※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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時守です…寒くて何もする気がおきんとです。
時守です…キリンに太刀ブシドーで行ったら弾かれまくってカウンターの電撃喰らうは、避けても攻撃のチャンスがないは、ゲージは溜まらないはで最悪でした…。
時守です…下位武器で青ゲージに届くからセルレギオス武器作って、張り切ってオストガロアに挑んだら殆ど使いませんでした…。
時守です…このSSの受付嬢の設定はかなりオリジナル入っています…ユクモ村の受付嬢が竜人族で双子という設定だったりします…。
時守です…時守です…。


第116話

 

 

 

 

 

HR月ネタが尽きてもエロ妄想だけは尽きない日

 

 

 思ったより梃子摺ったが、とりあえずポッケ村での調査は終了だ。

 これ以上引き伸ばすのも問題だし、そろそろユクモ村に移るとしよう。

 

 とりあえず、ティガレックスの幽霊云々はともかくとして、異常な事態が起こっていたというのは信じてもらえた。

 目撃者も多く居たし、村で暴れた痕跡を調べてみても、突然現れて突然消えたとしか思えなかったからだ。

 

 意外だったのが、シャーリーさんから引き止められた事だ。

 ティガレックスが居なくなっても危険なモンスターは多いから、人手が足りないから、色々言っていたが…。

 

 

 

 幽霊が怖いのか?

 

 

 

 むぅ、G級受付嬢ともあろう者に、意外な弱点だ。

 …そうさな、このまま放っておくのも哀れと言えば哀れだし、万一また何かが出てきた時にも問題がある。

 念仏の一つでも教えておくか?

 幽霊退治によく効く呪文とか言って。

 でも気休めとしか受け取られないだろうし、実際気休めだしな。

 流石に鬼祓いを教えても、モノにさせられる気がしないし。

 

 何かあったかなぁ、そういう都合のいいアイテム…。

 

 

 

 

 

 

 あ、そう言えばアレがあったな。

 預かり物だし、渡された経緯を考えると他の人に渡すのも躊躇われるが……これも人助けだと思って勘弁してもらおう。

 あの子はもう覚えていないだろうけども。

 

 

 という訳で、ふくろの奥で眠っていた、結界子の欠片を渡しました。

 いつぞやのループで、大攻勢に向かう際に橘花に預けられたものだ。

 確か討鬼伝世界であれば、オオマガドキを払うシーンの重要な伏線になったような気がするが…使い方も覚えてなけりゃ、同じ払い方もできないからな。

 死蔵していても意味が無い。

 それなら、こうして使った方がまだいいだろう。

 

 結界子はそこにあるだけで不浄を弾く力を持つ。

 霊力を篭められれば劇的に効果は増加する(そして負担も高い)が、シャーリーさんは霊力とか使えないからな。

 文字通りお守りになる程度だろう。

 

 これも最初は気休めと思われたが、目の前でちょっとだけ使ってみせたら見る目が変わった。

 俺が握ったら何か光りだしたし、結界(シャーリーさんからは光の玉にしか見えなかったと思うが)が展開され、それに触ってみたら手が弾かれる。

 MH世界では、未知の存在にしか見えなかっただろう。

 討鬼伝世界でも、気軽に手に入るような物ではないな。

 

 極端な話、幽霊をこれでブン殴るだけでも効果がある。

 上手く使えば、幽霊を成仏させる事だって出来る優れものです。

 そこまでして、ようやくシャーリーさんは落ち着いてくれたようだ。

 しかし、大の大人がそこまで幽霊に怯えるとは…何かトラウマでもあったのかね。

 

 また来てくださいね、という(割と切実な)見送りの言葉を受けて、ユクモ村へ出発した。

 

 

 

HR月金がなくても妄想だけは尽きない日

 

 

 さて、今度はユクモ村である。

 到着し、再度挨拶回りして、既に2日目。

 

 初っ端からポッケ村があんな事になってたし、ここでも一悶着あるのはほぼ確実だ。  

 一番ありそうなのはジンオウガか、最悪イビルジョーかな。

 だが、外回り2回目で実績らしい実績を立てていない俺は、どちらにせよまだ挑める程の信用を得ていない。

 

 とりあえず、ポッケ村同様に交易と実績作りに精を出すとしよう。

 そういえば、ここの温泉…今はちゃんとした温泉じゃないんだっけ?

 いや温泉は温泉なんだけど、浸かっても効果が発揮され無いと言うか…あれ、温泉ドリンクの方が必要なんだっけ?

 

 まぁどっちでもいいや。

 この手の設備は、使えるようにしておくに限る。

 一度に使えるようになる訳じゃないだろうが、一丁やってみますかね。

 

 

 

 

 それはそれとして、ポッケ村からとある知らせが届いた。

 確かにティガレックスは仕留めて村の流通やら何やらは回復したものの、全てが終わった訳ではないらしい。

 しかし、あそこに居たティガレックスは確かに二体だけだった筈。

 あの『スタンド』を考慮に入れれば3体になるが、少なくとも三体以上が同時に行動していた様子は無かった。

 

 …で、一体何が問題なのかと言うとだな。

 まずは、何故ティガレックスが2頭居た事に気付いたのか、そこを思い出してもらいたい。

 最初にティガレックスを仕留めた後、俺はその巣穴から卵を持ち帰った。

 それは間違いなくティガレックスの卵であると判定され、そうであるからにはオスとメス、少なくとも一頭ずつが存在する事が推測された。

 そして、その後の調査ではそいつら以外のティガレックスの痕跡は全く見つからなかった。

 

 

 最初に仕留めたティガレックスと、『スタンド』の本体だったティガレックス。

 

 

 

 

 こいつら両方、オスでした。

 

 

 …何故?

 ホワイ?

 

 メスはどうした?

 あいつら以外には居なかったのは確定。

 ティガレックスは卵を抱えて移動できるほど器用じゃない。

 ならやっぱりあそこにティガレックスのメスが居た筈。

 でも過去から現在に至るまで、その痕跡は無い。

 

 

 せめて両方メスなら、どっかで交尾してそのままポッケ村のあたりに流れてきたって解釈もできるのに。

 …どうなってんの?

 ティガレックスとかトカゲって雌雄同体だったっけ?

 それとも背孕みでもしたっての?

 或いはやおい穴でもあったか?

 

 流石にねーよな、とは思いつつ、念のために背中とかのあたりに妙な穴とか器官が出来てないか確認してくれ、と手紙で返しておいた。

 

 

 

 …生命の神秘だとは思うが、こんな形で現れんでもよかろうに…。

 

 

 

 

 

HR月腹が減ってもエロ妄想だけは消えない日

 

 

 思い返せば、以前からMH世界で霊力を得た相手には、大抵苦戦している。

 十中八九後付外付けの力だというのに、どいつもこいつもヘタな鬼より強力な霊力を持ち、その使い方も妙に器用。

 自分から発生させる電撃の威力を上げるなんて序の口で、時間制限も無く姿を消すは、霊力を声に乗せて響かせるは、煽動型クルペッコに至っては本体はそう強くないのに、何匹ものモンスターを死兵に変えて操ってのけた。

 

 これ、GE世界の感応種、討鬼伝世界の鬼…両方見渡しても、これほど高レベルかつ破綻なく霊力を扱っている例は無かったように思う。

 繰り返すが、本来は持っていない筈の力なのに、だ。

 

 霊力の出力が高い事自体は、そう不思議ではない。

 霊力の大元は生命力だ。

 MH世界は、他2世界に比べると生命力というかバイタリティが狂ったように高くなっている。

 

 考えてみれば、それも当然なのかもしれない。

 アラガミ、鬼、共に非常に強力かつ驚異的な存在である事に異論は無いが、そのバックボーンが違う。

 あれらは死に瀕し、滅び行く世界で生きている生物だ。

 世界自体が徐々に死滅している。

 当然、世界に満ちている生命力だってどんどん低下しているだろう。

 GE世界については破壊と再生のサイクルなんだろうが、破壊の途中である事は間違いないし。

 

 それに対して、MH世界はどうだ。

 まだまだ広がる世界、恐らくは未だに進化を続けているモンスター達。

 滅びるどころか、むしろ生命の坩堝と言える。

 そんなMH世界で生きているモンスターが霊力に目覚めれば、そりゃアホみたいな出力が産まれるだろう。

 

 恐らくは、人間にも同じ事が言えると思うけども。

 

 

 だが、あの見事なまでの使い方だけは説明できない。

 まるで本能が使い方のマニュアルを持っているかのような見事な運用。

 

 何故?

 もしやとは思うが、やはりこの世界にも霊力はあったんだろうか。

 そうだとしても、何代も何代も使用されずに受け継がれていれば、徐々に退化する筈だ。

 

 

 

 

 そんな事を、ポッケ村の納品依頼をこなしつつ、つらつらと考えていた。

 正直な話、どんだけ考えても検証ができないんじゃ妄想以上にはならないよ。

 

 

 しかし、地域密着型ハンターも意外と楽しいもんだな。

 大型モンスターを狩る機会は少ないが、その分のんびり依頼をこなせる。

 ずっと続けば退屈も感じるだろうが、景色を眺めたり、その辺から食べられる物を採ってその場で食べたりするのも楽しいもんだ。

 さっきみたいな事をツラツラと考える余裕だってある。

 

 依頼をこなして、感謝されるのも悪くない。

 JUNの気持ちがちょっとだけ分かるような気がする。

 

 

 

 が、そこはそれ、やっぱり俺は大型を狩る方が性に合っているようだ。

 思えば単なる一般人だった俺が、随分遠くへ来たものだ。

 異世界だかゲームの世界だか知らんが、物理的に遠すぎるわ。

 

 

 

 

 

HR月寝てたら夢の中がエロ妄想になる日

 

 

 大物狩り…と言ってもハプルポッカだったけど…の最中、おかしなアイルーと出合った。

 

 最初に会ったのは、狩りに行く前にアイルーの集落に立ち寄った時。

 山菜爺さん(この爺さん、どの村に行っても何処かに居るんだが…本当に人間か? 本人は他人の空似と言っているが)にちょっと用事があったんで探しにいったんだが、そこでアイルーに話しかけられた。

 別に珍しくは無いわな、人間と喋れるアイルーは珍しくない。

 ちなみにアイルーが人の言葉を理解してない子でも、意思疎通できるハンターも結構居る。

 

 アイルーの集落にやってきたハンターが暴れだす事もあるんで、一匹のアイルーが警戒しながら近付いてきた。

 ただ人を探しに来ただけですぐに立ち去ると伝えると、ホッとした空気が流れたんだが…そこへもう一匹アイルーが。

 …なんか、頭に骨を被って、手には木切れ……兜と剣のつもり、か?

 

 これからどうするのか、と聞かれたんで素直にハプルポッカを狩ると伝えた。

 そこではそのまま引っ込んでいったんだ。

 

 

 …で、山菜爺さんを探して暫く歩き回り、用事を済ませていざ狩ろうとしたら…あのアイルーがハプルポッカに殴りかかっていた。

 やはり剣のつもりだったらしい木切れは既に折れている。

 多分、思いっきり殴りつけたんだろう。

 勿論、ダメージらしいダメージは無い。

 むしろ攻撃されているのに気付かないのか、欠伸までしていた。

 

 

 暫く見ていたんだが、風向きが変わった事が切っ掛けで、ハプルポッカが俺に気付いた。

 戦闘開始。

 

 

 

 戦い自体には、記録しておくべきところはあまり無い。

 強いて言うなら、ハプルポッカにエリアルスタイルはあまり意味がないって事くらいだ。

 あと、アイルーが逃げずにチョロチョロと動き回っていた。

 

 …本当に珍しい。

 野生のアイルーなら、大型モンスターとの諍いになりそうになったら、さっさと穴掘って逃げるというのに。

 

 

 

 討伐後、少しだけ話をしてみた。

 そうやら彼は、元オトモ…の訓練生だったらしい。

 

 オトモの訓練とやらが何処でされているのかはよく分からない(オトモになってから訓練しているのは見た事があるが)が、そこが不満で飛び出してきたのだとか。

 このアイルー、なんとオトモではなく、一端のハンターになりたいらしい。

 確かにハンターにとってオトモとなるアイルーは重要だ。

 時に敵の目を逸らし、時に露払いをし、時に回復笛などでサポートし…。

 

 しかし、それはどこまで行ってもオトモなのだ。

 狩りの主役がモンスターとハンターであるならば、オトモはその潤滑油。

 あの風変わりなアイルーは、潤滑油ではなく主役になりたいと思っているのだそうだ。

 

 だからその第一歩として、大型モンスターが近くに居ると聞いて、力試しだと意気込んでいたのだが…まぁ、結果は言うまでもない。

 アオアシラくらいならまだしも、大型はキツいだろう。

 

 

 全く相手にされなかった事で落ち込んでいたアイルーだったが、考え自体は興味深い。

 アイルーは人間に比べて非力だが、人間には無い利点もある。

 体が小さいから攻撃に当たりにくいし、地面に潜って隠れる事も瞬時に出来る。

 アイテムだって使えるし、武器も…まぁ、剥ぎ取りナイフくらいの大きさが限度になると思うが、使える。

 

 …そうか、剥ぎ取りナイフか。

 ハンターであれば簡単に手に入る一品だが、相手が動いていなければ大抵のモンスターに切れ込みを入れて素材を剥ぎ取れる一品だ。

 アイルーのサイズであれば、手頃な片手剣として使えないだろうか

 

 

 

 

 …おいおい、何を考えてるんだよ、俺。

 確かに面白いし、あのアイルーの実力はともかく、ハンターにも重要な準備の良さは認めるけどな。

 武器防具こそお粗末を通り越して粗製だったが、回復アイテムや、相手の目を誤魔化す為の煙玉、こやし玉に罠、果てはモドリ玉まで用意していたのには驚いた。

 普通のハンターでもそこまで準備する奴はそうそう居ない。

 

 だが、実力を省みずに大型モンスターに挑む時点で話にならない。

 武器防具が粗製だって事くらい自覚してただろうし、だったら最初は大型ではなくその辺の小型モンスターから始めるべきだろう。

 たとえ武器だけいい物を渡したって、調子に乗って無鉄砲に挑んで終わりだ。

 

 

 武器だけじゃなければ、どうだ?

 防具だって作れなくはない。

 極端な話、適当な鎧や兜を分解して、サイズ調節すれば…構造上、頑丈さとかは極端に落ちると思うが。

 

 

 戦う方法はどうやって教える?

 オトモとしてハンターに追随するならまだしも、一人で戦うのなら立ち回りが全く違ってくる。

 偏見と言われるかもしれないが、アイルーは度々サボろうとする生き物だ。

 ネコのサガと言っていいのかは疑問だが、とにかく体力よりも気力が保たない性質があるのだ。

 オトモの最中にまでサボって寝たりするのだから、よく分かるだろう。

 

 オトモであるなら、サボっている…気力を回復させている時はハンターが動けばいいが、一人だったらどうする?

 

 

 

 

 

 …考えすぎだ。

 頑張ってるなら応援してやりたいとは思うが、責任が持てない。

 

 

 

 もしも、どうなっても自分が挑んだ責任だと思えるなら…?

 いや、俺にどんなメリットがあるってんだ。

 

 

 

 

HR月エロ妄想エロ妄想…人として恥ずかしくないのか!日

 

 

 どうにも調子が出ないな。

 そろそろジンオウガが現れそうだと言うのに、今ひとつ狩りに身が入らない。

 

 あのアイルーの事が頭から離れない。

 

 

 

 

 

 実にいい毛並みだった。

 

 

 

 いや、正確に言うなら、いい毛並みだったろうに。

 人里から離れ、砂漠で暮らすようになってどれくらい経っているのか。

 恐らくは生まれつき持っていた、アイルーの中でも格別の毛並みが、すっかりパサパサになってしまっていた。

 

 うぬぬ、もしもオトモアイルーとしてしっかり毛並みを手入れしていれば、オトモにしたがるハンターには事欠かなかっただろうに。

 多少性格に問題があっても、それだけできっと愛されただろう。

 

 

 

 という訳で、あのアイルーを人里に戻したいと思います。

 俺の個人的メリットの為に。

 

 

 狩りやら採取やら色々している間にもあのアイルーの事ばっかり考えてたんで、すっかり構想が固まってしまった。

 さっきの毛並み云々も、事実ではあるけどかなりのコジツケだし。

 

 まぁ、メリットがあるのは本当だ。

 俺がスッキリするって以外にもね。

 

 

 龍暦院の訓練所では、スタイルや狩り技以外にも、色々な事に取り組んでいる。

 より効率のいい調合方法は無いか、採取における注意点におかしな所は無いか、その他諸々。

 確か、オトモアイルーに特訓方法等も研究していた筈だ。

 

 すぐに形になるとは限らないが、アイルーハンターという新しい形を提案してみるのもいいだろう。

 訓練所の研究にもキャパシティってものがあるので、あれもこれもと同時に研究する訳にはいかない。

 が、最初からある程度形になっているのならどうだ? 

 最も厄介な、立ち上げの部分が形になっているのであれば、後は応用して付け足していけばいい。

 

 …まぁ、アイルーの為の技術にどれ程真剣になってくれるか、という問題はあるけどな。

 少なくとも訓練所の教官は全力でやってくれるだろう。

 かなりの熱血系だし、無謀にもハプルポッカに挑んだ一匹のアイルーの話に、きっと食いついてくる。

 褒められないが、見上げた奴だってきっと言うだろう。

 

 

 

 …っと、そうそう、俺自身のメリットの話だ。

 

 先日の日記にも書いたが、アイルーハンターが単独でモンスターと戦うに当たり、最も問題となる点が気力、ひいては集中力の持続時間の短さだ。

 これを鍛える方法は幾つかあるが……俺はちょっと外道な手段を取る。

 

 

 

 霊力を教えるつもりだ。

 

 

 霊力の出力元は生命力であり、それを操るのは精神的な力。

 扱っていれば、自然と集中力も磨かれる。

 霊力を使えるようになれば、戦い方の引き出しも増え、回復力だって上がるだろう。

 

 

 

 

 そして、今までのモンスター達のような異能を得る事も。

 

 

 

 これは人体…ではないけど、人体実験だ。

 この世界のモンスター(アイルーを含めていいのか疑問ではあるが)が、霊力に目覚めた時、一体どのような変化があるのか。

 この先戦っていく上で、絶対に知っておかなければいけない事だ。

 今後も霊力を使うモンスターが増えていくなら、少しでも情報があるに越した事は無い。

 

 

 

 

 

 が、死んでも次がある俺の場合、今すぐに得なければいけない情報でもないんだよね。

 周囲の人間にとってどうなんだって話になると、また変わってくるが…。

 

 まぁ、あのアイルーには一種の実験だっていう事は伝えよう。

 んで、教えるだけ教えて、もうイヤニャって言われたらそこまでだ。

 やりたい事があって、その方法が全く分からなくて、そこへいけるかも知れないチャンスがあって、当然リスクもある。

 選ぶのは自分だ。

 

 

 …思いっきり詐欺や悪徳商法のやり口だが、最大限の誠意を持って接するとしようか。

 

 

 

 ま、そんな感じであのアイルーを訓練所に連れ帰れれば、人間と一緒に暮らしている内に毛並みもスッキリしてくるだろう。

 そうなればモフモフし放題だ。

 俺の弟子って事で連れまわしてもいいね。

 

 全てはあのアイルーが承諾するかどうかにかかっているが……そういや、まだ名前も聞いてなかったな。

 

 

 

 

HR月エロに限らず妄想は滅びぬ! 妄想こそが人類の夢だからだ!日

 

 あのアイルーを探して砂漠のアイルー集落に行ってみたが、残念ながら居なかった。

 何やら、「あれは大きすぎたニャ。もうちょっと小さいのに挑んでみるニャ」と言って、集落から出て行ってしまったらしい。

 

 むぅ、残念。

 同じ相手に何度も挑まず、力量を踏まえて相手をランクダウンさせた事は評価しよう。

 初志貫徹とは言うが、明らかにどうにもならない状況だったからな。

 

 

 しかし、何処に行ったか分からないのは残念だな。

 まぁ、縁があればまた会う事もあるだろう。

 人体実験せずに済んだ、とでも思っておくか。

 

 

 

 さて、今日の本来のクエストは、夜の渓流でナルガクルガだ。

 …依頼の順番ってどうなってたっけ?

 ナルガクルガってジンオウガより前だったか?

 うーん…どんなモンスターが何処をウロウロしているかで、依頼が出る順番が変わってくるのは当然だけど…。

 

 

 念の為、事前に高い木の上からあちこち見回してみたが、狩場に居る大型モンスターはナルガクルガの一体だけ。

 少しは慣れた所に大型が居るようだが、洞窟の中で眠っているようだ。

 流石に穴の中まで見通せないので種別は分からないが、この距離なら乱入は無い。

 

 さて、あのアイルーに対する対応も決まって、頭もスッキリした事だし。

 一狩りするとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 環境不安定でなくても乱入ってあるのね。

 少なくとも、第三者の手が関わっていれば。 

 

 

 

HR月ただ悪い方向への妄想も止まらないのが人間の業である日

 

 

 とりあえず、あのアホアイルーを捕まえておいた。

 オトモでもないアイルーにハンターの掟は通じないが、だからと言って放っておいては同じような事が何度も起こる可能性がある。

 人体実験の為にコイツを躾けようとしていたが、周囲の被害を抑える為にも色々教え込まなければならなくなってきた。

 

 

 何をやったかって?

 大体想像はつくだろうが、このアイルー…あの砂漠でハプルポッカに殴りかかっていたアイルーだが、集落から飛び出した後、よりにもよってジンオウガにケンカを売りやがったのだ。

 確かにハプルポッカよりゃ図体は小さいが、戦闘力的にはどうよ。

 

 …で、グースカ寝ているジンオウガを叩き起こして(無論ダメージは殆ど無し)怒りを買った挙句、俺とやりあっていたナルガクルガの元まで逃げてきたって訳だ。

 一応、アイルー的にはそれなりの考えと工夫があったらしい。

 

 アイルーの体(と粗製の武器)では、モンスターと戦うのに充分な威力が発揮できない。

 なら、もっと強い奴に攻撃してもらえばいい。

 具体的には他のモンスター、今回の場合はナルガクルガだ。

 

 その為にジンオウガを叩き起こし、一直線に俺達が居た場所まで逃げてきた。

 俺が居るのまでは計算外だったらしいが。

 

 

 が、どっちにしろ勝算が薄いのは言うまでもないだろう。

 モンスター同士の攻撃は、どういう理屈か通じにくい。

 増してや、ナルガクルガは基本的に雷攻撃に弱い。

 少なくともジンオウガが、アイルーの手で仕留められる程に弱る確立は非常に低いだろう。

 …爆弾使えば、もうちょっと目は出てくるかな。

 

 

 ともあれ、この調子であっちこっちを引っ掻き回されては、ハンター側にどんな被害が出るか分かったものではない。

 ハンター以外にも、一般人への被害も考えられる。

 真っ当なハンターであれば、その辺の事を防ぐルールを骨の髄まで叩き込まれ、意識しなくてもそのルールを護って行動するようになっている。

 分かりやすい例で言えば、ゲームで言うフィールドマップかな。

 一定の区域から外れないように狩りをするよう、叩き込まれているのだ。

 

 その辺も含めて、本格的にハンターとして叩き上げる必要がでてきたな…。

 

 

 

 という訳で、ギルド受付嬢に相談してみた。

 コノハとササユという双子っぽい二人の竜人族なんだが、普段から……いつぞやのループでも、「自殺なら他所でやれ」と言われた時以外はニッコニッコしていて、滅多にそれ以外の表情を作らない二人だ。

 あの時は殆ど接触が無かったなぁ…。

 手紙越しで依頼のやり取りをしてたくらいだったか。

 

 竜人族は数こそ少ないが、長寿でそれだけの知性を秘めた者が多いと言われている。

 この二人もそうなんだろうか?

 なんかロリっぽい気配がするが、それにしちゃ精神年齢が…おませさんってレベルじゃなさそうだし…。

 

 

 二人の素性はともかくとして、アイルーを仕込む事については大賛成を貰った。

 最近狩場付近をウロウロしては、大型モンスターにちょっかいを出そうとするアイルーとして知られていたらしい。

 ハプルポッカの時に会って数日程度しか経っていないのに、もうそんなに有名になってたのか。

 どんなバイタリティしてるんだ。

 根性だけならハンター以上じゃなかろうか。

 

 

 とにかく、ギルド嬢二人にもOKを貰ったんで、一筆紹介状(という名の厄払い状)を書いてもらった。

 面白そうだからどうなったか教えてね、というサラウンドの声と共に。

 これと俺の連名で龍暦院の訓練所に頼めば、そう悪い扱いは受けないと思う。

 

 

 そして当の本人ならぬ本ネコからも、「やってやるニャ!」と力強い返答を頂いた。

 …やる気があるのは結構なんだが、コイツを仕込むのは苦労しそうだなぁ…。

 

 さて、やる気充分の内に色々仕込んでおきたいが、それにしたって順番というものがあるだろう。

 座学ばっかりじゃやる気も削げるだろうし、肉体の鍛錬……いや、先に武器防具の扱いの習熟が先か?

 それを作るのにどれだけかかる?

 アイルー用の装備は珍しいものじゃないが、オトモではなくハンターとしての活動に耐えられるモノとなると、少々勝手が違ってくる。

 

 鍛冶屋のおっちゃんに聞いてみたところ、そう難しくは無いが今まで作った事のない作品になる為、設計図から書いて2~3日はかかりそう、との事だ。

 

 素材は充分あったんで、作成を依頼しておいた。

 完成するまで教える事、か…。

 

 

 

 …霊力を迂闊に教えて回るのは危険だしな。

 そうだな、今のうちに霊力の扱いを教えておこうか。

 どこまで習得できるかは分からないが、俺の故郷に伝わっていた独自のハンター鍛錬法とでも教えておけばいいだろう。

 勿論、それを仮にもモンスターのアイルーが試す事によって、どんな影響が現れるか分からない事も伝えておく。

 

 ま、これで一応、名実共に俺の弟子だ。

 龍暦院の訓練所に断られたとしても、俺個人の付き合いとして接する分には問題ないだろう。

 

 

 

 

 ん?

 

 アイルーが連れてきたジンオウガと、元の標的のナルガクルガ?

 そりゃ勿論、両方ともぶっ潰しましたが?

 

 以前まででは同時討伐は難しかっただろうけど、蝕鬼の触媒を取り込んでからというものパワーも上がってるからね。

 何かされる前に光玉やら何やらで先手を封じ、速攻をかければ、このレベルならまだ難しくはないんだわ。

 

 

 

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