※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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ちょいとスランプ中です。
と言うより、MHXが殆ど進んでいないのでk、そこら辺をどう書くか迷っていると言いますか。
ある程度話は進んでいるのですが、やっぱり土台となるストーリーがあると無いとでは雲泥の差です。


第111話

鬼門月土日祝日に外食しない主義日

 

 

 相馬さんが異界に向かったのは、異界に呑まれて行方不明になっていた百鬼隊の遺体を回収する為だったらしい。

 生き残った隊員は、死んでしまった隊員の願いを叶える。

 その為に、相馬さんは数年間、各地を転戦して異界をさ迷い歩いていたのだそうだ。

 

 …スゲェな。

 俺にはできそうにない話だ。

 どんなに仲がよかった相手でも、死んでしまったらハイそれまでよ…なんて思いかねない。

 …いや、今までは自分が死んでいたから、そうだったのかな。

 

 百鬼隊とウタカタのモノノフを勝手に動かしたって事で、九葉のオッサンからちょっと小言があったらしいが、「士気に繋がるなら歓迎しよう」とも言ったそうなんで、まぁお咎め無し。

 めでたしめでたし、でいいだろう。

 

 後は虚海を捕らえるだけ、という段階ではある。

 秋水と九葉のオッサン曰く、そろそろ定期連絡の時期だから、準備をしておけ…との事。

 

 

 それはいい。

 それはいいんだ。

 

 問題はむしろ、俺に起きつつある。

 その問題とは…。

 

 

 

 腹が減る事だ。

 

 

 ここ数日、食っちゃ寝食っちゃ寝した生活を送っていたが、妙に腹が減る。

 元々健啖ではあったが、食った傍からまた腹が鳴る、なんて事は無かった。

 

 ただ腹が減るだけならいい。

 喰い合わせとかの問題もあるだろうし、そういう事だってあるだろう。

 

 

 が、俺の体は半ばアラガミ。

 ゴッドイーターが腕輪の制御を失い、アラガミと化す際、異様な空腹感を覚える。

 …情報源は、ゲームシナリオにおけるリンドウさんの独白と、実際に何度かアラガミ化した俺の実体験だ。

 

 あの時程酷い空腹感ではない。

 酷くは無いが、あの時に通じるモノがあるのも確かだ。

 

 制御されていたアラガミ化が、再度始まっているのか?

 切っ掛けは明らかに、蝕鬼の触媒を取り込んだ事だろうが…一体どういう風に干渉しあったのやら。

 

 今更ながら、どうして俺がアラガミ化をコントロールできるようになったのか、未だに不明なのだ。

 原理を考察しようにも、唯一の手掛かりが、既に殆ど覚えていない夢だけだしなぁ…。

 

 蝕鬼も鬼には違いないから、鬼祓いすれば体の中の瘴気その他を散らす事はできるかもしれない。

 が、今回は瘴気の源自体が体内にあるんだし、それをどうにかしないと幾ら瘴気を払っても元の木阿弥じゃないか?

 

 そもそも、アラガミ化がコントロールできなかった頃は、瘴気を体に残す事で、Pナンタラ因子の活動を妨げ、アラガミ化の侵攻を防いでいた。

 その理屈で言うと、触媒が体の中にある事で、むしろアラガミ化できなくなるって展開になった方が納得ができる。

 しかし納得しようがしまいが、アラガミ化が再発しているのは事実(多分)。

 

 

 考えられる事としては、触媒とアラガミの因子が互いを浸食し合い、バランスが崩れて暴走している…ってところか?

 しかし、そうなるとどうやって対策すればいいのやら。

 この世界に、鬼や術の専門家は居ても、ゴッドイーターに関する知識を持っている者は居ない。

 ゴッドイーターの世界にも、アラガミやPナンタラ因子の研究者は居ても、オカルトの術を実用化できている者は居ない。

 強いて言うなら俺が両方を持っている訳だが、当然専門家でもなければ研究者と呼べるレベルでもない。

 

 ちゃんとした知識も無い状態で、思いつきや力技で何とかしなければならない訳だ。

 …内臓の負傷を、全く知らない食材ばかりを使った食事療法で治せって言われたらこんな気分になると思う。

 

 とは言え、やらない訳にもいかないんだよなぁ…。

 まぁ、死んでも続きはあるんだし、いつかは何とかなると思うけど。

 

 

 

鬼門月繁忙期に外食して快適に過ごせる訳が無い日

 

 

 うーむ、やっぱり異様に腹が減る。

 まだ気が狂いそうな程じゃないし、普通にメシ食ってりゃ耐えられるが、やっぱりちょっとイライラが…。

 

 …いっそ桜花の料理練習に付き合って、劇物食ってみるか?

 

 

 ……やっぱイヤだ。

 誰が好き好んで最臭兵器の類を口に入れるというのだ。

 いくら自分に食べさせる為に頑張っていたからと言って、アレに口をつけた橘花の自己犠牲には頭が下がる。

 ……アレって、やっぱりムードもヘッタクレもない状況で初めてを奪われた仕返しだったのかな…。

 でもそれだと俺に何もないのは不自然だし…。

 

 

 それはともかく、アラガミ因子にせよ蝕鬼の触媒にせよ、「これ以上喰いたくない」「これは食べたくない」と思わせるのは有効かもしれんな。

 それをどうやって実現するかが問題だけど…。

 

 この問題は、討鬼伝世界に居る間にカタをつけておきたいな。

 何せ、次のMH世界は……。

 

 

 まぁ、そろそろいいかな?とは思ってたんだよ。

 確定じゃないし、面白そうな事があればそっちに行こうとは思ってるんだが。

 

 いい加減、MH世界でもそれなりに経験を詰んだ。

 真っ当な実力とは言いづらいにせよ、それなり以上に研鑽を重ねたとは思っている。

 

 

 だからな……行こうと思うんだよ。

 開拓地。

 フロンティア。

 

 

 元々居たのがメゼポルタでMHFだったのは確かだけど、俺がそこで活動していたのは僅かな一時期だけ。

 それも精々下位の上と言ったレベルでしかなかった。

 

 挑もうと思うんだ。

 上位に。

 いけるなら、その先のG級に。

 

 そこで通用するなら、他の2つの世界において戦力不足という事はなくなると思う。

 その為にも、余計な懸念は潰しておきたい。

 特にアラガミ化に関しては、実力に関係なくタイムリミットが定められてしまうようなものだ。

 

 

 

 だーからってなー、「そうしておきたい」が実現可能だったら苦労しねーよ。

 実現するのにちゃんと考えてしっかり行動せにゃならんのだが…どっちに進めばいいのかも分からん。

 助言を求められるのは、精々樒さんだけか。

 

 一人でもアドバイザーが居るってだけで、ありがたいと思うべきだな…。

 

 

 

 

 という訳で、早速樒さんに相談してみた。

 流石に1回2回診察しただけでは細かい事までは分からないんで、「こうなっているんじゃないか」という推測を立ててくれた。

 

 そもそも、俺の体はのっぺらミタマの集合体だ。

 例え蝕鬼の触媒と言えど、ミタマを浸食する力は無い。

 鬼に食われた英雄の魂が、身動きはとれずともピンピンしているのを見れば分かるだろう。(生憎、実際に鬼から解放された魂に立ち会った事は無いが)

 

 ゲームの話になるが、システム上、極に突入したとしても、鬼を倒して英霊の魂を手に入れる事には変わりない。

 それは蝕鬼が相手であっても同じだろう。

 

 このように、ミタマというのは鬼の力に対して強い抵抗力を持っている。

 その集合体である俺が、例え蝕鬼の触媒を体内に取り込んだのだとしても、そうそう一気に体が変質するとは思えない。

 

 尤も、俺の場合は英雄ではなくのっぺら…プレイヤーのアカウントなどの残りカスだと考えられるので、同じ力を持っているかは怪しいが。

 

 

 では、何故俺の体は変化したのか?

 可能性としては…単純にのっぺらミタマでは触媒の力に耐えられなかった。

 或いは、何らかの思惑があって、積極的に取り込もうとしている。

 

 前者…の可能性は非常に高いが、それなら何故現在、人間の姿に戻れているのか。

 何らかの形で、崩れた均衡が再び保たれているのだと考えられる。

 

 後者だとしても、触媒の力を抑え込む、何らかのアテがあったからこそ取り込もうとした。

 それが上手くいったかはともかくとして、やはりこれでも触媒の力は安定している事には変わりない。

 

 

 

 

 …以上が樒さんの考察だ。

 

 なるほど、言われて見れば確かに、現在の触媒の力は安定している。

 俺の体は徐々にアラガミ化しつつあるようだが、蝕鬼としての力に蝕まれている訳ではないのだ。

 触媒はバランスが崩れた切っ掛けでしかなく、今尚浸食が続いている様子は無い。

 

 つまりは、アラガミ化にのみ集中すればいいのか。

 あくまで推測の域を出ない話だが、問題が1/2になったと思えば、大きな進歩だ。

 

 

 ここからは、俺の推測になる。

 と言っても、明確な知識も無い上に、想像に想像を重ねた楽観的妄想…或いは願望でしかないが。

 

 アラガミの特徴は多々あるが、その一つに進化の早さがある。

 進化、というより、これは変化と表現した方がいい。

 群れたアラガミ細胞の中心にあるコアが、その群れ全体の統率を取り、さも生物であるかのように活動する。

 細胞の並び方を変える事により、骨格を、筋肉を、機能を再現して模倣している。

 

 今の俺に起こっているのは、正にコレではないだろうか。

 体内に取り込んだ蝕鬼の触媒の何かを真似ようとしている。

 

 という事は、少なくともこのまま変化が進めば、どういった形になるにせよ安定はすると思う。

 ひょっとしたら、アラガミ化ができなくなったり、或いはアラガミ状態から戻れなくなる事もあるかもしれんが…。

 

 

 

 ん?

 でも待てよ、俺の体ってのっぺらミタマの集まりだよな。

 それがどうしてアラガミでもあるんだ?

 …のっぺらミタマが、アラガミ細胞を真似ている…のか?

 少なくとも、GE世界で機械を使った診察を受けた時は、神機適合率はあまり高くないが、普通のゴッドイーターとして扱われていた。

 アラガミ化した状態で診察を受けた事もあるが、その時も…少なくとも、体自体はアラガミと変わらないと診断された。

 人間状態とアラガミに変身、そこから戻るメカニズムはさっぱり解明されなかったけど。

 

 …分からんが、これについては考えても仕方ない事かもしれないな。

 他の世界ならともかく、この世界、ひいてはミタマが存在する世界は、「この世の物ではあり得ない」系の素材が普通に出てくる世界だ。

 それと同じで、物理法則を無視する存在になっているんだろう。

 

 だったらもっと徹底的に無視してほしいものだ。

 具体的に言うと空を飛びたい。

 タケコプターや舞空術的な意味で。

 それ以外なら、何度か空を飛んだ事はあるしな。

 

 

 

 

鬼門月なので自宅でお好み焼日

 

 

 虚海からの連絡が来た、と九葉のオッサンが言い出した。

 なんかの提示連絡の為らしいが…とにもかくにもあのポンコツを捕らえる絶好の機会であるのは事実だ。

 

 ちなみに、人質を護りに行った速鳥はまだ帰ってきていない。

 そうそうドジを踏むような奴でもないから、迂闊に連れ出せない状況なんだろう。

 しかし、しっかりと警護はしていると見た。

 

 ともあれ、この際だから虚海を捕らえ、個人的にも色々問いただしておきたいところ。

 これだけやらかしたのだから、虚海が討鬼伝極のストーリーにおいても、非常に重要な役割を持つのは確実だ。

 蝕鬼の触媒の事も、それ以外の事も、もっと詳しく聞きださなければ。

 

 

 会合があるのは、明日の昼。 

 それまでは何事も無かったかのように振る舞い、更に別の任務に見せかけてモノノフがそれぞれ出発。

 ややこしい経路を通って、虚海との会合地点にて落ち合う予定である。

 

 今回は人手が欲しいからと、狩りを禁じられていた俺も借り出された。

 ま、虚海だしな。

 

 …というのは流石に冗談だけど、場所があの結界石の洞窟の中だ。

 瘴気なんぞまず入って来れないし、俺にとってはむしろ里よりも体が休まる場所なのかもしれない。

 

 

 …そうだ、いっその事結界石を取り込めば、この体も安定するんじゃないか?

 蝕鬼の触媒の力を消し去ってくれるかもしれない。

 

 …いや、恐らく駄目だな。

 樒さんも言ってたが、触媒は所詮、バランスが崩れた切っ掛けに過ぎない。

 今更触媒を押さえ込んだところで、崩れたバランスが元に戻る訳じゃない。

 バランスを元に戻すか、或いは新たにバランスを保つ為に何かを重石にするか。

 

 

 うぬぅ…。

 

 

 ハァ、正直行き詰ってるな。

 そんな状態のまま延々と考え続けても仕方ないし、エロい事でも考えるか。

 

 そうだな、やっぱり今回のループ…に限った事じゃないけど、橘花が天元突破しまくっている。

 逆に桜花が地の底まで自分からI can't flyしている感じだが、不思議と組み合ってるからそれは別にいい。

 樒さんはというと、エロい事に抵抗はないし俺にそれなりに愛着も感じてくれているが、だからと言ってそれに溺れている訳じゃない。

 ある意味では、口説き落とせなかったと言うべきなのかね?

 

 何にせよ、今回ループで最も多く絡んでいるのは橘花である。

 以前から、より刺激の強い事、インモラルな事に益々のめりこんでいる節がある。

 処女ではなくなった頃から、その傾向は一層広くなった。

 

 

 このまま進めば、一体どこまで駆け抜けてしまうやら。

 ひょっとしたら、俺の手に負える生き物ではなくなってしまうかもしれない。

 流石にそれは無責任だし、それ以上に自分の女が他の男の手に触れられるのは癪に障る。

 ここらでコッチ方面もパワーアップしたいものだ。

 

 

 当面、これ以上に刺激的な事と言えば……孕ませるのと、大きくなったお腹を抱えての遊び?

 オカルト版真言立川流に更に改良を加え、それこそエロゲみたいなシチュエーションも実現してみたいものだ。

 

 

 

 ああ、それにしても腹が減った…。

 

 

 

 

HR月緑茶こそ基本日

 

 

 デス…ワープだと……?

 

 

 まさか…まさかまさか…あそこまで行って死ぬとは…。

 

 いや、それよりも何よりも……虚海に、よりにもよって虚海如きに殺られるとは!

 虐待用キャラに!

 ぬがががががプライドが!

 プライドがぁぁぁぁ!!!

 

 

 アレか、今回も捕虜にしたら尋問と称してセクハラ(で済むかは疑問の余地も無いが)しようとしていた天罰か!?

 真面目な話、虚海も術が俺にまで作用するのは予想外だったようだし、そもそも前ループで虚海にした事を考えれば、ある意味当然の報いではあるかもしれんが…ぐぬぬぬ。

 

 あまりのショックにデスワープ直後も呆け、ドスファンゴに天高く吹っ飛ばされてしまった。

 落下し始める頃には怒りが止め処なく湧いてきて、俺の下を通過しようとしているドスファンゴに着地。

 勢いのままに拳でメッタ打ちにしてしまった。

 すまん、猪。

 

 と言うか、富獄の兄貴直伝の乗り上げ攻撃を始めて使ったのが、単なる猪とは…。

 ドスファンゴもモンスターではあるんだけど。

 

 おかげで教官にメッサ怒られてしまった。

 ただ、面白い事も聞いたな。

 今回俺がやったのと同様、乗り上げ攻撃を教えている訓練所もあるらしい。

 今度の休み時間に、少し話を聞いてみるか。

 

 

 

 それはそれとして、今回の死因だが……なんと驚くべき事に、色恋絡みではないのだ!

 …だからどうした、って話だけどな。

 

 今回の死因は、俺の体に取り込まれた蝕鬼の触媒。

 これに尽きる。

 

 九葉のオッサンにも要請されたし、虚海を捕らえようと出撃。

 見事にオッサンは虚海を誘導し、逃げ場の無い場所で虚海は包囲された。

 切り札である蝕鬼の触媒がある筈の場所には、深い穴があるだけで何の力も感じられない。

 

 …今更ながらに思うのだが、隠し場所はともかく、霊力が漏れ出ている事に関して何も思わなかったんだろうか?

 あんなトコに強い霊力の昂ぶりがあったら、誰だって怪しむと思うが。

 

 それはともかく、虚海は幾つか触媒を持ち歩いていたようで、最後の抵抗としてそれを使おうとした。

 埋め込む対象も居ないあの状況で、どう使うつもりだったのかは定かではないが、それを阻止しようと暦が動いた…が。

 

 

 隣に位置していた俺が苦しみだしたのを見て、暦は咄嗟に足を止めてしまった。

 これが速鳥辺りなら、驚きながらも足と手を止める事はなかっただろうが…流石にそこまで徹底するのも無理な話だ。

 

 推測だが、虚海の手元にあった触媒に何らかの術をかけようとしたら、それが俺の体内の触媒にまで効果を及ぼしたんだろう。

 足が止まった暦の代わりに、息吹が槍の石突で虚海をドスッと腹パンしたようだが、俺の変質は止まらなかった。

 徐々に空腹が増しつつも安定していた体が、みるみる内に変わっていくのが分かった。

 あっという間に気が狂いそうな程の空腹感が押し寄せてきて、自分の中にある触媒が、体を蝕んでいるのが分かった。

 尋常ではない力が、体を食い破って溢れ出た。

 

 虚海の慄いた顔だけが、妙に視界に焼きついている。

 

 アラガミ化を抑えようとコントロールしようとしたが、手綱を握りきれない。

 いや、アラガミ化しようとしていただけじゃない。

 その一方で、アラガミの部分を蝕まれていた。

 二つの力が鬩ぎあって、体が耐え切れない。

 

 

 程なくして、俺の体は異形…仮面ライダーアラガミと名乗っていた(他称マスク・ド・オウガ)頃とも違う姿になり、その辺りで俺の意識は途切れてしまった。

 要するに完全にアラガミ…或いはそれとも異なるナニカ…になって戻れなくなってしまったんだろう。

 その後、あそこに居たメンバーがどうなったのかは知る事ができない。

 バケモノと化した俺を討伐して、その死を悼んだのか、それとも戦っても勝てずに全滅したのか。

 

 …コレほど後味の悪い終わり方もそうそう無いな。

 まぁ、今まで小気味よくデスワープした経験なんて全然無いけど。 

 

 

 多分、今までとは違うナニカに完全に変わってしまったんだと思う。

 冷静になって感じ取ってみれば、体の中の感触がどうにも違う。

 なんだ、その…うまく言えないが、もうループの序盤の頃、ハンターとしてもオチコボレだった頃に比べ、今まで数々のパワーアップの恩恵を受けてきた。

 常人とは一線を画する程に鍛えあげられた体、目に見えない霊力という力を操る感覚、そして肉体を変質させるゴッドイーターの因子。

 それらを手にした時と同様に、 体の中のナニカが変わった感覚がある。

 老廃物が一掃されたような、或いは重病だった内臓が綺麗サッパリ新しいものと入れ替わったような…。

 

 

 恐らくだが、虚海のあの呪文による触媒の作用が、全身に行き渡った結果なのだと思う。

 微妙な均衡を崩しながら俺の体を浸食していた触媒が、ゴッドイーター因子その他も纏めて浸食してしまったのだろう。

 つまり、今の俺の体は、ハンターとして鍛えられ上げた肉体を、アラガミ因子で模倣しており、更にそれを蝕鬼の力でコーティングしている。

 ちなみに細胞の一つ一つはのっぺらミタマだ。

 

 …むぅ、訳が分からん。

 それ以前に、あくまでこれは俺の感覚による推察だ。

 本当に当たっているかどうかは、暫く様子を見なければ分からないだろう。

 当面、過剰な空腹を感じないか。

 それが問題なさそうなら、誰も居ないところで再度アラガミ化を試してみよう。

 

 

 

 

HR月ほうじ茶はちょっと通日

 

 

 色々と心残りがありつつも、取り合えず今回のループでどう行動するかである。

 言っちゃなんだが、今の俺は放っておいてもアラガミ化が進んで死んでしまう可能性がある身だ。

 あまり責任ある立場にはなれない。

 

 村付きのハンターでいられないなら……フリーの旅のハンターとか?

 或いは、何かの集団の下っ端ハンターか。

 

 そう考えていたんだが、教官から聞いた話に興味を持った。

 乗り上げ攻撃をちゃんとした技術として教えているという訓練所の話だ。

 そこは乗り上げの技術だけでなく、他にも幾つか珍しい技術を研究しているらしい。

 

 例えば「狩技」と呼ばれる必殺技。

 どのような行動に重きを置いて戦うかを明確にさせた、スタイルと呼ばれる戦術。

 

 まだ完全に形になってはいないそうなのだが、これは興味深い話だ。

 こっちから技術を提供するのもヤブサカではないし、何とか接触できないだろうか。

 

 教官に更に話を聞いてみたところその訓練所は、龍暦院という遺跡やらモンスターの生態やらを調査している集団直属の訓練所らしい。

 龍暦院関係者にしか門戸を開いていない訳ではないが、そこで教わったらある程度は卒業後の進路が決定されると考えておいた方がいいそうな。

 俺にとっては別に問題はないなぁ。

 それだけ大きな集団なら、所属ハンターが一人だけって事も無いだろう。

 仮に俺がアラガミ化しそうになって離れたとしても、そう酷い事にはならない筈だ。

 

 

 それと、もう一つ興味をそそられたのが、飛行船である。

 なんとこの集団、自前の飛行船まで持っているらしい。

 

 飛行船だ、飛行船。

 飛行機とも違う。(この世界で飛行機があるほうがとんでもないが)

 空を飛ぶ機械だ。

 今までMH世界をアッチコッチうろうろうろうろしていたが、流石に空を飛んだ事は無い。

 跳んだ事ならあるが。

 

 ろくに自力で移動もできない上空に行くのは危険という意識もある反面、好奇心は抑えられない。

 だって飛行船だ、飛行船。

 俺が元居た世界でもとっくに飛行機に取って代わられ、今となっては道楽かパフォーマンスにしか用いられない代物である。

 できる事なら目にしてみたい、何よりも乗ってみたいと思うのは自然な事じゃないか。

 

 という訳で、今回のループは龍暦院行きで決定。

 教官に相談したところ、紹介状を書いてくれるそうな。

 えーと…ベルナ村?という所に行けばいいらしい。

 

 残念ながら、メゼポルタからベルナ村への飛行船の便は無いので、そこまでは自力で行かねばならない。

 ま、旅は嫌いじゃないからいいけどね。

 




年末に投稿できるかどうか微妙な感じです。
年末が無理なら年初にするつもりですが。
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