皆様が慌しく働いている中、時守は実家で真昼間から酒かっくらって昼寝しております。
朝風呂ができないのが残念です。
…ごめんなさい調子コキました。
実家のPC、あんまり性能が良くないからニコ動も2chも執筆も上手くできない…それだけが残念です。
なんかデスクトップPCの速度が遅い…と思ってたら、ランサムウェアに感染してた模様。危うく執筆したデータが全て消えるトコでした。
こんだけガチでビキビキきたのは久しぶりです。
皆様もご注意を。
神住月下乳視点日
おはようございます、アリサです。
えー、昨日は例のアラガミに文字通り接触したのですが、少々混乱しています。ええそれはもう、昨晩はママに添い寝をねだる程に混乱しました。
あの人が居なくなってからというもの、欲求不満を二人で慰めあったりしてましたが、昨晩はそれすら無し。文字通り抱きついて眠りました。…お互い裸でしたけど。いや人肌って落ち着くんですホントに。
…話が逸れました。まだ混乱してますね。
あのアラガミに接触し、得られた情報について、極東の3博士(支部長は元、ですが)に呼び出されて報告しました。
内容は、大まかに分けて3つ。
明らかに今の地球には無い大森林と、夜の空に浮かぶ…地球。
どうやらその中をフラフラと歩いているようです。一人称の視点での映像だったので、誰の視点なのかは…まぁあの人でしょうけど…断定できませんでした。
歩みを止めると、適当な場所に腰掛け、空の地球を一瞥して…視界が真っ暗になりました。目を閉じたんでしょうか。
次に見えてきたのは、瓦礫の山の中を進む映像。これは多分地球上の映像ですね。夜空には月が浮かんでいましたし。
ただ、何か歩き方が妙だったんですが…四足歩行のような、時折立ち上がって二足歩行しているような…。
それが歩き回って、見つけたアラガミに飛び掛りました。顔面から。
…明らかに文字通り食いついてますね。その状態からムシャムシャと……ウェップ アラガミってマズい…。
捕食が終わり、視点の主は物陰に身を隠しました。どうやら眠るようです。
…最後に見えたのは、見覚えのある景色でした。まぁ、荒野や廃墟なんて、何処を見ても対して変わりませんから、本当に私が知っている場所かは確信できませんでしたが。
今度は移動せず、たた同じ景色だけがずっと見えています。
その時、ふと右手(体の感覚があった事に今気付きました)に触れるものがあり、振り向きます。
そこに居たのは、私でした。
驚愕の感覚がすると同時に、感応現象による夢は覚め、気がつけば触れていた筈のアラガミも消えていました。
あれから一晩考えて見ましたが、やはりあのアラガミは…あの人だと思います。根拠?
…私の顔を見るなり、胸を揉もうと手を伸ばしてきましたから。あの欲望への正直さは、間違いなくあの人だと思います。
胸を揉む云々は、ママもといレア博士にしか伝えていませんが、これを聞いた博士達は考え込みました。
暫し話し込んでいましたが、やがて幾つかの共通点が挙げられました。
細かいものは幾つかありましたが、一番気になるのは、場面の移り変わり…「活動を休止し、目を閉じようとした」時に場面が移り変わる。
言われてみれば、確かに。まるで、活動と休止を順番に行っているかのようでした。…私が見た映像が、時系列通りに並んでいれば…という条件がつきますけど。
それに気になるのは、あのアラガミが姿を消した直後、知らないアラガミの声が聞こえた…らしいんですよね。私、混乱していて気付きませんでしたけど。
「幾つかの仮定を踏まえた上での推論だけど」と前置きした榊博士は、次のように語りました。
まず、やはり謎のアラガミは、彼とノヴァの両方に関係があると考えられる。
また、謎のアラガミは、少なくとも2体…或いは2種存在する。
そして、恐らくその内の一体…幻のように消えるアラガミは、特定条件下でしか姿を現す事ができない。即ち、もう一種のアラガミが眠っていて…恐らくは、月でまだ生存しているであろう彼が、何かしらの行為を行っている時。
その行為というのが何なのか…は、これまた推測に過ぎませんが、現れたアラガミが何もせずにボーッとしているところを見るに、転寝でもしているんじゃないか、という事でした。
そこへ口を挟んだのはレア博士です。
恐らく、昼寝などではなく瞑想をしている、と。フライアでは血の力…話には聞いていましたが、あいかわらず胡散臭い…を操り高める為の方法として、瞑想を伝えられたのだそうです。
事実、訓練を受けたロミオという人も、瞑想を繰り返す事で血の力を会得できそうになっているそうです。
月から地球にまで何らかの形で干渉するとなると、相当なエネルギー量が必要でしょう。血の力とやらに物理的距離が関係ないのならともかく。
例え、月のノヴァと、地球に残されているノヴァの破片が送受信機の役割を持ったとしても、絶対的なエネルギーが足りるとは思えない。
だから、瞑想という手段でエネルギーが高まり、尚且つ地球のノヴァの破片が活動を休めている時のみ、彼の姿は現れる。また、現れてもボーッとしているだけなのは、瞑想の為余計な思考を止めているから。
今回、私に触れられて消えたのは、突然の接触に驚いた事と、あの人が居る場所…月には居ない筈の私の顔を見たから、ではないかという事でした。
…それだけ言うと、レア博士はこの件に関して、なるべく口を挟まないようにする、と宣言しました。
驚きましたし、正直怒りましたよ、私。だって、この件ってあの人に関する事じゃないですか。私のヒーロー、レア博士にとっては夫…いや訂正、擬似親子プレイはいいんですけど、レア博士が正妻みたいに聞こえるんで…とにかく旦那というか恋人じゃないですか。
なのにどうして、考察する事さえ止めようとするのか。
支部長は、「そういう事か、ならば仕方ない」とあっさりと理解していましたが…。榊博士はと言うと、「レア博士は、博士と言うよりも女だという事だよ」との事。なんかそれ、セクハラでは?
夜、お互いを慰めあう前に聞いてはみたんですけど…まぁ、一理はある…かな?
一言で言えば、冷静に考察できる自信が無いそうです。本職の医者でも、家族や身内を相手に診察を行うのは難しいとされています。「無事でいてくれ、致命的な事ではありませんように」という願望が、ついフィルターをかけてしまうのだとか。
それと同じように、レア博士もつい願望込で考察してしまうそうです。事実、今日レア博士が語った事にしても、証明もされていない事を幾つも入れ込んでいました。そんな状態で考察しても、混乱させるだけ…というのがレア博士の主張です。
私はそれで納得したとは言えません。あの人とまた会えるかもしれないのに、どうして諦められるのですか。
…ですが、ちゃんとした考えの元での判断だという事は分かりました。足を引っ張らない為、と言うのなら、それも選択の一つでしょう。
…にしても…なんていうか、科学者の大変さを理解してない身で言うのもなんですけど…レア博士、根本的に博士に向いてないんじゃないですか?
こんな事言うと侮辱になりそうですけど、極東に来てからの言動を見てると、科学者は副業で、本業は…その、あの人の情婦って言われた方がしっくりくるんですけど…。
「容赦なく言ってくれるわね、アリサってば…。まぁ、向いてないのは自覚しているわ。元々、望んで科学者になった訳でもなかったし」
あ、そうなんですか?
「実家がそういう家系だったって事もあるけどね…。そうならざるを得なかった、なんて珍しくもない話でしょう。…あの頃は、他になりたいものがあったしね」
あの頃って? 20年くらい前ですか?
「…年齢について言及する上、シビアな数字を出す辺り、ちょっと怒ってない…?」
割と。
「…ま、仕方ないか。考えてみれば、無理に科学者続ける理由も無くなっちゃったのよね。今まであった色々な事を忘れていいとも思わないけど。
今からでも目指してみようかしら…。ああ、でもそうなると、帰ってくるのを待つだけ待って、都合よくよりかかる女になっちゃうし…」
なにか葛藤しているようですが…そもそも、その子供の頃になりたかったものって何です? 色んな意味で母性が溢れるレア博士の事ですから、保母さんとか?
「……………お、お嫁さん…」
………。
「………………」
…………。
「……………」
カワイイ…。
…た、滾ってきました!
不肖アリサ、謹んで竿役もとい夫役を勤めさせていただきます!
「ちょっ、なりたいのはあの人ので!」
でも今は月に行ってますし! 今は私達で慰めあってますし!
ああ、口を挟まないって言われてモヤモヤしてましたが、どーでもよくなってきました!
あの人からも「仲良くヤレよ」って言われてますし、じっくりゆっくり意味深なカンジで仲良くしましょうか!
この際だから、ギブアップ宣言したオシオキもしましょう!
二人で盛り上がれば、意外とあの人出てくるかもしれませんしね!
…割と真面目にありそうです。盛り上がりまくってる最中、突然あの人の幻(人間形態でありますように)が現れたりしたら…意外と面白い事になるかも?
ま、とりあえずはママ…いえ、今の私は夫役ですからレアをいぢめますか。
神住月元祖阿呆視点日
なんだか久々に日記を書く気がするな。まー実際、最近は瞑想するか寝るか軽く運動するかばっかりだったし、何日ぶりの日記かわかんねーなコレ。
それはともかく、延々と瞑想してノヴァと繋がり続けていた為か、霊的に大幅にパワーアップしたっぽい。今後、MH世界でいよいよフロンティアに挑もうとしている俺としては、ありがたい限りである。
肉体的にも…まぁ、とりあえず筋力が落ちた感覚は無い。ずっと月で暮らしているからかもしれないが。
さて、其れは置いといて、どういう事だろうか。
瞑想している間に、夢…白昼夢を見る事は、実はそんなに珍しくなかったりする。上手く集中できなかった結果、瞑想しているつもりが余計な妄想が入り込んできたり、もっと単純に居眠りしちゃってたりね。
が、どうにもそれだけじゃなさそうだ。
ここの所、瞑想中に何度も地球の風景が頭の中に浮かび上がってきていた。見えるのは大抵は単なる風景。今の地球じゃ珍しくない、何処なのかも分からない荒廃した場所だ。
その風景だけがずっと見えている時もあれば、まるで本当にその場に居て歩き回っているかのように移動する時もある。
回を重ねる毎に鮮明になってきていて、目にしたアラガミをついつい狩ってしまう場合も多い。…そういう時、ふと気がつくと誰も居ない月の森の中で、無意味に神機を振り回していたりする自分に気付くんだけど。
昨日の夢なんか、最後にはなんとアリサまで登場してしまった。背後から突然腕を掴まれ、振り返って…「ウソ、アリサ!?」な感じで驚いた。夢かと思って、つつい胸に手を延ばしたよ。…なんで胸か? 一番よく覚えてる感触だからだよ。
触れる前に夢が覚めたけど…。触るまで待ってくれたっていいじゃないか!
ああ、このところ落ち着いていた性欲がまた滾ってきたじゃないか。
…それはともかく、前々から予感していた事ではあるが、やはりアレは単なる夢ではないようだ。
直接アリサに触れられた感触も残っている。新型同士の感応現象…とは違うが、何度も夢の中で会っているから、妙なパスでも作られていたんだろうか? こう…一瞬だったけど、色々と情報をやりとりした感覚がある。
事実、落ち着いてから思い返してみると、俺が終末捕食を防いだ後、極東支部でどんな事があったのか…ある程度思い浮かぶ。それも、大体はアリサ視点で。
………仲良くしろとは言ったけど、アリサとレア、夜毎にイチャイチャネトネトしてんなぁ…。いい事なんだけど、やっぱ乱入したいわぁ…。
まぁ、とりあえずあの調子なら、レアもラケル博士に寝取り返される事はなさそうだ。
と言うか、もっと詳細な情報プリーズ。感応現象モドキによる情報通信が不安定だったのか、受け取った情報が虫食い状態だ。一番重要なトコが抜け落ちやがって、おかげで妄想が捗るじゃないか。
…で、アリサから貰った(?)情報を元に、改めて考えてみると…地球に、俺が変身した姿のアラガミが、何度も目撃されている?
幾ら俺でも、幽体離脱して月から地球に移動できる自信はない。そんな事したら、シルバーコードが切れてしまうわい。しかし、実際にこうして情報を受け取っている以上、幽体離脱ではないにせよ、通信的な事が出来る何かを地球に飛ばしているのは事実だろう。
俺単独じゃ無理……なら、サポートしている何かがあるな。…ノヴァか。月には他に何も無いもんなー。月自体に何かしらの能力があるのかもしれんけど、それを言い出したらキリが無い。
ノヴァが増幅器なり通信機なりの役目を担っているとして、それが何故地球に? 受信機に当たる何かがある筈………まぁ、第一候補として上がるのが、ノヴァなり特異点なりだよな。
でもシオはもう特異点じゃなくなってるようだし…そうか、ノヴァの欠片的なモノがあるのか? そんなモノが残っていたら、確実にトラブルの元になるよな。ゲームのシナリオ的に考えれば、多分世界規模のヤバい案件に。
…俺が知ってるゲームのストーリーには、ノヴァの欠片なんて言葉は出てこなかったと思うが、そうだな、ゲームに続編ないしGEBみたいなリメイク版が出ていたと仮定して考えてみよう。
ゲーム内容は…時期的には恐らく、リンドウさん復活後。で、今回と同じ現象が起きているとすると…地球に何度も現れるのは、俺じゃなくてシオか。極東のいつものメンツが、気にならない訳が無いわな。
そこからどうトラブルに発展する?
シオと敵対する…これは恐らく無い。姿形が似ているだけだったとしても、プレイヤーからクレームの嵐が殺到しそうだ。むしろソーマに第四の壁を越えて祟り殺される。
そもそも、今俺に起きているのと同じ現象なのだとすると、地球に現れるシオにも多少なりとも自我がある事になる。敵対する理由が無い。
となると、シオの幻影の近くで、ノヴァの欠片が何かしら活動してるのか……。アレが活動しているとなると、訪れる災厄は終末捕食の再来一択。
こっちは敵対しても何の違和感も無いな。
…そういえば、何度か見た夢の中で、四足歩行の視点を見ているっぽいのがあったな。ひょっとして、アレがノヴァの欠片の視点だったのか?
…ちょっと待てよ、俺は月のノヴァと、地球のノヴァの欠片を通して、向こう側に幻を生じさせていると考えられる。
で、向こうの俺がアリサから受け取った情報は、やっぱりノヴァを通して俺に送られてくる。…という事は、俺の意識や、向こう側で受け取った情報は、地球で動いているノヴァの欠片にも筒抜けって事にならんか?
いや、筒抜けなのはまだいい。ノヴァの欠片がどれくらい頭がいいのか分からないが、戦略的な情報なんかはまだ受け取ってないからな。
だが…例えば俺が向こうに姿を現している時に、「腹減ったな」なんて考えたら、それがノヴァに伝わってしまうんじゃないか? それを自分の意思だと誤認したノヴァが、その辺のアラガミやゴッドイーターを襲いだすんじゃないだろうか。
「腹減ったな」なら、まだいい。もしも俺の意識の何かが、ノヴァの本能…終末捕食を起こす切っ掛けになったら? 有り得ない、考えすぎとは言い切れない。何せ今の俺は、実際に終末捕食を起こした特異点モドキだ。
…逆に、ノヴァの本能を、或いはノヴァの欠片の活動そのものを休止させる事はできないだろうか? そうだな、四足歩行の視界が見えている時に、「眠い」という感覚でも送ってみるか。
…また暫く瞑想して時間が過ぎた。深くなりすぎて、気がつけば蔦に巻かれているのもいつもの事だ。
結論から言えば、ノヴァの欠片を休止させる目論見は成功…したっぽい。気がつけばいつものように、四足歩行の視界となっていたのだが、その時に「眠い」「だるい」「しんどい」等、体を休めたくなるような思念ばかり送ってみた。
すると、最初はあまり変わりなかったが、時間が経つにつれて動きが鈍くなり、欠伸っぽい動作もし、物陰に入って眠りに付いたようだった。
…えらく無防備に寝るな。野生の獣状態なんだから、もっと警戒しそうなものだが…まさか襲われた事が無いとでも?
それから少しすると、視界が切り替わった。今度は何処かの風景…ああ、視点の高さからして、人間型だな。
ノヴァの欠片が休止すると同時に、この視点に切り替わる…。
恐らくだが、地球に俺の幻影が発生する条件はコレだろう。
俺が深い瞑想状態に陥る。地球のノヴァの欠片が休眠状態になる。で、俺の瞑想が解けるか、ノヴァの欠片が起き出したら消える。
あと一つ二つくらい条件があるかもしれないが、確定的なのはこの3つか。
さて、それが分かったところでどうするべきか。ノヴァの欠片の活動を極力抑える方向でいくが、極東の皆がどう対処してくれるかだよな…。
それに、ノヴァの欠片の本能をうっかり刺激したりしないように、注意が必要だ。
…アラガミが性欲なんぞ覚えたら、どうなるかマジで分からんからな。
神住月ソーマ視点日
…ソーマだ。
最近、妙なアラガミのおかげで他の連中がうるさいが、俺には関係ない。シオの手綱を放さないようにするのに、手一杯だ。
最近では妙に知恵をつけてきやがって、勝手にターミナルを操作するは、コッソリとアラガミを狩りに行こうとするは、以前なんぞ丸一日姿が見えなくて探し回っていたら、居住区の農園のド真ん中で昼寝してやがった。
完全に、機動力が高い赤ん坊状態だ。手に負えん。
…だからと言って、放置する理由も無いが。
しかし、そのシオが最近噂の幻のようなアラガミに興味を示している。俺としてはあまり歓迎できた事じゃないな。何が起きるか分からない。
…こう言うと、親父や他の連中から生暖かい目を向けられる…やめろ、そんな目で見るな。鬱陶しい。
親父の事は……躊躇い無く『親父』と言える程度には、見直している。見直しているという表現もおかしなものだが、少なくとも俺が考えているより、ずっと深く強い人間だった。良くも悪くも、という一言がつくが。
機会があって、親父が今までやってきた事を調べた事がある…大方、榊のオッサンの差し金だったんだろうが…が、研究者としても支部の責任者としても、知れば知る程親父がやってきた事の大きさを知らされる。
今も、特異点でなくなったとしても、アラガミであるシオの事を隠蔽し続け、更には公の立場まで得られるように動き回っているようだ。それは、俺では決してできなかった事で、思いつきすらしなかった事でもある。
今、こうしてシオが極東で暮らしていられるのは、親父の尽力の結果と言ってもいい。……死んでも本人に言ってやる気はないが。親父がやってきた事を許した訳じゃない。
…別に親父の影響を受けた訳じゃないが、俺も最近は色々と考える事がある。
今は親父の力でシオに妙なちょっかいを出そうとする奴は居ないが(精々が頭を撫でたがるくらいだ)、いつまでもそれが通じる訳じゃない。親父だって引退する日はくるし、そうでなくとも失脚の可能性は常にある。
そうなった時、俺に出来る事はあるのか? 俺が何かしようとしたとして、死神と呼ばれた俺に手を貸してくれる奴はどれくらい居る? 何人かは居るだろうが、決して多くないし、何より基本的にそいつらも一人のゴッドイーターに過ぎない。
公的権力って奴から迫られれば、白旗を上げるか、違法行為に走ってでも反抗する事しか出来ない。
そう考えた時、俺のやるべき事は変わり始めた。
正直、榊のオッサンが言っているような、アラガミと人間が共存できる世界が来るとは、シオを眺めていられる今でもとても信じられない。だがそれでもやらなければならない。最低限、シオの立場を保証できるくらいに。
今は、俺に何が出来るのかの模索の最中だ。親父のように人の上に立つ? 榊のオッサンのように博士として発言力を持つ? …症に合わないとか言う以前に、俺にそんな事が出来るのかも怪しいけどな。
それでも、やらなきゃならない。
まぁ、それも暫くは後回しだ。噂になってる妙なアラガミを、まずはどうにかしなきゃならん。…親父が妙な顔してやがるのが気になるな…。昔から何考えてるのか分からない…分かろうともしなかったが…親父だったが、不安や憂慮を他人に見せるような、殊勝な奴じゃないのは確かだ。
アリサが持ち帰ってきた情報を一通り聞いたが、サッパリ分からん。と言うか、何なんだその新型同士の感応現象ってのは。触れただけでそんなのが発動するとしたら、不便極まりないな。同時に醤油に手を伸ばしたら、飯の途中に感応現象発生なんて事になりかねないんじゃないか? …腕輪に安全装置をつけた方がいいと思うが。
暫くして、親父が俺達を…シオを含め、終末捕食に関わったゴッドイーターを集めた。正直、親父を警戒していたんだが…警戒すべきは別の事だったか。
親父の説明を全て聞いてた訳じゃないが(理解できなかった訳じゃないからな!)、幻のように消えるアラガミは、今は月に居るらしいアイツの影のようなもの、だそうだ。特定の条件が揃った時、地球に…極東に姿が映し出される。
ただし単なる影ではなく、アリサのように感応現象によって意思疎通を計る事が出来る。今回の接触によって、恐らくは月の本体にも情報が伝わったので、今後は不定期ながら連絡を取り合う事が出来る、かもしれない。
アリサとレア博士が、一見して分かる程張り切ってるが…。
だが問題なのは、幻のアラガミが影なら、光源は何かって所だ。これは…ノヴァだと親父達は考えているらしい。
月に行ったノヴァ本体と、地球に残っているノヴァの破片が通信機となり、月にいる筈のアイツを映し出す。
そして、ノヴァの欠片は、エイジスで親父に育てられていた時のように制御されておらず、野放図の状態で育っている。それも、恐らくは急激な勢いで。
このまま成長が続けば、第二の終末捕食がおきかねない。しかも、今度は特異点も必要とせず、また本来の形の終末捕食とも違う為…生命の再分配すらされない恐れがある。
冗談じゃない。とんでもないモノ作り出しやがって…。親父にせよアイツにせよ、もうちょっと考えて行動しろと言いたくなる。考えてさえいなかった俺が言えた義理じゃないが。
どっちにしろ、とにかくノヴァを探さなきゃ話にならん。エイジス島から活動を再開して、今は何処に居るのか。
やれやれだ…。