結論から言えば、
「うわあ、結構高いね」
「うん。でも全然揺れない。ありがとうね、ジュゲムさん」
「グウ」
ゴブリン『
『
当然、完全武装のジュゲムに女子生徒二人を追加で乗せる程度は、何の問題もない。重さはもちろん、その広い背中は三人(もしくは一匹と二人)が跨ってもまだまだ余裕がある。
『
いずれにも危険な存在は感知されなかった。
まあ、そうだろう。原作では、
補習レイドに参加している男子など、上級生でも大半は戦闘系の場合良くて第二段階職だ。『
もっとも『
女子でいう『
それは、セックスによる経験値の譲渡は男から女への一方通行だということだ。
つまり、女子の『
『
まあ、補習レイドに参加している『
「ねえ、
「うん、砦が男子に襲われたんだよね?」
』の十二人は『
レベルアップに必要な経験値だけでなく、一般的な意味での経験や感情、身体の好調、不調すら共有してしまうそのスキルの影響で、砦の外にいた
だが、詳細は分からずいたところに『
「砦に他の男子がやってきて、軽く攻撃を仕掛けて来たらしい」と。
だから、二人が砦の皆を心配しているのは当然と言えば当然なのだが、呑気と言えば呑気な話だ。
どう考えても砦の外で活動している
原作では
まあ、
ともあれ、
無事、砦に戻った
恐らくは原作通り、外壁に魔法スキルを打ち込んだ程度なのだろう。攻撃というより「乱暴な挨拶をして様子見」が目的だったと思われる。
砦の外壁は
メンタルに変化が訪れるきっかけが、この補習レイド内での襲撃と、そこで
つい先ほど、そのイベントが終わったのだろう。
「
「うん、無事なことは感覚で分かってたけど、こうして合流できると安心したかな」
「
「心配かけてごめんなさい」
「大体の事情は把握しているつもりだけど、念のため聞かせてくれ。何があった?」
「襲撃だ。問答無用で砦の外壁に攻撃をされたらしい。つまり、こちらも問答無用で向こうを殲滅して良いということだ」
いかにも
「なるほど。それならこっちから行くか? 俺とお前で攻守に分かれれば、先輩達の危険はほぼないと思うが」
まだ『
「いや。
噛ませ犬の部、つまり補習レイドに参加している男子に「やられ役」を割り振るということである。
いかにも
実際、地下施設から恐々顔を出した、
「大丈夫です。このレイドに参加してる男子程度なら何人来ても敵じゃないですから。先輩達の安全は保障します」
だった。
その日の夜(と時計上定めた時間帯)。
全員が揃っての夕食は、やはりいつもとは違う空気が流れていた。
ただし、二年、三年の四人は白鶴荘での
そうして、全体の雰囲気はがらりと変わったものの、物理的な変化は特になく夕食を終えた
服装は上がTシャツ、下がトランクス一枚だ。どうせ、すぐに脱ぐことになるし、この地下施設内は裸でも問題ない気温を保っているのだが、最初から裸で女子を待ち構えているというのは、いかにも過ぎて
そんな
ダブルサイズのベッドの上に腰を下ろして女子の来訪を待っていた
「…………遅いな」
枕元に置いてある時計を手に取り、いつもならとっくに誰かが来ている時間であることを確認する。様子を見に女子部屋に行くか、と考えた
毎晩
こちらから女子の部屋に「今晩は来ないのか?」と確認に向かうのは、なにか「図々しい」「空気が読めてない」と思われそうで怖い。
学園の男女の力関係は、頭で分かっていても中々その通りには振る舞えない。この辺りは強さ、立場よりも性根の問題だろう。
「地下施設内にいる限り、危険はないはずだけど……もうちょっと待つか」
だが、女子のプライベートに考慮する
今日はこのまま寝てしまおうか。
コンコンと聞き覚えのない弱いノックの音が聞こえる。
「どうぞ」
という
そうして入ってきた一人の女子の正体に、
別段、変装しているわけではない。日頃はキッチリ二本の三つ編みに編んでいる髪をほどいて、野暮ったい黒縁フレームの眼鏡をはずし、日頃は出来るだけ体型の出ない服装で隠している肢体の凹凸を、体にフィットするニット生地の部屋着で露わにしているだけだ。
それだけで、女を見る目がまだまだ育っていない
この一年女子は、本来は学園でも上位層に入る容姿を意図的に眼鏡、髪型、化粧で抑えていたため、それらの擬態を解けば
とはいえ、なんだかんだでもう十日近く一緒に過ごしている仲だ。
「あ、あの。先輩達にお願いして、今夜は変わってもらって……!」
という緊張と恐怖で震える声を聞けば、彼女が誰であるかは流石に分かる。
「あ、そう、そうなんだ。入って。座る? あ、いや、変な意味じゃなくて、いや、違わないけど」
一年女子の緊張がうつったように、もしくは童貞に返り咲いたように、
「は、はい、失礼します」
「ど、どうぞ」
これが二年女子ならピッタリ隣に座るところだが(三年女子なら膝の上に座る)、その一年女子は
「…………」
「…………」
その後、しばし沈黙と不動の時間が流れる。
このレイド内でも毎晩四人の女子を二人ずつ交代交代で抱いているし、白鶴荘では四人のパートナーといつもベタベタになるまで濃厚なセックスに明け暮れているというのに、
考えてみれば、おかしな話ではない。
この学園に入ってから女子とのセックスの人数、回数共にうなぎ上りな
しかもその大半が
言うならば、今の
『
「ええと、先輩の代わりにここに来たってことは、そういうことだよね? その、なんでか聞いても良い?」
できるだけ、怖がられないように友好的に話しかけているつもりの
実際、一年女子はビクリと体を震わせて逃げそうになるが、どうにかその場にとどまって小さな声で答える。
「その、ずっとこうしようと思ってはいたんです。これが一番まし、いや、一番良い選択だってことは分かってましたから。でも、勇気が出なくて。何もしなくてもここは居心地がいいし。つい、もうちょっともうちょっとって考えてしまって。
でも、今日のことでやっと実感できたというか。ここの先輩だけじゃなくて上の先輩達からもお話を聞かせてもらって、躊躇ってる場合じゃないって分かって」
主だった話は、
日頃は地下施設で過ごしている五人の女子だが、男子の襲撃とその後のドタバタによる空気の変化は感じ取れた。恐る恐る地下施設から外に出て旧『
そこで「補習レイドに参加している他の男子が襲撃してきた」と聞かされた時、二年、三年の女子四人は「ああ、ついに来たか」くらいの渋い顔だったが、一年女子にとってはそれは青天の霹靂だった。
無論、知識としてはある程度補習レイドの地獄っぷりは聞いていたが、なにせ彼女はこの補習レイドでまだ一度もモンスターにも出会っていないのである。
補習レイドがどれほど過酷なところであるかは話には聞いていても、現実には
そこに今回の襲撃だ。それまでの和気あいあいとした雰囲気は一変した。
一人状況が理解できずにオロオロする一年女子に上級生の女子達は状況を説明してくれた。「本来の補習レイドでは、男子に捕まるとどんな目に合うか」。
丁度襲撃があったことで記憶とその時の感情を思い出していたのだろう。誰の話も非常に具体的だった。
レイド期間中、男子に捕まった女子はずっと男子のオモチャ。
反抗すれば面白がって屈服するまで暴力的なセックス漬け。
屈服してもオナホ扱いのセックス漬け。
水、食料が与えられるかは男子の気まぐれ次第。
偉そうにしてても男子も所詮は補習組なので、レイドのモンスターには全く歯が立たない。だから、モンスターに襲われると囮にされる。
そうしてレイド内に死に戻り。通常のダンジョンと違ってその時の記憶は忘れられない。また、男子に捕まる。
捕まらない場合は、一人で彷徨ってモンスターに殺されてまた死に戻り。
モンスターに殺される死に戻りを複数回経験した女子は、プライドも外聞も捨てて自主的に男子の性奴隷になりに行く。
次回の補習レイドでは、諦めて最初から無抵抗で男子についていくようになる。
実体験をもとにした上級生たちの説明は、毒々しいまでに生々しく一年女子の心に響いた。セックスに対する恐怖心、嫌悪感を抱いていたはずなのに、それを超えてこうして
たどたどしい口調で一年女子がそんな事情を説明すると、
「そうか。でも、この補習中だけなら別段、こういうことしなくても俺は君を見捨てないよ。もちろん、俺だってまだ一年で絶対無敵ってわけじゃないから、何があっても守るとまでは言えないけど、このレイドに出没するモンスターや他の男子程度ならほぼ問題ないし。
だから嫌なら、無理することはないけど」
「それは……………いえ、駄目です。お願いします」
この補習レイドだけ安全を保障されても、補習は定期試験ごとに毎回あるのだ。今だけ逃れても将来には繋がらない。そのくらいはこの一年女子にも分かっている。
「…………」
覚悟の言葉を告げた一年女子はベッドに腰を掛けたまま目を瞑り、身体を固くしてその時を待つ。
抵抗はしない。その身を捧げる。一年女子としては最大限の勇気を振り絞った行動だが、この学園の女子としては正直「まだ勘違いしている」と言われても仕方がないだろう。
自分の性的な価値を買いかぶっている女子は、毎年一定数存在する。
当然と言えば当然だ。豊葦原学園は、美女、美少女が平均値と言われる世界。そのため、中学時代は仲間内で一番、学年で一番、学校で一番の人気だった者が多数存在する。
そのため、「自分が身体を許す」ことがとてつもない高い価値であると無意識のうちに想定している者も少なくない。
だが、この学園では女子の容姿、スタイルに関しても上には上がいる。そして、女子の貞操などほぼ無価値、学園男子からすればトップ層に保護されている一部の女子を除けば、「
この一年女子の身体を許す価値など、学園基準ではないに等しい。ただの前提条件、最低基準でしかない。
だが、重ねて幸運だったのは、今体を開こうとしている相手――
お願いしますと言ってから、目を瞑って俯いたまま微動だにしない一年女子にしばし首を傾げていた
これまで、向こうから積極的に来てくれる学園のお姉さま達としかセックスをしてきていない
一年女子が覚悟を決めているだけで、喜んでこの場に来たわけではないことは、流石の
「い、いい、行くよ」
だから、
「…………」
目を瞑っている一年女子は、にじり寄る
やがて、
布団に尻を下ろす軽い音と、腰を下ろしている布団が傾く感触は確実に目を瞑っている一年女子にも伝わっただろう。
「ッ」
一年女子はビクリと身体を震わせた。
ここまで怯えられると、
学園の上級生男子には、こういう初々しいさやスレてなさが「大好物」な者も多いが、巨乳好き以外にはこれといった性癖のない
女子に怒られる、嫌われる、怖がられることに臆病な、典型的な陰キャオタク男子な
「さ、触るよ」
それでも
一年女子の右側に、隣り合うようにして腰を下ろした
「ッ!」
左肩を掴まれた一年女子はより一層身体を固くするが、抵抗は示さない。
しかし、
「ひっ!」
一年女子は喉からかすれた悲鳴を漏らし、必死の力で抱き寄せる
だが、抵抗する女子を強引にどうこうできるメンタルを持ち合わせていない
「ごめん。怖かった?」
「…………!」
無言でこくこく首肯する一年女子の様子に、
「ええと。無理はしない方が良いかな。補習レイドはまだ続くし。今夜はやめておこうか?」
相変わらず、無自覚に「優しい悪魔のささやき」をする
「だ、駄目。駄目です。ごめんなさい、もう大丈夫、抵抗しませんから、このままお願いします」
一年女子はここに来る前に、二年女子、三年女子の四人からはっきりと言われている。
「貴女に譲るのはこれ一回きりだからね」と。
それも、巨乳くっきりメイク二年女子や艶なし黒髪ミディアムショートヘア三年女子が渋ったのを、褐色爆乳二年女子が取りなしてくれたから成立したくらいである。
猫毛茶髪ミディアムロング三年女子は、「
一年女子は、右手の親指の付け根で涙の滲んだ両目をぬぐうと、震える手で自らその身に纏っていた衣類を脱ぎだす。
ニット生地の部屋着の上下は、震える手でも脱ぐのに支障はない。
その下は、下着の上下だけだ。どうやら、しっかりとブラジャーもつけて来たらしい。学園では一般的な「男子の目を楽しませることに特化した下着」ではなく、どこでも買えるような一般的な四分の三カップのブラジャーと尻をしっかり覆うタイプのパンツだ。色は薄いピンクで、レース等の装飾はない。
下着姿になれば、彼女のスタイルがとても
胸が大きく、尻が豊かで太腿もある程度肉がついている。ウエストはとても細いというほどではないが、ちゃんとくびれと呼べるくらいにはなっていて、いかにも健康そうな体つきだ。
下着姿になった一年女子に
「ッ」
今度は一年女子も抵抗しなかった。身長で言えば
先ほどとは違い、下着姿の一年女子だ。
同時に、抱き寄せたことで一年女子の巨乳と呼べる乳房の感触が、ブラジャーと
その感触に、性欲と高めた
ブラジャー越しに軽く左乳房を揉む。
「いやっ!?」
その瞬間、一年女子の口からまた恐怖と嫌悪の悲鳴が発せられた。
覚悟は決めていた。だから上級生女子四人にお願いして、今夜の相手を変わってもらったのだし、自ら服を脱いで肌を晒したのだ。
しかし、いざ性的な接触を持たれると、一年女子は自分の覚悟があまりに軽いものであったことを思い知る。
一年女子は、豊葦原学園の普通科女子としては少数派の、入学するまで性行為の経験がない女子――処女だった人間である。男子の入学前まで童貞率はかなり高いのに対し、女子の処女率は「珍しい」と呼べるくらいには少数派だ。
まあ、学園に入学する前に「この学園でどのようなことを求められるか」をある程度説明された上で、最終的には本人の意思で入学を決めるのだから、女子の未経験者が少ないのはある意味当たり前だ。
そんな珍しい未経験女子だった彼女の初体験は、『忘れもしない』ファーストダイブのことだった。
教室の全員が順番に始界門を潜る、最初のダンジョンダイブ。
この時点で、教室内で仲間を見つけられずにいた彼女は、ファーストダイブを一人で行っていた。
薄暗い石造りの通路と玄室。玄室から聞こえてくる「ギャギャ」「グゲゲ」というおぞましいモンスター――ゴブリンの声。
元々オタク気質が強く、ゲーム等でファンタジーモンスターやダンジョンというものにある程度の知識があった一年女子は、ダイブ前には緊張、恐怖と共に多少の憧れや期待感もあったのだが、そんなものはダンジョンの瘴気圧の前に雲散霧消する。
ひたすら恐怖に震えながら、ダンジョンの通路を歩み進み、少しでもゴブリンの声や姿が見えない場所を求めてさまよう。
そうして、長時間通路を彷徨い続けることが出来たのは、運の良さが八割。単独行動だったことが逆に功を奏したのが二割といったところか。
だが、そんな幸運も最後までは続かない。
逃げて、逃げて、逃げ続けた一年女子はやがて、ゴブリンの声や気配がほとんど聞こえてこない区間へと足を踏み入れた。それが「他のゴブリンが近寄らない危険な場所」であることなど、この時の一年女子に分かるはずもない。
そして、そこでついに彼女は見つかってしまう。
「グゴオオ!」
身の丈二メートルを優に超える、筋骨隆々とした巨大なゴブリンに。
後は言うまでもないだろう。
恐怖の余り逃げるという選択肢すら頭に浮かばなかった一年女子は、簡単に巨大ゴブリンに捕まり、その子供の腕ほどもある野太く固い陰茎で乱暴に、何度も何度も犯され続けた。
圧倒的な性力と暴力を誇る牡に捕まった、非力で小柄な牝。性行為は、暴力であり、性暴力であり、悪夢だ。
最初はスカートとパンツを引きちぎられ、圧し掛かられて、窒息死するような圧迫感のもと犯された。その次は、ボティアーマーと制服の上を纏めて引きちぎられ、無理矢理四つん這いにさせられて後ろから。
その後は立ち上がった巨大ゴブリンの股間に装備されるように抱き上げられて、物のように上下に振りまわされた。
飽きて殺される前に、羅城門閉門の鐘が鳴ったのは、果たして彼女にとって幸運だったのか、不運だったのか。
かくして一年女子はファーストダイブでダンジョンとセックスという、この学園で生きていくのに絶対に避けて通れない二つに強烈なトラウマを植え付けられてしまった。
そして、同級生や寮の先輩達から何を言われても、一切ダンジョンダイブをすることなく、男子に近寄ることもなく、全ての現実から目を背け続けて、たどり着いたのがここ、補習レイド送りだった。
そんな一年女子の経緯など知る由もない
「《落ち着いて》《気を強く持って》」
『
「あ? ああっ」
スキルの効果で一気に落ち着きを取り戻した一年女子は、やっと今、自分がとてつもなく不味い状況であることを悟る。
健太から見れば本来、百戦錬磨の上級生女子が相手をしてくれるはずの夜に、自分が無理矢理割り込んだ身なのに、先ほどからひたすら迷惑をかけ通しなのだ。
彼女の態度は、学園基準ではなく、世間一般の男女関係でも「こいつめんどい」と匙を投げられてもおかしくないレベルだ。
「本当に大丈夫? 今夜のところは……」
「ッ、すみません。ご迷惑をおかけしました」
目の前で最後の救いの道が閉ざされそうになっていることを自覚した一年女子は、大急ぎでブラジャーを外すと、今度は自分から
「この通り、どうかお願いします」
うるんで目で見上げる一年女子を、
これで、曲がりなりにも性行為を無事終えられたのは、
『
実のところ
こんなのは健太が苦手なジャンルだった薬物や催眠術で女子を自由にするおじさんと変わらないではないか。
そんな引け目をずっと抱いていた。
流石、拗らせ童貞陰キャである。
だが、そんな
一年女子は途中途中で巨大ゴブリンに強姦された記憶がフラッシュバックするのか、反射的に暴れることが何度かあったのだ。
だが、隷属してしまえば、後は簡単だ。
「はうう……ふにゃ……」
さっきまで拷問に耐える様な顔で
隷属という現象は、隷属させる男子と隷属する女子のレベル差があればあるほど堕ちやすい。
曲がりなりにも第一段階職だった二年、三年の女子達で一晩で
「…………まずいな」
『
『
『
に
「まさか、
「んー? なんか言った?」
頭の中だけで呟いていたつもりだったのだが、どうやら口に出していたらしい。キョトンとこちらを見る一年女子――
「いや、何でもない。大丈夫、これは流石に責任は取るから」
「はーい」
よくわからないが、健太の言葉が自分にとって良いことであることは感じ取った