※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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獰猛化レウスに虐殺される…。
何だあの糞モンスター。下手って事を差し引いても酷すぎる…。
空飛んでばっかりでまともに戦わないは、異様に追尾とスピードが速い急降下攻撃は緊急回避じゃないと避けられんは、連続ブレスの爆風で確実に起き攻めかましてくるはでダイマエンよりムカつく…。
3DSごとたたき割ってやりたい思いに駆られる今日この頃。

と言うか、モンハンの基本って「どのモンスターを狩りたいか」じゃなくて、「今ある装備でどのモンスターを狩れるか」なんだよな…。

書き溜め尽きたし、糞モンスターの相手してるくらいなら執筆に集中しようかな。
月末から月初にかけて、ネットに接続できなくなりそうなんで、予約も難しいし…。


第221話

入滅月

 

 

 新しい月が来た。特に何も変わらないな。異界はいつもおかしな事だらけで、特筆するような事は無い。

 昨日、天狐に知らせに走って貰った鬼達も、暫く観察していたが…倒すだけならどうとでもなりそうだ。まぁ、鬼の能力は突拍子もないモノが多いから、とてつもない隠し玉がある可能性も捨てきれないが。

 

 さて、それはそれとして問題発生。

 

 

 

 

 食料が足りません。ホロウが大食いキャラだった事を、すっかり忘れてた。

 持ってきた飯、無くなるのは時間の問題である。しかも、ウタカタで色々食ってた為か、妙にグルメになりやがって…餓鬼でも食わせようかと思ったが、本気でケンカになりかけた。

 

 MH世界の携帯食料でもあればよかったんだが…アレ、支給品だからなぁ…。どうやって作ってるかすら謎なんだよなぁ…とりあえず不味いが。

 

 

 こうなりゃ、とっとと調査を終わらせて帰るしか道は無い。むぅ、瘴気を無効化できたと思ったら、また別のタイムリミットが生じるとは…。

 ………俺だって似たようなもんか。数日ナニもしなかっただけで、ムラムライライラしてくるし。お相手が出来てなかった期間、よく我慢できてたもんだなぁ…。

 

 

 ま、問題の場所…オオマガトキが起きたであろうあの塔は、ゆっくり進んでも今日中には到着する。

 ただ、その場所を調査出来なかったのは、結界があったからだ。橘花の千里眼の術で必要な情報が分かったんで、結界を張った鬼を潰しに来ていた訳だが……。

 

 

「…塔、あれですね。多分」

 

 

 そうね。遠くから見えてるね、中折れした塔が。

 

 

「結界も消えているようです」

 

 

 そうね、塔が中折れしちゃったから、鬼達にとっても守る価値がなくなったのかな。

 

 

「マガツミカドが居るようですね」

 

 

 そうね、ゴリラみたいにドラミングしてるね。4本の腕で。…隣にはでっかい棍棒が置いてある。

 

 

「……上半身」

 

 

 …あるなぁ…。一見して分かるくらいに、下半身のみの時と強さが違うんですけど。

 

 

「…いえ、待ってください。上半身が…透けて消えた…」

 

 

 …何なの?

 

 

「あれは…成程、そういう事ですか」

 

 

 何かわかったのか雷電爲右エ門!?

 

 

「誰が相撲力士ですか。あれは封印術です。私が今までの戦いで見てきた中でも最上級の代物と言える術。あれは…オビト達と出会う前だったのは覚えているのですが、どんな状況だったかまでは」

 

 

 いやそっちはいいから。その封印術ってどういう術だ? 上半身が封印されてたのは分かってたが、一体どこに? オオマガトキの塔じゃないよな。

 

 

「もちろん違います。封じているのは、下半身です」

 

 

 …は?

 

 

「下半身に、上半身を封じ込めているのです。標的自身の力を使い、標的の体を封じ込める。相手が強ければ強い程効力を増す、私が知る中では最も強力な封印術です。今までマガツミカドが暴れ回っていたのは、その拘束を解く為でもあったのでしょう」

 

 

 …なんつーか…あんまりうまく想像できんな。

 

 

「右手で左足を掴んでいれば、人は殆ど動けないでしょう。掴んだ手を全力で固定させるのが、この術だと思ってください。…まだ完全に封印が解けたのではないようですね。ある程度力を放出している時のみ、上半身が出てくるようです」

 

 

 その例えで行くと、さっきのドラミングはストレッチかな…こう、思いっきり背伸びしたような。

 と言うか、それをやってるのがこのオオマガトキ跡地…まだ起こってないけど。ひょっとして、あの塔に籠った力を利用して封印を解こうとしたのか? それに対抗して、鬼達が一斉に対抗したとか。

 

 

「だとしたら、恐らく蹴散らされたでしょうね。一時的にとは言え、あれ程の力を持っている鬼に、そこらの鬼が太刀打ちできるとは思えません」

 

 

 ふぅむ、してみるとどうしたものかな。まだ完全に封印は解けていないようだが。

 

 

「正直な話、上半身が出たら貴方が居ても厳しいでしょう。…あの鬼は、対象が人であれ鬼であれ関係なく襲います。…いえ、確かあの封印術を使ったのは、鬼ではなく人間だった筈…。目が見えれば、襲ってくる可能性はありますね」

 

 

 うん? マガツミカドを封印してたのは、鬼達じゃなかったのか? 見境なく暴れ回るから、鬼達が結集して…って聞いたが。

 

 

「さぁ、そのあたりは私にも。ひょっとしたら、人間が封印術を使って弱めた所を、他の鬼が襲ったのかもしれません。何れにせよ、オオマガトキという脅威が消えた代わりに、完全体のマガツミカドが問題になってきたようです」

 

 

 別の場所でオオマガトキやろうとする可能性もあるけどね。…このままやりあう…のはちとマズイな。偵察・調査のつもりだったから、戦闘用の防具持ってきてない。

 

 

「マガツミカドの攻撃を防げる装備があるのですか?」

 

 

 あるよ。3つの世界を巡ってるとな、トンでも性能の道具も結構あるんだわ。特にMH世界に。

 とは言え、俺の分しかないし…。アレを討伐するとしたら、通常状態なら4人で戦闘、上半身が出てきたら俺が足止めって事になりそうだな。

 

 

「不甲斐ない話ですが…仕方ありません。あの鬼は別格です。…見つかって面倒な事になる前に、一度引きましょう。奴はこの周囲を拠点としているようですし、暫く移動はしそうにありません。そろそろ食料も限界です」

 

 

 それは主に君が原因だけどね。ま、これ以上偵察しても仕方ないか…。

 

 ところで話は変わるんだが、ホロウのイヅチ探知機能ってまだ使えねーの? アレが何処にいるのか分かる、みたいな事言ってたじゃん。

 

 

「相変わらずです。貴方に付き纏っている…ひょっとしたら、今でも監視しているかもしれませんが、それらしい気配は全く感じられません」

 

 

 ふーん…出来ればマガツミカドをぶつけてみたかったんだけどな。あの足で蹴っ飛ばしてくれれば、さぞかし爽快だろうに。水虫なら尚よし。

 

 

「先日の戦いで、貴方が蹴り飛ばされたと聞きましたが」

 

 

 記憶にねーでごぜーます。さて、そろそろ真面目に撤退しますか。

 

 

 

 

 

 マガツミカドの目(もう上半身が消えてたけど)が届かないところまで来たら、鬼疾風で一気に駆け抜ける。潜入していくときと違い、敵に気付かれても振り切れるから早いモノだ。2日かけて進んだ距離を、2時間もかからず踏破して里に戻る。

 まずはお頭に報告したが…難しい顔をされた。ま、そうだよなぁ。ただでさえ厄介だった鬼が、更に強力になろうとしているってんだから。代わりに鬼の軍勢はほぼ壊滅状態だから、まだ救いがあるかな。

 

 しかし、お頭の頭脳は更なる危険を予期していた。

 

 

「…恐らく、マガツミカドには外部の霊力を吸収する力がある」

 

 

 …どゆ事?

 

 

「お前が言ったのだろう。塔の力を利用して、自分にかかっている封印を解こうとした、と。恐らくそれが正解だ。橘花の千里眼で見た塔…それをどうやって圧し折ったのか疑問だったが、ようやく分かった」

 

 

 暴れ回って壊したんじゃないんですかね。持ってた棍棒をこう、ホームランする感じで。

 

 

「葬らん、と言うは易いが、流石にマガツミカドでも難しいだろう。ただし、それは塔に何かしらの力が十分集まっていれば、だ。自分にかけられた封印を破る為、塔に籠った力を利用した。その結果、塔は単なる瓦礫の山に変わり、マガツミカドの一撃で容易く折れてしまったのだろう」

 

 

 ナルホドねぇ…。頑丈な塔なら、外壁を崩してからぶっ壊せってか。この場合は外壁っていうか、内部の部品をかっぱらってから壊した感じ?

 しかし、これからどうする? 討伐が必要なのは確実だろうけども。

 

 

「俺はその鬼を…上半身が出た状態の鬼を見ていないので何とも言えんが、お前がそれ程脅威に感じているのなら、里の総力を挙げてでも戦う必要がある。お前一人で容易に討てない時点で、この里にとっても脅威極まりない事は確定事項だ」

 

 

 なんか妙に信頼されてるな…。まぁ、戦闘面でそれだけ貢献した自覚もあるっちゃあるが。

 で、具体案は?

 

 

「大体はお前が考えている通りだな。下半身のみの間に可能な限り火力を集中し、上半身が出たら…お前に頼り切りになるが、足止めに徹する。…しかし…」

 

 

 ? 何か? 戦力面で不安がある事は分からんでもないですが。

 

 

「…いや、お前達はマホロバの里から来たのだろう」

 

 

 ええ、それが何か? 正確に言うと、マホロバの里の住人は紅月だけで、俺やホロウは流れ者、グウェンも…まぁ、流れ者に分類されますが。

 

 

「……風の噂で聞いた程度なのだが、マホロバの里の近辺で、強力な鬼が目撃されたらしい。それが何の鬼なのかまでは伝わってこなかったが…」

 

 

 …そんなん、生き残ってる里にとっちゃいつもの事じゃないですか? 大抵、大軍勢が攻撃を仕掛けてくるか、新種の鬼が襲ってくるか、さもなきゃ内乱寸前の有様だと思うんですが。

 

 

「それはそうなんだが……妙に嫌な予感がしてな。…このご時世だ。何が起こるか分からん。俺は人間の底力を、マホロバの里の力を信じているが、それで勝てると思う程楽天家じゃない」

 

 

 あー…まぁ、マホロバの里からして、今ちょっとややこしい状況だからなぁ…。そんじゃ何か? お頭は、俺達の誰かが抜ける可能性があると考えてるのか?

 

 

「…正直、否定はできん。特に紅月は、今でもマホロバの里の次期頭領だ。本人としても、故郷という意味ではマホロバだろう。何かがあったら、里に戻らねばならん。…ふむ」

 

「それを言い出したら、切りがないと思いますが。誰しも事情はあります」

 

 

 まぁそりゃそうだが。ちゅーかお頭、もう仕掛けるんじゃないのか? 何かあるかも、ってんなら、猶更速攻でカタをつけた方がいいだろう。うかうかしてると、それこそマガツミカドの上半身が完全開放されるかもしれないし。

 

 

「そうだな。だが、少しだけ待て。仕掛けるにしても、出来る事はやっておく」

 

 

 

 …はぁ、お頭がそういうなら従いますがね。何を考えてんだろ。

 いつものお頭じゃないなぁ。慎重な人ではあるが、だからこそ即決速攻で決めるタイプの筈。ただでさえ、調査やら何やらで鬼の側にも時間を与えてしまっていると言うのに…。

 

 ま、いいや。そんじゃ、俺はこれで失礼しますよっと。ホロウ、お前はこれからどうする?

 

 

 

「無論、ご飯です。炊き立てのお米は正義です」

 

 

 ああ、異界の中では流石に炊けなかったからなぁ…。せめて里の財政を破綻させないようにしろよ。

 

 

「あなたは私の胃袋を何だと思っているのですか。食べても精々3杯分です。皿ではなく釜ですが」

 

 

 大食いキャラにしては少ない方だと思うべきか。オワコンの青なら蔵3つ分くらい食いそうだしな。

 

 

 とりあえず、ホロウと別れて鍛冶屋に向かう。今日はもう火を落としているらしく、静かなものだ。

 タタラさんも自宅に帰っているようだが、細菌の清磨は仕事が終わった後も、いつも鍛冶屋に居座っている。どうやら、一日の仕事や発見を思い返したり、仕事場を改めて見る事で、何か発見がないか…と研究しているらしい。人と接するようになっても、相変わらずの鍛冶バカで結構だが、妙な事しないようにな。タタラさんもあれで結構激しい人だから、「刀を作る時の水温を盗もうとした」とかで片腕切り落とされるかもしんねーぞ。

 

 

 おーう、清磨いる?

 

 

「む? お前か…無事に帰ったようだな」

 

 

 ああ、異界の中も大した事はなかったよ。面倒事が増えそうだけどな。

 それより、例の物は?

 

 

「少し待て……ほら、これだ。とりあえず注文通りに作ったが、これでいいのか? 何の為に使うのか分からなかったから、出来がどうなのか判断ができん」

 

 

 清磨から受け取った物は、ハサミ状の物が2つと、細い棒が4つ、それから棒につける部品が幾つか。

 ただし、ハサミ状の物は取っ手を締めると先端側が逆に開くようになっており、更に刃が付いている筈の部分は籠状になっている。籠と言っても、籠の骨子部分だけで、入れ物としては使えないが。

 

 

 うん……うん、こいつはいい出来だ。異界に出発した後に気付いたけど、違うサイズで2つずつ、計四個にしとけばよかった。

 

 

「できない事はないが…材料費が嵩むぞ。時間もかかるし。中途半端なものを作って渡すのも気分が悪いし、作り直すか?」

 

 

 いや、いいよ。気持ちはありがたいが、今晩にでもすぐに使う予定だし、新しいのが出来上がるのを待ってる時間は無くなりそうでな。

 こっちは…?

 

 

 受け取ったもう一つの品は、強いて近い形状を挙げるなら、耳かきだろうか? 実際、清磨に「こんなの作って」と伝えた時にはそう言った。

 先端部分は…ほぅ、これはゴム…じゃないな。異界の中で稀に見かける、弾力に富んだ「なにか」か。これなら多少強く引っ掻いても、怪我はなさそうだ。

 それに、先端部分のカバーを外して、別の部品を付ける事も出来る。部品は…ブツブツがついたカバー、ちょっと曲がってて固めのカバー、猫じゃらしみたいなのがついてるカバー、カギ爪みたいになってるカバー、その他諸々。

 うん、いい仕事してるね。

 

 お見事。

 

 

「まぁ、これくらいはな。しかし、俺としてはやはり納得のいく出来ではない。繰り返し聞くが、一体何に使う道具なんだ? 里に留まるようになって、武器以外にも色々作ってきたが、これは見当もつかん。タタラ殿ではなく、俺に頼んだ理由も分からん」

 

 

 いや、タタラさんじゃなくて清磨に頼んだ理由は無いぞ。強いて言うなら、思いついてからバッタリ会ったのが清磨だったってだけで。

 出来の良さ云々も…まぁ、俺らにゃ分からん領域の話になるからな。

 

 

「…で、何に使う?」

 

 

 秘密。

 

 

「……お前がそういう顔をしている時点で、ろくでもない事なのは予想がつくが…。まぁいい。偶には何も考えない、無為な仕事も悪くは無いか」

 

 

 悪くないのか、ソレ…? 納得してるんなら何も言わないけどさ。

 ま、ともかくありがとうよ。これでちゃんと教えられそうだ。

 

 

「何を、とは聞くまいが……まぁなんだ、刺されるなよ。俺の作った武器でお前が死ぬと、流石に寝覚めが悪い」

 

 

 

 へいへい。

 

 

 

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