現地人でモモンガを名乗るタイプの転生者 作:圓上あゆむ
元モモンガ…現アインズ・ウール・ゴウンはこの世界に来てから何度目かの高揚をしていた…精神の抑制が起こらない程度ではあるが。
義理堅く人当たりも良く話しやすい男…未知の能力のタレントを持ち情報にも精通している商人のモモンガ。
そして王国戦士長という役職があるのに民のために奔走し見知らぬ者にも礼儀を尽くすガゼフ・ストロノーフ…。
異形種へと変化したせいで人間の価値観からは遠退いてしまったがそれでも胸の奥に温かいモノが宿った気がする…かつて仲間たちとの交流でも感じてたはずの…。
まずは協力者になることを確約してくれたモモンガをNPCの皆に教えてあげよう…仲良くしてくれればいいが…。
彼は気が利くし話しやすいし適応力もありそうだし…きっとナザリックでも上手くやっていけるはずだ。
どういう風に紹介をしよう…。
いや…何事も順序というものがある。
まずはモモンガからアインズ・ウール・ゴウンへ名前を変えたことをNPCたちに知らせねば。
NPCたちに招集をかけたので時間になれば玉座の間に皆揃うだろう…それまでは…自室にでも行こうか。
アルベドと話しながら自室へ向かう。
カルネ村の措置と戦士長の話をして…区切りがついた。
…一息ついて…マジマジとアルベドを見ると…本当に…美人だな。
こんな綺麗な子をビッチ扱いなんてしてたのかタブラさんは…まったく本当に…変わった人だ。
…っ!…って…あぁ…そうかこのアルベドは俺が変えてしまったアルベドなのか…タブラさんの創ったままではない…姿なのか。
隣に歩くアルベドに対して後ろめたい気持ちが沸々とわき上がってきて……ついには口から溢れた。
「アルベド……お前の感情を…愛情を…私は歪めた…お前の本来の在り方ではない……」
アインズは罪悪感を胸に抱えながら話をするがアルベドは微笑みを貼り付けた顔のままだ。
友人の…タブラ・スマラグディナが見たら何を感じるのだろうか……失望?怒り?悲しみ?
後悔している…。
NPCたちが…友人たちの思い思いに描き生み出したキャラクターが寄りにもよって自分が歪めた状態で生きている姿を見せつけられると……無い胸を締め付けられているような錯覚を感じる。
「……。アインズ様が御心を痛められることは何一つございません。……タブラ・スマラグディナ様も『娘が反抗期に入った』と笑ってお許し下さると思います」
「しかしだな……」
アインズはその後の言葉が出てこなかった…何と言ったらいいか分からないのもある…罪悪感でアルベドの言葉の1つ1つが自分が変えてしまった傷跡のように見えてしまう。
どの口が言っているのだと…責められているような心地になってくる。
「……。アインズ様が変えられる前の私はどのような私だったのでしょうか…変わってから何がご迷惑なことでもございましたか?」
「迷惑などと…そのようなことを思った事など1度もない…大切な友人の娘だからな…」
迷惑…そんなことは1度も思ったことはない…。
だがアルベドは何かそう感じることがあったのだろうか……何か更に言葉を発しようして止めるような思い留まるような動作をしている…。
「…何か思い当たることがあるのか?…怒らないから言うと良い」
「………その…我儘と承知で申し上げますが…。…お名前を…以前のご尊名に…お戻し下さい」
「…そうか…それを思い悩んでいたのか」
「…はい」
「だが…すまないアルベド…それは出来ない。…モモンガはすでに彼がいる…それにアインズ・ウール・ゴウンを名前にした方がギルドの仲間を見つけるのにも…プレイヤーを見つけるのにも…都合が良いだろう…。納得…してもらえないか?」
「……。…はい…承知致しました。…申し訳ありません」
「良い……そういう意見を言う事自体が大切なのだ……他に何か思い当たることがあれば気軽に伝えてくれると助かる…」
「はい…アインズ様」
流石にモモンガさんがいるのにやっぱり私も同じ名前のモモンガという名前なんです…とは言いにくいしやりにくい。
アルベドには申し訳ないけどアインズ・ウール・ゴウンでやって行くと決めた…。
「……なぜお名前を…お変えになられたのですか…なぜ私たちを捨てて行った人たちに未だ御心を寄せになられるのですか……どうして私は…私は……
」
玉座の間にNPCたちを集めた…こう一同に会すると圧巻だ…。
これがアインズ・ウール・ゴウン…。
これが皆で作り上げたアインズ・ウール・ゴウンか。
「私は名を変えた。これから私の名を呼ぶときはアインズ・ウール・ゴウン、アインズと呼ぶといい」
かつての自分の…モモンガの旗を魔法で落としアインズ・ウール・ゴウンのギルドの旗を指差しながら言う。
誰も反対するものはいない…良かった。
しかし誰も何も言わないのは何故だろうか。
こういう時に仕切りそうなアルベドは…俯いて震えている?
と一瞬の間の後、アルベドは顔をあげて言葉を紡ぎ出した。
「…ご尊名伺いました。m…アインズ・ウール・ゴウン様…万歳…いと尊きお方…m…アインズ・ウール・ゴウン様!ナザリック地下大墳墓全ての者よりの絶対の忠誠を!」
感極まったのかアルベドは涙を浮かべ頬から雫を流しながら大きな声を上げていた。
アルベド大丈夫だろうか……さっきも名前について悩んでいたみたいだし…情緒不安定かな。
遅れて守護者たちも声を上げた。
「アインズ・ウール・ゴウン様万歳! 至高の方々のまとめ役であられるアインズ・ウール・ゴウン様に私どもの全てを奉ります!」
「アインズ・ウール・ゴウン様万歳! 恐るべき力の王、アインズ・ウール・ゴウン様、全ての者が御身の偉大さを知るでしょう!」
NPCたちの万歳の連呼が玉座の間に広がる。
過分な賛辞を浴びながら…アインズは考える。
皆…今はアインズ・ウール・ゴウンの名前を俺が借りる。
もし何か思う事があったら直接言いに来てほしい…と。
そうしたら俺はただのモモンガに戻って……。
あ…もうモモンガはいるんだった……その時はギルドも復活するんだからギルマスでいいか…うん。
NPCたちに視線を向ける。
「さて……これよりお前達の指標となる方針を厳命する…アインズ・ウール・ゴウンを不変の伝説とせよ!」
世界中にアインズ・ウール・ゴウンの名前を広げて…こちらの世界にいるかもしれない友人たちに知らせるのだ。
俺はここにいると…。
「もう1つ皆に知らせねばならぬことがある…この度現地の村と接触した。その中にいた民間人と協力関係になることを決めた…」
NPCたちがざわめく…まあ当然だよね。
シャルティアが手を挙げる。
目線を合わせ頷くと、発言をした。
「それはかつてナザリックへ侵攻してきたような強者であるからでありんしょうか?」
「いや…戦闘面では弱者だ」
ざわめきが広がる。
続いてデミウルゴスが手を挙げ…頷き発言を促す…。
「つまり警戒に値する程の智者でございましょうか」
「私と同程度であろうが」
「なっ!それはっ!アインズ様と同じ…高みに達している者が…しかもそれが人間などという…。ウルベルト様…不肖デミウルゴス…私の至らなさをお許し下さい…」
デミウルゴスが何やら小さな声で呟いている…が小さ過ぎて聞き取れない…。
大丈夫だろうか…デミウルゴスになにかあったらウルベルトさんに申し開きのしようもない…。
続いてアルベドが手を挙げていた。
「その者はスキルでも魔法でもないレベルに頼らない特殊な能力を持っているのです」
「っ!」
「そうだ…。皆はまだ知らないだろうが…この世界にはタレントという200人に1人程度が持っている特殊能力があるらしい」
「『ありとあらゆるマジックアイテムを使用可能』というワールドアイテムクラスの能力から『お湯の温度がわかる』という第1位階以下の能力まで」
「彼は能力を完全に認識できていないようだが…自認では『自身が属していると思っている組織の運を大幅に上昇する』というものだと思っているらしい…非常に強力な力だ…。疑わしいと考えたが既に私も強い能力を実感している」
「それは…」
「ヤツの名前はモモンガというらしい…勿論私がアインズと名乗る決心をするずっと前から…」
「何と不敬な!処刑しましょう!」
「その尊名を名乗るとは!八つ裂きにしてしまいましょう!」
いかんいかん…NPCたちの忠誠心の高さを失念していた。
訂正せねば…彼が殺されてしまう。
「興味深いこととは思わんか?私と同じ名…何か縁を感じないか?」
「仰る通りです!」
「なんと幸運な人間でしょう!」
えー掌返し凄い…。
それが可愛いところでもあるんだけど。
「幸運…幸運な…。運だけでは説明できないことが多過ぎる気がしないか?」
「……ツマリ…?」
「つまり…全て彼の能力が効果を発揮した結果だったとしたらどうだろうか。我々と縁を作るために名前がモモンガになったり…このタイミングでカルネ村へ訪れるような行商人になったり…雇った冒険者がギリギリ持ち堪えられる実力だったり……デスナイトにギリギリの所で救われたりな…」
「…っ…偶然にしては…出来すぎていますね…」
「そうだ…私が考えるに彼の能力は『自身の利益を最大限に得るために必要な可能性を引き寄せる能力』…つまりとてつもなく運が良いだけではあるのだが……うむ。…ここまでくると世界を改変する能力のようにも感じるが…」
「っ!」
「そんなまさかっ!」
「……可能性の話だ。あくまで仮説…くれぐれも余計な手出しはしないように…。そうだな私は彼をナザリックへ招こうと思うのだが反対意見のあるものはいるか?」
「っ!危険ですアインズ様!」
「そうです!そのような得体のしれない男を!」
「彼の能力は単純な力では測れない物だ…そして彼自身の戦闘能力は低い…遠くに置くよりも手元に置いた方が我々の利益となるだろう…。それに能力が成長する可能性も捨てきれない…未知の力の前には幾ら慎重になってもし足りないだろう」
まあ俺なりのモモンガさんの能力の考察を長々と語ちゃったけどNPCたちのリアクションが良くてついつい話し過ぎてしまった…だが手元にいてくれた方がこちらに利益があるだろうことは確実……彼も望んでいたしね。
確かに偶然が起こり過ぎてる気がするのは間違いない…是非解明したい…という欲もあるが…。
異形種に対して好意的であればいいなぁ…うーん。
「なるほどアインズ様…つまりそういうことですね。」
「え?あ…ああ…そうだとも…」
「ナニカワカッタノカ、デミウルゴス」
「全く…君たちはアインズ様の真意がまだ分からないのかね」
「え?真意?それ以上でもそれ以下でもないけど…ふ…ふふ…流石デミウルゴス…私の考えていることは全てお見通しか」
「いえいえアインズ様…私に分かったのは一端のみ…全てとはとてもとても…」
「一端でもいい…お前の分かったことを皆に教えてやれ」
「はっ」
俺も分からない。デミウルゴス…教えて。
俺はただモモンガさんと仲良くなってあわよくば不思議能力の解明をした上で気軽に話を出来る相談相手が欲しいだけなんだけど。
「つまりアインズ様は今後のナザリック外の行動において人間の各個体ごとに特殊能力があることを想定した上で探索・調査し…ナザリックの利益になるのなら生かして利用することも視野に入れる必要があると身を以って示してくださったのだよ」
「生かす必要なんてありんすか?わたしのスキルで眷属化したらどんな人間も一発で…」
おーシャルティア俺も同じことを考えてた。
強いタレントを持つ人間を集めて吸血鬼化して不老に出来れば裏切らないし使いやすい人材が長い間ナザリックの繁栄の手助けになってくれるかも…。
「君は未だ全く究明出来ていないタレントなる特殊能力を持つ人間に我々のスキルがどう影響を及ぼすか分かっているのかね?」
「うっ…分かりんせん…」
「そうだろう?我々には情報が全く足りていないんだ」
「それに我々守護者がいくら人間たちより優れていようとも早急に数を増やすことは出来ないし成長も出来ない…だが人間は増え続け成長し続ける…人間の協力者を作り同じ人間を束ねさせたり影響を間接的に与えたり…。人間の矛先を人間へ向けさせ潰し合わせたり…そういう柔軟な発想が必要なのだとアインズ様は仰っているのだ」
「…流石アインズ様…深淵の智慧を持つお方…」
「え?そうなの?そんな話していたっけ…コホン…流石我が知恵者…デミウルゴスだ。私の言わんとしていることをここまで汲み上げるとは…素晴らしいぞ」
「…アインズ様の足元にも及ばぬ浅知恵を…お褒めいただき光栄です」
デミウルゴスには教えられた…確かにこれ以上俺達は成長出来ないし決められた能力しか持ち得ない…しかしこの世界の人間は成長するしタレントのような振れ幅がとても大きいがシステムに縛られない特殊な能力を持っている。
この世界の住民を味方にしていく必要がある…そうか俺達はこの世界の異物だという認識が不足していたかもしれない…。
「皆々今あった話を肝に銘じ…どのような弱者相手にも慢心を捨て慎重に…より慎重に事に当たれ。これより先は情報収集・拠点開拓・ナザリックの維持、これを軸に…綿密な報告・連絡・相談を徹底し情報共有を積極的に行え……行く行くは現地の協力者を得て拠点を増やし、アインズ・ウール・ゴウンの威光を世界中へ広めようぞ!」
この後…流石アインズ様!の合唱と賛美の連呼…。
何とか誤魔化せたが…NPCたちは俺の知能を高く見積もりすぎててボロが出た時に失望されそうで恐ろしいし友人の子供たちを騙してる罪悪感で無いはずの胃が痛い…気を張るのが大変だ。
うぅ…モモンガさんが来たらのんびり話したい…若干過大評価していそうだけど忠誠心が天元突破してるNPCたちよりは幾らかマシだろう。
モモンガさんは商人だし色々諸国を巡ってるらしいからそういう話も聞きたいなぁ。
あ、そうだ。
色々と気持ちが滅入ってるアルベドの気分転換のためにモモンガさんの商人の仕事に同行させてあげるのがいいのかもしれないな……護衛役も兼ねて。
まあ設定変えてしまった手前顔を合わせ辛いという気持ちも無きにしもあらずだけど…頭の良いアルベドが人間の世界を自分の目で直接見れば俺とは異なる物も見えるだろう…。
アルベドの元の守護者統括の仕事は……これから考えよう。
よし…早速明日モモンガさんにお願いしに行こう…。
「では早速具体的な話をしていこう…。明日、かの協力者モモンガ氏をナザリックへ招く。その彼への対応と彼の商人という立場を利用し情報収集・資金調達・人脈開拓していくAグループ」
「先の件で友好関係を結べたカルネ村を守り…絆を強化し…我々の世界への浸透と進出の出発点としての一大拠点として作り出すBグループ」
「そして…」
話し合いは深夜まで続いた…。
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「おはようございます…モモンガさま…」
純白の衣を纏った異形の美女が窓から射し込む柔らかな朝日をバックに微笑みを浮かべていた…。
後光がさしているように見える…め…女神様だったのか……いや外見に騙されるなモモンガ…中身は業界屈指のヒドインぞ。
アルベドが一歩近付いて…ほああああ!
昼間は鎧を着込んでいたから分かりにくかったがとんでもなくえちちなプロポーションしてる!
絵に書いたようなお手本通りのボン・キュッ・ボン……現地人で見たことがないレベルでおっぱいがデカい上にウエストがキュッと細くてくびれがしっかりとあるし……更にはお尻もしっかりと大きい……なんぞこれサキュバスか何かですか?
これはいけませんぞ。
こんなにもエチエチな体型してるのに着ているドレスは更にそれを引き立たせるという悪魔的組み合わせ……恐ろしい子。
肩は丸出し脇も丸出し胸の谷間も丸出し…しかもロングドレスなのに太もも丸出し…。
これ全裸よりもえっちだと思いませんこと?
もう目の前にいるだけで身体が自然と前屈みになってきそう……勿論姿勢と興奮状態には因果関係はありませんとも……。
ふうー冷静になれ冷静に……。
てか…え?…ガチで?
このタイミングで来るとかガチで想定外……早い…早すぎる…アルベドさんの魅力の前に色々思考が吹っ飛んでいたけどパニック状態ですわ。
しかも使者がアルベドさんとか聞いてない…今頃アインズ様と『モモンガを愛している』の設定との間で揺れ動いて1番不安定であろう時期だと思っていたのでが……ワンチャン危険視されてぶっ殺される可能性もあるか?
まあとにかくゴマすりと違和感のない対応が必須…ここさえ乗り越えられれば一先ずは安泰の…はず…。
「その声は…アルベド殿…ですな…いやはやまさかこれほどお美しい方とは…まさに絶世…傾国……いや…美の女神ですな…」
「くひっ……」
異音がした。
獣が喉を鳴らすような…もしくはそこそこ大きな機械が何か異物を巻き込んでしまった時のような…。
方向的には目の前の艶やかな美女から発された音なのだが…と気になりアルベドの方へ目線を送ると…
…先程の澄ました顔をした女性は消え失せ……口を軽く歪めて少し目を見開いて頬を赤く染めて鼻の穴を大きくした…いやらしい顔をした痴女が…。
「……え?」
「……?……っ!」
気が付けば何事もなかったかのように柔らかな笑みを浮かべる美女がいるだけだ……思った以上に好意がアインズ様から移行できているのかも…本人には自覚がなさそうだけど……。
あの欲情しきっただらしの無い顔は原作のアインズ様に対するアルベドの反応そのまんまだ。
俺が声を発した途端に疑問符を浮かべ顔に手を当てたかと思ったら表情を取り繕ったのだが…それで誤魔化せると思っているのか。
まあまだ自分の身に何が起こってるのか理解していないのだろう…。
賢い彼女のことだ…モモンガという名前の新しく出てきた下等生物を早々に認識・記憶したのだろう……抵抗をしつつも俺への対応を決める会議などを経て、主の名前の認識はアインズ・ウール・ゴウン、商人の下等生物はモモンガと切り替えたのだろう…。
原作であったはずのモモンガをアインズ・ウール・ゴウンと呼ぶことへの抵抗は……今回モモンガという別の人物が出てきたことで認識を改めざるを得ない状況になった。
そしてアインズ様への心情も原作から乖離して行きそうだ……アインズ・ウール・ゴウンという名が指し示すのは、自分達を捨てていった者達に固執するということ…。結局はアインズ様自体も唾棄すべき過去の遺物の一つ……そういう考えに達する可能性もある。
アルベドの自室にアインズ・ウール・ゴウンの旗を打ち捨てていたり有名な…くだらない発言だったり……まあ俺の立場を考えればナザリックから離反することはないだろうけどね……だってクソ雑魚ナメクジだから…俺…。
これから考えていく必要がありそうだが…今はとりあえず先程の表情を指摘しないと不自然か。
「…アルベド殿…先程の…」
「何かございましたか?」
「…その…お顔が…」
「何か…ございましたか?」
圧がヤバい…目を合わせながらこちらへ距離を詰めてきた…。
綺麗だし魅力的だが…今はまだ性欲を堪えない…と………あっ…黒く長い髪の毛がさらっさらのふわっふわで触り心地良さそう…。
それに……胸の谷間へ視線がついつい行ってしまう…何という豊かな実り…目を逸らせない…しょうがないじゃないか男の子だもの。
ぐぬ……芳しい香りが不意に鼻を突き抜けていき脳天までぶち抜かれた……あぁぼくこのおねえさんすき。
とか脳味噌を煩悩で支配されかけていたら……アルベドさんさっきの欲情フェイスで鼻をふごふごさせてた………あっ取り繕った…少し誤魔化すには遅かったけど。
「な……何も…何もありませんでした…ね…お互いに…」
「そっ!…そ…そ…そうね…」
「…ゴホン…時にアルベド殿…このような早朝に如何なるご要件で?」
2人で目をキョロキョロさせながら視線を数度交差させる……気…気不味い。
だが聞かなければならない…本題を。
まさかこんなに早くナザリックへ招く訳では無いだろう…おそらくは質疑応答か何かだろう。
さあこい…リ・エスティーゼ王国へのツテかな?それともバハルス帝国?はたまたスレイン法国?
この世界のマジックアイテムやスクロールを見せて欲しいとかかもしれない…何を要望するのだろうか。
「…我々の拠点…ナザリック地下大墳墓へ招待させていただこうかと…」
「……さ…早速…ですか…。流石アインズ様…ですな。…行動が迅速だ」
アイエエエエ!招待!?招待ナンデ!?
色々と順序すっ飛ばしてませんかね!?
あれよあれよという間にナザリックへ転送されましたとさ。
ゴウランガ!
転送されたのはジルクニフたち帝国の面々が通された場所と同じ半球状のドーム型の部屋。
結局玉座の間でナザリックのNPCに囲まれアインズ様の目の前に来た時に即座に…デミウルゴスの支配の呪言で強制的に跪かされる前に跪いた。
そうしたところ…NPC達が感心するように満足気に頷いているのが視界の端に見えた。
ふっ…俺のひれ伏しレベルに恐れ慄いたか…。
伊達にこの身分制度真っ盛りの時代で生き抜いてきていないぜ…自分で言ってて悲しくなってきた。
まあ勿論この後にアインズ様が…楽な姿勢で良い(しもべ視点平伏が妥当)…だったり、立ち上がるように…という命令をいただいてから恐縮するような演技を挟み渋々立ち上がって面と向かえる立場になった。
NPCたちの反応は良さそうだ。
そしてアインズ様からの有り難いお言葉をいただきナザリックへ立ち入る許可と《メッセージ/伝言》の魔法が封じられたネックレスとナザリックの入り口前へ転移できる指輪を貰った。
《メッセージ/伝言》のネックレスは勿論、指輪もリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン程ではないけどかなり重要な指輪なのでは?
こんなものまでいただいちゃってまあ。
そして正式に商人として情報収集及び資金調達する部門【Aグループ】の主軸メンバーとして働くことになった。
部門長にアルベド…らしいのだがナザリックの守護者統括の仕事はどうした。
おそらく防御力最硬のタンクだから護衛に最適という思考なのだろうが…本当にナザリックの運営は大丈夫なのだろうか。
と思っていたらちゃっかりパンドラズ・アクターが玉座の間に出て来ていた。
あーこれアインズ様ガチなやつだわ。
ってことは俺をそれだけ重要視してるということか…むしろ動き辛いというかエロい事やりにくそうというか…うん…前途多難だな。
そして他のメンバーは…部門長のアルベドはおそらく鎧の状態で付きっきりの護衛だから人間に近い外見のナーベラル・ガンマとソリュシャン・イプシロンが側に控える形…っと。
え?人選どうなってんの?
愛想の悪い子ばっかりやん。
せめて愛想いいユリ・アルファか演技の出来るルプスレギナ・ベータとか…と思っていたら他の部門の紹介が始まりカルネ村の方のメンバーだと発表してた…了解っす。
確かにカルネ村でナーベラルとソリュシャンは使えないっすね…誤って殺したり捕食しちゃったりしたらヤバっすからね。
個人的にはユリとルプスレギナも気になってたんだけど次回別の機会が訪れることを期待しておこう。
カルネ村の部門長はアウラ…トブの大森林の開拓業務の内…なるほど…マーレは案外残虐な所あるし適材適所だな。
ナザリックの留守番はコキュートスとシャルティア…まあ使いにくいよね…仕方がない配置なのは分かる…。
そんで資材資源調達はデミウルゴス…まあ配下の数も多いしねぇ……デミウルゴス牧場…開園しなければいいけど……。
俺の加入でどこまでナザリックの意識を変えられたか分からない……今後そういったことにも注視していこう。
そして…冒険者になって名声を集めるのは原作通りか…アインズ様とセバスが……セバス!?
確かに英雄的な善寄りの価値観とカルマだけど……あー富豪の魔術師のアインズと格闘の達人の使用人セバスっていう組み合わせか……ツアレの件みたいなトラブルは起きにくいだろうしいい感じかもしれない……デミウルゴスは血涙流して悔しがりそうだけど。
他にも色々と発表してたが他の事柄について熟考していたらあっという間に終わっていた。
何について考えていたか?
そんな物決まっている…勿論使者として来た時に目撃してしまったアルベドの容姿についてだ…あー綺麗だったなーえちえち過ぎたなぁ……文句が有るのかね?最重要事項だぞ。
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下等生物・ゴミ・虫けら。
そう見下していたはずの人間の中の1人が気になって気になって仕方がない…。
そしてあれだけ深く深く愛していたはずの…アインズ…さま……今では何故好いていたのか執着していたのか愛していたのか思い出せないほどに……分からなくなってきてしまった…。
全てはあの男…モモンガ……さまが現れてから狂ってしまった。
瞼を閉じると目の裏にあの可愛らしく愛おしい姿が……ぁっ…。
姿を思い出すだけで子宮がきゅん♡きゅん♡と疼いて下着が濡れてくる……口内の唾液の分泌量が増えてきて自然とよだれを啜るようになってくる。
心臓の鼓動が高鳴り胸の奥がじんわりと温かくなるような錯覚が起こる…。
本当に…私はどうしてしまったのだろうか。
ぶっちゃけ読者様方の期待値が高過ぎてビビって腰が引けてるのはここだけの話