズ様のウキウキ感が新鮮でござる。
俺自身の有用性をアピールするために情報を多少多めに供給して早い段階でナザリックへ踏み込みたい所だ…。
「ではこの周辺国家では魔術師の最高位階が第6位階…戦士の強さもそれに準ずるものと…」
「そうですな…おそらくは周辺国家最強の戦士…ガゼフ・ストロノーフ戦士長はバハルス帝国の
「なるほど…とても参考になるな」
「スレイン法国という国家に所属する特殊部隊だとかは更に上を行くという噂もありますが…詳細は一商人の身では分かりませぬ」
「いや…十分だ本当に助かる」
「あとはそうですな…竜王というとんでもなく強い知性の高い竜が複数君臨して治めるアーグランド評議国という国も山脈の向こうにあるらしいですな」
「アーグランド評議国…山脈…それに竜王か…どのような場所でどのようなドラゴンがいるのだろうか」
「おっとアインズ様も男の子ですな…恐ろしさもありますが…気になる気持ちも分かりますぞ」
「ほう…分かるかね」
「むしろ様々な所へ行ってみたくて行商人をやっているという面もありますなぁ…」
「…何か…いいなそれ…」
「アインズ様…魔術の研究で籠もり過ぎた反動が来ているのですかな?」
「…ははは…そういうものかもな」
いい感じの雰囲気やないですかー!
このままナザリックの子になりたーい。
早速俺の売り込みでもしようかね。
「そういえばタレントという物をご存知ですかな?」
「タレント…才能という意味か?」
「いえ…生まれながらの異能というもので大体…そうですな200人に1人くらいの割合でしょうな」
「ほう…例えばどういった物があるのだ?」
「有名な強力なタレントですと『ありとあらゆるマジックアイテムを使用可能』というものですな」
「何?それは本当に制限無くか?」
「はいおそらくは文字通りの能力でしょうな……まあそれほど強力なのは極々一部で大抵は『お湯の温度がわかる』とか『明日の天気予報を70%で当てる』とか役に立つか立たないか分からないものですがね」
「なるほどな……最初の能力は非常に興味深いが…」
「ちなみに私のタレントもおそらく強力な方ですな」
「ほう!聞かせてもらおう」
「詳細はまだ確かめられていないのですが『自身が属していると思っている組織の運を大幅に上昇する』というものですな」
「それは…なんとも強力なタレントではないか!」
「まあ経験則で判別しただけなのでもしかしたら『自身の所属する組織の収支を最大化する』とかそういう物かもしれませんがね…ただ運気が上昇してる可能性が最も高いですな」
「通常はどうやって判別しているのだ?」
「精神系の第3位階魔法にタレントの有無を判断する魔法を使って判別することが多いですな…詳細は更に上位の位階が必要なようで中々私のような木端商人では…」
「…うむ…だがモモンガ殿のタレントを知れば権力者はこぞって確保したがるだろうに……いやそもそも明かしてないのか?」
「はい…厄介な状況になって自由に動けなくなるのは間違いないかと判断して隠しておりました……。ですが今回のアインズ様への報酬はこのカルネ村や私の積み荷や金銭では到底返しきれるものではありませぬ…つまり」
「強力なタレントを持つモモンガ殿が我々と共に来るのが報酬だと?」
「はい…それ以上アインズ様への利となり得る御礼を思い付けないのです」
「なるほど…」
よし好感触…この時期のアインズ様ならタレントだけ吐き出す人形や置物にしたりしないだろう…デミウルゴスが関わらなければ…。
しかもアルベドという強力な味方(予定)もいる…勝ったな…デミウルゴスが関わらなければ…。
あと一押しか?
「私の行商人としての販路も人脈も全て提供させていただきましょう…もしマジックアイテムや変わったアイテムなどを販売したい場合であれば大いに役立ちましょう」
「うむ…1つ聞きたいのだが…」
「何なりと」
「何故それほどまでに我々へ報いろうとする…恩義といえども全て投げ打つほどではないだろう?」
「……確かに多少不自然でしたな…。私としては選択肢は無きにも等しかったもので」
「ほう…それは何故?」
「商人としての勘と…ここまで生き抜いてきたモモンガという男としての勘…その双方がこのアインズ様という方に付いて行けと言って聞かんのですよ…それ以外の選択など無いかの如く」
「なるほど…分かった。1度拠点に残してきた面々と相談させてもらおう…それからでも遅くはあるまい」
「はっ…畏まりました。アインズ様」
「えー…友達になってもらえるかもと思ってたのに部下が増えたみたいじゃないか…。気を許せる相手が欲しいなぁ」
とか何とか話してるうちに村長が慌てて訪れて戦士長たちの到来を告げてガゼフ王国戦士長と対面…。
そして安定の陽光聖典とガゼフ王国戦士長との戦闘からのアインズ様と入れ替わり…危機は去りましたとさ。
めでたしめでたし。
「1度ならず2度までも…誠に感謝しかございませぬ…慈悲深きアインズ様」
「モモンガ殿…そこまで畏まらずともいいのだ…。モモンガ殿とは対等な……友人になりたいのだ」
「そ…それはなんとも畏れ多いことでございますが……ご要望とあらば…」
「ああ。ではまた数日後にここカルネ村で会おう…」
「はい…アインズ…殿」
おー素晴らしい!初日でアインズ様と友人になれるとは……ナザリックの面々が認めてくれるまで安心出来ないが…。
まあとりあえずカルネ村の復興に協力しながらナザリック勢の結論を待ちましょう。
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翌日の早朝…思わぬ展開に驚愕させられた……。
仮住居とさせてもらった家の扉をノックする音で目を覚まされた…しっかりと開かない瞼を擦りながら表へ出ると…。
誰もいなかった……夢で聞いた音だったのか何かが当たった音の聞き間違えだったのかと首を傾げて鍵を掛けて部屋へと戻ろうとすると…。
「おはようございます…モモンガさま…」
純白の衣を身に纏った黒髪の妖艶な美女(角と翼付き)が微笑みながら立っていた…。
なんでや!
誰か同じネタで書いて…お願い…。
正直こういうネタ誰か思いついてそのうち書くやろと日々妄想していたけど…一向に供給がない。
じゃあ自分で書くしかないやろ!
と一念発起して始めたのがこの作品。