※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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実家に帰省&ネット環境が一時切断状態の為、レス返しその他が出来ない可能性があります。8日分までは登録しています。
…と思ったら代替え機があったし、時間が許せばレス返しもできるかな…。

あと、NIOHの鴉天狗がマジウザい。攻撃力高くて広い範囲での攻撃で、生命力も気力もやたら高い上に、スッゲー戦い辛い場所にばかり出てくる。
遅鈍符その他のアイテム使っても仕留めきれない事が多いし…。誰か有効な倒し方教えてくれ…。

と言うかBadニンジャさんまた沸いてない?
ウケ狙いでやってるのだとしたら、既に次期を外して滑っておりますな。
運営さんも大変だな…。


第234話

入滅月

 

 

 話が動き出した…のかな。ちと厄介な事になったようだ。

 別に虚海にヤッた事が、色々な所にバレたのではない。橘花を弄びまくってるのが、桜花にバレた訳でもない。

 

 …ちょっと話は逸れるが、虚海は以前より活動的になった。最後に囁いておいた暗示が良かったのか、精神的にぶっ壊れる事も無く(ある意味壊れてはいるんだが)、また性の悦びを得る為、『ご褒美』の為に鬼退治に精を出しているようだ。いやシモの精ではなく。

 ただ問題なのが……虚海に色んな意味でアレな性癖が根付いちゃった事だな…。あんだけおっぱい塗れの初体験をむかえれば、無理もないっちゃ無理もない。

 

 が、まさかあの時のメンバーと向かい合うだけで、鬼の棒がオッキし始めるようになるのは計算外だった。ちなみに、後ろから見た時は問題ないらしい。

 …要するにアレだ、服の上からでも乳、胸を見るだけで、思い出してバッキバキになってしまうのだ。

 

 

 ……そういう訳で、人目がある所では正面から話さないようにしたり、体をちょっと隠したりしている虚海だが………元が対人恐怖症状態で認識されていた為、それをどうにかする為の対策としか認識されなかった。何と言うご都合主義。いや、確かにそうなるように誘導はしたけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 …虚海に関する語りはこれくらいにして。問題と言うのは……紅月が、マホロバの里に戻る事になった。

 別に、虚海に関する仕打ちで愛想をつかされた、とかではない。そうなってもおかしくはなかったが、ならない程度には紅月も他の皆も色狂いになっている。そうです私が元凶です。

 

 何があったかと言うと、マホロバの里から凶報が届いたのだ。

 

 

 曰く、西歌のお頭が鬼に呪われ、意識不明となっている、と。

 

 

 紅月は現在でこそ俺に嫁入り状態でウタカタに所属しているが、やはりマホロバの出だし、今後も順当にいけばマホロバの長となる身(その時俺との関係がどうなるかは分からんが)。これに黙っていられる筈が無かった。

 まぁ、それでも問題が無いとは言えなかったけどな…。触鬼との闘いは、徐々に激しくなっている。それ以前に、異界の奥で増殖しているであろう鬼達の討伐は、未だ目途も立ってなければ有効な方法すら発見できてない。

 この状況で紅月が抜けると言うのは、言うまでもなく戦力的に大打撃である。

 

 が、先も書いたように、紅月の本来の所属はマホロバの里。しかも、西歌のお頭は色々と強引な改革も行っていた。それが良いか悪いかはともかく、その状態で西歌のお頭がダウンして、組織がスムーズに回るとも思えない。

 もしもこのまま、マホロバの里のお頭不在状態が続き、内乱になった挙句に鬼に突けこまれでもしたら……マホロバの里が滅べば、人類は大きく絶滅に向かって近づいてしまうだろう。

 

 …要するに、どれだけ戦力的に痛くても、大局的に見れば紅月をマホロバに戻さない、という選択肢は取れなかったのだ。

 

 

 まぁ、これだけ取ってもまた問題が湧いたんだけども。

 例えばグウェン。マホロバには、彼女の尋ね人だと思われる博士が居る。一度は尋ねないと、とグウェン自身も言っていた。

 だが、ただでさえイツクサの英雄が抜けるのに、またグウェンまで抜けたら…ウタカタが保たないかもしれない。

 

 また、俺もマホロバに行くべきか…という話もあった。紅月としては是が非でも来てほしかったのだが(理由は戦力の為か、夜の為かは明言しない)、グウェンと同じ理由でウタカタに残留。

 …いろんな意味で引き留められたのは言うまでもない。

 ちなみに決定打となったのは、ホロウの「あれだけ大暴れした彼を連れ帰ったら、また揉めるのでは?」という一言だった。

 

 

 そんな訳で、紅月は今晩にでも、マホロバに向けて出立する。

 正直、色々な意味で心配だ。体が夜泣きしないか、と言う問題もそうだが、マホロバの里はどうなっているだろうか。まだ鬼討と外様の対立は続いているのか。

 そもそも、西歌のお頭を呪って行動不能に出来るくらいの鬼とは、一体? …あの深い瘴気の中にいた鬼だとは思うが、一体どんな鬼だったのやら。

 

 

 

 こんな状況じゃ、別れ際の一発とかは出来そうにないな。出発の為に、大急ぎで準備を進めているくらいだし。

 餞別に何か渡しておこうかな…。少なくとも、相馬さんからは「危急の件なんだろう。いいから乗って行け」と、貴重な馬…しかも相馬さんの愛馬を預けられていた。鬼疾風も出来るけど、流石に馬の速さには及ばんからな。

 

 

 

 ………ちなみに…清磨も、何気に餞別を渡していた。「話に聞いて試しに作ってみたものなんだが、案外効果があるかもしれない」ってさ。

 ただね、その「話」って奴がさ、以前酔っぱらった清磨を相手した時に冗談めかしていったモノなんだけど……その名も『仕込鞭型最終兵器・おはようマイマザー一番星君グレート』。

 その名の通り、仕込鞭……と言うかもうどう見てもモーニングスター。その効果は……名前を聞けば、一発で分かる人も沢山いるだろう。随分前の漫画なのに。…完結はしてないけど。

 

 その名の通り、コレでぶん殴ればどんな深い眠りからも一発で目が覚める。もしも狸寝入りの類であれば…無論、 死 あるのみ。

 ただし、コレに本当に目を覚まさせる効果があるのかは不明。少なくとも、物理的に重くて堅くてトゲトゲして禍々しいので、鈍器としての効果はあるだろう。これでブン殴られた人間の頭が軽くパーンとなるのを想像できるくらいには。

 

 更に言うと、コレの一撃に耐えられるだけのタフネスがあったとして、本当に目覚めの効果があるかは不明である。少なくとも清磨は、そのような効果(目覚め or 死 あるのみ)が出るように色々細工して作ってはいるが、本当に効果が出ているか試す事すらできない。

 ……「意識不明ならこれで何とかなるかも」とか言って渡してたけど、どう考えても産廃を押し付けただけですね。紅月も微妙な顔して貰っていた。

 

 

 

 話が逸れた。餞別として鬼の手を渡す事も考えたが、よく考えてみたら博士がマホロバに居る。あっちで受け取ればいいだろう。

 

 

 

 

 ………男女が逆だが、シモのケを入れたお守りとかどうだろう。いやいっそ精子……死滅するなぁ。

 

 

 暫く考えた挙句、MH世界産の護石を渡した。…面白味が無くてすまんね。ちなみに効果はランナー。これからマホロバの里まで強行軍するんだし、ちょっとでもスタミナが保てば…と思ってのチョイスだ。

 ただ、馬にも効果があるのかは分からないけども…。

 

 

 

 

入滅月

 

 

 紅月が里を立って、早4日。最大効率で進んでいれば、そろそろマホロバに着く頃だろう。

 そこから里のゴタゴタを一段落させて、手紙を送ってくるとしたら…あと2週間くらいだろうか? 無事でいるといいが…。

 

 

 私生活では…やっぱ、物足りないな。何だかんだで、今回ループの人間関係の中心でもあったからな。女性関係の中で問題が吹き出てる訳じゃないが(普通は問題だらけだよ)、やっぱり皆も寂しさみたいなのはあるらしい。それはそれとして、自分の番が来るのが近くなったのは歓迎しているようだが。

 

 ウタカタの里はと言うと…正直、芳しくない。紅月が居なくなったのを見計らったかのように、触鬼達の動きが激しくなったのだ。

 これが偶然なのか、鬼に何らかの知性があるのか、それとも何か明確な切っ掛けがあるのかは、まだ分からない。

 触鬼の数も、種類も急激に増えた。特に驚いたのはアレだな、イミハヤヒ。

 

 

 いやもう、天狐が基になってる鬼だと聞いて、本当に驚いた。具体的には、速鳥が「お救いせねば!」と絶叫するくらいには。

 

 ホロウ曰く、以前千歳達と一緒に行動していた時、最期に共に戦った鬼…だそうだが………いや、それ以前にコレ、アレだろ。ホロウや虚海、千歳が討鬼伝続編の登場キャラクターだったとしたら、まず間違いなく主人公の家に住み着いていた天狐に手ぇ出してたって事だろう。

 触鬼になってるって事は、多分虚海が触媒をブッ混んで、鬼にして俺達と戦わせるとか…。

 

 

 …うむ、仕置きの理由が一つ増えたな。まぁ、実際にはやってない事でお仕置きなんかしてたらキリがないし、それこそ俺自身が仕置きの対象になってしまいそうだが。

 

 

 他に特徴的だった触鬼は……ゴズコンゴウとかよりも、ヤチギリかな。使う属性に節操がないのなんのって。

 話に聞いたスネ夫もといアルバトリオン程じゃあないだろうが、気絶効果が鬱陶しいわ。部位破壊しまくっても、殆ど意味ないし。

 

 気絶って意味では、オノゴロとかいう転がる鬼も鬱陶しかったが、率直に言って超脳筋だったから、こいつはあまり印象に残ってない。淡々と殴って、シメヤカに片付いたとしか言いようが無かった。

 

 

 

 

 それ以外には、今の所大きなイベントは起こってないようだが……なんだこの、なんつーか……ピリピリする。

 …ホロウも言ってたし、触鬼出現の切っ掛けでもあるんだろうが、やっぱりイヅチが居るのか? ホロウのイヅチ探知機は相変わらず故障したままのようだし(そもそも本当に故障なのかすら分からないが) 

 

 

 ホロウと二人で、今までどのような状況でイヅチと遭遇してきたのか、検証してみた。

 と言っても、ホロウにしてみればレーダーが示すままにイヅチを追いかけてきただけらしいが…もうちょっと詳しく聞いてみるが、大体は戦乱の中で遭遇していたそうだ。

 ホロウに言われて今更のように気付いたのだが、彼女がイヅチと遭遇する時は、時代が大きく動く時………と虚海は言っているものの、それはあくまで結果論でしかなかった。考えてみりゃ当たり前だが、ホロウだって未来の歴史の流れなんぞ知っている筈もないのだ。

 大抵、多くの人が戦に駆り出されているので、何かの一大決戦だったんだろう…と言うのは察しがつくものの、その戦いが何だったのかは殆ど知らないし、何処で戦っていたのかすら理解している方が稀。当然、その戦いでどっちが勝ったのか、後世でその戦いが何と呼ばれているのかも知ってる筈がない。何せ、イヅチを撃退したらすぐに追いかけてその時代から消えるんだから。

 

 当然、俺の歴史の知識だって役に立たない。いや下手しなくても小学生以下の知識しか残ってないのは自覚してるんだけど、それ以前にほら、学校で歴史を習う時って大体西暦表記じゃん? この世界に西暦なんて概念はねーよ。元号だって、昭和どころか大正すらあったか怪しい。いやあったのかもしれんけど、少なくともモノノフ間にも、ホロウが当時いた時代にも普及してねーよ。

 

 

 まぁそんな訳で、ホロウからは歴史のロマンなんざ欠片も聞き取れなかった。基本的に、人間は相手にせずに戦ってたみたいだしな。共通点らしい部分も無い。

 俺がイヅチと遭遇した状況と合わせて考えても、やっぱりいつ現れるのかすら分からない。

 

 

 

 ……考えてみりゃ、確かにおかしいんだよな。

 そもそも、毎度毎度イヅチはホロウが撃退してる訳だろ? イヅチは飯食ってんのか? 英雄の魂って事だが。

 

 

「…今まで戦った全てで、イヅチカナタを撃退できた訳ではありません。力及ばず、その時代の人が食われ、逃げられた事も多くあります」

 

 

 …英雄、ないし歴史の分岐点になる人物が食われたって事か? それじゃ、今俺達が生きている歴史は、本来こうはならなかった歴史…なんだろうか。

 

 

「そのあたりの事は、私にもよく分かりません。恐らく、最初から知識を与えられてないのだと思います。…私を造った人達も、理解できていたか怪しいものです」

 

 

 まぁ、確かに。考えても仕方ない事でもあるしな。

 んー…しかし……手掛かり無しか。

 

 

「…いえ、仮説にすぎませんが、考えられる事はあります。貴方も薄々勘付いているでしょうが、貴方は繰り返しの終わりの時、毎回イヅチカナタに出会っている筈です」

 

 

 それは………まぁ、実際何度も会ってるけど。毎回では。

 

 

「いいえ、毎回です。イヅチカナタが貴方の因果を毎回喰らっているから、貴方は繰り返しの中に居る…と考えています。あなたの記憶に残っていようがいまいが、会っている筈なのです。イヅチカナタの能力は、そう広範囲に及ぶものではありません」

 

 

 …毎回、目の前に来てから俺の因果を喰ってるって事か。俺が死んでから会ってるのかね。

 

 

「恐らくは。貴方の異常な精神力の何割かは、そこから来るのでしょう」

 

 

 

 

 

 

 ……あぁん?

 

 

「私も生物の精神について造詣が深い訳ではありませんが、通常、人間にとって『死』は一度だけの体験です。仮死状態や臨死体験する人も居るでしょうが、普通は一度だけ。そして、それは常に記憶に深く刻まれます…忌むべき感覚として。ですが、貴方は何度も死を体験しながら、正常な…………正常な人間のままだ」

 

 

 正常とは何ぞや(哲学)

 まぁ、言わんとする事は分かるよ。俺だって最初は喰い殺されるのが、文字通り死ぬほど怖かった。今だって怖いが。

 

 

「では、その恐怖は『慣れ』で克服できるものだと思いますか?」

 

 

 …出来るんじゃね? 俺以外でも、肝練り的な意味で慣れる奴、死狂い的な意味で慣れる奴、いっぱいいると思うぞ。

 

 

「人の精神とは業が深いですね。ともあれ、最初は貴方もこうではなかった筈。ですが、話を聞くに、数回の繰り返しの内に、今のような精神状態になった。…その間、貴方は死を前にして狂乱した事はありましたか?」

 

 

 

 

 狂乱…狂乱…錯乱…………言われてみれば、無いな。

 記憶にある中で一番古い死は、ハンター訓練所卒業直後、モスに突き飛ばされて崖から落ちた時だが、その時でさえ他人事のように落ち着いていた。これは現実感が無かっただけ、その次の死…アラガミに囲まれて、攻撃されて死んだ時は理解が追いつかなかっただけだとしても、それ以降も死を前にして狂乱する事は無かった。

 むしろ、自分で言うのも何だが、あっという間に死と繰り返しに馴染み、文字通り力尽きるギリギリの瞬間まで、平然と戦い続ける事さえできるようになった。

 

 …俺自身としては、自分にその手のイカレ野郎な素質があったから、と思ってたんだが……それだけではないと?

 

 

「ええ。私が考えるに、原因は二通りあります。あなたが考えている通り、貴方自身にそういった資質が…死ぬ才能、とでも言うのでしょうか……あった場合。そしてもう一つは、貴方が自分で思うより、もっと何度も繰り返している場合です」

 

 

 …………。

 

 

「自分でも考えた事はあるのではないですか? 本当に、今までの繰り返しを全て覚えているのかどうか。その繰り返しは貴方にしか認識できず、他者と経験を共有する事が不可能です。あなたの主観でしか、その記録は残らない」

 

 

 日記にも書いてるぞ?

 

 

「イヅチカナタは、書物の因果ですら奪います。…ですが、全てを奪えるかと言うと、そうでもない。処理能力に限界があります。私の事が、わずかに書物にも残っていたように……貴方の日記に書いてある事も、イヅチカナタの喰い損ねかもしれません」

 

 

 …確かに、俺が覚えてないループがあると証明する術は無い…。俺の記憶から、日記から消えれば、後は誰にも認識できない。

 

 

「貴方が思っているよりも、ずっと多く死んだのでしょう。…そして、その度にイヅチカナタに記憶を吸い取られる。常人なら耐えられない死の恐怖を忘れ、何度も繰り返す事で、本能が徐々に慣れていく。…貴方の今の精神は、そうやって作られた物だと思われます」

 

 

 

 はぁん……繰り返しでクソッタレな状況になってるのがイヅチのせいなら、それに耐えられるのもイヅチのおかげってか。マッチポンプだな。感謝する気にゃならねーよ。

 

 

「不倶戴天の怨敵に、感謝をする必要など無いでしょう。何より、こう言っては何ですが……貴方の怒りや憎悪も、イヅチカナタは奪っていると思われます。先日の大戦で、イヅチカナタによく似た鬼を見ただけで、貴方の理性は振り切れました。ですが、何度か遭遇した時のあなたは、頭に血が上りはしても、そこまでではなかった」

 

 

 ああ、それは俺も不思議に思ってた。この前のイヅチモドキだけに異常に怒りを覚えてたが……。逆か。俺の前に奴が現れる時には、記憶やら感情やらをもう奪ってるって事か。だから、理性がホワイトアウトするような怒りに呑まれない。

 ……実のところ、その仮説に物凄く心当たりがある。

 死んで別世界に行った直後の事だ。自分の死については……まぁ、慣れの問題なのか、イヅチに恐怖を喰われているのか、もう特に何も感じなくなってる。

 

 でも、それ以外の喪失については話は別だ。これに慣れるなんて思えない。ずっと続いて続いて続いて、万が一これに慣れるなんて事になってしまったら、それこそ精神崩壊と同義だと思うくらいに。

 俺が死んだ後、あいつらはどうなったんだろう。

 

 アリサはレアと仲良くやっているだろうか。いつだったか、昏睡状態から起こせないまま死んだ事もあった。

 ロミオは元カノと復縁できただろうか。

 那木に浮気がバレて射殺された時はゴウエンマと戦闘中だったと思うが、あの後勝ったのか?

 橘花の尻をいただけないままだった事もあったか。

 フラウさんは「帰ってきたら続きをしようね?」なんて言ってくれたけど、恥かかせちまったかな。

 エシャロットは立派なハンターになれただろうか。

 ブータの名前をやった正宗は、JUNとコンビを組んでいるだろうか。

 開拓村のギルドを仕切りつつあったパピは、ナターシャさんと本当に家族になれただろうか。

 ポッケ村のシャーリーさんには、恋人(現地妻何人もあり)がまたしても死ぬという悲しみを感じさせてしまった。

 ユクモ村の双子は、ニコニコした顔で涙を隠してそうな気がする。

 ツバキ教官は、ようやく訪れた春があっという間に去って行ってしまった事になるな…しかもそのちょっと前には弟のMIA。

 桜花は橘花と仲良くやっているか……いや別にお互い『趣味』を共用してるかって事じゃなく。

 キカヌキの里の堅悟さんは、教えていた俺が居なくなって、探しに来たかもしれない…多分その時の俺はアラガミと化しているだろうが。

 

 思い返せば、気になる事は山のようにある。確認すらできないので、もう諦めていたが、それでも気になるのには変わりない。

 

 

 

 でも、それらを吹っ切るのが早すぎやしないか? …自分はそういう人間なんだ、と認識していた。ループの始まりごろは、「自分は本当に他人を好きになる事はないんだ(キリッ」なんて考えていた。…いや、今でもそういう人種ではあると思ってるんだけど、欲望から生まれる愛情もあるって思えるようになってね。

 まぁ俺の性格はともかくとして……誰かに二度と会えなくなった、積み上げてきた関係が全くなくなった、失われたとなれば、喪失感、徒労感、その他諸々感じるのは当たり前だ。

 

 今回のループの始まりの時もそうだった。GE世界で、また予想もしなかった死を迎え、この世界にやってきた俺は…その、とにかく落ち込んだ。

 気分は重かったし、GE世界に残してきたアレやコレやがどうなったのか、物凄く気になった。あいつらが泣いてるんじゃないかと思うと、一緒に居たあのブラッドの連中が死んでしまったのではないかと思うと、腹の中にとんでもなく冷たくて重い石が埋め込まれているような気分になったっけ。あまりの気分の悪さに、そこらの鬼に八つ当たりまでした。

 

 それが、クソイヅチに遭遇した後は、綺麗サッパリ消えていた。心残りはあったけど、それを封じて平然と生活できる程度には、平常心になっていた。

 自分でも不思議だったんだが……あれは、遭遇したイヅチが俺の心残りとか、そういう部分の因果を喰ってたって事なんじゃないか?

 

 

 加えて言えば、俺が死んで次の世界に移るまでの間に、クソイヅチは俺のそういった心残りを喰ってるんじゃないだろうか。その為に、デスワープした直後も、苛立ちは続いても、絶望も後悔も殆ど感じなかった。

 

 

 

 …なんだかなぁ。本当に色々食われてるみたいだな、俺。怒りがそこまで沸かないのは、怨敵ゲージが既に振り切れてるからか、それともその辺も食われてしまっているからなのか。

 

 

「さて、その辺りは私にも。ですが、貴方がイヅチカナタに対抗する為の下地は整いつつあります。戦闘能力の向上もそうですが、貴方が宿す因果をもっと増やしていく事で、イヅチカナタの因果略奪能力の限界を超える事ができるでしょう」

 

 

 因果を全て奪われるまでが、イヅチとの戦闘のタイムリミット、制限時間…か。

 とにかく物事に首突っ込んで、その上で生き延びろって事だろうな。

 

 

「そうなります。…恐らくですが、イヅチカナタにも何かしらの異常が起きているのでしょう。その為、因果略奪能力もある程度弱くなっていると思われます。千載一遇の好機かもしれません」

 

 

 …ナルホドな。

 

 

 

 で、結局結論は変わらないんだよなー。因果を結ぶってのも、前にホロウが予想した通りに揉め事が向こうからやってくるから、嫌でも増えていくだろうし。

 結局イヅチがいつ出てくるのかも予想できないし。

 話すだけ話して終わりか…まぁそんなもんだよな。

 

 

 

 

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