※この作品はR-18です。

ハイスクール転生アンド巻き込まれ   作:ミタライ

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第五十三話 堕ちた後、墜とした後

 

 

 

 正常位で二回。後背位で一回。すでに三度、(なか)に健太の精液を受けた竹海(たけみ)は、現在、対面座位の体勢で四度目の性行為を行っていた。

 ベッドの上で足を放り出して座る健太(けんた)の股間の上に、顔を合わせるように竹海(たけみ)が座り、健気にその大きく肉付きの豊かな尻を上下させている。

 

「ア……気持ちいいですか? ご主人様」

 

 その声、その顔、その瞳。今の竹海(たけみ)の全てから、健太に対する甘ったるい媚の色が滲み出ている。学園の関係者ならば一目でわかるだろう。『完堕ち』している、と。

 

「はい、竹海(たけみ)先輩。もう、夢見たいです」

 

 健太は、両腕でガッチリと竹海(たけみ)の豊かな肢体を抱きしめたまま、本心からの言葉を漏らす。

 健太より背が高い竹海(たけみ)と対面座位の体勢を取ると、健太の顔の前に竹海(たけみ)の豊かな胸元が広がる。もう、遠慮などどこかに吹き飛んでる健太は、その弾力のある巨乳の間に顔を埋めて、確信する。「今自分は幸せの絶頂にある」と。

 

 堕ちた女子にとって、自分を墜とした男子――ご主人様が自分に夢中になっていることは、最高の幸せだ。貪るような稚拙な健太のセックスが、今の竹海(たけみ)にたまらない快楽と幸福感をもたらす。

 

「嬉しい……アアッ……」 

 

 四度目の射精を受けて、竹海(たけみ)はぐったりと全身の力を抜く。健太は、それを両腕で抱きかかえて支えた。

 

「はあ、はあ、はあ……」

 

 まだ意識はあるが、その脱力感と荒い息遣いから竹海(たけみ)に負担をかけていると感じた健太は、竹海(たけみ)(なか)から自分のペニスを抜き取った。

 

「あ……」

 

 一瞬竹海(たけみ)が、寂しげな声を上げるが、そのまま健太が抱きしめ続けることで安心したのか、穏やかな表情を取り戻していった。

 その後も健太はずっと裸の竹海(たけみ)を抱きしめ続ける。先ほどまでの対面座位との違いは、入っているかいないかと、動いているかいないかだけだ。

 ちなみに健太のペニスは、四度の射精を経ても全く萎えることなく、今も隆々とソリ立っている。レベルが上がった学園生男子は、一度や二度の射精で萎えたりはしない。ましてや二十近い(クラス)を重ねている健太の場合、性欲を覚えている間はずっと起ちっぱなしといっても過言ではない。

 

 一方、竹海(たけみ)は一夜で墜とされ、墜とした男に愛情と欲情を限界までぶつけられ、終わった後も全身を密着させるように抱きしめられるという、爛れた幸福に包まれていた。

 今の竹海(たけみ)の状態が、毎夜の蘭によく似ていることを悟った健太は、そのまま竹海(たけみ)に安心感を伝えるようにしっかりと抱きしめたまま、ゆっくりと揺らす。片手で、汗で濡れた竹海(たけみ)のショートボブの髪に包まれた後頭部から首筋にかけてをトントンと叩く。寝かしつけようとしているのだ。

 蘭と過ごすいつもの夜ならば、このまま「お休みなさい」の流れなのだが、今夜の相手は蘭ではない。そもそも二人きりの夜でもない。

 

「駄目ですよ、竹海(たけみ)さん。ご主人様を満足させずに、気を失われては」

 

 それまでずっと気配も感じさせず、後ろで控えていた烏琉羽(うるは)が、突然竹海(たけみ)の後ろに回り込み、ペチンと竹海(たけみ)の大きな尻を叩く。

 

「はうっ!?」

 

 ダメージはないだろうが、結構大きな音を立てて尻を張られた竹海(たけみ)は、ビクンと意識を覚醒させた。

 

「はあ、烏琉羽(うるは)……?」

 

 健太に抱きかかえられたまま、竹海(たけみ)は首だけを捻り、トロンとした半開きの目を烏琉羽(うるは)に向ける。

 

「はい、烏琉羽(うるは)ですよ。さあ、竹海(たけみ)さん。惚けてる場合ではありませんよ。見てください。貴女のご主人様はまだ満足されてません」

 

 烏琉羽(うるは)の言葉に、竹海(たけみ)は反射的に視線を下に向けた。

 

「あっ……」

 

 現状、健太と竹海(たけみ)は対面座位から、ペニスを抜いただけの状態だ。少し体を離して下を向けば、竹海(たけみ)にもそれはすぐに見える。全く萎える気配もなく、ギンギンにそそり立つ健太のペニスだ。

 

「さあ、続けましょうね」

 

 烏琉羽(うるは)の言葉に、竹海(たけみ)は子供のような素直さで、こくんと一つ頷いた。

 

「いや、烏琉羽(うるは)先輩。竹海(たけみ)先輩にはここまで無理させちゃいましたし、これ以上は」

 

 と慌てたのは健太だ。

 四度目の射精時に、竹海(たけみ)が自分の腕の中で、ぐったりと全身の力が抜けたのを健太は肌で感じている。これ以上負担をかけるわけにはいかない。

 だが、そんな健太の常識的な判断は、この場では全く受け入れられなかった。

 

「あら、竹海(たけみ)さんは限界ですか? それでしたら、仕方がありませんね。続きは私にバトンタッチということで。それで良いですか、竹海(たけみ)さん?」

 

「ヤダ」

 

 竹海(たけみ)は本格的に幼児退行したように、長い両手両足でガッチリと健太にしがみつき、ブンブンと首を横に振る。もちろん、こんな大きな乳房と尻をした幼児などいるはずもないが。

 

「あの、竹海(たけみ)先輩? 烏琉羽(うるは)先輩?」

 

 健太は困った顔で、二人の先輩を見る。

 

「では、一緒に頑張りましょう、竹海(たけみ)さん。でも、竹海(たけみ)さんは流石にお疲れでしょうから、楽な体勢が良いですね。竹海(たけみ)さん、そこに寝てください」

 

「ン」

 

 烏琉羽(うるは)の言葉に、頑なに健太にしがみついていた竹海(たけみ)も素直に従う。

 

「もう少し足を広げてください。そう、そんな感じです。では、失礼します」

 

 ベッドに寝そべり、膝を曲げて両足を左右に開いた竹海(たけみ)の上に、烏琉羽(うるは)が覆いかぶさる。烏琉羽(うるは)もすでに下着の上下も脱ぎ捨てた全裸だ。

 簡単に言えば、正常位の体勢を取る竹海(たけみ)の上で、烏琉羽(うるは)が後背位の体勢を取っている。健太の位置からは、二人の女陰が何にも遮られずによく見える。

 先ほどまで、四回に及ぶ健太との性交を行っていた下の竹海(たけみ)はもちろん、今日はまだ前戯すらおこなっていない上の烏琉羽(うるは)の女陰も、滑る液体で潤み、光っている。

 

 烏琉羽(うるは)は、その形良い尻を健太に向けたまま、後背位の体勢を崩さず、自分の肩越しに健太に微笑む。

 

「さあ、健太さん。その欲望を思う存分私達の中で吐き出してください。私たちはそれを望んでいます。ほら、竹海(たけみ)さんも」

 

「ご主人様、ください。入れてください」

 

 竹海(たけみ)も正常位の体勢を維持したまま、首だけもたげて濡れた懇願の視線を健太に向ける。

 

烏琉羽(うるは)先輩、竹海(たけみ)先輩……」

 

 元から萎えるという機能を失ったかのように元気な自分の肉棒が、目の前の淫靡な美女の二段重ねに、更なる力を充填させるのを健太は意識する。

 

「順番とか、公平にとか、そんなことを何も考えないで。ただ、欲望をそのまま解き放てばいいです。それが私達には一番うれしいのですから」

 

「ご主人様、お願いします。もっと、可愛がって……」

 

 その光景に健太が、何時までも抗えるはずがない。そもそも、抗わなければならない理由もない。

 健太は、二人の尻に襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 初めての複数の女性とのセックス。今の自分には難易度が高い、としり込みをしていた健太だったが、終わってみればそれはただただ興奮し、最高に気持ちよいだけの時間であった。

 当たり前である。女二人に男一人で、女二人はどちらも男に隷属しているのだ。どのような扱いでも、不満を漏らすはずがない。その上、二人の女のうちの一人である烏琉羽(うるは)は、セックスに関しては百戦錬磨の『娼婦(ニンフ)』。

 その烏琉羽(うるは)が、時に言葉で、時に行動で健太と竹海(たけみ)を巧みに誘導していったのだ。誘導する方向は、『愛しいご主人様』である健太が少しでも喜んでもらう方向。

 

 健太にとって、今夜が至福の時間となったのは、当然と言えよう。

 

 健太はベッドの真ん中で仰向けに寝そべっていた。

 右腕で寝息を立てる竹海(たけみ)を抱き、左腕でなにか達成感を滲ませる笑みを浮かべた烏琉羽(うるは)を抱いている。

 あの後、最低でも烏琉羽(うるは)に三回、竹海(たけみ)にももう二回、出した。股間はそれでも萎えずに硬くなっているが、気持ちの上ではもう今夜はこれで十分だ。

 それが分かっているのだろう。烏琉羽(うるは)は、先ほどまでの淫靡な笑みを一転、楚々たる笑みを浮かべる。裸で体を合わせているのに、それだけで先ほどまでの匂い立つような淫靡な雰囲気が一掃されている。 

 

「スースース―……」

 

「ウフフ、ご満足いただけましたか?」

 

 健太の体を挟んだ反対側で、静かな寝息を立てる竹海(たけみ)を起こさないように、烏琉羽(うるは)は本当に小さな声で、健太の耳元でささやく。

 

「はい、それはもう」

 

 右腕を竹海(たけみ)の枕として提供している健太は、視線だけ左側で寝そべる烏琉羽(うるは)に向けて、同じくらい小さな声でそう答える。

 実際、健太にとってレベルアップを重ねて以降、もっとも性欲を発散したと言える夜だった。残念ながら蘭と二人で過ごす夜は、精神的な幸福感は勝っても、肉体的な充実感は遠く及ばない。

 

 賢者タイムと呼ぶにはまだ股間の強度が全然萎えていない健太だが、精神的は満足しているため、ある程度冷静に頭を働かせることができる。

 

「でも、烏琉羽(うるは)先輩。なぜ、こんなことをしたのですか?」

 

 今夜が突然、竹海(たけみ)を加えての複数プレイになったのは、言うまでもなく烏琉羽(うるは)の意向だ。烏琉羽(うるは)が何の考えもなく、このようなことをする人物かと聞かれれれば、「やりそうだな」というのが健太の答えになるのだが、同時に何らかの意図をもってやりそうな人物でもある。

 

 健太の言葉に少し目を細めた烏琉羽(うるは)は、少し間を開けた後、端的に答える。

 

「……早めに覚えた方が良いからです。複数の女を同時に抱くやり方を。誰でもとは言いませんが、健太さんの場合はですね」

 

「覚えた方が良い?」

 

 この学園で生活する以上、セックスは日常とならざるを得ないし、その場合一対一はむしろ珍しい。一番多いのが男多数と女少数の乱交で、その次に多いのが男多数に女一人の輪姦。それに比べるとグッと頻度が下がるのが、男一人に女複数のハーレムプレイだ。

 ハーレムプレイを日常に出来るのは、学園でもごく一部のトップ層男子だけだ。烏琉羽(うるは)は健太がその一部のトップ層となることを、確信していた。

 

「はい。パートナーが一人二人程度でしたら、一対一のローテーションでも大丈夫ですけど、五人、十人と増えていけばそうもいきません。女の都合を押し付けることになるので、あくまで健太さんがお嫌ではなければの話ですが、健太さんが複数の女子を同時に可愛がって下さるようになれば、かなり問題が解決しますから」

 

「ご、五人、十人ってそこまで増やすつもりありませんよっ」

 

 隣で寝る竹海(たけみ)を慮り、大声こそ出さないが「心外だ」という感情を露わに健太はそう言う。

 だが、烏琉羽(うるは)はパチクリと一つ瞬きをすると、

 

「増えますよ?」

 

 そう、まるで決まりきった未来を告げるように言い切った。

 

「増えるって、それは」

 

「健太さんは、この部屋を開けて最初に会った竹海(たけみ)さんをどう思いました?」

 

 健太の反論と重なるようにして放たれた烏琉羽(うるは)の問いに、健太は少し戸惑いながらも正直に答える。

 

「それはもう、びっくりしましたよ。当たり前ですけど」

 

 ドアを開けたら、グラマラス美女に裸土下座で迎えられて驚かない男が果たしているだろうか? 世間ならば九十九%の同意を得られそうな健太の感想は、残念ながらこの学園ではそこまでの賛同は得られない。

 

「その後、竹海(たけみ)さんに押し切られて、竹海(たけみ)さんをパートナーとする約束をしましたよね。正直申し上げますと、私あの場面を見て思いました。「健太様、チョロいなあ」と」

 

「チョロいって、いや、だって」

 

 健太としては心外な評価である。竹海(たけみ)クラスの美女の裸土下座に押し切られたことを「チョロい」と言われるのは、納得できない。ベンチプレスで百キロを上げられない男を「非力だ」と言っているようなものだ。

 そして、そんな健太の感想は、ある意味で非常に正しかった。

 この学園では、ダンジョン勢の戦闘職の男子ならば、(SPを使用して)ベンチプレス百キロを上げらない男は実際非力だし、たかが裸土下座程度で押し切られる男は「チョロい」のである。

 

「健太さん。健太さんの強さと、パートナーに対する待遇ですと、裸土下座『程度』でパートナーになれると知られれば、寮の廊下の左右に裸土下座女子の列が出来てしまいますよ」

 

「そんな」

 

 馬鹿な、と笑い飛ばそうとした健太は、烏琉羽(うるは)と視線を合わせてその笑いを凍り付かせた。

 

「え? 冗談ではなく」

 

「冗談でも、大げさでもありません。庇護を求める女子にとって、それくらい魅力的な立場です、健太さんのパートナーというのは」

 

 この学園では強い男子の庇護を求める女子がいる。精神的にダンジョンダイブに適応できなかった女子、(クラス)的に自力でのダンジョンダイブが難しいことを、受け入れてしまった女子。

 そんな女子達にとって、男子の庇護は切実に欲するものだ。学園最底辺の女子などは、エンジョイ勢と呼ばれる男子の庇護でも、ないよりはましなのだという。

 そんな中、健太の能力とパートナーとなった蘭の扱いが知られれば、とてつもない数の女子が押し寄せるというのは、決して大げさな話ではない。

 

「それなら、叶馬(とうま)誠一(せいいち)だって条件は同じなんじゃ」

 

 烏琉羽(うるは)もここ白鶴(はくつる)荘の寮生である以上、叶馬と誠一の二人についてはある程度見知っている。ちょっと前までは叶馬も誠一も毎晩、白鶴荘の静香と麻衣の部屋に入り浸っていたのだ。

 だから、烏琉羽(うるは)はちゃんと根拠をもってその言葉に反論する。

 

「叶馬さんは、強いことは一目で確信が持てるでしょうけど、あの方の懐に飛び込むことができる者は限られているでしょう。

 誠一さんは、すでに学園の流儀に適応してらっしゃいます。自分が女子に狙われていることを自覚して、綺麗にあしらってますよ」

 

 叶馬は来る者は拒まずなのだが、そもそも叶馬のところに来る者がごく少数だ。目のところに穴をあけた紙袋を被っただけで、モンスターと間違われる叶馬のオーラに負けずに飛び込んでくるのは、本質を見抜く目を持っているか、完全に切羽詰まっているかどちらかだ。だから、叶馬のパートナーには異常に重い女子が多い。

 一方誠一は、実はかなり情に厚いタイプであり、本人もそのことを自覚している。だから、パートナーは麻衣一人だけで、それ以外の女子は適度に楽しむだけで、あえて深い関係にならないようにしている。

 

 対して健太は、モテない男子の典型で、自分に好意を向けてくれる女子を拒むもしくは、あしらうスキルが極端に低い。一応、巨乳好きという(ふるい)があるように見えるが、今まさに烏琉羽(うるは)の誘惑に負けているように、別段巨乳でなければ絶対ダメ、ということもない。

 この学園の女子ならば、九割以上が健太のお眼鏡にかなってしまうだろう。切実に庇護者を求める女子には、絶好の駆け込み寺に見えてしまう。

 

「そもそも、健太さんはパートナーを何人くらい抱えるつもりなのですか? それとも、『お気に入り』以外は別な形で確保するつもりなのでしょうか?」

 

 この学園で男子が女子を『確保』する一番スタンダードなやり方は公式のパートナー制度だが、女子の『確保』手段はパートナー制度だけに限らない。

 それ以外にも倶楽部の仲間と一緒に多数の女子を墜とし、その女子だけで俱楽部を作らせて、自分の倶楽部と完全な上下関係の『同盟(アライアンス)』を結ばせ、オナホ女集団として保有している者もいる。

 もっと雑に『墜とす』だけですませ、使いたいとき呼び出す。別な男に『墜とし取られ』ていたら、文句を言いながら諦めるだけ、というやり方の者もいる。

 正式にパートナーとし、自分の倶楽部に所属させるというのは、女子からすると一番マシ、一番望ましい『確保』のされ方だ。

 

 烏琉羽(うるは)の問いに、健太はしどろもどろになりつつも、素直に答える。

 

「ええと、考えたこともなかったです。元々、一人でもパートナーとなってくれる女子がいたらラッキー、くらいの感覚でしたから。蘭先輩がパートナーになってくれて滅茶苦茶嬉しくて、今日竹海(たけみ)先輩までパートナーになってくれて、もう夢みたいってのが、俺の正直な感想です」

 

 健太は知識として、「この学園では今の自分は、女子を選べる立場である」という認識は持っている。だが、それまでの彼女いない歴イコール年齢な人生を通して一度出した「俺はモテない」という結論を、上書きするのは難しい。

 

 健太の答えは、流石の烏琉羽(うるは)でも予想外だったのだろう。烏琉羽(うるは)はその切れ長な目を大きく見開き、しばらく言葉を失った。

 

「……そのスタンスですと、際限なく増えてしまいますね」

 

「増えますか?」

 

「増えます」

 

 期待半分、不安半分。恐る恐る確認する健太に、烏琉羽(うるは)はあっさりと言い切る。

 

「あまり増やし過ぎると、隷属が利かなくなるという問題もございますね。まあ、健太さんの扱い方でしたら、隷属が解けても離れていく女子はほとんどいないでしょうけれど」

 

 烏琉羽(うるは)が言う通り、一人の男子が一度に隷属させられる女子の数には限界がる。一般的に男女のレベルが同等ならば一人が限界、トップ層の男子でも同時に四、五人隷属させている者が『破格』と呼ばれる世界だ。

 例えば、五人が限界の男子が六人目を隷属させてしまった場合、自動的に一人目の隷属が外れてしまう。

 同時に隷属可能な人数以上のパートナーを抱えると、常に一定数隷属していない女子が生まれてしまう。これはこれで、もめ事の種だ。

 開き直ってハーレム状態を受け入れてしまった女子にとって、隷属はむしろ精神の安定という意味でも、快楽を助長する意味でも望ましい状態だ。自分の隷属を外す他のパートナーを疎み始める例もあるという。

 

(そう言えば、俺は同時に何人くらい隷属させられるんだろう?)

 

 健太は、自分がチート能力のせいで学園の常識に当てはまらないことを自覚している。

 原作の叶馬(とうま)は、最大で二十一人のパートナーを有し、その全員を同時に隷属させていた。それでもまだまだ余裕というか、底が見えない状態だった。

 誠一(せいいち)は常時隷属させているのは、唯一の正式パートナーである麻衣(まい)だけだが、作中でつまみ食いした女子がその度に一発で隷属している描写があった。麻鷺(あさぎ)荘の『娼婦(ニンフ)』コンビ、朱音(あかね)紫苑(しおん)を叶馬と隷属の取り合いが出来ていたので、ひょっとすると、誠一の隷属させる強さは叶馬並みとも考えられる。

 

 対して健太は、複数の(クラス)を重ねているという特殊な事情がある。単純に全てのレベルを合計すると、現時点でも250レベル前後に達しているのだ。(らん)竹海(たけみ)の堕ちの早さ、深さから鑑みても、健太の墜とす力は学園の常識よりは、叶馬や誠一に近いレベルにあると考えた方が無難だろう。

 ただし、叶馬と誠一が、『娼婦(ニンフ)』の朱音(あかね)紫苑(しおん)を一日で墜としてしまったのに対し、健太は同じ『娼婦(ニンフ)』の烏琉羽(うるは)を墜とせていないのだから、叶馬、誠一よりは下だと考えるのが無難だ。

 

「そうですね……少し考えておきます」

 

 先延ばしと分かっていても、今の健太には、それ以外の答えが出せない。

 

「それがよろしいかと。幸い、健太さんのパートナーはお二人とも上級生ですので、この学園での男女の付き合い方に関しては、それなりに詳しいでしょう。(らん)さんと竹海(たけみ)さんにご相談するも有益かと存じます。外部からの助言が必要でしたら、私も微力ながらお手伝いいたします。

 ただ、いずれにしても、この学園のパートナー制度では全ての決定権は殿方にございます。

 健太さんご自身がどうしたいのか、それをまず明確にしておくことが肝要かと」

 

「はい、助言、ありがとうございます」

 

 素直に礼を言う健太に、烏琉羽(うるは)は尊いものを見るように目を細めて笑うのだった。

 

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