※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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宣言通り、隔日投稿。
次の投稿は3日の9時からですな。


第150話

 

神無月ウェイパー、美味いけど缶デカすぎ日

 

 朝っぱらから狩りをしつつも、ダイヴイン能力について調べる事約2週間。順調と言えば順調か。

 少なくとも、ミッション現場の中継機器を介して、アナグラの中に戻る事はできるようになった。更にそこから別の現場に移動し、ピンチなゴッドイーターをコッソリ助けてまた戻る、という事を繰り返す。大丈夫大丈夫、バレてないバレてない。

 と言うか、普通人間がネット回線とか通じて移動できるなんて考えないわな。万一現場で俺が目撃されても、支部長直属の俺は「秘密特務中なんだ、誰にも言わないでくれ」の一言で済む。秘密なのになんで助けてくれたんだって言われたら、仲間を見捨てられなかったとかで誤魔化そう。まぁ、まだアラガミも大して強くない時期だし、ステルス暗殺ばっかしてるから誰にも気付かれてないんだけどね。

 

 …と思ってたら、ヒバリさんから「アラガミの反応が突然消滅する謎の現象」について聞かされた。何かの前触れかもしれないので注意するように、だそうな。…前触れでも何でもないです、御免なさい。でも助かるゴッドイーターが多いだろうから勘弁してね!

 ともあれ、これなら多分、ラケル博士の下から一気に戻ってくる事も出来ると思う。でも使うタイミングは考えた方がいいよなぁ。ラケル博士だって流石にこの能力は予測してないだろうし、何かあった時の貴重な逃走手段になる。そもそもラケル博士のお膝元じゃ、何が仕掛けられているか分からないしね。

 

 

 それはともかく…今回アリサはどうするかなぁ。汚ッサンを始末するのは言うまでも無いが、その後のフォローが問題だ。

 昏睡状態になったのは………考えてみれば、ループでは1回だけだったっけ? あの時も、結局感応現象は起こせなかったが…。そもそも昏睡になったのも、催眠+何かしらの投薬の可能性が非常に高い。汚ッサンを始末しておけば……いや、トラウマのフラッシュバックで錯乱+気絶まではするだろうから、支部長が別の誰かに投薬を命じれば同じ事だ。

 それに、一番厄介なのは気絶なり昏睡なりから目を覚ました後か。人間関係最悪、自信喪失、情緒不安定…防ぐつもりではあるが、場合によってはリンドウさん死亡の原因にさえなっている。ここから復調するのに、どれだけかかるやら。

 今までは…まぁ、真っ当とは言えない方法でだが、アリサを俺に依存状態にさせて、それで何とか保たせてたな。だが今回はその手は使えそうにない。俺自身が殆ど(表立っては)アナグラに居られないんだし。

 

 …他の誰かがフォローしてくれる、って考えもあるにはある。例えばコウタなりリンドウさんなりだが……もし、それでアリサがコロッといったら? 弱った所に頼れる人間ができれば、ついついそっちに傾いてしまうのも人の常。もしもそれでアリサが…と思うとなぁ…なんかイライラする。

 恋人とかじゃなくて所有物に対する独占欲、という自覚はあるんだが、苛立つものは苛立つ。かと言って、リンドウさん暗殺計画が全く発動せず、挫折もしなければ、アリサはツンケンしたまま馴染めない…いや、そっちは催眠のせいなのか?

 

 

 

 そうだ、アナグラ以外の人間に頼ってみるのはどうだろう? 相手がゴッドイーターでなければ、アリサもそうツンケンしない…と言うよりできないだろう。一般人には旧型とか新型とか分からんし。居住区の一般人とかな。

 幸い、ここの所菜園は盛況していて、俺の影響力も思った以上に強く広くなってきている。俺が仲良くしておいてくれ、と頼めば…まぁ、ちょっとアカン態度をとったくらいなら、なんとかセーフなんじゃなかろうか。アリサをどうやって菜園に行かせるかと言う問題もあるが。

 

 

 

神無月普通の卵と温泉玉子の見分けがつかない日

 

 アリサ、来日。何度目だろうな、このシーンに立ち会うの。もういい加減、この時期のアリサはツンデレのツン分を補給する為だけに存在している気がしてきた。

 で、紹介されるなり速攻でケンカを売るアリサ、罵倒された事に気付いてないコウタ。

 

 …で、なんか俺にだけやたら強い視線を送ってくるな。決して友好的なものじゃないが。ま、例によって新型使いへの対抗意識か。更に言うなら、今回は支部長直属という明らかに重役なポジションを持ってるからな。対抗意識も一入か。

 まぁ、そんな俺も数日後にはラケル博士のトコに行かなきゃならん訳ですが。小細工や根回しする時間がまるで無いな。とりあえず、菜園にはアリサの事は伝えておいたが。

 

 …支部長に頼んで、アリサも菜園の手伝いをするように命じてもらうか? 極東名物、仮にアラガミに侵入されたとしても、絶対に奪われてはいけないものって名目で。

 まー間違ってはいないよな。この世界の食糧事情を一変させた実績(ただし知っているのは俺だけ)がある代物だし、今となっては居住区一般市民の不満を上手いこと抑えてくれている。生産量さえ上がれば、支部長にとっても強力な手札になる。

 ついでにノウハウを覚えて来い…って命じられたら従うかな? 前回はNOUKAになろうとしてたし、そこまで抵抗は無いと思うんだが。

  

 

 

 

 とにもかくにも、まずやっておくべき事は一つだ。さぁ、闇系の仕事のお時間である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ではなかった。

 

 

 何が影響したのか、汚ッサンは到着が遅れているらしい。到着は、どう考えても俺が出発した一週間以上後。

 ま、特に影響は無いな。例のメールと電脳空間を使った移動が上手く行けば、だけども。上手く活用できれば、いいアリバイになってくれる。アナグラに居ない俺が、どうやって汚ッサンを暗殺できるというのか。

 その代わり、万一にも映像に残ったりしたら、それこそ『何故ここに居る』って事になっちゃうが。

 

 

 

 

 

 

 

神無月調味料ばっかり買い込むクセがある日

 

 

 ラケル博士の所への出発準備中。ただし狩りはする…準備って言っても、そんなに時間かからないしね。持って行くモノは、基本的にふくろの中に入ってるし。

 あからさまに対抗意識満々のアリサは、俺と一緒に狩りに行って実力を…とか思っていたようなのだが、出発の準備で忙しいねん。1行前と言ってる事が逆だけど。

 実際のトコ、アリサが起き出してくる前に一狩り行ってただけなんだけどね。最近じゃヒバリさんも手強くなってきて、あんまり連続での狩りを認めてくれなくなっている。だったら無断で、と思ったが、支部長から直々に説教付きで禁止令を食らってしまった。

 言ってる事は分かるけどね…。アラガミだって食物連鎖が成立している生態系を持ってるんだから、何も考えずに狩ると縄張り争いでしっちゃかめっちゃかになる。それに、適当に狩った相手が他のゴッドイーター達の標的だったりして、混乱を招く事だってある。

 …前回ループで、リンドウさんに同じような事言われたなぁ…。

 

 

 

 

 だが出撃する。大丈夫だって、ちゃんとアナグラから離れた場所でやるからさぁ。じゃなかった、狩りじゃなくて菜園行くだけだから! だったら神機置いてけ? 聞こえんなぁ!

 という訳で行ってきまーす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒバリちゃんの頼みだー、って言ってタツミさんが立ちはだかったんですが。なんか久しぶりっすな。

 おお、流石はベテラン防衛班。侵入者を阻む技術には定評がありますな。今回は逆に俺が外に出ようとしている訳ですが。

 通路の出入り口に立って、見事なポジショニングで俺の逃亡を阻止しようとしている。スラムダンク張りにディーフェンスディーフェンスと口ずさみそうになった。

 

 チッ、フェイントにも殆ど引っかからない…。専守防衛状態だから、隙を突くのも難しいな。

 

 そんな事をやってたら、何故かジーナさんまで参加してきた。今回ループでは、顔を合わせるのは3度目くらいだったかな…。挨拶回りの時と、任務一度一緒になった時、そして今回。

 あんまり深入りしてこようとしない人なんだよなー。鬼杭千切を見た時は、スゴイ勢いで迫ってきてたけど…今回は特に距離を置かれている気がする。やっぱ立場か? 支部長直属だからか?

 むぅ…最期の事を考えると、あまり深入りしない方がいいとは思うんだけど。

 

 流石に防衛班の凄腕二人と言うべきか。無駄に息の合ったコンビネーションだ。と言うかジーナさん、何で参加してんの? …ヒバリさんに頼まれた? ああさいで。

 ぬぅ…突破口が見えん。玉砕は趣味じゃないし、別ルートを使うとなんか負けた気がするし…どうしたもんかと悩んでいたら。

 

 

 

「私もお手伝いします!」

 

「「いやちょっと待て」」

 

 

 

 誤射姫様、降臨! 実にナイスタイミング! 単純に考えれば敵が増えたんだろうが、今の誤射姫様は武器無し通常モード! つまりおっとりさんである。ぶっちゃけ、手伝ったところで連携を乱す要素にしかならんのだ! まだまだ経験も浅いだろうしね。

 と言うか、ヒバリさん声かけすぎでしょ…どんだけ俺を止めたいんだ。

 

 ま、いーや。チャンスチャンス。

 隙見てダッシュ!

 

 

 

「ていっ!」

 

 

 ……だがカノンさんに捕まりました。いや、そりゃ余裕で避けれるスピードだったんだけどさ…なんだ、そのジャンプして飛びかかってきたから、揺れがね。つい目が行って、色々ヤッた事を思い出して、避けるのを忘れちゃって…。

 まぁ、そのまま逃げたんだけどね。カノンさん、俺に腕回して掴まったと言うか捕まえたまま。人間一人の重さなんぞ、MH世界の大剣に比べりゃ軽いもんだって。意識もあるから、運びにくくもないしね。

 

 

 

 アリサ? 唐突に繰り広げられる、無駄に洗練された無駄の無い無駄な争いに、あっけに取られてたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、(背中に巨大ブラスト砲を感じつつ)出てきたはいいんだが、カノンさんが居ちゃあな…神機も持ってないから、一緒に狩りに行く訳にもいかん。

 なので、菜園に連れていきました。ガキンチョ共や、常連になってる人達からデートデートと囃し立てられたけど、今回ループじゃ普通に初対面なんですが。挨拶回りした時も、まだ着任してなかったみたいだったし。

 

 菜園を見て、えらくはしゃいでいたなぁ。この世界の人間からすれば、大人しいくらいの反応かもしれんけど。カレルさん辺りが見たら、卒倒するか激怒するかだろう。黄金に等しい植物達を、警備体制が限りなくザル…を通り越して枠のみレベル…の状態で放置してるんだから。実際、前回は資金繰りが拙すぎるって怒られたっけか。

 ちなみに、カノンさんが特に反応したのはサトウキビだった。そういや、前も天然の砂糖をダシにして躾けたっけな。

 とりあえず、手入れの方法を教えて、管理を任せる事にした。報酬として、収穫・加工して出来上がった砂糖をいくらか分ける。カノンさんは砂糖が手に入り、俺は菜園を一部とは言え任せられる相手が出来て、更に誤射姫様が菜園にかまける事でゴッドイーター達の被害も減る。いい事尽くしだね。

 今まで一般人のみだった菜園に、突然ゴッドイーターが参加するとなると、そこそこの反発は予想されたが…そこは見た目カワイイ系のカノンさん。割と素直に受け入れられた。一番反発がでかかったのは、女性陣からだったね。ナニよあのオパーイ、パルパルパルパル…って感じで。反発でかいのも仕方ないね、それだけ柔らかくてハリがあって大きいからね。実体験で知ってます。

 

 

 

 

 

 尚、菜園での作業をそこそこで切り上げてアナグラに戻ると、ヒバリさんがカノンさんにメッチャ感謝していた。俺が狩りに出るのがそんなに問題か。

 …問題なんだろうなぁ。まぁ、明後日くらいまでの事なんで、我慢してくだちゃい。

 

 

追記

 

 そーいえば、タツミさんはヒバリさんからお礼言われたんだろうか? その辺はちゃんとしてそうだけど、ヒバリさんってタツミさんの扱いが軽いような気もするし。

 少なくともデートは無理だったんだろうな。

 

 

 

 

神無月やはり塩が基本か…だが岩塩日

 

 

 朝っぱらから待ち構えていたアリサと狩りに行った。「新型同士の情報交換」と言ってたが、そういうセリフは対抗意識満々の目の光を消してから言いなさい。

 

 

 昼になるまでには、その光はほぼ消えてたけど。

 

 

 今回は割と大人し目の事しかしてないと思うんだけどな。オウガテイルをアサシン式に上田する事から始まり、コクーンメイデンを足場にしつつ上からブッ刺して空中捕食してエネミーステップ、滑空突進するシユウを一本背負いからの関節技、回転して突っ込んでくるコンゴウの目玉をノータイム狙撃で打ち抜いて、擦れ違い様にグボログボロを横一文字に分割。何故か突然出現したサリエルは、グッとガッツポーズすると同時に爆散した…単なる破敵之法だけど。

 …うん、あんまり量狩ってないし、乗り攻撃もやってないし、霊力も一回しか使ってない。後はゴッドイーターとしても基本的な能力ばっかりだと思うんだが。

 

 

 そんな事を考えていたら、「それは何ですか!?」ってアリサに問い詰められた。それってドレよ。……空中捕食? ドローバックショット? それともブーストハンマーの事か?

 全部か。

 

 いや、何って言われてもなぁ。最近極東で盛り上がってる、新機能と新戦法ですが? 知らないの? ウプププ、遅れてる~。

 自分が使ってるのが新型の筈って? ああそうだよ、神機は新型だね、神機は。でもこれは神機自体の機能じゃなくて、使い手が扱う新戦法だから。…いや、ブーストハンマーは新機能っちゃ新機能だけど。ん? ブーストハンマーに切断属性ついてないよ。グボログボロを上下に分割したのは、単純な技量の問題で。

 

 …えらいショックを受けた顔をしている。自分が最新鋭の筈、というプライドに皹が入ったか?

 よし、追撃しよう。

 

 

 時にYou、エルフって知ってるかね? 言うまでもなく架空の生物(少なくともこの世界では)だが…いやトールキンとかじゃなくて、日本文化のエルフなんだが。知らんか。

 まぁとにかく、エルフってのは大概美形で寿命が長くて自然崇拝者で、とにかくプライドが高いと言われててな。自分の種族こそが至高とか言ってるワケよ。

 で、森に閉じ篭って他種族を見下して、その内オークとかに…いやそれは置いといて。

 そんな種族が居たとして、いつまで「自分たちは至高」とか言ってられると思うかね? 外の世界が変化して進歩しているのを他所に自分の世界にだけ閉じ篭って、「自分達最高」って言い続ける連中が、どうなると思うかね?

 

 ふと気が付けば、森の外はアラガミだらけ。当然、神機も無いからアラガミに対抗なんかできやしない。自称至高の種族は、何時の間にやら時代遅れの弱小種族、ブタと揶揄されていた種族にも見向きもされなくなっていて、しかも他人を見下しまくった結果人望すらなくなっておりましたとさ。

 周囲に頭下げまくってアラガミから助けてもらい、何とか時代に追いついたはいいものの、「自分達マンセー」時代は黒歴史扱いされているとか何とか。

 

 

 ん、何が言いたいかって? いや、単にこの場で思いついた即興の物語を語ってみただけだが?

 何か感じるものでもあったなら、自分で考えてみてもいいんじゃね?

 

 ……うーん、それにしてもくっ殺役が似合いそうだな、アリサ。(ツバキさん相手にやった事あったけど、アレはいいものだ…)

 

 

 

 

 イマイチ意味は分からなかったようだが、目の光が完全に消えた。うむ、とりあえずこれで各方面にケンカを売る事は無いな。

 と言うか、真面目な話、メンタル弱すぎじゃね? 確かにそこそこの実力差は見せ付けたけど、後は単なる例え話しただけよ? 極東に来てからの間、汚ッサンの洗脳を受けてないから不安定になってんだろうか?

 

 

 

 

神無月梅が結構美味くて汎用性高い日

 

 ラケルてんてーのところへしゅっぱつのひ、なのです。…変な喋り方するもんじゃないな。

 

 まーとにかく出発だ。結局アリサの心を圧し折ったままだけど…まぁ、何とか大丈夫そうだ。

 意外とダメージが少なかったのか根性があったのか、或いはなけなしのプライドが言われっ放しで終われないと思ったのか。極東で開発された(データは俺が齎したものだが)新技術を自分から学びに行っているようだ。

 技術者の方からも、割と歓迎されているようだ。あっちにはそれ程ツンケンした態度を取ってなかった事もあるし、貴重(かつ真っ当)な新型神機のデータは、喉から手が出る程欲しかっただろう。…俺の神機は色々と参考にできんからな…。

 それに、俺はこれから暫くアナグラには居られないから、データ取りの協力もできないしね。リッカさんにはブーブー文句を言われたが、正式な人事だから仕方ない。

 

 

 そんじゃ、行ってきますかね。カノンさん、菜園の事よろしく。コウタも、ノゾミちゃんによろしく言っておいてーな。休暇を取ったら様子見に帰ってくるから。

 

 

「はい! お待ちしてます! 帰ってきた時には、砂糖の作り方を教えてくださいね」

 

「菜園に関しては大丈夫だと思うよ。あそこの世話になってる人達が、闇系の手段を使ってでも防衛すると思うしさ…」

 

 

 …菜園は既に、居住区の聖域と化しつつあるようだ。あまりエスカレートすると、カルト系教団の聖地状態になってしまいそうだが。価値を考えると、割と洒落にならない。

 

 

 

 さて、そんじゃ指定された場所まで車で移動します。おお、カーナビ付きで親切設計。

 ……免許? 持ってるよ。元の世界じゃ持ってないし、GE世界以外じゃ自動車自体無いけど。…戸籍が無くても免許作れるのかって? 作るだけならできるよ、支部長にでも頼めば…。

 

 ……実際に自分で運転するのは、これが初めてだけどね。他の車や通行人が居るでもなし、アラガミは轢いても全く問題がないし、どっかの建物に直撃して炎上崩落とかしても俺は生き延びられるから問題ない。

 いい子も悪い子も真似しちゃアカンぜよ。

 

 

 はー、しかし妙な所で妙な技術が残ってる世界だ。カーナビはリアルタイムで自分の場所と、そしてアラガミの位置が表示されている。レーダーとかじゃないな。範囲が広すぎる。

 多分、何らかの手段で観測したデータを、無線を使ってカーナビが拾っているんだと思うが…この荒廃した世界で、よくそれだけの技術を残せてるものだ。

 

 

 

 さて、合流先は…フライヤ。……フライあ? ブラッドの拠点となる、移動要塞……の、建設予定地だ。既に建設は始まっているが、出来上がっているのはガワだけらしい。意味ねーじゃん。

 と思ったら、ブラッドの研究の為の施設事態は出来上がっているとか。

 

 …で、そのブラッドは? ジュリウスの血の力は? 目覚めてない?

 ……で、その血の力が目覚めたとして、なして態々施設を移動させるん?

 

 

 …移動要塞の意味あんの? 誰だったか忘れたけど、アイドルの付き人だかマネージャーだかが金の無駄遣いって言うのも分からないではないな。

 ていうか移動要塞だったら、せめて攻撃能力つけようよ、アラガミにも効く奴を。飛行船にだって古龍に効くバァルカン!付けられたんだから、難しくないって。こう、神機のオラクルバレットの要領で…。

 

 

 

 …この手の話は、ラケル博士本人にするかね。提案を聞くとは思えないが、どういう反応をするかだけでも情報にはなるだろう。

 

 

 

 

 

神無月豆腐茶漬けも続行中日

 

 

 丸一日くらい車で走り続けたが、アラガミが妙に湧いてるおかげで、散々大回りする羽目になった。これなら、俺が自分で走った方がよかったんじゃなかろうか。車も貴重なら、燃料だって更に貴重な資源の今日この頃である。

 

 で、ラケル博士は研究で忙しいって事で、姉のレア……は、博士なんだっけ、この人も? ゲームでは悪女染みた外見とは裏腹に、ヘタレだった覚えがあるんじゃが。あと、何故か舌にフェンリルの刺青?が入っている。とにかく、レア(多分)博士が迎えに来てくれた。

 おお、泣き黒子が色っぽいな。後おっぱいと絶対領域。

 美人は美人なんだが…なんだ、なんつーかイメージとちょっと違うかな。一見すると大人っぽいしスタイルいいし、派手目な美人ではあるんだが……うーん、なんだろ、この違和感。

 

 まぁとにかく、俺がこっちに派遣された理由は聞いているそうな。表の理由は、現在滞り始めている、神機兵の研究協力の為。裏の理由は…ぶっちゃけ、バレても眉唾扱いされるだけで大したデメリットは無いんだが、ジュリウスでさえ未だ発現してない血の力の研究の為。

 …その更に裏がある、というのは聞いてないようだな。つまり、血の力こと霊力で、終末捕食を起こす事は可能なのか、という調査だ。

 そもそもこの人、ラケル博士の中身についてどれくらい知っているんだろうか。ゲームでは『ラケルに支配されていた』みたいな事言ってたから、マトモじゃないのは理解しているだろうけど。

 

 

 ともあれ、とりあえずレア博士は友好的だった。血の力を使える、という点に関しては信じ難いと思っていたようだが、それは実演すれば済む話だしな。

 案内されている時に聞いたんだが、本当ならブラッドの隊長になる秘蔵っ子が、俺を迎えに来る筈だったらしい。まぁ、それが道理っちゃ道理だよな。血の力を発現させようと、今現在最も四苦八苦しているのはジュリウスだろう。次点でロミオかな。そりゃ、ポッと出てきて自由に使いこなせます、みたいな俺に対して、無関心で居られる筈も無い。良くも悪くも。

 実際、ジュリウス(まだ名前は聞いてないけど)が迎えに志願していたのだが、ラケル博士がそれに待ったをかけた。重要な実験がある為、ジュリウスもロミオも外せない。だから姉さん行ってきて…という事らしい。

 

 

 これは深読みすべきかな? とりあえず、本当に重要な実験だったとしたら、同じ博士であるレア博士を外すのも妙な話だ。…単に専門外分野だから居ても仕方ない、という事かもしれないが。もっとありそうなのが、レア博士を完全にパシリ扱いしている可能性だろうか。

 

 

 

 追記 話す時よく見てみたら、舌にあるのは刺青じゃなくてピアスだったっぽい。…なんでそんなトコに付けてんだ。

 

 

 

 

 

 さて、レア博士に案内されて、フライア内の俺に当てられた一室に来たんだが…どうも落ち着かないな。ま、それも当然か。ラケル博士はどうだか知らないが、少なくとも俺はラケル博士をほぼ敵認定しているし。つまり、ここは敵のお膝元どころか、手の中腹の中。安心して休める筈も無い。

 …実際、視線を感じたり、部屋の隅っこのコンセントから不自然な機械音が聞こえたりするしな。ハンターの聴覚を誤魔化そうなんざ、千年早いわ。

 監視されているのは不愉快極まりないが、迂闊な行動を起こせないのも事実。最低限、ラケル博士のツラ見るまでは大人しくしておかなければ。

 

 

 

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