※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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第218話

 

黄昏月

 

 

 久しぶりにグウェンと初穂を連れて異界を見回る。二人とも、かなり腕を上げていた。…が、やっぱりまだ粗削りだな。

 先日の大乱闘で一皮二皮剥けたようだが、その分基礎が少し疎かになっていたようだ。ま、俺も人の事は言えないけどな。ワケの分からんパワーアップを繰り返してここまで強くはなったものの、G級ハンターとかから見れば「脇が甘い」の一言だろう。ジッサイ、ナターシャさんからキッパリ言われた事もある。

 

 まぁ、そっちは鍛えればいい話なんで置いておくが……二人から、紅月と那木について興味津々に根掘り葉掘り聞かれてしまった。

 やっぱり年頃だからかなぁ…色恋沙汰には目がないらしい。別に昼ドラを期待されている訳ではないようだが……実は紅月・那木に加え、橘花も参加するかの瀬戸際なんだよなぁ…。

 

 と言うかお前ら自分のお相手は? 

 

 

 

 

 ヤベ、地雷踏んだ。

 

 

 

 まぁ、初穂にとってウタカタの皆は弟扱いで、グウェンは異国人。色々な意味でハードルが高い。

 お相手が作りにくいのも仕方ないか…。 

 

 明らかに機嫌が悪くなってしまったので、ご機嫌取りも兼ねてちょっと内情を話してみた。……と言っても、話せる事の9割以上が18禁なんだけどな。

 ただ、この二人はそっちの方に興味を惹かれたようだった。ああうん、年頃だもんね。

 

 とは言え、相手が女性とは言え、ヒメゴトの内容をホイホイ話すのはよろしくない。紅月と那木から、鉄拳と矢を喰らってしまう。

 男の感覚で言えばアレだろうな…ガールズトークで、下半身についてアレコレ言われてるようなもんだろう。うむ、非常に居心地が悪い。

 

 

 

 …だからアレだ、ただ内情を話すんじゃなくて、こう…ノロケ風にだな。こーいう所がカワイイとか健気とかグッと来るとか。

 今後、彼女達が誰かとひっついた際に助けになるように…と思いつつ、色々語ってみた。

 

 

 

 

 ドン引きされた。何故だ。多少、男の幻想というか妄想が入ってたのは否定できんが、キショいと言われるような内容ではなかったぞ。

 

 

 

 

 

 何? 

 

 

 

 3人で寝ている時点でおかしい? ←初穂の証言

 

 

 

 おninninを体に差し込むとか不潔? ←グウェンの証言

 

 

 

 

 ……待て、ちょっと待て。初穂の発言はいい。そりゃ確かに、交わりなんてのは人間の場合1対1でやるのが基本だ。3Pがディープなプレイだと言う事も、男女を逆にしてみれば納得できる。

 

 だがグウェン、貴様はどーいう事じゃ。不潔? ちゃんと洗っとるわ。最近じゃ、汗の味もイイと言われた事はあるけども。

 …何? 違う?

 

 

 

 

 

 おしょんしょんがでるところを、たいないにいれるのはよくない?

 

 

 

 

 

「…えっと……グウェン、ちょっと聞きたいんだけど」

 

「む、なんだハツホ」

 

「子供って、どうすればできるか知ってるよね?」

 

「それは勿論」

 

 

 初穂、その言い方だと正しいかどうかの確認が出来ん。

 

 

「む…実のところ、全てを知っている訳ではないんだ。夫が持ってきた卵を、妻がお腹の中に入れて温めて、それがかえって大きくなると言うのは知っているんだが、どうやって卵を入れるのかが分からない。卵をどこから持ってくるのかも知らないし」

 

 

 ……ちょいと、初穂さんや。何言ってるか分かりますかね。

 

 

「さっぱり分からないわ。ただ、グウェンが人間の出産と魚や鳥の出産を混同しているのは分かるわね」

 

「…やはり何か違うのか? 幼い頃にイギリスから出て、ずっと旅をしてきたから、どうにも私の常識と世間の常識にズレがあるようで…」

 

 

 人生経験が妙に多い割には、妙にモノを知らんやっちゃな…。

 あながち間違ってる訳じゃないのがまた…。

 

 

「いや間違ってるでしょ」

 

 

 卵を入れるんじゃなくて、卵は最初からお腹の中にあるんだよ。具体的には卵子。そんでおninninにはおしょんしょんの他にも使い方があってだな、ここから卵を温める為の栄養が出るから、女に元々開いてる穴に差し込んでだな…。

 

 

「元々開いている穴…口か?」

 

 

 いや、股にある方。

 

 

「ま、まさか……お尻の…」

 

 

 それも出来ない訳じゃないんだが、それだと子供はできないな。そーだな、一人で風呂に入る事があったら、股の間を触ってみろ。小さいけど穴が開いてるから。

 

 

「股の間……私は毛が生えていて見えにくいな…剃るか?」

 

 

 いいんじゃないか? 毛は怪我した時に不衛生になるし。風呂に入れない時とか危ないからな。

 

 

「ちょいちょいちょい、その話一旦止めなさい。あんたは妙な事を吹き込まない! グウェンも恥じらいって物を「ハツホは見やすそうだが」…………」

 

 

 

 ………………け、怪我した時の為に剃ってるんだよな…?

 

 

 

 

 

 

 初穂は無言で、涙を堪えて走り去ってしまった。

 

 

 

「…私は、何かまずい事でも言ってしまったか?」

 

 

 ああ……言ったな。大いに言ったな。俺も言ったなちゅーか、まともな教育を受けてなかった弊害か、それともグウェンの感覚がズレてるだけなのか…。体、特に下半身については非常に微妙な問題だから、基本的に口にせんようにな…。ノロケ話しといてなんだけども。

 

 

「ハツホは…」

 

 

 暫くそっとしておいてやれ…。

 と言うか、グウェンはどげんかせんといかん…。常識人だと思っていたが、色々な意味でズレまくっとる。良識はあるけど常識は無い。

 性教育……いかん、俺がやったらどうなるか、火どころか太陽を見るよりも明らかだ。

 初穂に押し付けたいところだが……傷心中だしな…。それで性教育させる(しかも相手は自分と違って生えている)とか、傷口を抉るだけだ。

 

 

 

 よし、抉ろう。

 

 

 

 

 

黄昏月

 

 

 初穂に性教育係やらせるのはいいとして、流石に今すぐは無理だ。まだ塞ぎこんでいる。 

 暫くは、初穂のノルマもこっちでやってやるか。

 グウェンには、色々教える事があるけど、暫く黙っていろとだけ告げておいた。気になってはいるようだが、自分の下手な発言の為に初穂が落ち込んだのを考えると、余計な事はしない方がいいと判断したようだ。

 

 

 さて、橘花がちょっとアレな内容の手紙を飛ばしてもう3日。何事もなく手紙が運ばれていれば、そろそろ霊山を過ぎた頃か。馬でも使ってりゃ、もうちょっと進んでるかな。

 異界をフラフラと彷徨いながら警戒しているが、特に動きは無い。

 

 無いんだが…なーんだろうな、何かイベント進行中のような気がする。特に根拠は無いんだが、何度も繰り返し続けた結果の経験則と言うか。

 まぁ、修羅場フラグは着々と進んでいるんだけどね。橘花が予想通りにド嵌りしたみたいで…。

 

 というか、あの反応からして、また千里眼の術で覗いてねーか? 相変わらず、エロと尻の事になると突っ走るお嬢様だこと。

 

 

 ……どうすっかなぁ…紅月とのプレイも尻の開発を始めた時期だし、紅月本人もそれなり以上に興味持ってるから、中断するような事はしたくないし。もう運命って事で受け入れるかな。

 

 

 

 

 

 ……いや、この際だし、別の方向に行ってみるか? 先日に気付き、試すべきか否か迷っていたプレイと言うかテク。

 

 

 その名もステキ、オカルト版真言立川流中伝(多分)・催眠音声的なアレ。

 

 

 

 

 たぶん、っつーのはちゃんとしたテキスト読んだ訳じゃないからね。読んだのは其之参の裏。少なくとも、中のワンステップが抜けている。

 無印こと其之壱が初伝、其之弐が多分中伝、其之参が恐らく奥伝。…裏を考えると、裏が皆伝、更にそれらを統合した極伝があるかもしれん。

 ……この伝位の順位、初めて知ったのは某古流武術クンすっとばすだったっけなぁ…。伝位なんて免許皆伝って言葉しか知らなかったっけ…。アレには皆伝までしか書かれてなかった気がするが、モノノフみたいな和風(仮にも)武術集団に交わってりゃ自然に覚える。

 

 

 まーそれはともかくとして、技術的にオカルト版真言立川流のどの辺に位置するかも分からんが、ちゃんとした技術として確立されているのは確かだと思う。そうでもなきゃ、霊山で発見した指南書其之参裏の内容が実現できん。

 俺自身の技術としては……たぶん、基礎はそこそこ出来上がっていると思う。今までのループで色々な人と関係を持って経験を積んだし、同じ人間を何度も処女から調教するというレアな体験をしている。分析にも応用にも余念がなかったと自負している。

 高等技術なんてのは基本技の複合だから、ある程度までは、応用って形でどうにかできると思う。

 

 

 コレに気付いた最初の切っ掛けは、紅月を始めて抱いた時。処女簒奪と同時に、『孕め』と囁きながらドクドク注いだあの夜だ。

 ヤッてる事は普段と変わりなかった。いつも通り超気持ちよかったし、あひんあひん言わせてたし、満足満足。その後那木ともネチョネチョしてたから、今までの夜の中でも上から数えた方が早い程度には素晴らしかった。

 

 が、それを差し引いても、あの時の興奮…俺も紅月も…は一際強かったように思う。

 それは何故かを考察してみた。

 

 

 オカルト版真言立川流に限らず、房中術の神髄は興奮のコントロールだ、と言うのが俺の結論である。興奮にも色々あるが、幸福・悦びによる興奮と、不安・恐怖による興奮が絡み合っているのが人間の面倒な所である。

 また、誰しも一度は経験があるだろうが、不安によって体調や心理的バランスを崩し寝込んでしまったとか、或いは不安の後の喜びが倍増しただとか、夢見が悪くなって悪夢を見ただとか、そういう経験があると思う。

 

 さて、そこらへんを鑑みるにだな、指南書其之参裏に書いてあった内容…ソレ・ナンテ・エロ・ゲ(1599~1664 フランスaa略)…は、興奮や言葉や不安を上手く絡め合わせてトランス状態に持っていき、夢…と言うか白昼夢をコントロールする技術だと推測した。

 ヒジョーに分かりやすい例を挙げるなら、催眠音声をリアルタイムで、しかも個人用にカスタマイズされたモノを、声以外の手段も使って延々と囁き続ける…だろうか。

 ウトウトした状態で、電車の音や雨の音を聞かされれば、実際にはそこに無くてもまるでその中にあるように感じ始める。

 

 

 

 …相当上手くやらないと、単なる囁き戦術になってしまうなぁ…。それはそれで卑語プレイだけども。

 しかしこれ、やるべきかやらないべきか…。上手く言葉に酔わせるのに、まずは視界が邪魔だな。目を閉じたままでもいいが、つい反射で目を開けてしまうのは珍しくない。

 

 …つまり目隠しか。イイネ! 紅月と那木のどっちに似合うかな。

 それに…そうだ、言葉をより効率的に送り込む方法がある。今まで何度かやった事があるが……耳舐め。耳の穴を舌でホジホジします。

 それだけでも聴覚効果があるのに加え、体液…唾液が霊力付きの囁きを伝達させる媒介になる。

 

 言葉で脳ミソを犯すのか…卑語プレイから一歩踏み出した新境地かな。

 

 流石に同時には出来ないな。指南書にはそれらしい記述はあったが、複数人を同時にトランスさせ、世界観を共有するとか神業ってレベルじゃねぇ。

 

 

 うーん、何れは試すつもりだし、上手くやる自信もあるし、単なる目隠しプレイと言い張れば割と素直に受け入れてくれる気はするし…。問題はどっちにやるかだな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな事を考えつつ、膝の上に寝そべらせた紅月を、指先で「あっあっあっ」と言わせながら、台所で料理している那木の尻とうなじを眺めていたんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 橘花がブッ飛んできた。具体的には壁と天井をぶち破って飛んできた。

 …いい塩梅に穴が開いたなぁ…。どうやら鬼の手を使った空中浮遊からのダイナミックエントリーらしい。勿論、壁を壊したのは鬼の手の一撃だ。非戦闘員なのに、結構威力を出すじゃないか。

 

 と言うか、丁度紅月の尻に指を入れた瞬間に来るとか、橘花はどんだけ尻に縁があるんだろうか…。

 

 

 しかし、意外と言うかなんというか、橘花は俺達に見向きもしなかった。家を壊した謝罪すらなく、第一声は「那木さん、来てください!」だった。

 そして驚愕のあまり反応できなかった那木の手を引き、鬼の手を再び具現化させて飛んでいく。

 

 

 

「……何事、でしょうか?」

 

 

 さぁ…なんか、色々冷めてしまったな。とりあえず台所の火を消すか。

 

 

「それより、良いのでしょうか? 那木は一見普通の恰好ですが…」

 

 

 …下にある筈のモノを抜き取ったり、人様には見せられないオプションとか付けておいたからなぁ…。まぁ、間近で見なけりゃ分からんと思うが…。

 それより、橘花は一体どうしたんだ?

 

 

「ひどく慌てていたようですが、那木を連れて行ったと言う事は急患でしょうか…あちらに向かいましたね」

 

 

 空中から行ってるんだから、直線で考えていいな。とりあえず追うぞ。

 

 

 

 

 

 そういう訳で、俺の家と同じように穴が開いている家までやってきたのだ。…橘花、どんだけ慌ててんだよ…。

 と言うかここ、初穂の家なんだけど。流石に大穴が開いて騒ぎになっている。

 

 家の中に入ろうとする人達を、グウェンが止めていた。

 

 

 …おーい、何だコレ?

 

 

「ああ、丁度いいところに。皆を止めるのを手伝ってほしい」

 

 

 手伝うのはいいけど、何事だ? 初穂に何かあったか? 具体的には先日の件を気にして、墨でも塗りたくったか?

 

 

「いや、私も用事があって近くを歩いていただけなんだが…キッカ殿の声が聞こえたと思ったら、この有様だ。どうやらハツホが家の中で倒れていたようなんだ」

 

「…ここから見える限りでは、寝床に潜り込んでぐっすり眠っていただけに見えますが…うん? 布団が濡れている…」

 

「声をかけても叩いても起きないんで、キッカ殿が水をかけたらしい。それでも起きなかったようだが」

 

 

 ああ、夜尿じゃないのね…。と言うか、起きないだけか?

 

 

「その辺りは、キッカ殿と診察しているナギ殿に聞いてくれ。私だって、場を荒らさないようにと頼まれただけなんだ」

 

 

 

 …初穂の百日夢イベント発生? しかし、今の結界をミズチメの術で破れるとは思えんが…。

 

 

 

 

 

 

黄昏月

 

 

 百日夢っぽい。

 現在は、目を覚まさなくなってまだ2日も経ってない為、百日夢ではなく昏睡状態扱いとされている。

 

 ノー下着状態を気にする那木が診察した結果、肉体的な異常は特に無し、充分に健康体であるとの結果が出た。

 んじゃ何で目を覚まさないのか。脳内や神経の損傷って事も考えられるが、流石にそこまでは検査できなかった。荒事満載の人生を送っているだけに、自覚も無し、検査しても分からない爆弾を抱え込んでる可能性は、否定できんからね。

 

 まー俺はミズチメの仕業だと最初から仮定して動くけども。

 

 

 しかし予想外な事に、今回ループでは他に被害者らしい被害者は居なかった。里全体を調べてみても、快眠快便、朝日と共に起き出して日暮れと共に寝るような、爺さんみたいに健康的な生活を送っている人ばかりだ。

 …まぁ、この世界じゃ夜更かししてても面白い事は少ないからね。

 

 被害者が少ない理由は分かる。鬼の手によって強化された結界が、ミズチメの呪いを阻んだんだろう。

 初穂だけが呪いを受けたのは……モノノフだからね。頻繁に結界の外に出て、鬼とやりあってるからね。大方、先日の大攻勢のドサクサに紛れて術をかけられてしまったんだろう。

 そのまま里に戻って…。

 

 

 

 

 シモのケの話が切っ掛けになって、呪いが発動、と。

 

 

 

 

 過去に戻りたいという願望を持ってる人間がかかりやすい、って話だったが…初穂は一体何を考えたんだろうなぁ。

 どーも、グウェンが地雷を見事に踏み抜いた後は、そのまま家に帰って不貞寝してたみたいだが…ああ、風呂くらいは入ったろうね。そんで自分に生えてない事をまたしても直視してしまって、更に気分が落ち込んだと。

 

 言葉にするとひでぇなぁ…。

 この事から考えると…初穂の回帰願望の切っ掛けは、「生えてなくても不自然じゃなかった年齢に戻りたい」とかか? そう考え始めて、神隠しに会って時間を飛び越える前の頃に戻りたくなったとか。

 

 

 とりあえず、グウェンにはこの事は黙っておくか…。初穂が復帰した後も余計な事を言い出しそうだし、何より今のままだと何が悪かったのかサッパリ理解できていない。そのまま謝りでもしたら、更に傷口を抉ってまたしても寝込む事になりそうだ。……そのグウェンの性教育を、初穂に任せようとしていた俺が言うのもなんだがな。

 

 

 

 しかし、これは可及的速やかに解決しなければならない案件だな。

 百日夢というだけあって、死に及ぶまで約三か月という割と長い猶予が与えられている訳だが、戦力大幅ダウンである事には変わりない。

 よく初穂と訓練しているグウェンも元気が無いし、病状不明、原因不明という診察結果しか出せなかった那木も落ち込んでいる。万が一、このまま初穂が衰弱死、そこまで行かなくても後遺症が出るような状況になってしまったら…那木のトラウマが再発してしまうかもしれない。

 そうでなくても、エロする時もあんまり身が入らなくなりつつある。

 

 そういう訳なんで、とっとと始末してしまいたいんだが。

 

 

 

「ミズチメ? ……ああ、そういえば先日の戦で3体葬りましたが」

 

 

 マジか。

 いやミズチメ3体とか、紅月にしてみりゃそんなに難しくない(鬱陶しくないとは言ってない)だろうけど…。

 いや待て、紅月が片づけたミズチメが、初穂に呪いをかけたミズチメ限らない。

 

 

「その内一体は、眠りの術を使わず、全身がずぶ濡れでした。本来の住処は地下水脈のようですね。眠りの術を使わなかったのは、誰かを呪っていた為でしょう。以前から目を付けていた相手をか、それとも戦場で偶然見つけた誰かなのかは……分かりませんが」

 

 

 …………や、やっぱそいつかな…。

 そういや、初穂ってミズチメを片付けても起きなかったんだよな。

 

 原因が潰れてるのであれば、後は初穂を起こすだけか…。今までどうやってたっけ?

 

 

 

 

 …のっぺらを送り込むのは無し。その後の精神的安定が確実に失われる。送り込んだのっぺらが、シモのケをネタに煽り続けるのが目に見えている。セクハラだよ、集団セクハラ。

 千歳が居た時は、そもそもかかってなかったし。

 

 

 うぅむ……水ぶっかけても起きなかったなら、殴る蹴るでは足りないだろう。逆さにつるして焚火で儀式と言うのも考えたが、よく考えなくてもそれで目覚める理由は無い。

 夢の中に入り込む…と言うのがゲームでの手段だったが、生憎と神木の主も見えない俺にそれは無理。

 今回はあまり接点がなかった、樒さんに相談してみたものの、夢の中に入り込む方法があるなら、むしろ自分が知りたいと言われた。何も見えない、何も聞こえない夢を見たいのだそーな。ミタマの声が五月蠅いと言うのは聞いていたが、安眠する為に何もない夢を見ると言うのは斬新な発想だな。

 

 結局、今日はアレやコレやと初穂を起こす方法を相談して終了となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……「昔に戻りたいと思うのなら、戻れたと思えば起きるんじゃないか?」って意見が出てさ…。

 

 

 

 

 初穂の耳元で大和のお頭が、ショタっ子みたいな声(を必死に出して)で「起きろよー初穂ねぇー」って囁いたら、一気に眉間に皺が寄った。

 

 効果があったのか逆効果だったのかは分からんが、とりあえず大和のお頭の自爆芸で全員大ダメージを受けたので、今日は解散。

 

 

 

 

 

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