①ニーアオートマタ…保留。ストーリーは暗そう。
②無双スターズ…ホロウが出てるのが気になるが、地雷の匂いがする。
③人食いの大鷲トリコ
④MHXX…本命ではあるけど、狩りばかりでは飽きる。
⑤スパロボ…OG系統しかやってないから、話についていけるか不安。
⑥ブラウザゲームのストパンやって、外伝を書く。無論エロ。…多分すぐ飽きる。
⑦仁王…ダクソやった事ないし敬遠してたけど、意外なくらい高評価。
仁王を購入しようとしたら、PSストアがメンテ中orz
入滅月
朝っぱらから秋水と相談。言うまでもなく虚海の事だ。
今回の一件で、秋水が持っていた虚海のイメージは大分ぶっ壊れたようだが、それで警戒を緩める訳でもないのが秋水という男である。決して間違った態度ではない。
が、差し当たり問題なのは、虚海本人よりも、他の陰陽方である。俺もそいつらの情報は全く知らない。
しかし、悪党が別の悪党の財産を狙って仕掛けてくるとか、あまり珍しい話でもない。虚海がウタカタで隠居し始めたと聞いて、何かしら仕掛けてくる可能性は充分にある。
「いえ、それは恐らくないと思います。警戒はしておきますが」
うん、何故に?
「陰陽方の長老達は、それぞれ全く別の願いを持っていますから。極端な事を言ってしまえば、虚海さんの『過去に戻る』という研究には、全く興味を持たない人ばかりだったんです。勿論、手段として考える事はあるでしょうが……率直に言って、研究は全く上手くいってなかったようですから」
まぁ、ホロウを呼ぶ事が最後の手段って自分でも言ってたしな…。成程、研究結果に価値が無いとみなされている訳か。
触鬼の方はどうだ?
「僕も貴方に言われて勘違いしていたのですが、あれは虚海さんが作った鬼ではないそうですね。ならば、野生の触鬼を捕まえた方が安上がりでしょう。触鬼の核を作り上げている事を考えても。何より、仮に研究結果に目が行くとすれば、霊山の識でしょう」
またそいつか…。
「あまり詳しい事は調べられませんでしたが、幾つもの奇妙な技術と実験を繰り返しているそうです。虚海さんもそれに便乗しようとしていたようですが…」
どうするかな…。気にはなるが、ウタカタを離れて霊山に行くのは危険すぎる。今も異界の奥では、触鬼が増え続けているだろうに。
つーかアレだな、虚海も触鬼を生み出す方法だけじゃなくて、制御する術とか繁殖を防ぐ術とか、色々考えてれば楽だったのに。
「仮にも世界を危機に陥れようとしていたのですから、それを研究する必要はなかったんでしょう。ま、案外研究するだけして、無理だと思って放り出したのかもしれませんが」
ヤケッパチの人間の責任感なんて、そんなもんだよな…。
ま、とにもかくにも、当面の問題は触鬼か。……大した実りがある話もできなかったが、今日はこれで。
「ええ、お疲れ様でした」
そんじゃ、初穂と逢引がてら帰るとしますか。
触鬼の存在は、既に里のモノノフに知られている。虚海が発見し、観察していた新たな鬼としている。別に間違ってはいない。
戦力については、虚海が作ったレポートでしか知られてないが、驚異的な存在だと言う事は大和のお頭も嫌と言う程認識していた。この鬼について、各地に伝令を飛ばしていた事からも、それは理解できる。
さて、それぞれの里はどう動くかな。触鬼は、今の所ウタカタの里近辺でしか発見されてない。そこで発生したからなのか、或いはクソイヅチが俺の近くにいるからここでしか発生しないのかは分からないが…。
他所の里の事だと思って放置するか。自分達の場所にまで侵蝕してきたらと考えるか。そんな鬼が居る訳ないと思考放棄するか。さて、どうなる事やら…。
そんな事を初穂と一緒に団子を摘まみながら考えていると、むーっと初穂が不満そうな顔をしていたのに気付いた。
どした?
「どうしたもこうしたも…折角二人きりなんだから、余計な事考えてんじゃないわよ」
まーそらそうだな。団子も初穂の体も、しっかり集中して味わわないと。
「私としては、体がベタつくからあんまりいい気分はしないわ。…舐められると、ぞくっとくるのは否定しないけど」
うーん、団子は女体盛には向かないなぁ。でも刺身でやると生暖かくなるし…初穂はワカメ酒はできんし。
ちなみにさっき「初穂と一緒に団子を摘まむ」と書いたが、二人で団子を喰ってるんじゃなくて、団子と同時に初穂を味わっているのです。
「なんか馬鹿にされた気が、アン」
とりあえず、サクランボとオマメさん、どっちからいただこうかな。団子ばっかじゃ甘すぎて飽きがくるし……うん、塩味重点でオマメさんから。あっ、こら動くな団子が落ちる。…うりゃっ。
「ひあ!?」
暴れると、箸で摘ままれたオマメさんがどうなるか分からんぞ? …ぬぅ、ヌルヌルする。愛液出過ぎ。
こんな事で興奮するなんて、初穂はやっぱり大人だなぁ。
「お、おとなってへんたいばっかりだわ…」
否定はせんが、この行為は初穂が思い浮かべている大人な行為に合わせた結果だからな?
さて、いつまでも団子を放っておくと固くなるし……本格的に食わせていただきますか。イタズラしながら。動くなよ?
「そんな事言われたって、あんた、あっ、あぁ、指、指ぃ…」
どうした。敏感な所はまだ触ってないぞ? 尤も、こんなヘンタイな行為で興奮しまくってる初穂にしてみれば、物足りなくて焦れったいばかりかもしれないけどね。
ほら、腰を揺するな。焦らなくても、つま先からテッペンまで、じっくり味わうから。ただし本番はその後な。
どうした、俺の股間にそんなに熱視線を注いで。そんな事しても、食べさせてあげないぞ。団子だったら口移しでもいいが。
むぅ、団子ちょっと甘すぎ。潮でも飲んでバランスを取ろう。ホレ、噴け噴け。
入滅月
息吹が完全復活した。
そして桜花も復活ッ! 復活ッ!! 復活ッ!!!!
ん、どした息吹。自分のリアクションが薄い? おめーだって、野郎と女性なら扱いが違うだろ。まぁそれはともかく、戦線復帰がありがたいのは本当だ。
今はまだ大事にはなってないが、触鬼も増殖中だろうし、やはり異界の鬼達はどんどん強力になり、以前のようにその数も増やしている。今のうちに、色々慣れてもらわないとな。
桜花は病み上がりだからともかくとして、息吹は以前から動く事自体はできていたんで、真面目に鍛錬やってたのは知ってる。実際、単純な技量だけで見ても、一つ上のステージ……は言い過ぎだから、階段3段分くらいは腕が上がっていると思う。そんなもんかと思うけど、一月足らずのリハビリも兼ねた訓練だもんな。むしろそこまでよくやった方だよ。
「ま、実際それくらいの評価が妥当ではあるけどよ…。まぁいいさ、成果は実戦で見せてやるよ」
鬼を相手してる間に、余計な事気にする暇はないぞ? いや仲間の状態には気を配るが。
「冷たいねぇ…ま、そうでなくても半ばお前さんの動きを盗んだようなもんだから、あんまり大口叩けないけどな」
ん? 俺の?
「里の稽古場で、何度か槍を使った事があったろう。あれはモノノフの使い方じゃないな」
ああ…まぁあれも槍っちゃ槍だな、ランスだし。使い方も祝詞を交えるモノノフの動きじゃなくて、ハンターやゴッドイーターの動きだ。
確かに体系立った動き方だけど、モノノフとして使うには勧められんぞ。俺も何度か試した事があるが、攻撃力が格段に下がる。やっぱり鬼を相手に攻撃を通そうと思ったら、ミタマなり神仏なりの力を借りなきゃならん。
「そりゃ分かってるさ。だけど、お前さんも妙な所で頭が固いね。それは鬼を攻撃するなら、の話だろう? 完全に防御、或いは牽制と割り切っちまえばどうだい」
…ほう。確かに、モノノフの槍の扱いには、防御らしい防御は無い。いや、そもそもガードがあるのは手甲…ああ、盾剣もあるか。そこへハンター式の防御方法を突っ込んだらどうなるか。
気休め程度の効果しかないかもしれないが、その気休め一つで随分違う。ダメージの軽減効果が殆ど期待できなくても、タマフリ・治癒の1回分が増えると思えば大分違う。何より、吹っ飛ばされて起き上がりを狙われる隙が減る。そうなりゃ気絶もしにくくなる……まぁ、上級以上の鬼の攻撃ともなれば、上手く対処しなけりゃ喰らった時点で気絶確定状態になったりするけど。
「はは、そういう事さ。鬼の攻撃力は凄まじく高く、人間の脆弱さは鬼の比じゃない。だからモノノフの技は、基本的に殺られる前に殺れ、で発展してきた。ここらで欠点を補うのもいいだろうさ。…だけどな、俺が考えてるのは、そこ止まりじゃないんだ」
うん?
「何度か見たぜ、お前の……なんつーんだ、相手の攻撃が完全に当たってるのに、妙な動きですり抜けるように避けたり、どう考えても直撃で大怪我確定、下手しなくても即死なのに、全く傷を受けてないって技を。特に、お前が鬼の体になって大暴れした時のはすごかった」
いや、その時の記憶が無いんで、話振られても困るんだけどよ。
…すり抜けるような動きとなると、多分ブシドースタイルの事だと思うが。そして全然ダメージを受けない防御……ジャストガードかな? ハンター式なのかゴッドイーター式なのかは分からないが。
「初めて見た時は、何がどうなってんのかと思ったぜ…。理屈だって全然分からねぇ。だけど、あれを習得できれば、そして広める事ができれば、モノノフの被害は各段に減る」
そりゃ……理屈は分かるけどな…。あれ、基本的に熟練者、玄人の技だぞ。俺だって理屈で説明できる気がしねぇ。(アタリハンテイ力学使っていいなら別だけど)
…って、おい…さっき成果は実戦で見せる、とか言ってたけど…。
「…俺にも理屈は分からん。分からんが……部分的に再現できるようになってしまった」
おいおいおいおい! シャレんなんねぇぞソレ! てぇか、明らかに鍛え方足りないその体でよくもまぁ…。
「これでも里のモノノフ筆頭級を名乗れるくらい鍛えているとは自負してるんだが、あんな動きをするお前に言われるのは無理ないかな…。ま、流石に完全再現は無理だった…んだが、そこで終わっちゃウタカタ一の伊達男を名乗れないからな。色々工夫してみたのさ。自分で言うのもなんだが、結構いい技が出来たと思うぜ。勿論、お前さんにも使えそうなのがな」
それで理屈で説明できないってんだから、タチが悪いなぁ…。
ま、いいか。どっちにしろ、そろそろ時期だろうしな。
「ん? 時期って?」
…寝込んでいた戦力の回復。近所の異界で鬼が強くなり、ある程度の生態系の安定が生まれて。更に新システム…もとい新技の会得。これが何を意味するかと言うとだな…。
里は触鬼に襲われるんだよ!
「な、なんだその理屈!」
…なんだってー、は通じないか。いやでも割とマ
ジになってしまったよーだ。んじゃ一戦交えに行くぞー。
「…俺が新技考えたのが悪かったのかなぁ…」
いつかは来るものだから、例えこの戦いで死者が出ても息吹の責任にゃなりませんな。
ま、修行の成果を見せてくれい。
入滅月
…ふむ。……ほむぅ………うむ。ぬぬぅ…。
…息吹の新技、マジで使えそうな件。いや使用可能かって意味じゃなくて、汎用性があって強力でリスクが少ないって意味で。付け加えて言うなら、俺なら再現するのにあまり苦労はなさそうだ。
ローリスクハイリターンのお手本のような技やな。理屈はサッパリ分からんが。いやアタリハンテイ力学なら普通に説明できるんだけど、そのアタリハンテイ力学が全く説明できねーんだよな…。
具体的にどうなったかと言うと…簡潔に言えば、ハンター式ランスのカウンターだ。ジャストガード判定あり。上手く成功させればダメージ無し、スタミナ消費も無し。しかもどういう理屈か、ジャストガードに成功すれば、その後の反撃に敵の攻撃力が上乗せされると言う、護身完成した渋川先生もニッコリのノーダメ機能付き震怒竜怨斬みたいな技と化してしまった。或いはガードレイジ(簡易版)。MH世界でさえ、まだ完成してない技術だったのに…。
流石にジャストガードに失敗したら、普通のカウンターか、単に防御するだけになってしまったが…それを盾付のランスではなく槍で使っていると考えると、驚異的ってレベルではあるまい。ランスなら、まだ盾を持ってるから理解できる。
ガチで何がどうしてそうなった。デカブツの大パンチを、平然と正面から無傷で雄叫びを上げつつ叩き返したのを見た時は、富獄の兄貴でさえ唖然としていた。
…いや、使うけどね。俺も。威力は息吹程ではなかったが、俺も再現できた。……槍じゃなくても。盾が無くても。
こう…上手く行くとだな、体の中を色んなところから取り込んだエネルギーとか衝撃とかがビュモワっと……うん、やっぱり説明できん。
ただ、俺の場合は武器を択ばず(流石に効果に差はあるが)この技を使える為、言うなれば前転とかジャンプとかみたいな共通動作に分類されるっぽい。…なんだかなー、バグ技覚えてしまった気分だわ。
まぁ、稀に見る大勝利・大活躍だった息吹が、すっごい上機嫌になってるのはいいんだが。ジッサイ、息吹のお陰で逃げ遅れた哨戒役の人達が5~6人助かったからな。息吹的には何より嬉しい結果だろう。
それはいいんだが、やっぱ襲ってきたのは触鬼だった。キツネとネコを合体させたようなヤツで、姿を消すという珍しい特技を持っていた。対策? ペイント玉とか煙玉で目印付けて瞬殺よ。
…いや、あの尻尾が欲しくなって狙ってたら時間がかかったから、瞬殺ではないか。ま、姿を消すにしても、オオナヅチほど完全には消せてなかったし、正直言って中途半端な印象があったな。
風とか竜巻とか振りまいてきてたから、ここぞとばかりに息吹が新カウンター使って……どういう理屈か、竜巻が逆方向に進んで触鬼に直撃していた。本当に何を編み出したんだろうね、この男…。
とにかく触鬼…カゼヌイと名付けられたそいつを撃退し、三味線作ろうと清磨に持ちかけたりもしたんだが、なんか音を利用した武器というか狩猟笛ならに狩猟琴とか作り出しそうだったな。
清麻呂は好きな方向に突っ走らせておけばいいとして、撃退後から話が加速度的にややこしくなってきた。
いきなりやって来た悪人面二人が、指揮権がどうの通達がどうのとややこしい事を言い出すし、悪人面一号が秋水に絡んだり絡まれたりグウェンが超喜んだりしたし、二号は二号でホロウをナンパしようとして通りかかった虚海に絡みだすし、一号は更に秋水を放り出して二号と一緒に虚海にチクチクと…。
1号は九葉、2号は識とかいう軍師なんだが…何で軍師が2人も来るのよ。そりゃ3人寄れば文殊の知恵とは言うし、触鬼の事が霊山的にも非常に重要な事なのも分かるんだが、里一つに軍師二人も出してどうすんだ。船頭多くて何とやら、だろ。
まぁ、九葉のオッサンが来るのはまだいい。大和のお頭の知己のようだし、グウェンにも縁があり(どうみても利用しようとしていたが)、相馬さんから見ても指揮系統の繋がった上司であるそうな。
が、この識とかいうオッサンなぁ…。いや悪人面なのはいいんだよ、九葉のオッサンも人の事は言えないし、俺だって割と悪党だ。義手っぽい手とか片方だけの眼鏡とかもいい。ウタカタに来た理由も、「霊山君(霊山のお偉いさんと言うかトップ)からの命」らしいんで、そこも許す。危険な実験や、奇妙な技術を持っているという秋水の情報にも、この際目をつむろう。
だけどよ、いきなりホロウに「また会ったな」なんて言い出して…ナンパでもしてんの?
ちなみに後でホロウに聞いてみたところ、「いえ、初対面だと思います。空気を読んで、適当に返事をしただけです」だそうな。……変質者、か?
「…あの、確か霊山に居た時に、ホロウさんに突然話しかけてきたのが、あの人だったのでは」
「…………そのような事がありましたか?」
「ええ。突然話しかけてきて、よく分からない話をしてから去っていった、と言っていましたが」
…そういえばそんな話もしたような。と言うか、どっちにしろそれってアレな人種だと思うんだが。
そもそもの評判からしてヤバい奴って話だもんなー。秋水が利用するのを躊躇うレベルで。更に言うなら、虚海と実験の為につるもうとしていたってハナシだ。おお、もう…。
で、実際何で来たと思う?
「触鬼の対処というのは、嘘ではないかと。ですが、それで軍師が二人と言うのは明らかに過剰です。相応の数の戦力を一緒に送ってくるならともかく」
「一人までなら正常な対応。もう一人が来たのは……」
おそらく、どっちかは独断って事だろうな。或いは、独断にしたって上に「自分を行かせるように」誘導したか。
尤も、その理由も色々考えられる。触鬼が本気で危険だから、一人では手に余ると考えたか。そのヤバい相手を自分でどうにかして、地位を盤石な物にする為か。
…自分の公にはできない行為を知っている虚海を始末するのが目的か。もう一方は、それを察知して止めに来たか。
「…地位に関しては、まず無いと思います。霊山の軍師と言うのは、モノノフの中でも最高峰の地位と言えます。また、あの二人はその中でも上から数えた方が圧倒的に早い立場である筈です」
「千歳に関しては、どちらもあり得ますね。あの二人の内、どちらがどっちの役割を担っても違和感はありません」
九葉のオッサンも、何だかんだで悪党だもんなぁ…外道に徹する事ができるって意味で。虚海の行動は、ヘタレの癖して非常に危険度が高かった。それこそ、結果的には無駄だったけどホロウが呼び込まれる程に。
再発を防ぐ為に危険分子を始末しようと考えてもおかしくない。
「…ですが、それを九葉が止める事はあるでしょうか? 先程言っていた、『どちらがどっちの役割をしてもおかしくない』という話です。必要のない殺戮や被害は止めると思いますが、より重要な事項があるのなら、そちらを優先するでしょう」
「虚海の死が、彼にとってどれほど重要か…ですね」
……なんか、虚海を殺そうとする事が前提になってきてるな…正直、そうなっても無理もない状況ではあるんだけど。
どーすっかなー。真向斬って殺しにくるような連中じゃねーし。そもそもそうなったとして、虚海がどこまで抵抗するかだよ。最近じゃウタカタの連中に弄られて多少は元気になってきたけど、中身は無気力状態のままだぜ、アレ。
「家の中でも、何をするでもなく虚空を見つめてぼーっとしてる事が多々あります。時々、見えない何かを目で追っているようですが……よく見たら蚊が飛んでいただけでした」
「夏の夜の蚊は悪です。即刻退治すべし。鬼より鬱陶しい…」
「…嫌な思い出でも?」
「オオマガトキの大戦の最中、ようやく回ってきた睡眠時間を削ってくれた怨みは忘れません」
まぁ、気持ちは分かるが…。
ともあれ、ちょっと様子見ますか。速鳥に虚海の周囲を警戒しておくよう頼んでおく。上手く行ったら、動物と話せる大師匠に何か教えてもらえるかもしれない、とでも言っておこう。
「はっきり言いますが、あれ程筋が悪い生徒も珍しいです。…ですが、隠密に関しては信頼できます。では千歳の周囲は速鳥へ。私は……少し識と話をしてみましょうか」
「私も一緒に行きます。これでも英雄扱いされているモノノフ、次期里長候補です。手練手管に関しては軍師の足元にも及びませんが、何かしらの証言が必要になった時に力になれるかもしれません」
なら、俺は九葉のオッサンの方だな。秋水が妙な爆発しないとも限らんし、そっちもまとめて抑えておくか。
…グウェンを巻き込むべきかは微妙だな。あれほど真っ直ぐな性格のヤツも珍しいが、それが九葉のオッサンに通じるかは話は別だ。むしろ、オッサンには通じずに、突っかかってくる秋水と揉めそうな気さえする。
「その辺の判断はお任せします。……それと、もう一つ危惧している事があるのですが」
何だ、紅月?
「……橘花さん、どうするつもりですか? その、私は…今更どうこう言うつもりはないのですが、桜花さんが完治するまでは、という話だったでしょう。…時々、貴方を見ていますよ」
何か問題でもあるか? 結界も更に強化されるぞ。
「桜花が微妙に感づいているようです」
………鎖帷子…いや新聞紙、ジャンプ…。
「お守りとしてこれをどうぞ」と、『ケ』が入った袋を渡されたんだが、むしろ逆効果と言うか煽る結果にしかなりそうにない。面白がっているな? いや恥ずかしいのは恥ずかしいようだが、口元が微妙に笑ってるぞ。