そしてそれを生かせない時守に呪いを。
魔禍月魅日
記憶に無い言動に色々と危機感を覚えつつも、何とかモノノフとして認められた。
試験みたいなのはあった。
鬼祓や、攻撃にオカルトパワー(霊力ね)をちゃんと乗せられるか、そんな所だ。
一応一通りの事はできている訳だし、試験の難易度自体はそう高くなかった。
と言うより、「ミタマを宿してタマフリが出来る時点で、合格率は8割以上と思っていい」とは相馬さんの言。
少し心配だったのが、何のミタマを宿しているのか聞かれる事だった。
…皆して英雄の魂を宿してるのに、俺だけ妖怪の魂を宿してます、なんて言えないよ…。
でも、それを聞こうとするのはモノノフ的にはルール違反だそうな。
理屈はよく分からないが、昔から続いている決まりごとらしい。
無理に理由を付け加えるなら、例えば史実で関係のある英雄が二人揃ったとして、その関係が上司と部下だったり、或いは敵対した二人だったりしたら、無用な軋轢の元になりかねないから…とか?
ふむ、そういう事なら、ひょっとしたら俺みたいな前例も、知られてないだけであったのかもしれないな。
今度調べてみよう。
さて、細かい事はともかくとして、これで正式にモノノフになった訳だが、いきなりウタタカに行ける訳ではない。
暫くは研修期間として、霊山で弱い鬼を討つことになる。
任地を決められるのは、その後だ。
相馬さんから先んじて、「何処か希望地はあるか?」と聞かれ、何やら昔風の地図を見せられたのだが……そーか、里の配置ってあんな風になってたんだな。
うん、これをしっかり記録しておけば、何処に出ても歩いてウタカタの里に向かえそうだ。
それはともかく、ウタカタを希望すると妙な顔をされた。
何故、と言われても……まぁ確かに、見ず知らずの土地よりは、世話になったロウマンの里を希望するのが自然な流れか?
でもなんか妙に迫力あったな…。
ウタカタの里は相馬さんにとって、何か曰く付きの場所なんだろうか?
とりあえず、希望した理由は俺の中のミタマがそこに行きたがっているようだから、とでっち上げた。
当のミタマであるのっぺらぼうは、相変わらずボーッとしてウロウロするだけの日々を送っている。
ミタマと会話できる例は、結構あるらしい。
具体的な言葉まで伝えられる者は少ないが、何となくイメージが伝わってくる事はあるとか。
……ノッペラボウからそんなイメージ、送られてきた事は無いんじゃが……俺の素質や能力の問題か?
それとも英雄と妖怪の差か?
それはともかく、一応納得してもらえた。
モノノフとミタマは切っても切り離せない関係だ。
上下関係があるようなものではないが、その意見を無碍にする事はそうそう出来ない。
確約はできないが、進言はしておいてくれるそうだ。
さて、どうなる事か。
堕陽月得日
新しい月に突入。
これで討鬼伝世界にやってきて、約2ヶ月が経った。
新記録だな。
アラガミ化抑制剤にも余裕はある。
何度も異界に潜っているのが良いのだろうか?
やはり、体の中に瘴気をある程度残していると、アラガミ化が抑制されるらしい。
これは大きな発見だ。
ついでに言うと、俺の中にある瘴気をノッペラボウが喰っている訳だが……本当に何の意味があるんだろうか?
単なる嗜好品扱いか?
それとも、喰い続ければパワーアップするのか…。
ノッペラボウによく似た妖怪で、その上位バージョンって言うと…………尻目?
尻目…のっぺらぼう同様、顔は無い。
顔は無いのだが、実は尻に目がついている。
人に会うと全裸になり、ケツについている目をピカピカ光らせて人を驚かせるという。
…いや、ケツに目がついている事も驚きだろーけど、どっちかと言うといきなりストリップ始める事に驚くんじゃねーかな。
と言うか目がついてるからなんじゃいって話になるけど。
あとトイレとかどうしてるんだろう。
いやいやいや、問題はそこじゃない。
落ち着け、本当に尻目になると決まった訳でもないんだ。
案外、顔のパーツが一つずつ出てきて、実は英雄でしたーなんて事もあるかもしれない。
うん、あるかもしれないという事にしておこう。
それはともかく、研修の任務は順調にこなしている。
まだガキやオニビのような雑魚ばかりが相手だが、研修ならこんなものだろう。
モノノフにとっては雑魚もいい所だが、一般人にケが生えたような新人にとっては油断できる相手ではない。
意外と爪や牙は鋭いし、オカルトパワーを乗せて殴らなければ、殆どダメージが通らない。
初陣でパニックになったモノノフが逆にやられてしまいそうな事も結構あるらしい。
ちなみに、俺は一人で異界に潜っている訳ではない。
百鬼隊の一人が、教官としてついてきてくれている。
「色々世話になっているからな」と相馬さんが派遣してくれたのだが、いやお世話になってるのこっちなんですけど。
百鬼隊って忙しいんでしょ?
何でそこまでしてくれる訳?
……やっぱりアレな疑惑が…。
つい口に出して呟いてしまったのを、百鬼隊の人に聞き咎められた。
疑惑とはどういう事か、何についての事か?と問い詰められたので、相馬さんを貶す意図は無い事を強調した上で正直に言った。
………唖然とされて、一発殴られた。
そして根堀葉堀聞き出された。
………ご腐人だったらしい。
相馬さんの人間関係にエライ事のタネを植え付けてしまったような気がするが、知らん。
恩知らずと言われるかもしれんが、デスワープすれば全て無しだ。
…いや、真面目にさ、色々便宜を図ってくれるのは感謝してるし、それもようやく見つけた生き残りだから、って事で納得はできる。
が、何故に自分の隊から態々派遣してまで、教官役を務めてくれているのか。
会議で俺が何かやらかしたのだとしても、幾らなんでも過剰だ。
で、引っかかったのが、百鬼隊のご腐人が、疑惑云々の呟きに食いついた事。
………監視されている?
それに気付いたと感じたから、あのご腐人は過剰に反応した?
しかし何故?
俺は一体何をした?
堕陽月獲日
暫く考えてみたが、やはり監視される理由が分からない。
相馬さん自身が、俺を疑いたがっているとは思えない。
棚ボタ的に遭遇したとは言え、ようやく見つけたたった一人の生き残り。
自分達がやっている事が、無駄ではないという証明。
それを自分から台無しにしたいとは思わないだろう。
監視をしていたのは、百鬼隊の一人だけではない。
日常を気をつけて過ごしてみれば、大抵は近くに百鬼隊の誰かが居る。
…個人がおエライさんの命を受けているのではなく、百鬼隊全体での監視、か。
益々どうなっているのやら…。
それはともかく、モノノフになったので、色々と資料閲覧の許可が出ている。
研修が休みの日は、ダラダラしているか、資料を見て回っている。
何せこの世界はオカルト満載。
デスワープに関する手がかりがあるとすれば、恐らくは他の2つの世界ではなくこの世界だろう。
異界によって時間や空間が滅茶苦茶になっている事もあり、そう言った点に関する資料もあるかもしれない。
毎回霊山に来れる訳ではないから、この機会を逃す訳にはいかない。
吸収できる技術や知識は、概要だけでもいいから片っ端から吸収しないと。
だからそう、偶然見つけた真言立川流っぽい解説書を読みまくっているのに他意は無いんです。
しかも、オカルトパワーを普通に操るモノノフだけあって、世間一般に残っているのとは違うような色々と秘された解説書まである。
お……おおぉ、こんなのまで……こりゃ現代まで残せるような代物じゃないよ。
日本人の業は深い。
また今度のループでアリサに………ああ、覚えてない、と言うより会ってもいないんだったな。
ちょっと沈む。
そうそう、霊山のモノノフ先輩達と知り合った。
キカヌキの里の堅悟さんに聞いていた、いけ好かないようなモノノフも居るには居るが、基本的にいい人が多いようだ。
ちょっと荒っぽいけど。
「生き残りだかなんだか知らないが、外の人間がモノノフになれるのか? 引っ込んでろよ」みたいな事も言われたが、表情に侮蔑が全く無かった。
死地に向かうような事をせずに穏やかに暮らせ、と言いたかったらしい。
…なんで態々そんな言い方するかね。
名家(らしい)特有の気取った意識と心配が混ざり合った結果か?
堕陽月画日
何だかんだで、研修は終了。
任地に向かう事になる。
相馬さんが色々やってくれたらしく、任地はウタカタ。
流石に相馬さんもついて来る、とは言わなかったので、多分ここでお別れになるだろう。
木綿殿と大和殿によろしく頼む、と言われたが……それって確か、ウタカタのお頭と受付嬢じゃなかったっけ?
やっぱり何か関係があるのか。
書状も届けるように言われたし………ぬぅ、封がされている。
中身が見れない。
……はっ、気がつけば今、ナチュラルに人の手紙を盗み見しようとしていた!?
…倫理観が大分壊れてきてるなぁ…。
…到着すれば、ようやくストーリー開始の時期……だと思う。
任命状と一緒に、人物札も貰った。
これがあれば、次のループでも正式なモノノフとして、ちょっと強引ながらもウタカタに転がり込めるだろう。
…にしても、人物札ショボいな…。
名前と似姿、本人からのコメントが一つあるだけだ。
まぁ、ゲームみたいに戦績を自動でカウントするような物であっても困るが。
出発前に、時々顔を出していた新聞社の二人にも一言告げておく。
え、なに?
いっしょにくる?
堕陽月柄日
えー、出発です。
例によって世話になった皆さんに挨拶した後、ウタカタ目指して霊山を旅立ちました。
……徒歩で。
…………新聞社の赤青姉妹も一緒に。
いや本当に、どうしてこうなったんだろう。
そりゃ、この二人とはそこそこ仲が良かった。
時々取材と称しては家に来て、愚痴りあったりする程度には。
惚れた腫れた掘られたの仲とかそーいう事は全く無いし、友人と言うのにもちと弱い。
だと言うのに、何を考えてこの二人は俺と一緒に来ているのだろうか?
ついでに言うと、旅慣れている訳でもない。
長距離を歩くと疲れを見せるし(それでも歩く根性はある)、野宿の仕方も全く知らないようだ。
…いや、妹の方は意外と慣れてるかな?
野宿の時に何のつもりなのかと聞いてみると、なんでも「本当」に触れる為に、最前線かつ霊山の影響が及ばない里に行くのだそうだ。
以前から似たような事は考えていたのだが、その時にタイミング良く(悪く?)俺がウタカタに行く事になった。
顔見知りだし、丁度いいから便乗してしまえ、という訳ね。
ただし、殆ど突発的な行動なので、準備らしい準備はまるでしていない。
…せめて路銀くらいは持って来いよ……何、お小遣いは少ない?
霊山新聞の手伝いで稼いだお金しかない?
知るか。
あとその格好で行く気か?
旅装束とか無いの?
…普通の服とどう違うのかって?
そりゃー、汚れても破れても問題ないとかそれくらいの認識でいいさぁ。
いやメシくらいは食わせてやるけどさ。
旅は道連れ世は情け容赦なく鋼のごときスタンスで当たりつつ飼い殺しって言うし……具体例としてアリサを挙げよう。
…おい、何でご飯のイノシシ仕留めただけで「何者だコイツ」な目を向けられにゃならんのですかねぇ?
ボタン鍋とか最高だぞ。
ドスファンゴどころかブルファンゴよりずっと脆いから、軽く狩れました。
なに、野鳥の卵を食べるのは可哀想?
そんな事言ってるヒマがあったら、安全に喰えるかの心配をしなさい。
俺は平気だけどな、ハンターボディ的に。
毒蛇?
いや、こいつ毒ないよ?
毒があってもちゃんとした調理が出来るから大丈夫。
ハンターたる者、食料の現地調達から調理まで出来て当然。
具体的には、よろず焼き機があればボタン肉だろうが熊の掌だろうが生魚だろうが、こんがり美味しく焼けるのだ。
心配するな、人間は異界の枝とか鬼とか食っても生きていける。
腹の底から鬱陶しい声が聞こえるようになるが。
……ん?
紛う事なき実体験だぞ?
俺が異界の中から逃げ延びてきた事、忘れてないか?
あと、何か知らんが夢見が悪い。
な~んか狩りの夢を延々と見ている……ような覚えがある。
ハンター式熟睡法を使ってるから、夢なんぞ見ない筈なんだが…。
堕陽月餌日
「た、旅を舐めてたっす…」と青い方が言うのを聞き流して、4日程。
無事ウタカタの里に到着した。
ようやくゲームの本筋に入ってこれた感じだな。
何度目のループだろうか…。
守衛に任命状を見せ、里の中に入る。
モノノフが……大和の頭と桜花さんが出迎えてくれた。
おお、討鬼伝の初原作キャラだよ。
ここまで来るのにマジ長かった…。
俺の事はしっかり伝わっていたらしく、「聞いたぞ、異界の中で生き残ったんだって?」と聞かれた。
とりあえず「餓鬼は生のニンジンより不味かったです」と答えた。
桜花さんは微妙な顔をして、大和の頭は「それは大変だったな」と笑ってた。
大和の頭に相馬さんからの書状を渡して、そのまま家へ。
新聞社の二人は、取材の為についてきたという事で適当に誤魔化した。
…んだが、流石にこの二人の住処までは用意してない。
俺の家に住む事になってしまった。
………何、このエロゲ展開。
まぁいいや。
メシ作るのは任せる。
なんて言ってたら、初っ端から襲撃である。
雑魚ばっかりだったから良かったが、これが日常…やはり最前線という事か。
と言うか、霊山で戦っていた頃から思っていたが、どうにもリズムが悪い。
ゴッドイーターにしろ、ハンターにしろ、倒した相手から素材を剥ぎ取るのは常だが…ちょいと時間がかかり過ぎるように思える。
戦いの場で、素材の為に動きを止めれば命を落としかねない。
…どうせ、暫くは雑魚の相手ばかりだ。
戦闘中の鬼祓に適したタイミングを探すとしよう。
それより重要な事だが、俺の身に新たなミタマが宿る事は無かった。
ゲーム内なら、初陣でミタマが一つ確定だったはずだが……やはり、俺にムスヒノキミとしての立場は無いか?
代わりに、妙に俺のミタマのノッペラボウが飛び跳ねているんだが……なんだろうな、これ。
桜花さんや大和の頭にも、「随分とミタマが喜んでいるようだな」と言われたが、微妙な所だ。
他に、秋水、樒、たたらさんに会ったが、特に書くような事は無かった。
秋水に「何でも聞いてください」みたいな事言われたので、喰える鬼は居ないかと聞いたが………総じて不味い、とマジレスされて終わった。
…そうか、不味いのか……。
そして天狐を鍋にしたい。
カワイイ?
可哀想?
いいかよく聞け。
ハンター的にはな、カワイイは正義だが、美味しいは絶対的正義なんだよ。
堕陽月会日
樒さんに話を聞かせてもらった。
と言うのも、ミタマの専門家なら、我がミタマであるノッペラボウの事も何か分かるのではないか、と思ったのだ。
しかし、具体的な情報は聞けなかった。
何でも、ミタマとなるのは基本的に人間のみなのだそうだ。
魂のあり方だか何だかに基づいているらしいが、詳しいことは理解できなかった。
という事は、何か?
うちのノッペラボウは、やっぱり実は英雄のミタマだったりするのだろうか。
いやそれよりもおかしいのは、ミタマは武器に宿すもの、という所だ。
ゲームでも使う武器によって、装備できるミタマの種類が違っていたが……それを言ったら、俺は一体どうなる?
討鬼伝世界の武器は勿論、モンハン世界の武器を使っていた時も、神機を使っていた時も、平然とミタマの力を使っていた。
これは妖怪と人間の差なのだろうか?
それはそれとして、GE世界と同じような事をやってみた。
つまり、たたらさんにモンハン世界の素材を見せてみたのだ。
素材を一つ一つ手にとって確認していたが……ありゃ職人の顔だな。
ドスの効いた声で、「おめぇ…どっからコイツを持ってきやがった」と聞かれたときには、思わず最敬礼してファーザーとか呼びそうになってしまった。
技術者という点ではともかく、鍛冶師…精神とかを篭められる鍛冶師という点で見れば、恐らくGE世界は勿論、モンハン世界の職人より上なのではなかろうか。
この人に杭君を見てもらいたいもんだが……暫くはやめておくか。
折角正規の手法でウタカタの里にやってこれたのだ。
怪しまれるような真似は、次回に回せばいい。
暫くは、この世界での戦い方を確立させるのが優先だ。
おい新聞社の赤いの、味噌汁濃いぞ。
何、フグも蜂も食べられるんだから濃いくらいで文句言うな?
味は重要だぞ味は。
堕陽月慧日
「本当」に触れたい、とか言って付いてきた二人は、どういうツテを辿ったのか、万屋でバイトを始めたようだ。
流石に俺にたかりっぱなしになる気はなかったらしい。
ま、「本当」なんてのは苦い物と相場が決まってるんだし、箱入り娘のままでいるようじゃ話にならんな。
俺は俺で、モノノフとして雑魚の鬼達を狩る日々を過ごしている。
正直な話、雑魚は武器防具の素材としては殆ど価値が無いのだが、俺が注目しているのはその性質だ。
鬼祓で消える…浄化できる事からも分かるように、鬼というのは基本的に瘴気のカタマリらしい。
モンハンのような生物学的に有り得ない存在ではなく、ゴッドイーターのようにアラガミ細胞という無敵だが物理的な遺伝子を持っている訳ではなく、オカルトパワーの結晶である。
今はまだ何の変哲も無い爪や牙にしか見えない素材であっても、『物理的にありえない』、『この世の物では有り得ない』性質を持っている可能性は多分にある。
また、俺の体のPナンタラ偏食因子の働きを瘴気が阻害している事から分かるように、恐らくこの世界の武器はアラガミ達にも有効だ。
打撃や斬撃で殺すのではなく、恐らく毒を打ち込んで徐々に弱らせるような戦い方になるだろうが。
何れにせよ、順調と言えるだろう。
ガキ、ノヅチ、オニビ、ササガニ……雑魚が相手なら軽いもんだ。
長時間異界の中に居ると、倒れてあの世行きだから、そうそう繰り返し出撃はできないのが難点だ。
なんていうと思うてか。
こっちには異界の瘴気=毒を無効化する、モンハン世界の装備があるのだ。
コイツがあれば一週間くらい屁の河童よォ!
ちなみにこれを見せたら、桜花さんがガチで取り乱した。
予想はしてたが、ガチでモノノフの常識を覆す代物だったらしい。
何処でどうやって作った、と問われたが、実家に伝わっていた、てっきりモノノフの標準装備だと思っていた…で押し通した。
研究すべき…と思っているようだったが、幸いあちらから黙っていると協力を申し出てくれた。
オオマガドキ前の、俺の生家の形見になるから、無理に取り上げるような真似はしたくない…と。
ええ人や。
GE世界の技術者達なら、嬉々としてカッ攫っていきそうなものを。
ま、この装備が通じるのは相手が雑魚だからだ。
対毒装備はあまりレベルの高い物は揃えてない。
今後襲来が予想される最初の鬼…ミフチに通じるかどうかってとこだ。
ま、そんな事ぁいいから出撃じゃヒャッハァァァー!!
素材寄越せやぁぁぁ『この世の物では有り得ない』系の奴をよオォォォォ!!!
堕陽月ぇ日
大和のお頭から、調子はどうだと聞かれた。
ウス、桜花さんのおかげで好調ッス!
あと出撃時に度々木綿さんにお世話になってます!
初対面の時、「ユウさん」じゃなくて「モメンさん」って呼んでマジサーセン。
それはともかく、俺の中の瘴気について問い詰められた。
普通、モノノフは任務が終わって帰還したら、体に溜まった瘴気を完全に浄化させる。
そりゃそうだ、なんたって瘴気は毒なんだから。
それを体の中に留め続けていると、寿命は縮むは体は侵食されて重くなるは、更に酷い時には二日酔いが丸一日続くような感じになっちゃって、使い物にならなくなるらしい。
だと言うのに、何故に俺は瘴気を常に体に留めているのか?
……あの、俺はそれ無いんですけど。
確かに異界から出られずに彷徨っていた頃は、段々体が重くなっていって、窒息死するみたいに力尽きてましたが…体の中の瘴気をある程度の量に抑えるようになってからは、特にそういった兆候は無い。
俺が体に瘴気を留めているのは、アラガミ化を抑制する為なんだが…それを言ったら、折角の初ウタカタ到着がどう流れてしまうか分からない。
せめて大型鬼との戦いを経験するまでは、原作と同じ流れを維持したい。
それはともかく、咄嗟に口から出た返答は以下のようなものだった。
何年も異界の中を彷徨っていたので、瘴気に体が慣れてしまったらしい。
むしろ瘴気が無いと体に力が漲らない感じだ。
なんつーか、ホラ、某不死騎団長的に。
内側の瘴気に負けまいと、体が根性出してくれる感じで。
実際は根性出すんじゃなくて、内側のノッペラボウが喜んでるんだが。
どうやら瘴気は長い時間触れ続ける事で体に耐性が出来るようだし、暫くこの状態を続けてみようと思うのだがどうか。
某不死騎団長云々は流石に首を傾げられたが、「…興味深い論ではあるな」と言われた。
モノノフとしても年単位で異界の中に潜って生き続けてきた人間なんて例が無いらしいし、毒を飲み続けて耐性を作る訓練もあるらしいし。
そういう事もあるんじゃないか、と追求を留めてくれた。
ただし、お頭が危険と判断したり、これ以上は続けられないと判断した場合、『理由と状況を問わず』それを止める事を約束させられた。
……抑制剤も充分残ってるし、別に問題はないんだが………なーんか気になるなぁ…。
主人公が会議でナニをしたか?
少佐とだけ言っておく。