む、フェイトの無双アクションか。画像はあまり期待しないとして、アクションは…体験版あるかな?
しかしゼノバース2が先だ。
凶星月
大☆性☆交…………ちげぇよ乱交じゃねぇよ、今回ループじゃまだ誰とも関係持ってねぇよ。
大☆成☆功だ。
博士が言うところの鬼喰だ。実践するなら検証すると言ってついてきた博士とホロウの前で、その辺で見つけた地脈の力の前に立つ。ちなみに万能の石の成り損ないは予めゲットしておいた。
で、周囲の雑魚を祓い、人目も無い事を確認したところで…鬼喰!
ふおおおおおおおおお!!!!
漲ってきたキタキタァァァァァァ!
なんかこう、意味も無く歌いたくなってきた感じで!
ワガハイこそ三千世界の支配者にして刈り取る者、あとエロの求道者である!イヅチカナタがナンボのモンじゃい!クラ○ザー様に代わってファックしてくれるワッ!
と言う事もなく、普通にバーストモードになった。
「ほう…これがゴッドイーターとやらが使う、リンクバーストか。これは…確かに、面白いな。見ているだけで凄まじい力だと理解できる」
段階的にはレベル2くらいかな。もう一段階上があるぞ。
…これと同系統かは分からんが、更に上位の力を得るブラッドレイジって技もある。尤も、これを発動できたのは今までに2回くらいだけどな。
「ふむ。そちらも興味深いが、まずは鬼喰の検証から行くか。体内に取り込んだ力はどんな塩梅だ?」
特に問題ないな。感覚での証言にすぎないが、普通に霊力と同じように扱えると思う。尤も、博士が前に言ってたように、俺の霊力は基準にならんかもしれんが。
「いいや、これはなる。でなければ私は検証に来ない。これはお前の力ではなく、お前の中に入り込んだ普遍的な力だ。ふむ、しかしこれが上手く行くのなら……うむ…」
なんかブツブツ言いながら、妙な機材で計測を始めた。
…後は、博士に時々指示されて、鬼喰を使うくらいしかする事が無かったんだが……なんてーか、ちょっとツマランな。
いやヒマだって事だけじゃなくて、こう…今までの使い方だと、博士に言われた事しかできてねーんだよな。別にそれがアカンとは言わんけど、鬼の手の第一使い手(?)として、作り手の想定してない使い方を開発するとかやってみたい。道具は色々な事に使えた方がいいしね。
うむ……よし、思いついたと言うか元ネタはある。やはりここはデビルブリンガー的な事をやってみよう。
アレって何が出来たっけ。腕ウニョーンの他に、敵を直接攻撃する、マジックアイテムっぽいのを吸収、敵を……掴んで盾にする! コレだ!
考えてみりゃ、直接攻撃だって鬼葬以外の方法もある。出力を限界まで上げないと握りつぶすのが無理なら、多少威力が落ちても腕ウニョーン状態でブン殴れるようになれば…。
よし、善は急げ、膳は大盛と言うし、さっそくその辺の鬼で試してみるか。
…半分成功、かな。近くで餓鬼とヒダルの集団と戦ってたモノノフ…鬼内っぽいな…の戦いに乱入して試してみたんだが、腕ウニョーンパンチは牽制になればいい、って程度の威力しか出せなかった。中型を相手にそれなんだから、大型鬼が相手じゃデコピンくらいの効果しか出せそうにない。イメージが弱いのか、出力の問題なのか…。博士に言わせると「両方だ」らしい。
では次。本命の、鬼を盾に使用というプランだが…出来た事は出来た。餓鬼を捕らえて、ヒダルが吐く溶解液の盾にした。だがコレ、無条件に出来る訳じゃなさそうだ。小型鬼程度なら力尽くで抑え込めるんだけど、中型だと飛び掛かってくるような行動…鬼返の時のような行動にカウンターで決めねばならない。更に問題なのが、消耗の激しさだ。ハンターかつゴッドイーターの俺は、単純なスペック的にも体の使い方的にもスタミナに自信があるが、それでも数秒間抑え込めればいい方だ。そして拘束を解いた後には、もうバテバテ。僅かな間とは言え、殆ど動けない状態に陥ってしまう。
諸刃の剣と言うか諸刃の盾と言うか…。使い勝手が悪すぎるな。だが、大型鬼複数と乱戦の時には、結構使えるかもしれない。特に集団戦の場合。
最後に……新しく手に入ったこの力、何とかして鬼杭千切にも組み込みたいものだ。アレ、未だに一発撃つと動けなくなるんだよなぁ…。GE世界で月に居る間に一回だけ試したが、回復にエラい時間がかかった。ノヴァからのエネルギー供給が無ければ、集中治療室に放り込まれるハメになっていただろう。月にそんなモンないけど。
考えてみりゃそれも当然で、鬼杭千切は俺の全力を注ぎ込んで放つ一撃である。使っている道具は神機。ただでさえ自己進化とか成長とかしている疑いがあるのに、俺自身も徐々にパワーアップしている。特にノヴァと繋がって3年間暮らした事で、霊力の量は膨れ上がっていると言っていい。
それらを全て、攻撃に回せばどうなるか。攻撃力はアップするが、それに比例して反動だってデカくなるのだ。俺が強くなればなる程、自爆ダメージも大きくなるんだから…。
鬼杭千切を改良しようとしたら、まずソッチをどうにかせにゃならんのだよな。防御っつーか反動を抑えるクッション機能っつーか。でもそれだとなんか面白くない…。
追記
リンクバーストとアラガミバレットと言う発想なので、当然神機にも鬼喰させてみようとした。が、こっちは失敗。
どうやら鬼喰にしろ鬼絡にしろ、現状ではカラクリ石を取り込んだ手からしか出来ないらしい。うーん、確かに神機も手に馴染んでるし、現状では体の一部とさえ言える状態だけど、やっぱり動かすイメージと言う点では手以上にはなれてない。具現化も、プレデターフォームではサッパリ実現できなかった。鬼葬する時には、テンション次第で剣状態とかパイルバンカーっぽいのとかも出来そうなんだが。
……自前の槍と言うか棍棒と言うかガンランスなら、具現化できるかな…今の俺って、手よりソッチがお達者とか言われても反論できねーし…。
でもよしんばそれが可能だったとして、 それを鬼に向けるのか…。場合によってはゴウエンマ辺りのケツとか顔面とかに向けにゃならんのだよな…。そのクセ人間相手じゃすり抜けるだけだし…。
…実験するにしても、お相手が出来てからだな…。
異種姦モドキを受け入れられるお相手…やはり橘花か…? 少なくとも、嬉しくないおっぱい事ミズチメとかには使いたくないなぁ。
凶星月
うーむ、やる事が無い。ヒマだ。
今までとは違ったヒマさだな。何だかんだ言っても、今まではゲームストーリーという行動の指針があったからなー。今でもあるにはあるんだが、マホロバの里じゃな…。
現状でやる事っつったら、博士の鬼の手の発明を手伝うくらいだし。その手伝いも、何やら研究が新たな段階に進んだとかで、手伝える事が無い。また暫くしたら、アレコレ注文つけられると思うけど。
狩りに行っても、近所の連中は雑魚ばかり。大物が居ると思しき異界の奥には踏み入れられない。
どうしてくれようか…。エロい遊びのお相手探そうにも、一か月も経たないうちにお別れじゃなぁ。
何をしようか悩んでいたら、今度はホロウが俺の体に興味を示してきた。残念ながらエロい意味ではない。ゴッドイーターかつハンター的な意味でだ。
先日も思ったが、ホロウは力を得る事に貪欲…いや貪欲という程でもないが、とにかく現状ではイヅチカナタを仕留める事は難しいと考え、自身の戦力増強を望んでいる。俺が持つ、別の世界の戦力を吸収したいと思っているようだ。
しかしなぁ、ゴッドイーターになるのは無理だわ。なんだっけ、Pナンタラ因子も無いし、あったとしても投入できるだけの施設が無い。更には適合率がどうかも分からんし、それが高くても実際は命懸け。オマケに上手く適合できたら出来たで、アラガミ化を抑える為の薬を投入せにゃならん。
アラガミ化? …したいだけなら、神機に触れて侵食されるという手があるが、間違いなくお陀仏だぞ。それも理性を失って暴れて食うだけになるから、俺が『介錯』するしかない。
となると、ハンターとしての力…具体的には肉体操作術から始まり、武器の扱い、狩り技まで…。
武器の扱いは、まぁいい。ホロウは銃使いなので、ライトボウガンやヘヴィボウガンの使い方を伝えればいいだろう。狩り技も別に構わない。一部は俺が発案・協力した技もあるし、技に著作権は無いってゆーし。
これらの技術を自分の中でどう昇華するかは、ホロウ次第だ。
問題は肉体操作術だ。ハンターの戦闘力の根幹とも言えるこの技術だが、超難しいが誰にでも出来る技ではある。
が、だからこそハンターはこの技術を徹底的に秘匿する。教える側は、教わる方に「絶対に人に伝えない」という意識が浸透しきるまで、訓練…と言うか洗脳の手を緩めない。俺だって例外じゃない。色々規格外な所のあるハンターではあるが、これを他人に教えると思っただけで吐き気がする。
そして万一これを破ってしまった場合、ギルドナイトが闇系のお仕事する為にすっ飛んでくる。…この世界まで来るとは思わないけど、MH世界に行った時に『…貴様、何者かに伝えたなッ!』とか言って理不尽な感じに看破される気がしてならない。
つーか、やり方こそ知ってはいるけど、教え方なんぞ分からん。真剣に訓練を受けたのも、最初の2~3回のループくらいだ。その後の訓練所は、さっさと卒業してしまってる。
…ああ、そうか。ハンター相手にしか教えられないのなら、ホロウを『訓練』してハンターにしてしまえばいいんだ。正式なハンターではいられないけど、個人的に弟子を取ったと言う事にすれば、まぁギリギリ言い訳は成り立つ。
うーむ、次のMH世界の訓練所では、ちょっと視点を変えてみてみるか…。まぁ、その後にホロウが一緒に居るか分からないし、伝えられるかはまた別の話だけど。
そーゆー訳なんで、ホロウに伝えられるのは狩り技だけだ。尤も、ハンター式肉体操作術が前提になっている物も多いので、あまり詳しいトコまで突っ込む事はできないが。
…ホロウがイヅチカナタを追っているなら、次回以降のループ…場合によってはMH世界とかでも会う事になるだろう。長い付き合いになりそうだ。と言うかなるといいな。
それはともかく、今日も今日とて依頼を受けて走り回る。狩れる相手が少ないから、これくらいしか暇潰しの種が無い。
今日受けた依頼は2件。1件は、明日の盗賊捜索に手を貸してほしい、と言うもの。ホロウが探しに行ってたあの盗賊かな?
もう一件の依頼は、町の定食屋(?)からの依頼。品目を増やしたい、との事だった。
と言っても、定番の料理はもうあるみたいだしな…。カツ定食、焼き魚定食刺身定食、生姜焼き、蕎麦にうどんにその他諸々…。強いて問題を挙げるなら、和食系ばっかりって事か? 世界観が世界観だから仕方ないのかもしれんが。
とりあえず、照り焼きチキンとかハンバーグとか、グラタンとか、知ってるメニューを幾つか教えたんだが…イマイチ不評。
いや、味については好評だったんだ。洋食メニューはやはり殆ど知らなかったらしく、新食感が素晴らしいとか。が、問題なのはその手間だ。使用する食材や、調理に使う道具が、あまり普及してないんだよなぁ。
だから仕込みから調理からとにかく時間がかかる。この辺は料理人の腕の見せ所、と言っていたが……。
それより何より、店長さん…久音さん的に、今一ピンと来ないらしい。先日から少々スランプ状態になっており、それを打破する為にも新メニューを…と考えていたようだ。
しかし、一体何が不満だと言うのか。飯は美味い。客も結構来ている。新メニューも試作しかしてないが好評。定食屋は本業ではなく趣味らしく、利益を求めている訳ではない…が、そこそこ黒字。
これで何が不満なのやら。
少し自分を見つめなおしてみる、と言っていたが……ちょっと予想外の方向へ話が転びだした。紅月が来た。
いや来たのはいいんだけど、久音さんに料理を教わっているらしい。
…そういや、西歌のお頭の家から帰る時に、時継とそんな話をしていたな。
で、腕前は? ………お察し? ちゃんと教えてるんだよな? でもお察し?
…先天的メシマズなんだろうか…メシマズは罪ではない。悪でもない。
だが個人的に敵だ。
実際、作ってるところを見てみたが……まぁ、なんだ、意外と残念な人だなって感想だ。
ちゃんとレシピ通りにやろうとしているのは分かるんだよ。でも何かしらんけど致命的にドジっ子だ。シオと…もとい塩と砂糖を間違えるなんてベタな事はやらないが、結果的にそれに近くなっている。
時間通りに煮込もうとしているのに、次のステップの準備に戸惑って過剰に煮込む。
必要な調味料の単位…グラムとcc…下手をするとリットル!…を間違える。
野菜の大きさがバラバラだし、ニンジンやダイコンの皮の剃り残しも多い。
何より厄介なのが、紅月自身が味オンチらしいって事だ。味覚が鈍いのか、味に対する許容範囲が無駄に広いのか、味見はするが「こんなものでしょう」と思っちゃうタイプだ。ついでにメシマズの自覚がない。いや技術的に下手だって事は自覚してるんだけど、作った物が不味いと思わない。
…どうすんだコレ。耳が聞こえない人に音痴を治せって言うようなもんじゃねーか。時継がもう作らせるなってあれだけ騒いだのもよく分かる。実際、普通の人が食ったら眩暈や食欲減衰程度じゃスマンぞコレ。
でも久音さんは辛抱強く付き合っているようだ。しかも味見にも。
…どういう訳だか、さっきの料理の試作をしている時よりも、イキイキしているようにさえ見えた。
それについて聞いてみると、自分でも自覚はしていたらしい。理由は分からないが……紅月の作る料理に『何か』を感じるらしい。……危機とか食材への冒涜じゃなくて、心惹かれる何かを。
……ゲテモノ料理でも作りたいんか? と聞いたら、包丁持って睨まれた。文句があるなら、ちゃんとした味のモノ作ってみんかい。……下手ではあるけど作ってる? ああ自覚無かったねそーいえば。
んじゃ、最低限コレくらいのもの作ってみぃ。さっき試作したハンバーグである。……ふははは、今の貴様にレシピは教えん! 敵だからな! 個人的に!
しかし、ゲテモノ…と久音さんは考え込んだが、首を横に振る。興味のある分野であるのは否定しないが、そこに心惹かれているのではないようだ。…それはそれでどうかと思うが。
とりあえず、今回の依頼はこれで終了。続けて一件受けたけどな。
俺が教えたメニューを、里でも受け入れやすく、かつ作りやすいようにアレンジしたいから、食材を集めてきてほしいそうだ。
ま、明日の盗賊探しのついでにとって来ればいいか。
追記
帰り際に、必死に練習している紅月を見て、「誰か食わせてやりたい人でも居るのか?」と冷やかし半分に聞いたところ……地雷を踏んだようだ。縦線と人魂が見える勢いで落ち込んでしまった。
壁によりかかってずり落ちながら語る紅月によると、今まで修練修練修練自主鍛錬修練修練自主鍛錬で、全く色気のない人生を送っていたらしい。
いつかはお頭の役目を継ぐ事、そして里を守る事こそが自分の生きる道だと思い、課せられてきた修行も辛くはあるがサボろうと思った事など一度もない…が、それはそれとして、年頃の自分にそーいう話が一切ない事に焦りを感じてきたそーな。まぁ、モノノフの結婚適齢期って、文化や時代のせいもあって、かなり早いからね…。
それで男を捕まえる為の女子力アップの為、料理の特訓を受けているのだそうだ。
…まぁ、頑張れ。この状態じゃ、成果が出るかは怪しいけど…。
凶星月
山賊捜索なう。
…あまり成果はみられない。うーん、どうにも分からんな。
居るのは確かだ。幾つか痕跡も見つけた。鷹の目使えば普通に見つけられるだろうと思ってたんだが、どうにもなぁ…。なんだろ…跡が掻き消されていると言うか…。
どうにも妙だな…。普通、山賊ってそうそう異界の中をウロつくような事はしない。そんなトコ居ても鬼に襲われるだけだし、行動限界を超えれば死ぬし、何より獲物…つまり人間が居ない。
なので、この世界でも別の世界でも、人里から離れず、しかし討伐に来るにはちょっと厄介な距離を保とうとするものなんだが…この山賊、むしろ異界に度々入りに行っているようだ。
別に山賊が異界に入っちゃアカンって訳じゃない。むしろ、そーいう連中が勝手に異界でくたばってくれるなら、手間暇省けて助かるくらいだ。
手勢が居るようでもないし、痕跡から見るに、大した道具や資材を持っているようでもない。完全に流れ者状態だ。何考えてんだろうなぁ…。
と言うか、これなら放っておけば勝手に死ぬんじゃないか? 放置でいんじゃね?
…却下だそうだ。
まぁ、確かに被害にあった人達の前で裁く必要性は分かるよ。死体を確認しなけりゃ、実は生きてたってオチにもなりかねんし。あと…サムライと鬼内のメンツも問題があるか。
別行動しているが、共に噂の山賊を捕らえようとしている…協力しているかは言うまでもないが。
こんだけ動員して、成果がないだけならまだしも、『あきらめました』じゃ示しもつかんか。しかし、どうやってとっ捕まえるやら。追いかけっこすりゃ勝てる自信はあるが…仕留めたら仕留めたで、余計な注目を集めそうだ。
…仕留めにかかるとすれば、籠城戦かな。手持ちの食料も、決して多い訳じゃなさそうだ。野営の後には、適当に採ったはいいが食べられなくて捨てたと思しき実や草も転がっていた。
どうにも違和感のある相手だし、ゆっくり腰を据えてやるしかないね。一緒に行ってた連中は、何が何でも捕まえてやるって息巻いてたけど。
まぁ、それはそれとして、久音さんからの依頼達成。普通に食材採ってこれたよ。
紅月は今日も頑張っているようだが、まぁメシマズや味オンチが一晩二晩で治る筈もないわな。
久音さんが言うところによると、昔はこうではなかったらしい。久音さんと紅月は、幼い頃から見知った中…幼馴染と言うより、顔馴染みって程度だったらしいが…なんだそうだ。何度か里の行事で一緒になって、同席して食事した事もある。
その頃は、口にするかはともかくとして、一般的に不味いと感じる物は不味いと感じ、美味いモノは美味いと喜ぶ。個人的な趣味嗜好はあるものの、現在のような味オンチではなかった。
それが変わったのは、オオマガトキの前後。久音が知る限り、という限定はつくが、オオガマトキの戦から帰ってきた紅月は、何を食ってもマズいとは思わない、ある意味お得な味オンチに進化してしまっていたのだったんだったのだってんだでな~。
……訳の分からん語尾はともかく、まぁ何となく分からんでもない。戦争は人を変えると言うが、あれは本当だからな…。
オオマガトキともなれば、相当に悲惨な戦争だったろう。大量に押し寄せる鬼、仲間は倒れ、物資もロクに残っておらず、体力も神経も精神も……胃の中身さえ削り取られていっただろう。
…うん、胃の中身さえ。
ちゃんと飯、食えてなかったんだろうなぁ…味とか気にしてる場合じゃなかっただろうし。多分、ヒドいモノを無我夢中っつーか単なる栄養補給、或いはそれさえ無い空腹の誤魔化しだけの食事を続けた結果、ああなっちまったんだろう。
味に対する要求が異常に低くなり、どんな物を食べても「アレに比べれば」って感じで。
「……単なる想像だとはわかっていますが、大体あってると思います…紅月、不憫な…」
人間、追い詰められると何でもするからな…。俺も昔は、異界でとっ捕まえた餓鬼とか食ったし。
「餓鬼…鬼を、ですか?」
ちゃんと食えるぞ。不味いけど。あと、腹の中から悲鳴が聞こえるようになる。
まーなんだ、いざと言う時の非常食くらいに思っとけ。鬼を食えるようになれば、確かに食糧事情は改善されるだろうが、食う気にならない奴も多いだろ。食いたくない物を無理に食わされちゃ、どんな美味い飯も泥同然よ。
「ええ、仰る通りでございます。食とは即ち生。人は己の意思で生きてこそ人。己の意思で喰らうから人。例え病床に伏し、介護を受ける身になろうとも、生きようとするからこその人でございます」
…妙に深いと言うか、微妙に耳が痛いな…死にたくても死ねない身としては。いや別に死にたくはねーけども。
「ふむ、しかし鬼、鬼ですか…。鬼を喰らう…。鬼を討つのがモノノフの使命なれば、験を担ぐと考えれば…………いえ、やはりいけませんね。何よりも安全が確保できません。料理は人の体に入る物。万が一にも毒になってはなりません」
…毒を作っとる奴が、すぐそこに居るんじゃが。
「……あ、あれは練習なので…。しかし、鬼を喰らうですか…こう……ひっかかる物はあるのですが、何か違いますね」
違う? ああ、今不調で、何か特別なものを作ってそれを吹っ飛ばしたいんだっけ。
「ええ。このような不調も受け入れ、乗り越えてこそとは分かっているのですが…。やはり焦りは消えぬものです。……この燻りを解消できる、手掛かりは見えているのです。紅月の、下手ながらも何かを感じる料理。先程貴方が仰いました、鬼を喰らうという発想。あと一つ……あと一手、何かがあれば閃きそうなのですが…」
我、天啓を…得られなかったり、って状態か。そりゃーイライラするわなぁ…。
「……もう暫く、私に付き合っていただけませんか? 勿論、依頼という形で報酬は出します。 そうですね…この靄が晴れた暁には、試作品を優先的に食べられる権利、でいかがでしょう?」
報酬になってるのかなってないのか分からんけど、まぁ実際何ができるか分からん状態だし、そんなもんか。
よござんしょ、蒙を開くか、ウタカタに出発するまではお付き合いします。
「ウタカタへ……何かあるのですか? 私の…知人? 師匠? もそこに居るのですが」
あー、ちょっと因縁が絡んだ揉め事がありそうなくらいだ。と言うか知り合いって誰? 秋水辺り?
「いえ、樒という人です。私と同じ巫女で、能力的に言えば私より数段高みに居ます」
…樒さん? と言うと、あの貯蓄家で、いつも半眼で、肩をモロに露出してて、左目の下の黒子が色っぽくて、左首筋が弱点で、ミタマの声が五月蠅くて眠れないとボヤいてるあの樒さん? …まぁ、今は俺が一方的に知ってるだけだけども。
「…左首筋の下りが非常に気になりますが、多分その樒です。私と同門で修行していたんですよ。尤も、彼女は私よりも数段強い力を持っていましたが」
へー、あの人そんな凄い人だったんだ。
「私がどうしても会得できなかった術を、少なくとも二つ持っています。一つは、ミタマの力が過剰なくらいに強くなった場合に使う鎮魂。もう一つは、ハクを注いでミタマの力を強くする強化です」
……ああ、そういやそんなのあったような……考えてみりゃ、ハク…金を使って、実際にミタマを使わずに強化できるってスゲェよな。
ん? と言うか、それ以前に久音さんもソッチ系の能力者?
「はい。申し遅れましたが、本業は祭祀堂の主なのです。定食屋はあくまで趣味です。…樒の事ですから、今は他にも幾つか術を身に着けているでしょうね。神垣の巫女にも匹敵する結界術や…確か、最後に会った頃には、ミタマを武器に宿して力とする術や、ミタマの特性を自在に引き出す術を練習していました」
ふぅん……。神垣の巫女に匹敵する結界、ね。久音さんは出来ないのか?
「…できません。未だ幼い、次代の神垣の巫女であるかぐや様の足元にさえ及ばない程です。非才の言い訳はしたくないのですが、神垣の巫女と言うのはそれだけ特別な力の持ち主なのです」
…まぁ、里を丸ごと覆う結界を張ってるくらいだからな。アレが凡百の術者だってんなら、鬼だって軽く蹴散らせるだろうさ。
………あ、紅月の鍋、噴きこぼれてるぞ。
「あらあら、まぁまぁ………今日は焼き魚定食の筈だったのですが、何故に鍋を持ち出しているんですか? ……味噌汁を作ろうと思った?」
……しょっぱい味噌汁になりそうだな。