※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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なんかこう、色々持て余す。
腹の贅肉とか性欲とか仕事中のイライラとか。
でもどっかに遊びに行く気にはならないんだよなぁ。

討鬼伝2と世界樹の迷宮、同時にプレイ中です。



第182話

 

神逝月

 

 

 赤い雨はそう頻繁に降るもんじゃないが、かと言ってゲームシナリオ上で重大な分岐点になるタイミングでしか降らない訳でもなく。

 只今、しとしとと小雨程度ですが降っています。コレのおかげで、アリサ達の帰還が1日遅れたのだそうな。

 

 …地球の意思は、そんなに俺の性欲を暴発させたいのだろうか? 割とマジで限界ギリギリなんですが。危うく、先日見かけたエリナ(上田と揉めていたようだが、反抗期だろうか)まで対象にするところだった。…今までの事を考えると、まだマシな方と言うのが救いが無いね。

 

 まーロリっ子が大きな槍を振り回しているというシチュエーションはともかく、赤い雨が降ったおかげで、黒蛛病の症状が進むシーンをナマで見れた。勿論、歓迎されないどころか睨みつけられ、医者の方々に追い出されたが。こっそり忍び込んで、気配を消して観察してました。

 やり方については自分でもどうかと思ったけど、うん、これなら治せそうだ。普通に鬼払いで霊力を浄化するんじゃ間に合わないから、空スタイルの祓淀…いや、虚空ノ顎を応用すれば、原因となっている霊力を吸出し、残った分を浄化できるだろう。

 やっぱり人体実験が必要な訳だが。しかし医療施設でやると、流石にバレるな。最初の一人は、効果や途中経過の計測もあるから、専用の施設でやりたいところだ。

 

 でも、そうなると一番いい施設は…やっぱりフライアになるな。ラケルてんてーのお膝元だ。

 いや、現在では赤い雨と血の力の関連性は証明できてないから、わざわざフライアでやらんでも………やっぱダメだ、関連が無くても治癒方法が霊力こと血の力だから、最善の場所はフライアになってしまう。

 極東に観測器具あるかな…。

 

 

 

 

 とりあえず、榊博士に相談してみたところ、丁度いい木偶もとい実験台を紹介してくれた。

 なんか犯罪者らしいが、それを横流しするって明らかに色々な意味でダメですよね? 長期間逃げ回っていたらしいが、黒蛛病に感染した事で逃走能力を失い、確保に至ったそうな。

 症状が酷く、このままだと遠からず衰弱死だそうな。いいのかな…まぁ実験するけど。

 

 あと、「血の力で治療に成功したら、ブラッドに教えるから、どちらにせよラケル博士には知られてしまうよ」とツッコミを食らった。そりゃそーだね! やっぱ、俺って色々考えてはいるつもりだけど抜けてるね!

 

 

 結果は成功……とは言えないな、こりゃ。黒蛛病自体は治せたんだ。こう…体に浮き出ている蜘蛛の模様が、俺の霊力の干渉で本物みたいにワシャワシャ動いてだな、んでスーッと体から抜き出るような感じで。

 ただし、抜き出た蜘蛛の模様は俺の手に移ってしまっていた。…何で? いや、こっちは普通に浄化できたから全然問題ないんだけどさ。

 多分、虚空乃顎を使って霊力を引き寄せた結果、移動してきてしまったんだろう…原理はよく分からないが。

 

 で、問題だったのは患者の方だ。笑い話に出来るような事じゃないが…手術は成功、患者は死亡…だ。

 黒蛛病の模様と霊力が全て取り除かれるまでは生きていたのだが、元々体力消耗が激しかった為か、その後暫くして衰弱死してしまった。これ、俺のせいなのかな…他の誰のせいだと言われると全く反論できんが。

 と言うか、虚空乃顎の威力で人殺しちゃったんじゃ……いやいや、ちゃんと加減してたし、そもそもアレって物質的な威力じゃなくて霊的な威力だ。人体へのダメージは、基本は無い。

 意図せず人を殺したのは初めてかもしれない。

 

 

 

 が、それでも黒蛛病治療において、非常に大きな一歩なのは間違いない…と榊博士はのたまったけど、それは慰めてくれてんのか? あと、コイツのやった事を考えると、どっち道極刑だった…とはどう言う事だろう。「君は言動に反して、根が真面目で純朴だから、聞かない方がいいよ」って言われたんだけど……患者がやった事も気になるが、なんで俺にそんな評価がつくかな。「君は残虐でもないし、無用な殺戮も拷問もしない」……いやそりゃハンターとしての心構えの結果で……ああ、そういう言葉が出てくるって事は、そういう奴だったのね。しかも多分、それも序の口…。

 

 

 手術に失敗した闇医者の心境(多分文字通り)なのはおいといて、幾つかの条件は必要だが、これなら黒蛛病の治療も可能であるとの見解が出た。

 その条件とは、まず黒蛛病の進行があまり酷くない事。患者に充分な体力が残っている事…黒蛛病の進行度に比例し、必要な体力も多くなってくるだろう。

 そして最後に、これは確定条件ではないのだが、赤い雨が降っている事。普段の状態だと、黒蛛病の霊力は良くも悪くも安定しているらしい。それが赤い雨が近付く事で活性化し、進行しようとして不安定になった瞬間が狙い目だ。

 多分、赤い雨が無くても出来なくは無いと思うのだが…体にかかる負担が劇的に増えそうな為、あまりオススメはできない。 

 

 しかし、ソレにつけても困った話だ。体力が無ければ治療に耐えられないのだが、黒蛛病患者は赤い雨が近付くに連れ、急激に体力を削られる。ハンター並みの生命力でもあれば余裕なんだろうが、それを一般人に求めるのも酷な話だ。

 結局、現状で治せるのは症状があまり酷くなく、かつ体力がある青年から壮年って所か。

 患者の体調に合わせて手術できる訳でもなく、雨が降っている間に手術できるのは何人程度か。とにかく手数が足りん…。

 

 

 

 

 

 そうそう、話は変わるが、なんか妙な気配がすると思って歩き回ってたら、シオとソーマにバッタリ会った。

 元気そうだな。ソーマも俺が戻ってきた事は聞いていたらしく、あまり驚いてはいなかった。ゲームであったように、何がどうなったのか白衣にネクタイと、無駄に知的な雰囲気を漂わせてやがる。

 シオはと言うと………おい、何でナースコスプレしてますかねぇ?

 趣味か? 趣味なのかこのロリコン。

 

 

 

 

 …反撃の拳も無しに、「シオの趣味なんだ…頼むから信じてくれ……」と自殺寸前の中間管理職サラリーマンみたいな顔で言われた。どうやら日替わりでコスプレしているらしい。何、この可愛い生物。

 「ソーマが何もしないから、シオからアタックだぞー」だそうな。どうやら支部長に何やら吹き込まれたらしい。それを聞いて、ソーマは指を鳴らしながら支部長室に向かっていった。…ひょっとしてアレか、「シオをソーマの旦那に教育すればいいんじゃね」とか言った覚えがあるが、その為か? だとしたらソーマには感謝してほしいくらいである。

 

 にしても、シオってば3年間でえらく賢くなっているようだ。天真爛漫で、能天気で、頭使ってなさそうな顔付きなのに、今はソーマの研究の助手みたいな事をやっているらしい。最近では人間用の料理も覚え、食べられるようになっているとか。それでもやっぱり一番の好物はアラガミだが。

 …なんだこのハイスペック嫁。いや違った旦那。だとゆーのに、ソーマは手を出していないそうだ。それでも男かフニャ○ン! …いや手ぇ出したら今度は人としてダメなんだけどさ。

 なんか腹立ってきたので、以前のループでシオと関係を持った時の、グッと来る迫り方や、ちっちゃくてもヤれる押し倒し方なんかを伝授しておいた。精々搾り取られろ。経験者として忠告…はしないが、シオは結構貪欲だぞ。

 何、心配するな。一度振り切れてしまえば、福本マンガでぐにゃぁ~みたいな顔をせず、堂々とシオとイチャついて発散できるようになるから!

 

 ま、ソーマとはまた別の時に話をするとしよう。…そういや、ラケルてんてーに気をつけるように言っておくのを忘れたな。今のシオは特異点じゃなくなってるから、ラケルてんてーが何かしてくるかは微妙だけど…。

 

 

 

 

神逝月

 

 

 榊博士から、一つ仮説を提唱された。黒蛛病の治療法についてだ。

 簡潔に言うと、俺が黒蛛病に感染した状態で治療を行えば、よりスムーズかつ強力な効果が期待できるのではないか?と言う事だ。感染した俺が、いとも容易く自分を治療したのを見て思いついたらしい。

 

 確かに、納得できる説ではある。霊力と言うのは、言ってみれば呼び合う力だ。同種のモノであれば、共鳴も影響もしやすい。患者の中の霊力と、赤い雨の中に秘められている霊力が呼び合うようにして活性化するのを考えると、俺の中にも同種の霊力を入れれば治療効果が上がるのではないか、という考えには説得力がある。榊博士は霊力云々の理屈は知らないだろうから、何考えてこの案を出したのかはわからないが。

 ただ、やっぱりコレにも欠点はあるんだよな。俺が黒蛛病に感染するのはいいとして(自分の体なら、浄化も簡単だ)、そうなると赤い雨の影響で痛みを堪えながらの施術になってしまう。恐らく、俺の黒蛛病が重度になればなる程、治療の効果も上がり、同時に苦痛も強くなるだろう。どれくらいの痛みに耐えながら、どれくらい集中しないといけないのかわからないのが欠点だ。

 

 また、多分この方法はブラッドには使えないだろう。今のブラッドは、霊力…血の力を攻撃オンリーに使っているようなものだし、そこまで自在に操れてない。浄化だって出来るか怪しいものだ。

 ちゅー事は、結局出来るのは俺一人か。

 

 黒蛛病に苦しむ人達を見捨てるのは心苦しいが…治療に専念させられると、狩りが出来なくなるよなぁ。せめて、ナナのイベントが終わるまでは最前線に居たい。

 で、そのナナですが、段々と発作が頻繁に出てきているみたいです。原因は今のところ不明、精神的なものだとしか分かってない。ナナ自身、最近は夢見も悪く、食欲が無く(それでも常人の2倍近く食べるが)、絶不調だという自覚はあるらしい。

 もう、いつ誘引が発動してもおかしくない。

 

 

 と言うか、さっさと発動してほしい。膨らみ続ける風船を見ている気分で、今か今かと思って緊張感が…。

 なるべくナナに張り付いているようにしているが、本当に血の力が不安定だ。高まったかと思えば急激に萎むし、その逆もしかり。

 

 そもそも、血の力の訓練では、言っちゃなんだがナナは劣等生だったりする。

 瞑想が苦手と言う事もあり、力をちゃんと認識できないらしいのだ。今思うと、それは自分の過去やアラガミを惹きつける性質から、無意識に目を反らそうとしていたのではないかと思う。

 原因は何にせよ、血の力に関してはまだまだ初心者状態であり、それをコントロールするのも夢のまた夢…とまでは言わないが、現状では厳しい。

 

 

 …いっそ、トラウマつついて爆発させるか?

 いや、それは幾ら何でもなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 と考えていたら、その矢先に発動しちゃったよ。

 

 

 

 

 狩りが終わった後に気絶して、ワラワラとアラガミが集まってきた訳ですが…幸いにも、奇植種はあまり居なかったし、花粉症のゴッドイーターも居なかった。

 ギルやジュリウスはかなり疲れ果てていたが、押し寄せるアラガミの群れ自体はほぼ撃退できた。…いや、俺とロミオがね、色々仕掛けまくったんだわ。それこそ即席落とし穴から塹壕からバリケードから、自重せずに色々と。

 

 で、適当な所でナナを連れて隠密使って逃げてきた。ナナの誘引の力はかなり強力らしく、タマフリの隠密を使っても、それでもチラホラとアラガミが寄ってくる。ただ『何処に自分達を惹きつけるモノがあるのか』はわからないらしく、キョロキョロしていたが。

 アナグラにも帰還途中で、アラガミを惹きつける何かが発動している…と伝えておいた為、対応はスムーズだった。今は元々シオが居た部屋に…軟禁? 隔離? いや匿われている。ちなみに、シオは既にソーマの部屋に入り浸りである。紳士ロリコンめ、さっさと手を出せ。

 

 まー何だな、アラガミを惹きつけるようなモノは何度か前例があったからな。具体的にはアーク計画跡地とか。対応も心得られたものだった。

 

 

 

神逝月

 

 ナナが目を覚ました。…のだが、物凄い勢いで沈んでいる。

 まぁ…母親の死因を思い出しちゃったみたいだしなぁ…。このご時勢にアラガミを引き寄せる性質を持ってるなんて、ソーマなんて目じゃないくらいの死神疫病神体質だ。

 

 さて、そんじゃこれからどうすべぇ、と言う話ですけどね。

 とりあえず、ナナの誘引をコントロールできるようにしないと話にならない。ナナも落ち込みながらも、コレをどうにかしないといけいないのはわかっているので、訓練を大人しく受けている。

 過去を思い出した…というより突きつけられた為か、今まで認識できなかった血の力もかなり明確に感じ取っているようで、順調に訓練は進んでいると言えるだろう。

 未だコントロールできてない点についても、誘引を遮断する部屋の中で、更に俺がタマフリを重ね掛けしているんで、今すぐアラガミの襲撃があるって事は無さそうだ。…ただ、ゲームであったような襲撃があったとして、それが誘引ではなくアラガミの気紛れによるものだとすると、それは流石に防げないが。

 

 ただ…このままコントロールを身につけたとして、それって根本的な解決にはなりませんよね? …もとい、根本的な解決にはならない。

 霊力や血の力は、精神状態に非常に強く影響される力だ。極端な話、制御していたとしても、自分に対する強烈な嫌悪や怒りを持っていれば、それはどこかで体を蝕んでしまう。例えば「こんな自分なんて、アラガミに食われて死んでしまえ!」なんて思ってしまった日にゃー…おお、もう…。

 

 この辺、どうにかして乗り越えさせないとあかんよな…。でもどうすりゃいいんだ。ブラッド隊と一緒にアラガミの中に放り込んで、全部殲滅してから「大丈夫、誰も死んでないよ」とか言えばいいのか? どんだけ荒療治だ。それしか無いならやるけどさ。

 

 

 

 

 ナナの訓練はともかくとして、昨日のアラガミラッシュのおかげで、大分カンは取り戻せたと思う。鼻歌交じりに押し寄せるアラガミを片っ端から狩ってたら、ロミオが「教官が流れ作業で殲滅している…」とか呟いてたけどどうでもいいや。

 で、その途中にふと思いついたんだよ。

 

 感応現象ってあるやん? アリサと散々使いまくって、今後も利用する気マンマンなんだが、腕輪に安全装置がついてて今はできない奴。

 アレ、考えてみりゃ神機同士でもできない事はないんじゃね? ゲームでは主人公がレン…もといリンドウさんの神機を触った時に、感応現象モドキが起きてたんだし。という事はだな、少なくとも感応現象という一点において、神機は腕輪同様の働きが出来る…ということだと思うんよ。

 

 

 

 

 具体的には、俺の神機とブラッドサージをその気になって接触させれば、感応現象起こせるんじゃね?

 

 

 起こしてどうするって?

 ………どうしよ。リンドウさんに何か伝言があるなら伝えるけど。ヤる? ヤっちゃう? でも、それこそリンドウさんの夢で告げ口された上、墓まで持って行くと決めた一件まで暴露されそうだし。

 …まぁ、3年ぶりにって事で、機会があれば試して顔出ししてみますかね。

 

 

 

神逝月

 

 

 何度か襲撃があった。ナナは「自分のせい?」と思って狂乱しかけていたが、そのまま気絶させた。

 少なくとも、夜中の襲撃はナナの誘引の影響があったかもしれない。俺だって、四六時中ナナに付き添って…いや付き添うのはこの際いいんだけど、隠密をかけられる訳じゃないからな。

 

 ただ、あの程度の襲撃なら俺としては好都合なんだよねぇ。未だ実戦経験不足(極東基準)のブラッド達に、経験を積ませるのに丁度いいんだわ。いつ襲撃があるか分からないっていう緊張感も含めて。

 まぁ、防衛班の方々(ジーナさん達は別の所に出張しているようだった)に迷惑がかかるんで、さっさとコントロールできるようにするのに異論は無いが。

 

 

 ちなみに極東の皆様にとっては、唐突な襲撃は割りといつもの事なんで、逆に臨時収入のチャンスと張り切っている方が多い。

 一般市民の方々に至っては、アンタ等軍隊かといいたくなる程スムーズに避難するは、混じっていた奇植種から果実もぎ取って逃げ切るは、混乱しているフリをして銭湯帰りの葦原ユノにサインを強請ったり歌を強請ったりと、やりたい放題である。

 

 

 と言うか、シエルのフォローをしとかんとアカンな。友達なのに放っておかれている…というのもなんだけど、ここの所ナナに付きっ切りだから、ちょっと嫉妬しているっぽい。

 食堂のカピバラで気を逸らしてはいたが、それも限界のようだ。内輪に皹が入るようなもんじゃないが、何気にストレスが溜まっているようだ。

 …だからカルビを撫でながら、「…君。……君。…君」とか呟くのは辞めなさい。ちなみに俺の名前を君付けで呼んでいるんじゃなく(俺の事ではあるんだが)、シエルは俺の事を「キミ」と呼んでいるんで、「…キミ。……キミ。…キミ」となる。

 名前で呼ばれた方がまだマシだな。

 

 考えてみりゃ、シエルも俺という友人(笑…とつけるとシエルに怒られるか、この世の終わりのような顔をされそうだ)が出来ただけで、ストレス解消の手段を殆ど知らんからな。精々カルビを撫でる程度で。

 ギルとかは酒呑んで発散してるし、ジュリウスは銭湯という楽しみを見つけてるし、ロミオは…まぁ夜のアレ(アローン版)だ。ナナだって、元気がよければ食べてストレス解消している。

 …ちなみにジュリウスだが、フライアにある人工花畑と違い、極東の天然花畑にはあまり行かない。天然モノに触れ合えるのは感動だが、よく手入れされ、人間にとって不都合な物を削ぎ落とされた空間と違い、虫やら何やらが鬱陶しいそうな。…ま、蚊が多いからね、あそこ…。あとGも居る。

 

 

 とにかく、シエルにも何か気晴らし方法を教えてやらにゃいかん。一人でも出来て、俺以外とも一緒に出来るような奴がいい。

 となると、シモ関係はアカンな。ロミオの二の舞になりかねんし。極東でしかできない事も無しだ。基本的にシエル達はブラッドでフライア所属だから、移動中の艦の中でも出来る事じゃないと。

 …そういえば、ゲームでは趣味もあったな。バレットエディットの考察だっけ。ただ、これが他人と一緒にやれる趣味かと言うとなぁ…。

 ブラッドエディットを活用しているゴッドイーターって、あんまり多くないんだよな。多少弄る事はあっても、あんまり凝り過ぎてると逆に使い勝手が悪くなったり、素直に使えなくなる場合が多い。単純な物ほど応用しやすいって言うが、アレは本当だな。

 

 

 

 

 

 

 …あ、そう言えば…ブラッドバレットってどうなったんだ? イベントで、シエルがハグしてくれるのを思い出したんだが。

 

 

 

 

神逝月

 

 

 色々思いつきはするものの、基本的にナナに付きっ切りな今日この頃。

 真面目な話、訓練が進んではいるが、進展は無い。ナナのトラウマをどうにかして拭わないとアカン。どうも、夜毎夜毎に魘されているらしく、トラウマが徐々に悪化していっているような気がする。

 霊力が自分を蝕む事は予想してたが、もうそれが出てきたか? あまりに強い自己嫌悪や罪の意識に霊力が影響され、それがナナに悪夢を見せ、心理的にダメージを受けて悪化。更に強く霊力が…と、悪循環に陥っている。

 アリサが受けていたような洗脳を、自分でやっちゃってるようなものだ。

 

 放っておくと、最終的には自分で自分を呪い殺してしまったり、洗脳したりしかねない。

 人の心の問題を俺がどうこうしたって、正直上手くいくとは思えないんで、榊博士に相談してみた。…相談した後、人選的に更なる悪手だったような気がしてきた。

 

 

「ふむ…確かに、私達ではどうしようもない話だね。人の心の問題だと言うのが特に」

 

 

 結局、最後は自分でどうにかせにゃならんのでしょーが、そこに至るまでの道が全く見えない。何かいい方法ないですかね?

 

 

「アラガミの中に放り込んで荒療治という方法もあるが、それは最後の手段だ。そもそも荒療治と言うのは、本来医者としては失格と言えるような一か八かの方法だからね。…まぁ、あと数日待ってくれたまえ。私にいい考えがある。3日…早ければ2日後……いややっぱり4日くらいは見込んでおいた方がいいかな?」

 

 

 いい考えって明らかにフラグですが、榊博士が言うと更にロクでもない事のフラグにしか思えませんな。あと日数が微妙っす。

 

 

「はっはっは、自覚しているよ。だがそれはそれとして、頼ってきたのは君なんだから、もう少し口を慎みたまえ」

 

 

 へーい。

 

 そういう事になったのだ。

 榊博士の案がどういうモノかはわからないが、とりあえずそれに期待するとしよう。

 

 それじゃあ、それまで何をしているかって話だが…。まぁ、ナナについて隠密かけてるしかないんだけどな。あと訓練。

 

 

 

 そうそう、様子を見に来た(実際は9割方、俺に会いにきているような気がする)シエルにブラッドエディットの話題を振ってみたら、ナナが頭痛で気絶するレベルの勢いで喋りだした。なんだな、興味がある事になると暴走するタイプだな。その最たるが『友人』でもあるが。

 他のブラッド隊も、暇を見つけてはちょくちょくナナに会いにきている。そこからの情報だと、極東周辺のアラガミ襲撃は、若干増えているような気がする…程度らしい。ナナの気配を押さえ込んでいる効果が出たか。

 そのおかげか、ナナも必要以上に思いつめることなく、訓練に集中できている。

 

 さて、してみるとどうしたものか。よくも悪くも安定した環境になってしまった。下手な手出しは、暴発どころかメルトダウンを誘発するだけ。

 …ここまでくると、不安極まりないが榊博士の策に任せるしかないか…。

 

 

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