※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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ふむ…うむ…。




誰かサムライウェスタン×EDF作ってくれねぇかなぁ…。
無双系じゃなくて死にゲー的に。
サムライソウルはプレデターにだって負けないって証明したい。



あれ、それじゃ銀魂系でいけばいいんじゃね?

追記 今気づいたけど、トッツィじゃなくてトッツイか。


第241話

HR月

 

 

 モノブロス亜種については、クエスト待ち。

 資金は…まぁ、そこそこ集まってきたけど、高級な道具の鍛冶をやったらすぐ消える程度だ。これは別にいいか。

 

 さて、トッツィに断りを入れてから、一旦拠点があるメゼポルタ広場に戻る。そして行う事は…。

 

 

 

 猟団の設立だ。

 

 

 ここで、今更ながらに猟団のシステムと、そして俺の目的を説明しておこう。

 まず猟団システムから。MHFのゲームでは、猟団員と専用チャットが出来たり、狩りに行く連れができやすかったり、更にイベント…いわゆる祭りに参加する権利が得られていた。が、言っちゃなんだがそれ以上の事は無かった。

 

 現実の場合だと、一言で「猟団」と言っても様々。何らかの目的をもって集まっている猟団もあれば、成り行きで人が集まっている団もあるし、一か所に定住せずに旅をしているキャラバン隊もある。

 何となく名前だけ猟団を作って、殆ど放置されている団もあるらしい。

 

 所属するのはハンターだけでなく、鍛冶師も居ればコックもオトモも音楽家も居る。場所や目的によっては、もっと専門的だったり珍しい職業についている人が所属する事もある。

 活動の仕方も様々だ。何か有事の際に助け合う、或いは多少の融通を利かせ合うだけの組織もあれば、狩りを共にする仲間を見つける為だけの組織もあるし、組織として資金や資材をプールして猟団員全員の為に共有する組織もある。

 

 

 俺が設立しようとしている組織は三つめだ。

 ただし、猟団員として狙っているのは……他の猟団から拒否されるような、ダメダメハンター達がメインである。

 

 そもそも、このフロンティアには、ハンターとして未熟な者が多すぎる。俺だって人の事を言えた義理ではないが、エシャロットや、先日会った彼女の友人達を初め、一つの武器しか使えず、それも十二分に振るえないハンター。名前ばかりのタカリのようなハンター。孤児の類であるゆえに教育を受けられず、文字すら読めそうにないハンターも居るそうだ。

 恐ろしい事に、ハンターに必須である肉体操作術すらマスターしてない者も多い。俺に言わせると、その状態で、小型であってもモンスターを相手に出来るというのが凄まじいと思うのだが。

 

 正直、勿体ないと思うのだ。危険がどうの、という以前に。

 そりゃ根っから根性が腐ってる奴立っているだろうが、そこまでアカン奴は…まぁ、使い方次第って事で。

 実力不足、資金不足、その他諸々の理由で燻っているハンター達を放置しておくのは、あまりに勿体ない。ある程度鍛えるなり、装備を貸す…のはハンター的にグレーゾーンだから、道具のバックアップを付けたりすれば、もうちょっと先に進めると思うのだ。

 

 

 何で俺がそんな事をするかって? …うん、確かに理屈で言えば、そうやってバックアップしても、俺にはメリットは殆ど無い。むしろタカられるだけタカられて終わる危険の方がずっと高い。

 でも、メゼポルタ全体からすればどうだろう? 戦えるハンターが、それで増えれば。いじけていたハンター達が復帰すれば。ちょっとずつでも、ハンター達の戦力が増えれば。

 

 

 …これまでの経験から考えて、今後、メゼポルタではデカい騒動が起きるだろう。それが、エドワードさんが言っていたようなトッツィ関連の事かは分からないが。

 そんな時、戦えるハンターは一人でも多い方がいい。

 それが俺のメリットだ。上手く行く確立は低いだろうが、このフロンティア全域で何かあったとしたら、俺がどれだけ気張っても足りる筈がない。その時の為、戦力を少しでも増やすのだ。

 

 上手く行けば、クサレイヅチを狩る時に手伝ってくれるかもしれないからね。人海戦術でフルボッコにしてやりたい。

 …これが本命の理由だったんだが、よくよく考えてみりゃアイツの特殊能力に耐えられず、棒立ちになる可能性の方が高かったな。

 

 

 ついでに言うと、危惧した通りにタカリ共にタカられるだけ、となっても、労力以外は大した痛手にならない。死んだら何もかもリセットされるから、いくら損しても問題ないのだ。

 これを悪用すると、借金するだけして豪遊し、取り立てが来たら死んで清算する、と言う事も出来てしまう。…割に合わんから、やらないけどな。 

 

 

 

 

 さて、肝心の猟団だが…設立するだけなら、大した手続きは必要ない。と言うか、ぶっちゃけギルドの許可を得る必要はない。

 何故なら、猟団というのは基本的に、個人が勝手に作ったグループだからだ。そのグループを使って商売するとかいうなら、然るべき場所に届け出を出さなければいけないが、少なくとも今は必要ない。

 デメリットと言えば、祭り…入魂祭等に参加できない事か。ま、これはその時になってから申請すればいいだけだが。

 

 そんな訳で、猟団を名乗ったはいいものの、現在は団長である俺一人のみ。サムネ夫妻を誘ったものの、「めんどいニャ」の一言で断られた。ちくせう。

 

 

 さーて、まずは勧誘から始める訳だが…その辺で燻ってる奴を取り込む為、まずはエサを造らなければいけない。猟団に入るメリットだね。資金とアイテムの共有化。

 アイテムと金の在庫を考えると、養えるのは多くて3人ってところか。流石にこの段階で持ち逃げされると困るから、入団させる人を選ぶか、監視をしておかなきゃいかんな。

 

 現時点で信用できそうで、話に喰い付きそうなレベルの知り合いと言えば、エシャロットと友人の4人組くらい。話は持って行ってみるけど、全員纏めて面倒を見る…というのは無理だな。資材的にアシが出る。

 さりとて、メインターゲットであるとはいえ、そこらのタカリハンターは………ん?

 

 

 

 

 …何だ、今ティンと来たぞ。散歩しながら考えてたんだが……ちょっと戻って。何か気になる奴は…………居た。

 家具屋の近くにある岩に座り込んでいるハンター。…だけど、何で気になったんだ?

 

 ふむ…凄腕なのは間違いない。下手すると俺以上。しかし、覇気の無さが気にかかる。なんだ、女にでもフラれたか。…考えてみると、ループが始まってからはフラれた事がないような。…始まる前? そんなロマンスもなけりゃ、告白する度胸もなかったよ。

 武器は……ライトかヘヴィかは分からないけどボウガンだな。下手しなくてもG級と見た。

 そんな人が一体何やってんだ?

 

 ……あ。服の隙間から見える包帯。あれは…かなり酷いな。よく生きてたってレベルだ。

 と言う事は…まず間違いなく後遺症がある。…そうか、そこまで昇り詰めておきながら、廃業宣言喰らってしまったか…。そら呆然自失になるわ。衝動的に自殺…とまではいかなくても…。

 

 

 

 

 

 ふむ。人の弱みや、心の傷に付け込むようなやり方だが…釣れる、か?

 ………治療の可能性があるのは本当の事だ。これでも一時期は仙人様なんて呼ばれてた身だし、本業の医者とは別口の治療法は幾つか心得ている。

 それにしたって、G級のハンターが引退を余儀なくされるような傷……。可能性はともかく、あまり無責任な事は言えんな。

 そうでなくても、俺みたいな(公式には)新米ハンターが言う事なんぞ、どれだけ信じられるか。…口先三寸、か。エロい言葉攻め以外は苦手なんだけどなぁ。

 

 

 とりあえず、隣に座る。一瞬だけ目を向けられたけど、それも単なる反射で、意識が乗った目じゃなかった。

 ……これから、癒えてもカサブタになってもいない心の傷口をグリグリするのか。ポンポン痛くなってきた。

 

 

 

 ………か、会話の切っ掛け……。

 

 

 

 ……ライトですか。ヘヴィですか。

 

 

 

「………どっちもだった」

 

 

 過去形…。ひ、怯むな!

 医者は何と?

 

 

「…お前には関係ない」

 

 

 はい返す言葉もありません。…なんだけと、ちょっと引っ張らないと…。

 やっぱ俺が口先で信用を得ようって考えが間違いか。

 

 

 …失礼。タマフリ・治癒…。

 

 

「何をしてる……。もう俺に構うな」

 

 

 …腕の傷、塞がってると思うよ。

 

 

「…貴様、俺をそんなに笑いもの…………!?」

 

 

 流石に表面の傷を塞いだだけですが、医者とはちょっと違うやり方でこーゆー事が出来まして。…事情はお体を見て、大凡の所は察しています。

 確約はできかねますが、時間をかければ一縷の望みはあるかと。お年寄りの腰を治した実績もあります。

 

 

「本当…なんだな?」

 

 

 断言できない所も含めて、全て。

 

 

「充分だ! またハンターとして復帰できるなら、何だってやる!」

 

 

 ん? 今、なんでも(ry

 対価は…名義貸し、かな。旅団を設立したんだけど、まだ団員が誰も居なくてね。高名なハンターだとお見受けしたが?

 

 

「これでも、伝説のガンナーなんて言われた身だ。…それで調子に乗って、このザマだがな」

 

 

 …フロンティアでも名が知れてる?

 

 

「業界関係者の間では、己惚れでなければな…。まぁ、俺の名前より、俺が開発した技の方が知られているが。最近では、難しすぎるから簡易的にしたものを研究しているらしい」

 

 

 充分。じゃ、とりあえず今日の治療を出来るだけ進めて、その後に猟団の目的について説明します。ここでは何だから、俺の拠点でいいですか?

 

 

 

 

 

 …そういう事になったのだ。まー随分とトントン拍子に話が進んだな、という感はあるが、まぁそーゆーもんだろう。今までだって、揉め事にせよ誰かとのつながりにせよ、来る時はドバッと押し寄せてきたものだ。

 それだけ、後々厄介な事が待ち構えている、と思った方がいいけども。

 

 

 

 

HR月

 

 

 初の団員の状態だが、とりあえず表面上の傷は治った。が、それだけでハンターに復帰できる訳がない。

 詳しい状態を聞いてみると、思っていた以上に酷かった。特に両足は、常人がこんな傷を受けたらもう歩く事すらできないだろう、ってレベル。と言うか即死だわ即死。

 

 俺としても、ここまで酷い傷は治した事がない。増して、相手はハンターとは言え一応普通の人間だもんなぁ…。

 半ばアラガミと同類と言ってしまえるゴッドイーターなら、外科手術も含めればどうにかなったかもしれんが。

 …ああ、そういや俺は俺でブッた斬られた腕を再生させた事ならあったっけ。まぁ、あれはブラッドレイジ状態で切断面を付けたら勝手に治ったんだが。

 

 ふーむ、別の世界の道具や技術を素人ながらに駆使して、どれ程効果が望めるか。と言うか素人がそこまで高度な治療ができる筈もないんだが、だからと言って「やっぱ無理」と放り出すのは不義理に過ぎる。呆然としているところを、傷を抉ってまで引き込んだのだ。最低限、出来る事は全てやらなければ。

 ま、初日と考えると、表面の傷が治っただけでも充分かな。ちゃんと飯食ってオヤツ喰って夜食食って寝ろよ? 即席で体治してるのは否定できないから、エネルギーが足りなくなるぞ。

 足が治る頃には、家具屋のオッサン並みの体系になってるのも覚悟しといた方がいい。

 

 

 

 

 …具体的にどうやって治すかは、現状では3通り考えている。

 一つ目。オカルトパワーを信じて、長期間ゆっくりと治癒やそれに近い術を施していく事。安全だが、一定以上の効果が出るかは非常に怪しい。

 二つ目。結果的に体が思い通りに動くようになればいい訳だから、自分の体を…そう、まるで操り人形のように、外部からの干渉で動かせるようにする。確実性はこれが最も高いと思うが、要は松葉杖をついて狩りをするようなものだ。手法は多岐にわたるが、技術の習熟に非常に時間がかかるし、体得したとしても何処まで使いこなせるか。

 三つめ。人体改造。ゴッドイーターや触鬼としての『何か』を体に埋め込む。超危険。成功すれば、俺のような色々規格外スペックを持ったハンターが生まれるだろうが、この世界に居る筈のないモンスターが生まれる可能性が非常に高い。そもそも、やり方からして分からないので、俺の髪の毛とか爪とかを喰わせてみる、というカニバリズム一歩手前の真似をしなければならない。と言うか、その方法で相手が人外に変化するのなら、今まで散々に俺の体液を注いできた女性達は、とっくに人外になっている筈である。

 

 …一つ目と二つ目を並行して進めるか。具体的には、本人にも霊力を覚え、自分で自分の治療が出来るようにする。

 また、俺にもあまり馴染みのない技術だったが、タマフリスタイルの「操」…博士が使っていたあのスタイルを応用すれば、式神を操る要領で自分の体を操れるようになるかもしれない。後で実験してみよ。

 

 

 

 さて、治療の事も重要だが、猟団の事だって重要だ。その為に引き込んだんだしな。

 猟団設立の目的を、ループの事を除いて可能な限り話したところ、「正気か?」と大真面目な顔で言われた。まーそりゃねー。戦力にならない奴らを掻き集めて、タカられる前提で猟団を造ろうなんて、まともな考えじゃないわな。

 叩き上げのハンターである彼からすると、受け入れづらい事でもあっただろう。ハンターは体一つで勝負し、自分の実力が全て。仲間に頼る事はあっても、縋る事はありえない。

 

 だが、これも復帰の為の取引だと割り切ってくれた。…できれば、結果を出して「これも一つのハンターの形だ」と思わせてやりたいんだけどね。

 ま、その為には何はともあれ、猟団員を集めなきゃ。相談したのだが、勧誘はトッツィが居るメゼポルタ広場でやるといい、と言われた。何せあそこは人が多いから、それだけ興味を示してくれる人も居るだろう、という考えだ。その分、タチの悪いのも多いんだろうが、そういうのを更生させるのが最大の目的であり手段なんだしね。

 あっちの知り合いに話を通しておいてくれるそうだ。…ただ、その知り合いとやらは立場ある人物らしく、猟団に入る事はできないそうなのだが。

 

 暫く治療の間が空く事になるが、その間は自力でリハビリを頑張るらしい。

 ま、確かに怪し気なオカルトパワーをアテにして、体を訛らせ続けるだけじゃな。今だからこそ、体を動かす事で見えてくるものもある筈…と自分に言い聞かせていた。

 うーむ、流石伝説とまで謳われた(らしい)ガンナー。一度立ち直ると、精神力も非常に強いな。

 

 

 

 

 さて、そんな訳で、手紙を携えてトッツィの居るメゼポルタ広場に戻ってきた。手紙はギルドマスターに預け、適当に一狩行ってからトッツィの元へ。

 …今回の狩りは、白い………ええとその、原種と言うかビッグなだけでノーマルと言うか、その割にはなんか皮がタレてるフルフルだった。文字通り皮が余ってるのにデカい御立派様にしか見えなかったよ…。雷のブレスの白っぽかったし。

 とりあえず、カツレイして縦に叩き斬っておきました。ヒェェェ

 

 

 帰ってきたら、もう夜中。勧誘は明日からだな。………あれ、この足跡…。まぁ、もう立ち去ったみたいだからいいか。

 …お、トッツィ、夜更かしさんだな。猫なのに。

 

 

「猫とアイルーは別物ニャ。どうしたニャ、モノブロス亜種は狩ったのかニャ?」

 

 

 だから寒冷期まで待てって。普通のモノブロスなら、訓練も兼ねていってきたが…亜種は原種に比べてかなり速いんだってな。動きがそのままなら、安全マージンとってりゃ何とかなると思うが…。

 

 

「モンスターを舐めすぎニャ。追い詰められたモスは、時に思いもよらない力を発揮するニャ。…いつだったか、重装備のハンターを一発でリタイアさせたところを見た事があったニャァ…」

 

 

 …都市伝説だと思ってたが、赤いオーラを纏った通称『史上最弱のモス』か…誰が呼んだんだろうなぁ。

 ところで、今日と言うか昨日って誰か尋ねてきた?

 

 

「? 誰も来なかったニャ。お前以外のハンターなんて来ないニャ。来ないでほしいニャ」

 

 

 ふーん。と言うか俺はいいんだな。

 

 

「…モノブロス亜種を狩るならニャ」

 

 

 信頼の前借してる訳だ。責任重大だねぇ…。

 さておき、猟団作ったんだよ、俺。所属してくれてるのは、大怪我して当分リハビリが必要な一人だけなんだけど。

 

 

「そりゃ寂しいと言うか侘しいお話だニャ。言っておくけど、入れって言われてもダメだニャ。モノブロス亜種どころか、アカムトルムを狩ってもダメだニャ」

 

 

 あらそう、それは残念。

 

 

「…絶対に、あの方が輝きを取り戻すまでは…」

 

 

 ……あの方、ね。ふむ。

 

 

 

 

HR月

 

 

 朝。勧誘に行こうとして、洞窟の外に出ると、特徴的な足跡を発見した。いや特徴的っつったって、鷹の目でなきゃ普通に見落とすし、見ても俺以外にはまず判別できないと思うが。

 ついでに言うと、俺だって足跡だけ見ても、その人の特徴を把握する事は難しい。分かるのは、歩幅から予測する体格と装備と性格と大雑把な戦闘力くらいだ。…意外と分かるな。

 

 まぁ、今回の靴跡についてはよく知っている相手のものだったから、すぐに分かっただけだ。

 

 

 フローラさんだ。以前のループでは、フラウさん共々ネチャネチョしまくった相手だもの。一発で分かるよ。ちなみに足の指の間や踵の味もよく覚えています。

 

 …思い出したらムラっとしてきたが、この辺には水商売のオネーさんすら居ないんだよなぁ…。狩りの後で滾ったハンターのお相手とか、絶対需要があると思うんだけどなぁ…やっぱ最前線だから、危険すぎるのか…。

 まぁとにかく、昨晩もそうだった。あれはフローラさんの足跡じゃなかったが、歩調からしてかなりの実力者だと思う。

 …というかもうぶっちゃけて言ってしまうが、レジェンドラスタが度々この洞窟に訪れているんじゃないか? 洞窟の中まで入りはしないようだけども。

 

 で。

 

 

「やぁ」

 

 

 今度はエドワードさんね。よく会いますな。

 

 

「まだ二度目だし、どっちも君に会いに来たんだけどね」

 

 

 ………ケツを抑えるべきか、見せつけられないように目を覆うべきか…。

 

 

「どちらでも構わないが、耳と口は自由にしておいてくれ。…少し、話がしたいんだ。散歩がてら、一緒にあるかないかい? …ここで僕と話しているのをトッツィにみられると、後が面倒………ああ、遅かったか」

 

 

 トッツィ? 気になるんなら、洞窟の外に出て来いよ。

 と言うか、お前エドワードさんと面識あんの? なんか険悪な仲っぽいけど…。

 

 

 呼びかけてみるが、トッツィは動かない。…動けない? すぐにでも踵を返したいようだが、最期の最後でとどまっている…のかな?

 いや、それとも信じかけた矢先に裏切られたと思って、ショックで自失したか?

 

 

「彼に気付かれたのであれば、もう直接この場で聞いてしまうが…僕は君に忠告した筈だ。災厄が訪れる前に、彼らに手を貸すのを辞めろと。何故、彼らに入れ込むのかね?」

 

 

 アイルーにちょっと手を貸したくらいで、何が起きるっつーんすか。そもそも入れ込むも何も、「信用してほしければモノブロス亜種を狩れ」って言われた程度ですが?

 と言うかトッツィ動かない。どうしよ。

 

 

「……今日、僕がここに来たのは、知人からの手紙を受け取ったからだ。そう、君の猟団に入った、伝説のガンナーと謳われた彼だよ。彼が、何を相手にして引退を余儀なくされたのか知らないのかい? …いや、知らないだろうね。語りたい事ではないのだから」

 

 

 その口ぶりからして、モノブロス亜種…か。妙な因縁が出来上がってるな。

 だが、それで引き下がるのがハンターの本懐とでも? それに、以前に忠告を受けたのは事実だが、それをどうするか決めるのは俺自身。エドワードさんだって、俺に命令や指図できる理屈はないと自分から認めた筈だ。

 

 

「確かにそうだ。だが、指図する権利はなくとも、このメゼポルタの、フロンティアの住人として、未曽有の事態を事前に防ごうとする権利はある。レジェンドラスタとしての義務もある。その上で聞きたい。君は、何故彼らに入れ込もうとするのかね? 君が設立しようとしている猟団とて、この為だろう」

 

 

 

 

 

 

 

 …はい?

 

「とぼけなくていい。彼からの手紙に書かれていたよ。いざと言う時の為、燻っているハンター達をもう一度立ち上がらせようというのだろう? …立派な事だ。その志を持つだけでも、結果がついてこなくても」

 

 

 いやその最初っから失敗するような前提で話されても。無理はないと理解はしてるんだけど。

 

 

「彼らと……彼女の為に、力を砕く。それはいい。僕らにも止める権利はないし、応援したいとさえ思う。位高ければ徳高きを要す。本来、僕が担うべき役割でさえある。だが、それに伴うリスクは大きすぎ、数多の人に降りかかるだろう。だからこそ、その中心となっている君に聞きたい。災厄が訪れる事を知っていて、何故彼らに手を貸すのかね?」

 

 

 …あのー…だから、トッツィ達に手を貸しても、それで何が起こるとは考えてないんですけど…。

 

 

「…む? 確かに先程も、そう言っていたが…では、何故猟団を? 彼らに手を貸す事で巻き起こる、災厄に対抗する為なのだろう? とぼけなくていい。彼からの手紙に書かれていたよ。いざと言う時の為、燻っているハンター達をもう一度立ち上がらせようと………(ry」

 

 

 

 

 

 

 

 …閑話休題。ぬぅ、この人話が通じるような通じないような…。話している間に、トッツィも辛うじて立ち直ったようだ。

 で、丸3時間くらい、同じような堂々巡りを繰り返して。

 

 

 

「成程。どうにも話が噛み合わないと思ったら、そういう事か。君は彼らと彼女に関係なく、このメゼポルタに大きな何かが起こると考えているのだね」

 

 

 ええまぁそーゆー事です。たったこれだけを分かってもらう為だけに、えらい時間食ったなぁ…。なんかエドワードさん、GE世界のエミールに通じるところがあるような気がする。何度も同じ道を繰り返し通っても、全く疑問にも負担にも思わない辺りが。と言うか一言一句を何度繰り返した事か。仕舞にはトッツィの視線が、呆れに替っていた。…まぁ、それでちゃんと話ができるほど冷静になったと思えばな…。ワザとかな?

 

 

「ならば、尚の事問わなければなるまい。何故、君はそのような猟団を立ち上げようとする? そこまで災厄到来の確信を抱かせるのは、一体何なのかね?」

 

 

 …何、と言われてもな…。これまでのループの体験談でしかない。

 しかし、それを説明する事も証明する事も不可能だ。ならば…。

 

 

 最近、あちこちでモンスター達に異常が起こっている、と言う話は聞いた事がありますか? 有名どころで言えば、狂竜症の蔓延、異常な行動をとるモンスター達の噂、その他諸々。

 よくある事と言ってしまえばそれまでです。モンスターの行動は人間には理解できませんから。

 

 だけど……胸騒ぎがします。俺だけじゃない。漠然とした不安を何年も前から感じている人も居ます。…とあるギルドナイトも、その不安をずっと抱えていました。

 

 

「だから、大きな異変が起こると? …申し訳ないが、それは根拠にはならないよ」

 

 

 ええ、分かってます。所詮、これは俺一人の感想、予感でしかない。だけど、どうやったって確信を崩す事ができない程、俺はこの予感を信じてしまっている。

 だから、無駄になればいいと思っていますが、その為に猟団を作ります。

 

 

「…そうか。繰り返すが、僕には君に指図する権利はない。だが、やはり忠告させてもらおう。猟団の事はともかく、彼らに深入りするのは止めておきたまえ。……引退を余儀なくされたハンターになる前に」

 

 

 

 …そう言って、エドワードさんは去っていった。残されたのは、俺とトッツィ。…気まずいな。

 トッツィから物凄く視線を感じる。どうするつもりだ、と問われているようだ。

 

 

 …どうもこうもないけどな。モノブロス亜種は、依頼を見つけたら狩るだけだ。これはトッツィからの頼みではなく、俺が一ハンターとして狩るだけだ。

 エドワードさんの言葉も、ウチの団員の因縁も、トッツィの信用も関係なしに。

 

 と言う訳でトッツィ、現状維持のままでいいな? モノブロス亜種を狩ったら、俺を信用するっての。信用信頼がそんな取引で出来上がるとは思ってないが。

 

 

「そ…そうニャ。それくらいのハンターじゃないと、信じられないニャ」

 

 

 目が泳いでいる。自分が出した条件が、思った以上に危険だったからだろうか? 無駄な意地を張ってるなぁ…。それで死者が出たら救われないが。

 さて、とりあえず勧誘行ってくるか。モノブロス亜種に関しては、とりあえずアイツに話を聞いてからだな。仇討ちって訳でもないけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 勧誘は…どうなんだろうな、これ。条件が都合よすぎて、信用できないんだろうか?

 俺が本気だって事と、実際にアイテムのバックアップをする事は信じられていると思う。実際、今日だって勧誘して「いいよ旅団に入るよ」と(ニヤけ顔を隠せてない)明らかなタカリ野郎にも、回復薬とかを惜しげもなく渡したりしていた。

 正直、「こいつチョロイ」みたいな目で見られたりするのはムカつくが、これも撒き餌の一環だ。

 

 

 

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