※この作品はR-18です。

ハイスクール転生アンド巻き込まれ   作:ミタライ

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第五十二話 開かれる扉、その向こうに全裸土下座

 碧鷺(へきさぎ)荘で、夕食と入浴を済ませた健太(けんた)は、白鶴(はくつる)荘にやってきていた。

 健太自身、女子寮に来ることにほとんど抵抗がなくなっているし、白鶴荘の寮生たちも健太を見ても、あまり反応を示さなくなっている。正確に言えば「警戒」や「緊張」といった負の反応がなくなったのだ。逆に「歓迎の笑顔」や「安堵の表情」といった正の表情を浮かべる者は増えている。

 

 この学園では、調子に乗った勘違い男子が、自分のパートナーだけでなく、パートナーが暮らす寮の他の寮生にも手を出すというトラブルはよくある(手を出された寮生が受け入れるのならば、トラブルとは言わない)。

 そうしたトラブルに対応するのが寮の治安部隊なのだが、下層エントリークラスの女子寮の場合、どうしてもその戦力には不安がある。

 そのため、実力があって行儀が良い(学園基準)男子が女子寮に入り浸ることは、歓迎されるのだ。

 

 

「ようこそお越しくださいました、健太さん」

 

 そんな健太を玄関まで出迎えてくれたのは、烏琉羽(うるは)である。こちらもすでに夕食、入浴を済ませており、ラフなルームウェア姿だ。白いワンピース型のその服は、体を締め付けないゆったりとした作りのため、肌の露出もボディラインの浮き上がりも少ない。

 それなのに、その服を着た烏琉羽(うるは)を見るだけで、健太の興奮が高まってしまうのは、「その服を着た烏琉羽(うるは)」イコール「この後セックス」という条件反射を刷り込まれつつある証拠だろう。

 

「はい、烏琉羽(うるは)先輩。今夜もよろしくお願いします」

 

 畏まって玄関で靴を脱いで上がる健太の腕に、烏琉羽(うるは)は驚くほど自然な仕草で自分の腕を絡ませる。もちろん、大きくはないが形よく柔らかな乳房を健太の腕に押し付けるようにしてだ。

 その感触からすると、どうやら烏琉羽(うるは)は入浴後なのにちゃんとブラジャーを付けているようだ。

 

 玄関から二階にある烏琉羽(うるは)の部屋に到着するまでの短い間、すれ違う何人かの寮生が健太に声をかける。

 

「こんばはー、健太君。私これからお風呂なんだけど、一緒に入らない?」

 

「あら、今夜は烏琉羽(うるは)なんだ。明日は私なんてどう?」

 

「こんばんは、お邪魔してます。あ、いや、その……」

 

 上級生は、楽し気に健太をからかって来る。四月の半ばという早い時期から女子寮に入りびったているのに、全く女子慣れしない健太の反応が面白くて仕方がない。

 

「…………」

 

 一方、一年女子は無言のまま小さく頭を下げるだけの者が多い。ただ、彼女たちの表情からは警戒の色はほとんど見て取れない。「あ、なんだ、この人か」くらいの反応で、健太の存在を女子寮内に受け入れている。

 ほどなくして健太は、烏琉羽(うるは)の部屋の前にたどり着いた。

 

 いつもならここで烏琉羽(うるは)がドアを開けてくれるのだが、今夜に限ってなぜか烏琉羽(うるは)は隣に控えたままだ。

 

「? 烏琉羽(うるは)先輩?」

 

「本日は少々趣向を凝らしておりまして。健太さんがご自分で開けて、中を確認していただけますか」

 

 烏琉羽(うるは)はそう言って、少し悪戯っぽく笑う。

 烏琉羽(うるは)が凝らした趣向。その言葉だけで、性的な興奮を高めてしまう健太だが、これは健太が悪いということはないだろう。そもそも、今夜は烏琉羽(うるは)とセックスをするために来たのだ。そこで当の烏琉羽(うるは)から「趣向を凝らしている」と言われてゲスな期待を膨らませるのは、当然と言えば当然だ。

 

「し、失礼します」

 

 部屋の主は隣にいるのだから、中は無人のはず。それでも、なんとなくそんな声を発しながら、恐る恐るドアを開けた健太の視界に入ってきたのは、「薄暗い部屋の床に正座し、こちらに向かって深々と頭を下げる全裸の女」の姿だった。

 

「っ!?!?!?」

 

 悲鳴を上げなかっただけ、上等と言うべきだろう。

 パニックを起こし、反射的にドアを示してしまった健太の腕を、すかさず烏琉羽(うるは)がしっかりと抱き留め、(ささや)き声で話しかける。

 

「あら? どうかしましたか? 健太さん?」

 

「は、はだ、裸、お、女の人が!」

 

 パニックを起こす健太を面白がるように、烏琉羽(うるは)はコロコロ笑う。

 

「ええ、この学園では、特に珍しくもない裸の女子ですね。ここにもいますよ、裸になる予定の女子です」

 

「な、な、なんで、烏琉羽(うるは)先輩の部屋に!?」

 

 当たり前と言えば当たり前な健太の問いに、烏琉羽(うるは)はわざとらしく小首をかしげ、

 

「本日の趣向です。そう言いませんでしたか?」

 

「言いました、言いましたけど!」

 

 キョトンとした顔をする烏琉羽(うるは)が、内心では面白がっていることを確信しながら、健太はブンブンと頭を振る。

 

「とにかく、中に入りませんか? 竹海(たけみ)さんにいつまでも、裸土下座させておくのも忍びないですし。もちろん、健太さんがお望みでしたらあのまま、小一時間放置プレイでも、一向にかまいませんが」

 

竹海(たけみ)先輩!? いや、そんな特殊な嗜好はないです!」

 

 土下座状態だったため、それが誰だったか分からなかった健太は、烏琉羽(うるは)に言われてそう言えば、土下座していたのはショートカットの女だったことをおぼろげに思い出す。背が高く、グラマラス体型な竹海(たけみ)は、通常遠くからでも一目で判別がつくのだが、流石に裸土下座状態を一瞬見ただけでは誰だか分からない。

 

「それでしたら、何はともあれ部屋に入りませんか?」

 

「ええと…………」

 

 当たり前のようにそう言う烏琉羽(うるは)に、健太は口ごもる。先ほどの烏琉羽(うるは)の言葉が正しければ、このドアの向こうで今も竹海(たけみ)が全裸土下座を敢行中のはずだ。

 それを分かった上で入るのというのは、問題ないのだろうか?

 

 そんな健太の内心を表情から読み取ったのだろう。

 健太の腕を掴んでいた烏琉羽(うるは)は、そのまま両腕を健太の体に回し、まるで一匹の蛇のように健太に絡む着くと、耳元で熱い吐息に載せて言葉を紡ぐ。

 

「今夜は、私に対する『報酬』なのでしょう? 私がそうしたいのです。もちろん、竹海(たけみ)さんの意思に反して強要していることはありません。むしろ、竹海(たけみ)さんの希望を汲んでのことです。受け入れていただけませんか?」

 

「それは」

 

「お嫌いですか?」

 

「べ、別に嫌いでは……」

 

「興奮しませんか?」

 

「…………」

 

 健太の体に絡みつく烏琉羽(うるは)の太腿が、健太の股間に絶妙な力加減で触れている。そのズボンの上からでも分かるくらいに熱く固くなった剛直を触覚で確かめられているのだ。「興奮していない」などという、白々しい嘘はつけない。

 

「入りましょう」

 

「はい」

 

 結局、健太は自分の意思でその扉を開けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 中に入ると、中の風景は全く変わっていなかった。

 つまり、裸の女子は、健太が外でウダウダしている間も、ずっと土下座の体勢を続けていたということだ。

 改めてみると、なるほど彼女は、(らん)の友人の一人――竹海(たけみ)だ。

 黒髪のショートカット。真っ白な広い背中。大きな尻。同じくらいに大きな乳房と、学園でも上位の美貌の顔は、土下座体勢では見えないが、それでも落ち着いてみれば、彼女が竹海(たけみ)であることは簡単に見て取れる。この状況で、落ち着くことがそもそも難しいのだが。

 

「あ、あの、竹海(たけみ)先輩? まずは顔を……」

 

 上げて、服を着てください。そう続けようとする健太の言葉を遮り、竹海(たけみ)は土下座体勢を崩さず、大きな声を上げる。

 

「健太様。どうか私を健太様の倶楽部に入れてください」

 

「……え?」

 

「そして、健太様のパートナーにしてください!」

 

「…………へ?」

 

「お願いします!」

 

 間抜けな声を発する健太の足元で、竹海(たけみ)は文字通り額を床に付けた。

 

 竹海(たけみ)が自分の倶楽部入りを希望している。しかも、自分のパートナーになりたいとすら言ってくれている。

 バンコクの正式名称を言い終えるくらいの時間をかけて、言われた内容をどうにか理解した健太の胸には、喜びと驚きと疑念が同時に湧き上がる。

 長身グラマラス体型な竹海(たけみ)は、蘭と同じくらいに健太の好みストライクだ。その竹海(たけみ)から、倶楽部入りのみならずパートナーを志願されれば歓喜の感情が抑えられない。だが、全く予想していなかった展開のため当然、驚きもある。

 そして、同時に「なぜ、ここまでするのか?」という疑念が湧き上がる。

 竹海(たけみ)は蘭の友人だ。蘭から健太の倶楽部の現状を知らされていないはずがない。

 現状、確定メンバーは、健太(けんた)(らん)来斗(らいと)尚典(なおふみ)の四人だけ。最低でも、あと六人頭数がいなければ、倶楽部として成立しないのだ。

 健太の認識では、「私が君の倶楽部に入ってあげる」くらいの態度で来るのが普通だと思っている。そこにパートナー志望も加われば多少話は変わるが、それでも裸土下座で頼み込むレベルの話ではない。

 

「ええと、お話は分かりました。まずは、その、立って服、服を着てくれませんか?」

 

「あら? 服を着るのは二度手間じゃないかしら? それに立つのは健太さんの方では?」

 

烏琉羽(うるは)先輩、ちょっと静かにしていただけますか?」

 

 烏琉羽(うるは)のちゃちゃに健太は人生で五本指に入る程の困り顔をしながら、嘆願する。

 

「はい、失礼いたしました」

 

 小さく舌を出す烏琉羽(うるは)の態度からして、わざとなのは間違いない。だが、実際烏琉羽(うるは)の発言内容は、竹海(たけみ)からすると真っすぐ意に沿うものだった。

 

「いえ、このままでお願いします、健太様。どうか、私を貴方のパートナーに、お側においてください。お願いします」

 

 そう言って、服を着るどころか、土下座を改めるそぶりすら見せない。

 自分の拙い説得でどうにか出来る話ではない。それを理解した健太は、一瞬『戦士の不動心(マインドスイッチ)』をオンにするか考えるが、結局それは止めておいた。来斗(らいと)のようなただの倶楽部メンバーならばともかく、パートナー志望となれば将来的には(もしくはこの後すぐ)セックスをする関係になる。その時は『戦士の不動心(マインドスイッチ)』に頼ることは出来ないのだ。

 ならば、極力『戦士の不動心(マインドスイッチ)』をオンにせずに接する方が良い。

 

 もはや取り繕うことも無意味であると悟った健太は、大きく数度深呼吸をした後、裸の竹海(たけみ)の背中を見下ろし、口を開く。

 

「一応確認しますけど、竹海(たけみ)先輩は現在倶楽部に所属していないし、誰のパートナーでもないんですね? それなら、倶楽部入りは大歓迎です。よろしくお願いします。ただ、パートナーに関しては、蘭先輩の意見を聞いてからでなければ、ご返答できかねます」

 

「蘭からは、「大歓迎」と言われています」

 

「あぐっ……」

 

 裸土下座のまま、間髪入れない竹海(たけみ)の答えに、健太は非常に情けない声を喉から漏らした。

 今の「パートナーは蘭の意見を聞いてから」というのは嘘ではないが、逃げ口上であったことも確かだ。今のままでは、勢いと欲望に負けて受け入れてしまいそうだ、と健太はまだ冷静さを残している頭の一部で考えていた。

 

 蘭が「大歓迎」と言っているというのは、嘘ではないだろう。健太が碧鷺(へきさぎ)荘に戻っている間、竹海(たけみ)が蘭と話し合う時間は十分にあったし、後で確認すればすぐにばれる嘘だ。パートナー契約は結ぶには男女の同意が必要だが、破棄には男の意思だけで出来る。嘘をつく利点は薄い。

 

「そ、そうですか。それなら、ええと……」

 

 思わず健太は逃げ場を求めるように視線を烏琉羽(うるは)に向けるが、烏琉羽(うるは)はニコニコ笑顔のまま、左腕でグッとガッツポーズをとると、声を出さずに口の動きで「がんばれ」と伝えて来る。言われた通り静かにしつつ、煽りと焚きつけをしてくる烏琉羽(うるは)に、健太はちょっとイラッした。

 

 ともあれ、こうなると素直に答えるしかない。ここで嘘をつく理由も利点もない。

 

竹海(たけみ)先輩が俺のパートナーになってくれるなら、俺は嬉しいです。はい、大歓迎です」

 

 その言葉に、やっと竹海(たけみ)は頭を上げる。

 

「ありがとうございます、健太様。精一杯、お仕えします」

 

 口上の内容はすでに隷属しているかのごとくだが、やっと見せたその顔に浮かぶ表情はむしろ、「獲物をしとめた」狩人の如き笑みが浮かんでいる。

 

「よ、よろしくお願いします」

 

 なし崩し的に、パートナーが増えた健太は、そう言葉を返すしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「実際のパートナー申請手続きは明日の朝までできませんが、先に実質的にパートナーなりましょう」

 

 そんなことを言う烏琉羽(うるは)に腕を引かれ、健太は服を着たままベッドに腰を下ろす。その健太の両足の間に全裸の新パートナー――竹海(たけみ)が入り込みこむ。

 ベッドに座る健太の股下の床に、裸の竹海(たけみ)が正座をしているのだ。

 

「失礼します」

 

 そう一言断ると、竹海(たけみ)は下から健太のズボンのチャックに手を伸ばした。器用にズボンのチャックを開け、トランクスの穴から健太のペニスを取り出す。

 もうとっくに、限界まで勃起していた健太のペニスは、ほとんど垂直に近い角度で竹海(たけみ)の顔の前に立ちあがる。

 

 その硬い肉棒に、竹海(たけみ)は為うことなく顔を寄せる。

 

「ん……チュッ、ンン……」

 

 最初に鈴口に口づけをし、続いて口から延ばした赤い舌で肉棒全体をゆったりと嘗め回した後、肉棒全体を口に含む。

 手慣れた口戯(フェラチオ)、と健太が感じてしまうのは、健太がまだまだ学園に馴染んでいないからだ。この程度の性技は、二年以上の学園女子ならば、一部の例外を除きほぼ全員がこなす。

 

「っ……」

 

 ベッドの端に座ったまま、竹海(たけみ)口戯(フェラチオ)奉仕を受ける健太は、その心地よい感触に声を上げかけて、ベッドについていた両手を上げた。

 だが、結局どこに置き場がなく、元通り自分が座る尻の左右に下ろす。この体勢で竹海(たけみ)に触ろうとすれば、頭か肩か背中だろうが、どこを触っても何となく良くない気がしたのだ。

 

(ヤバい。これ、ヤバい、マジでヤバい)

 

 高まる性感と比例するように、健太の焦りも上昇する。

 元々、健太はフェラという行為はあまり好きな方ではないつもりだった。もちろん、前世の健太はバリバリ童貞のため、その感想はあくまでAV鑑賞での話だ。だが、AVでフェラチオシーンをスキップするくらいには、その手の行為は「あまり興奮しない」と思っていた。

 だが、今、健太は自分でも驚くほど、興奮している。

 それは、口戯(フェラチオ)の物理的な感触よりも、視覚的な効果が大きい。

 

 自分は服を着たままベッドに座り、その足元に全裸で跪いた女が、一生懸命自分のペニスをしゃぶっている。その視覚的刺激が、ムクムクと支配欲と攻撃的な性欲を増幅させることを嫌でも自覚してしまう。

 

(あ、これ、駄目なやつだ。これ以上続けさせたら、性癖が歪む)

 

 そんな危機感を抱いた健太は、両手で竹海(たけみ)の両肩を掴むと、竹海(たけみ)の顔を自分の股間から引きはがした。

 

「健太君?」

 

 予想外の反応に、竹海(たけみ)はそれまでの『様付け』も忘れ、少し怯えた表情で健太を見る。

 流石にその表情の理由は、健太にも分かる。前戯を途中で中断させられたことで、なにか健太の不評を買ったのではないか、と不安に襲われているのだ。

 

(ど、どうしよう)

 

 とりあえず、健太はベッドに座ったまま、裸で膝立ち状態になった竹海(たけみ)を両腕で抱きしめた。

 

「あっ」

 

 抱きしめられた竹海(たけみ)は、一瞬身体を硬直させた後、ふっと全身の力を抜く。そのまま健太は、両腕だけで裸の竹海(たけみ)を抱き上げる。

 並みの男より長身で、胸と尻の肉付きに恵まれた体型の竹海(たけみ)は、お世辞にも軽くない。だが、今の健太ならば腕の力だけで簡単に持ち上げることができる。

 

 裸の竹海(たけみ)を仰向けにベッドに寝かせ、自分も服を脱ごうとした健太は、後ろから細い腕で抱きしめられた。

 

「ええと、烏琉羽(うるは)先輩?」

 

 竹海(たけみ)がそこに寝ているのだから、後ろから抱き着くのは烏琉羽(うるは)以外にあり得ない。そう言えば、今まで竹海(たけみ)にかまけて烏琉羽(うるは)の存在を忘れていた事実に、健太は今更ながら気づく。今夜は『烏琉羽(うるは)に対する報酬』の夜なのにこれはまずい。

 

 健太がそんなことを考えている隙に、烏琉羽(うるは)はブラジャー越しにその形の良い双乳を健太の背中に押し当てながら(ワンピースはいつの間にか脱いでいた)、器用に健太の服のボタンを外す。

 

「あ、え?」

 

 と健太が戸惑っている間に、烏琉羽(うるは)はあっという間に健太の上半身を裸に剝いてしまった。健太が自分で脱ぐより手際が良い。

 

「さあ、次はこっちです。ちょっとお尻を浮かせてくださいね」

 

 そう言って烏琉羽(うるは)はいともたやすく健太のズボンとトランクスを脱がせてしまう。ベッドに座っていたはずなのに、なぜここまで簡単にズボンを脱がせることが出来るのだろうか。

 

 あっという間に裸になった健太は、逆に少し落ち着いてきた。

 自分だけ服を着たまま、局部だけを露出して、全裸の女子に奉仕させるというのは、背徳感がひどい。覚えてはいけない興奮を覚えてしまう。

 

「では、始めましょう。さあ、どうぞ、健太さん」

 

 そう言って烏琉羽(うるは)は全裸に剥いた健太の体に、白い下着姿の自分の体を押し付けながら、手でベッドに横たわる竹海(たけみ)を指し示す。

 

「はい……ええと……」

 

 何をするべきかは分かるのだが、どうすればよいか分からない。

 セックスに関しては、ビギナーに毛が生えた程度の経験しか積んでいない健太に、二人の女を同時に相手取るやり方が分かるはずもない。これが、一般的な学園男子のように「俺がやりたいようにやる」と開き直れるのならばまだやりようがるのだが、『戦士の不動心(マインドスイッチ)』がオンになっていない時の健太は、基本対人関係に臆病で色々気にしすぎる傾向にある。

 

 竹海(たけみ)をパートナーとして迎える夜なのだから、まずは竹海(たけみ)から行くべきか。だが、今夜は本来烏琉羽(うるは)に対する『報酬』を払う夜なのだから、やはり烏琉羽(うるは)が優先か。しかし、この部屋に竹海(たけみ)を呼んだのはその烏琉羽(うるは)なのだからやはり、竹海(たけみ)から……。

 

 ダンジョンダイブによるレベルアップの恩恵が無ければ、勃起に悪影響が出そうなくらいの戸惑いようだ。

 そんな健太の様子を見て、烏琉羽(うるは)が全体をリードする。

 

「まずは、竹海(たけみ)さんからお願いします。パートナーとなるのですから、蘭さんと同じように可愛がってあげてください」

 

「はい」

 

 方向性を決めてもらえば、健太もやりやすい。

 健太は、ベッドの上に仰向けに寝る竹海(たけみ)の上に、覆いかぶさるようにして四つん這いになった。健太が体勢を低くすると、最近多少筋トレの成果が出て来た健太の胸板と、その下に寝る竹海(たけみ)大きな双乳の先端が触れ合う。

 

「あ……」

 

 胸板と乳房、裸体と裸体が触れ合う感触に、下から竹海(たけみ)が小さく息を漏らす。

 

(凄い、大きい)

 

 健太は感動してしまった。蘭でもこの高さでは、まだ胸と胸が触れ合うことはない。カップ数では蘭と竹海(たけみ)は同じくらいだが、竹海(たけみ)の方が十センチ以上背が高い。その分、乳房も大きい。そして、良く鍛えられているため、仰向けに寝ても、ほとんど横に流れていないのだ。

 健太は、その豊かな乳房の魔力に引き寄せられるようにして、身体をゆっくりと下げていった。上から覆いかぶさる健太の胸板で竹海(たけみ)の乳房が押しつぶされる。

 同時に、健太は竹海(たけみ)の唇に己のそれを重ね合わせた。

 

「ん? ンン……」

 

 キスされると思っていなかったか、一瞬驚きで体を硬直させた竹海(たけみ)だったが、すぐにそれを受け入れ、積極的に健太の舌を受け入れる。重なる唇と唇の中で、舌と舌が絡み合う。

 

 上から覆いかぶさる健太は、竹海(たけみ)に体重を乗せないように気を配りながら、右腕を竹海(たけみ)の首の裏に回す。レベルが上がれば力も持久力も耐久力も上がるが、基本的に体重は変わらない。

 だから、『遊び人(ニート)』系第二段階職の『良い踊り子(ナイスダンサー)』となっている竹海(たけみ)ならば、男として中肉中背な健太が全体重をかけたところで、びくともしないだろうが、だからといって女の上にどっしり乗ることができる健太ではない。

 

 右腕で竹海(たけみ)を頭を抱き寄せるようにして、口づけを交わしたまま、健太は仰向けに寝そべっている竹海(たけみ)の左側に体を下ろしていく。曲がりなりにも一年間、この学園の女子をやってきた竹海(たけみ)は、すぐに健太の意図を察した。

 健太が竹海(たけみ)の上から竹海(たけみ)の横に位置をずらすと同時に、竹海(たけみ)も健太の右腕と口づけに導かれるまま裸体を回す。

 

 竹海(たけみ)と健太は、顔と顔を合わせる、横寝の体勢になった。

 蘭と寝る時も、この体勢でいる時間が一番長い。先ほど烏琉羽(うるは)に「蘭と同じように可愛がってあげて」と言われたことと、無関係ではあるまい。

 

 その烏琉羽(うるは)は、健太や竹海(たけみ)が寝ているベッドの足側に腰を下ろし、楽し気に二人の情事を見守っている。その笑顔は、「いつ、乱入しようか」牙を研いでいる肉食獣の笑みだ。

 

 健太は、竹海(たけみ)の首の下に差し込んでいる右腕で、ガッチリと竹海(たけみ)の頭を掴み、キスを続ける。

 

「ン、ンン、チュッ……」

 

 同時に、先ほどから胸板で味わっていた、竹海(たけみ)の乳房に左手を伸ばす。

 

(凄い、大きい!)

 

 それは、改めて感動する大きさだった。同じ巨乳でも、蘭のそれとは違う。何処までも柔らかな蘭の乳房に対し、竹海(たけみ)の乳房は押し返す弾力のある柔らかさだ。だが、どちらが魅力的かと聞かれれば、健太は答えに窮するだろう。巨乳同士に上下を付けられるほど、健太は経験を積んでいない。

 

 いつまでも揉んでいたい乳房の魔力にどうにか抗い、健太は左腕を竹海(たけみ)の股間に伸ばす。

 

「あ……アア!」

 

 濡れた女性器の入り口を指で撫でられた竹海(たけみ)は、たまらず口づけをやめて、嬌声を漏らした。中はすでに、熱く潤っている。学園の男子がセックス中勃起しっぱなしなのと同様に、学園に馴染んでしまった女子は簡単に性器を潤す。

 知識と、まだ少ない経験から、その事実を知っていた健太だが、念のため確認した。健太はそのまま、中指を竹海(たけみ)の熱い膣内に差し込み、傷つけないよう気を配り、中で動かす。

 

「ア、イイ、ア……アア!」

 

 竹海(たけみ)の熱い吐息が、健太の首筋を(くすぐ)る。その反応が、素なのか演技なのか、見分ける眼力は健太にはない。ただ、素直に極上の美女が自分の手で嬌声を上げる刺激に、興奮を高めるだけだ。我慢が出来なくなるのは当然だった。

 

 健太は再び竹海(たけみ)を仰向けにすると、今度は竹海(たけみ)のその長い両足を開き、その間に膝立ちの体勢でしゃがみ込む。そして、角度を下げるのに苦労するほどに硬く勃起した自分のペニスを、竹海(たけみ)の女陰に宛がい、一息で差し込んだ。

 

 正常位での挿入。

 次の瞬間、竹海(たけみ)の口から洩れた音は、これまでの嬌声とは明らかに異なるものだった。

 

「アアア!?」

 

 セックスの経験は一年男子でも少ない部類になる健太だが、複数の(クラス)を重ねたことによる『墜とす』力は、とてつもなく高まっている。

 その肉剣で貫かれた竹海(たけみ)は、それまでの稚拙な前戯で抱いていた余裕を一瞬で失い、大きく目を見開く。

 

「先輩、竹海(たけみ)先輩!」

 

 この半月弱の経験で、流石に正常位での腰の振り方は様になっている健太だ。

 健太は両手を竹海(たけみ)の大きな尻の下に回すと、ガッチリと竹海(たけみ)の下半身を抱え込み、一心不乱に腰を振る。

 

「ア、アア、ヒイッ! な、なに、これ!?」

 

 元々体力と腕力がけた違いだ。慌てて竹海が身をよじっても、興奮している健太には「抵抗されている」という意識すら届かない。

 そのまま健太は、竹海の細い腰から大きな尻にかけて、両手でガッチリと拘束し、猛烈な勢いで腰を振り続ける。

 

「ア、ア、アア! ダ、駄目、待って! アア!」

 

 やがて射精の気配を感じた竹海(たけみ)は、嬌声に懇願の言葉を乗せる。だが、この状態で、止まるはずもない。

 

「ヒッ!? ア、アア……!」

 

 竹海(たけみ)は、自分の(なか)に健太の熱い精液を感じた時、とてつもない勢いで自分の体の所有権が自分の手から離れていくのを実感した。

 

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