※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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ぬわぁぁぁんついてねぇぇぇ!
草木も眠る丑三つ時まで仕事して、その翌日と言うか当日朝っぱらから健康診断。
健康診断の為に寝不足になってどーすんだとブツブツ言いながら就寝したら、手違いで連絡を受けてなかった業者から呼び出しが入り、予定よりも3時間早く出勤。
寝かせろコンチクショウ!

にしても、活動報告の件ですが、ほぼ②ですか…。
まぁ、具体的な描写をしてなくても、名前だけ出せば読者様がイメージ補完してくれますし…。
色々と悩みましたが、元がモンハン世界に居ない人の名前は、別の漫画の登場人物の名前を崩して使う事にします。
一応、前書きか後書きに誰をイメージしたのか書いておきます。



ところで、完全に話は変わりますが、ふと思った。
わびさびも茶道も数奇の道もサッパリな俺ですが、アバン先生って数奇の道にド嵌りしそうじゃね?


第239話

HR月

 

 

 狩りを続け、装備を整える事暫し。今まで、あって当然のモノが無かった事に気が付いた。いや、今まででも多少はあったんだけど、動きに変化が出る程じゃなかったんだよね。

 

 

 いきなり何かってーと…長いリーチの武器を手に入れました。MHFやった人なら、時期にもよるが一度は見て目を疑った事があるんじゃなかろうか?

 リーチ・極長のクッソ長いランスだ。ヤマツカミ相手に大活躍するアレな。

 まぁ、今回手に入れたのは極長ではなく、精々長程度なんだが…実物を持つと、実際以上に長く感じる。

 

 しかも、ちゃんとした武器ではない。試作品とでも言うべきなのか、流行り廃りが異常に早いフロンティアならではの品と言うべきか。まだ半人前の技師が、練習の一環で作ったものである。

 それ故、非常に扱いにくい。全長が伸びた事で、当然の事ながら重心の位置は変わる。重さ自体も変わる。ランスは突きがメインなだけあって、先端を真っ直ぐ突きだす必要がある訳だが、敵が近いと切っ先を向ける事すら困難。そもそも、あまりにも長いために取り回しが非常に難解だ。

 アタリハンテイ力学でどうにかしろって? ありゃそこまで便利なモノじゃねーんだよ、ゲームと違って。力学っていうだけあって、法則なんだ。人間の都合に合わせてホイホイ変わってくれるものじゃない。人間が、アタリハンテイ力学に合わせて動きを変えてようやく加護を得られるものなんだ。…モンスターは素で加護を得ていたり、絶対の筈の法則を平然と捻じ曲げてくるけどな。

 

 

 ともかく、今までは違う武器(同じ武騎種ではある)でも、大体同じ範囲に収まっていたリーチが、大きく変わった訳だ。

 まぁ、正直言って実戦に耐えうるレベルのモノではないんだが…それでも、今後はこの手の特殊リーチ武器との関わりも増えるだろう。取り回しを真面目に考えてみるのも悪くない。

 

 …俺だって、本当に真面目に考える事はあるんだよ?

 

 

 まず大前提として、リーチが長い武器を扱うには、相応のスペースが必要だ。ゲームと違ってあっちこっちに引っ掛かるので、木々がそそり立っている密林などだと、マトモに使えないだろう。

 これがランスではなく、刃の付いた武器であれば、切断してそのまま振るう事も出来なくは無いが。

 また、リーチが長くなればなる程、狙いを付ける際に精密な動きが要求される。手元の角度が1度ずれるだけで、先端の切っ先は大きく逸れるからだ。

 

 そして、最大の問題は、リーチによるアドバンテージが、モンスターによっては全く通じない事である。

 リーチと言うのは、単純に得物や腕の長さで決まるのではない。足場、踏み込みの速度と移動距離、関節の駆動範囲、その他諸々の結果がリーチになる。

 

 さて、ここでちょっとハンターと大型モンスターのスペックを比較してみよう。

 体のサイズ=モンスターの圧勝。

 関節の可動範囲=相手にもよるが、辛うじてハンターの勝利?

 踏み込み速度=大型モンスターは大抵突進攻撃を持っている。瞬発力で言えば、まずモンスターの勝ち。

 …つまるところ、ハンターがリーチの長い武器を持っても、総合的なリーチの長さで言えば、大抵の場合モンスターが勝ってしまうのだ。

 

 もちろん、それを差し引いても長い武器を持つと言うのが有効なのは否定しない。

 上記の話は、体の中心部分を狙った場合の話でしかない。モンスターの末端部分…手足や翼を狙うのであれば、条件は劇的に変わってくる。

 モンスターの手足を攻撃する時、その危険度が跳ね上がるのは言うまでもないだろう。誰が好き好んで、怒り狂っている猛獣の爪に近付くものか。ムツゴロウさんだってアナコンダ辺りにキュッとされるわ。

 しかし、リーチの長い武器であれば、それだけ危険な部分に近づく必要はなくなる。

 

 結論・武器のリーチの長さを活かすには、極力離れ、かつモンスターの末端部分…多くの場合は部位破壊できる部分を狙うべし。近寄らず、遠方から封殺するのが理想。

 そして、離れた分だけ敵の攻撃を回避する余裕が出来るので、それをどう活かすかが問題。

 基本的な理論になってしまったが、それを極めてこそって事だろう。

 

 

 …ふむ、そう考えると…これらの条件を活かしやすいモンスターの条件は…。 

 ①巨体で末端部分があまり動かない。

 ②機動力が低い。

 ③とにかくモンスターとハンターの距離が離れている。

 

 

 …こうしてみると、ヤマツカミが見事に当て嵌まるな。MHFでは極長リーチ槍・火事場力×4人で安定討伐、なんて光景を何度も見たのも納得である。

 では、今の俺が使うとすればどうか。

 

 普通のハンターに比べて、俺の身体能力は高い。盾を持ってフル装備しても、比較的軽快に走り回り、人間の伸長を超えるジャンプが出来るくらいに。しかし、そんなリーチの長い武器持ってジャンプしてもな…。

 突きをするには、空中ではふんばりが効かない。GE式空中ダッシュとか、チャージグライドみたいに突進は出来るが、とにかくバランスが悪い上、この世界のモンスターの肌・肉に刃を突き立てるには、ちょっと勢いが足りない。

 チャージ(突撃の方な)の勢いを増して、多少攻撃力を上げる事は出来ると思うが…なんか物足りないな。

 

 討鬼伝世界で息吹が開発したカウンター技……も使える事は使えるが、戦術の性質上、回避ランサーに近くなるので、あまり出番はなさそうだ。

 …………討鬼伝世界?

 

 

 あ。

 

 

 

 

 

 

 

 思いついたら即実行!

 

 

 皆大好き・イャンクック先生、お願いします! 

 

 

 戦う場所は、遮蔽物の無い平原。空がよく見えるね。

 フロンティアだと、先生も一味違うねぇ。それとも、本気出してきたって事なんだろうか。今回相手をした先生は、行動自体は俺の知ってる先生と変わりなかったが、タフで攻撃がメッチャ重い。

 

 遠距離からチクチクと小突く事数十分。一回、ブシドースタイルでジャスガ→十字払いをやってみたんだが、予想通り上手く当たらず。先端ではなく、ランスの胴体部分が当たるだけでは、充分な威力が発揮できない。

 それどころか…横振りは良かったんだが、縦振りがな…。いつもと同じような調子で切り下したら、先端が地面にぶつかって勢いが削がれた。そーだよなー、武器が長くなって同じような動作してりゃ、そうもなるわ。長武器のランスって、先端部分にしか当たり判定がが無かったと思うが、こんな形で再現せんでもよかろうに。いや、再現したんじゃなくてこっちが本家か?

 

 まぁ、それはともくとして、いい加減鬱陶しくなった先生が、飛んで逃げようとした。…ここだ!

 

 まず体を捻る! 力を貯める! そして!

 

 

 

 飛び上がるッ!

 

 

 鷹襲突!

 

 

 

 

 

 

 

 飛ぼうとするイャンクック先生の頭上を取り、そのまま串刺しィ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 失敗。充分な高さが確保できなかった。と言うか、貯めてる間にクック先生が遥か上空まで飛び上がってしまった。…よくよく考えれば、分かる結果だったなぁ…。

 しかし、それで諦めてしまようでは話にならない。

 

 溜め時間が邪魔なら、別の方法で補うまでよ!

 

 クック先生に追いついて、再度チクチク。飛び上がるのを待つ…来た!

 

 

 今度はこれでどうだ! 長い槍をフルに活かして、これを棒高跳びの棒代わりに!

 

 

 

 

 失敗。ハンターが使うランスって、メッチャ堅くて頑丈だからね。棒高跳びのポールみたいに、しならないのさ。地面に先端が刺さって抜けないランスを前にして、頭を抱えた。飛ぼうとした時に、つっかえ棒になったランスに腹をぶつけたんで、そっちの方が痛かったが。これまたよくよく考えなくても、分かる結果だったなぁ…。

 

 

 

 だが二度や三度の失敗でメゲたりしない!

 三度、クック先生をチクチクする。…先生もさすがに鬱陶しいらしく、めっちゃ怒られた。それでも懲りずにやるけどね。

 

 中々飛ばなかったが、ようやく来た。…なんか、滞空して見守られてるんですけど…。ひょっとして、失敗前提で芸人みたいに思われてる? 流石クック先生、賢いというか器が違うと言うか、モンスターなのにユーモアを理解するとは。今度こそ見てろよ。

 

 

 今度は、長いランスを垂直に全力で突き立てる! そしてハンター的に掟破り、GE的には常識、討鬼伝的には武器により常識のジャンプ!

 ランスの先端…まで足も手も届かなかったんで、ニンジャのように垂直走り。天辺まで辿り着いて、更にジャンプだ! …バーストしてれば、普通に二談ジャンプして天辺まで足が届くな。極長リーチだと厳しいが。

 

 と言う訳で、ようやく先生の頭上を取ったぜ!

 

 

 

 

 

 失敗。飛び上がったはいいけど、武器が無いもんで有効打が与えられません。畏れ多くも、先生の頭の上に着地したら、あっさり振り払われた。地面に落ちていく俺に、「頭を冷やせ」と言わんばかりに火炎液のオマケを吐き出していったよ。火炎なのに冷やせとはこれ如何に。

 

 

 

 今度こそ!

 クック先生も本格的に呆れてきてるみたいだし、それ以前に延々と追いかけてチクチクしてたからダメージも蓄積されてるから、これが最後のチャンス。多分。

 やる事自体に変化はない。先生がそらを飛ぶまで待って、槍を足場に思いっきり飛び上がる。

 

 そしてッ!

 

 

 武器が無くてもッ!

 

 

 鍛え抜かれた体があるわいッ!

 

 

 くらえ渾身の浴びせ蹴りィィィ!!

 

 

 

 ………失敗……いや、成功…? う~ん…とりあえず、叩き落すことには成功した。が、ダメージらしいダメージはない。

 幾ら俺の体が、ハンターな上にゴッドイーターでアラガミでモノノフで以下略ボディでも、質量の差は如何ともし難い。普段は攻撃を受けないタイミングでの一撃で、軽いパニックを起こさせ、バランスを崩して落下させる事はできた。

 ま、逃亡阻止と考えれば、十分な成功ではあるか。

 

 

 とらえず、感謝を込めてクック先生を剥ぎ取りします。

 

 

 

 

 

追記

 

 

 狩りからの帰りに、どこぞの技術者らしい人に声をかけられた。

 クック先生を相手に四苦八苦してたのを見られていたようだ。ちょっと恥ずかしいが、それよりも最後の蹴りの事について彼是と聞かれた。

 一体何を気にしているのやら。

 

 

 

 

HR月

 

 

 ちょっと困った事になった。2番目に人が多いといわれているメゼポルタ広場に行ったんだが、ハンター用の貸し部屋が満室だった。

 一日くらい野宿や、その辺の酒場で一晩明かすのは全く問題ないが(酒に任せてアヤマチを侵さなければだが)、連日こんな感じらしい。

 このメゼポルタ広場は、各メゼポルタ広場に行く為の交易路中心に当たる部分である。このメゼポルタ広場を使わず移動しようと思ったら、かなりの悪路を突き進まなければならない。

 そんな場所だから、人が多いのも仕方ない。が、狩りの拠点としてはイマイチ賑わっている訳ではないので、予算が得られず、貸し部屋の増設は不可能。

 

 

 どうしたもんかなぁ。今回は狩場で一晩ハッスル(エロではない)して帰ってきたけど、毎回となるとちょっとしんどい。

 そう考えていたら、部屋のアイルー達から提案があった。

 

 

 ほうほう、あっちのメゼポルタ広場に知り合いが居ると。そこのアイルー達の棲み処は非常に広く、人間が一人二人いても全く問題にならない。

 

 

 

 …が、ちと人間不信の毛があると…。

 なんだ、お供アイルーやってる間にハンターに虐められでもしたんか。しかし、そういう事なら無理して頼んでくれなくてもいいのよ?

 …そうか。人間不信もそうだけど、なんかややこしい身の上があるって事か。俺がどうこうできる問題かは知らんけども…正宗の親からの頼みだしな。やるだけやってみますかね。

 

 

 ま、それにしたって暫くはここで狩りをするつもりだから、また今度ね。でも、話だけは通しておいてほしい。実際に行って、「お断りニャ」と言われて宿無しになるのはちと辛い。

 

 

 

 

 …ところで、最近ちょっと気になってたんだが…この古龍の遠吠えもかくや、という勢いの叫びは何ぞ? 最初に聞いた時は、それこそモンスターが城壁飛び越えて襲ってきたのかと思ったが、ベテランぽい人達もお前らも全然動揺してないし。

 

 ……狩りのお誘い? 誰でもいいから? 人が足りない時に呼び声を出すって………ちょっと待て、あれ人の声なのか!? 音響兵器と名付けたエシャロットでさえ、あんな大声出せないだろうに。

 三軒両隣のメゼポルタに聞こえる勢いでって、それ冗談に聞こえないよ…。実際、隣のメゼポルタにまでは聞こえてるし。

 

 まぁ、理屈は分からないではないよ? 人数と戦力は二乗するっていうし、ハンター3人と4人では狩りの成功率だって段違い。ちょっと待ったり、無理してでも狩りに行く面子を増やしたいんだろう。

 そして、その最も簡単かつ確実な手立ては声掛けだ。クエストボードに募集を貼り出してても、人が読むとは限らないし、需要と供給が両立する事なんてもっと稀。

 なので、クエストボードでしか見れない人員募集のお知らせより、近場のハンターに声をかけて一緒に来てくれる人を探した方が早い、というのはよく分かる。

 デカい声出して響かせれば、より多くの人に声をかけられるのも分かる。

 

 

 でもその範囲がおかしいだろ…。明らかに、モンスターの咆哮よりハンターの声の方がデカいんだが。

 

 ちゅーか、これってもしかしなくてもMHFで言うワールドチャット? 何ともまぁ、パワフルでグレートで傍迷惑なチャットです事。

 中にはそのワールドチャット(人力)で妙な小芝居をやるハンターも居るらしい。ラジオみたいなノリの奴から、意味不明な自分の世界に浸ってアイタタタタな会話を(武器と)する奴まで。

 

 まぁ、チャットの内容についてどうこう言う気はないが……あまり妙な単語を叫んでいると垢BANならぬギルド闇系で終わりそうだし……、これって大丈夫なのかね、危険的な意味で。

 何も知らない人からすれば、モンスターの遠吠えにしか聞こえないって書いたでしょ? …モンスターからも、同じように思われてるんじゃないですかね。

 つまり「この辺のボスはここに居るぞ、ナワバリ欲しけりゃかかってこい」みたいな意味で。

 

 …度々古龍に襲撃されるとは聞いていたが、ひょっとしなくてもこれが理由か? 普通のモンスターなら、襲撃する前に近寄った時点で狩られて終わりだろうが…。自分達から大型モンスター呼び寄せてるのか。そんで新入りのハンターが戦って、勝ったら自信を付けて鍛えられて、いつしかフロンティアに適応していく…。

 

 うむ、やはり魔境だな。まぁ、これから俺もそれに馴染もうとしている訳だが。いや、いきなり大声って訳じゃないよ。パーティ募集するにしても、俺自身の実力をある程度つけておかないと迷惑かけるからね。

 と言う訳で、今回はドドブランゴに行ってきます。はてさて、どんなドドブラが登場するやら…。

 

 

 

 

 

 

 

 狩り、終了。

 …うーん、あれって…二つ名モンスター…いや二つ名…じゃないよなぁ…。

 狩りに行く前に聞かされた話なんだが、今回のドドブランゴは何処ぞの集落で言い伝えられていた特徴を持つドドブランゴだったらしい。

 その名も『デカイマドリル』。

 

 ……いや…ドドブラじゃねぇよそれ…でも確かにドドブランゴだったし…種族的に似ていると言われれば反論はできんし…。そういや、確かに顔の特徴とか色とかが、ドドブラよりもマンドリルっぽかったような…。そもそもマンドリルの顔なんて正確に覚えてないよ。

 なんだかなぁ…その名の通りマンドリルと考えりゃデカかったが、ドドブラとしてはむしろ小さい方だったし…。正直、今回は拍子抜けだった。

 ま、玉石混交のフロンティアだ。予期せぬ強敵も居れば、見掛け倒しのモンスターだって居るわな。

 

 

 

 ただケツに熱視線を送られていた気がするのだが、まぁ惨殺しておいたんで問題ないな。

 

 

 

 

HR月

 

 

 今日も今日とて、情報収集と狩りの日々。そんな中でふっと思い出したのだが、フロンティアってレジェンドラスタの皆さんの活動拠点じゃなかったっけか?

 少なくとも、ゲームでは携帯機ではなく、フロンティアでの活躍だったと思う。

 …それにしては、今までのループでホイホイ出歩いていたような気もするが…まぁ、そこは現実とゲーム設定の違いって事で。

 

 しかし、あの人達だって活動の拠点が何処かにあるのは確かな筈だ。それが何処かっていうと…やっぱフロンティアが一番ありそうだよな。

 レジェンドラスタの力が、最も求められる場所。彼らであっても全力を出さなければならない場所、出していい場所。フロンティア以外にあり得ない。

 

 

 …のだが、仮にフロンティアで活動してるにしても、メゼポルタ広場が複数あるからなぁ。何処にいるのやら。

 今後、フロンティアで何処までやれるにしても、絶対何処かで面倒事にかかわるハメになるのは目に見えてるんだ。そんな時の為に、頼れる援軍を作っておきたい。

 いきなりレジェンドラスタとは言わないまでも、普通のラスタでもいいから契約はしておくべきだろう。

 

 

 

 

 …と思ってラスタ酒場に行ってみた。実力やハンターランクは問わず、という非常に緩い条件で応募したんだが…一つ考えが変わった。条件追加。

 最低限、契約書をちゃんと読む奴。或いは人の話をちゃんと聞く奴。

 

 

 …ハンターにもピンキリ居るってのは分かってたつもりだけどさ…なんちゅーの、福本モブみたいな連中がフロンティアに居るとは思わなかった。

 タカリ前提と言うか、自分に都合のいい事しか聞いてないと言うか、自分の要望をゴネてりゃ誰かが聞いてくれると思っていると言うか。

 

 意外なのは、その中にも結構腕の立つ奴が居たって事だ。ちょいと話を聞いてみると、そういう連中は大体フロンティア付近の生まれらしい。

 そういう場所で生まれた子供は、その土地の危険度からすぐに他所の場所に送られる(親と一緒に引っ越しする)のだが、孤児になってしまった子供等はそうはいかない。満足な教育も受けられず、しかし迫りくる危険には対処しないといけない。その結果、オツムと性根はサッパリだが、とにかく生き汚いと言うか、生き延びる為の底力だけはやたらとある連中が生まれてしまう訳だ。

 

 うーん、勿体ないなぁ。何とかして纏めて組織にすれば、結構な戦力になるだろうに。まぁ、俺にそんな事できるだけの力はないけどね。

 仮にもギルドマスターやってた時期もあるけど、今は俺も自分の事で忙し

 

 

 

 

 

 

 あれ?

 

 

 あの嬢ちゃん、見覚えあるな…あっちの嬢ちゃん…と、あっちも。何処だっけ…。

 

 

 

 …うん? ああ、申し訳ない。なんか見覚えがあると…いやナンパじゃないよ。美人さん揃いだとは思うけど、このフロンティアでナンパなんかに勤しんでちゃ生き残れないって。

 3人とも、見た所完全に駆け出しだろ。男女や酒より、先に装備整えないと……………お?

 

 

 

 え、君達エシャロット……嬢の知り合い? フロンティアが誇る音響兵器の?

 いや、直接の知り合いじゃないよ…今は。

 

 

 

 あ…あーあーあー、どっかで見覚えがあると思ったら、この子達はエシャロットの同僚か。村を開拓してた時、何度か遊びに来てた覚えがあるわ。…訓練と称して、密林の中で奇襲しまくった覚えも。

 もしもアレを覚えられていたら、色んな意味で気まずい再会になったと思うが…いや、今回だってあんまりいい雰囲気ではないけどね。

 直接会った事もない、彼女達の友人…エシャロットを、いきなり音響兵器扱いしてんだから。しかも、ナンパじゃなくても、見ず知らずの男がずーっと見つめてきていた訳で…場所と状況によっては事案だろうか?

 ちなみに、エシャロットは本日は居ないらしい。訓練所の手続きで何やら抜けがあったのだそうな。

 

 

 と言うか、そうか…考えてみれば、さっき書いたここで育った孤児達の育った姿って、エシャロットに結構当て嵌まるな。

 あまり人の話を聞かない、自分の考えで突っ走る、腕っぷしだけはあるけどハンターとしての教育・知識・技術共に不十分。

 性根がもうちょっと卑屈だったら、アカン人種になってたかもしれんなぁ…。

 

 

 …それは、目の前の3人にも当て嵌まる、か。ふむ…俺がどうこう言う問題じゃない、と言うのは分かってるが…。

 

 

 

 この際ナンパ扱いでもいいから聞いておくけど、君達…エシャロット嬢も含めた4人、これからどうするんだ?

 …ほう、駆け出しとして訓練所を卒業したから、今後はフロンティアで鍛えるか、他所の地区に行って実績を積むかで相談していたと。2人はフロンティアで鍛えたい、1人はそもそもまず独立してやってみたい、そしてエシャロットは別の地区で実績を積みたい。…成程、以前のループでは、このタイミングで開拓の話が来たんだろうな。

 

 

 

 あー、すまんすまん、今更でなんだが、俺はこーゆー者だ。ぶっちゃけ、今のところは君らよりもちょっと先輩のハンターでしかない。 

 何のつもりと言われれば、単にラスタ契約を結べる相手を探していたってだけだ。あんまり高いハードルを設けたつもりはないんだけど、信用できる人に当たらなくてな…。

 装備を見るに、少なくとも何度か狩りをこなした事がある君らが目についたって訳だ。

 

 

 …いや、契約を結んでくれとは言わないよ。欲しいとは思うけど、そっちが俺を信用できんだろ。

 ……あ、そう。信用できないのは確かだけど、エシャロット嬢の音痴っぷりは各所に知れ渡っているから、それを貶したのは気にしなくていいと。君らも結構言うね…。

 

 話を戻すが、取り敢えず俺の連絡先だけ渡しておく。…もうナンパでいいってば。

 袖すり合うのも多生の縁、ハンターは助け合ってナンボ、一期一会ってな。まぁ、何かあった時に相談したり協力要請したりできる先が一つできたと思ってくれ。それこそ信用できない? だったら利用できる先、とでも思っておけ。

 

 じゃ、悪いけど俺はこれで。

 

 

 

 

 

 …さて、どうするかな。俺の連絡先が捨てられてても別に問題は無いが…出来れば持っててほしいものだ。

 やる事もできたしね。

 

 

 

 

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