そこらのモブでも超強化されてるのが居るし、朧・追撃を成功させても倒れないから追い打ちもできない。
気力ダメージの問題かな?
強者の道に入った時以上のカルチャーギャップだなぁ…。
勘違いかもしれませんが、強化モブは一度倒せば、次に週からは普通のモブになるっぽい?
それでも強いけど。
そして最大の問題は、レベルアップの為の必要アムリタ上限が上がった事。
強者の転でも、1回のレベルアップに12~3回…。
修羅の道の東国無双が約100万アムリタだったから、強者の転1回分か。
この分だと、修羅の転を回せるようになったとしてもどれだけかかるやら…。
とりあえずレベル上げよりも、装備強化かな…。
HR月
リンクバースト現象、ベリヰヌ以外でも発生した。デンナーでもコーヅィでも、ヒマしてた猟団員でもだ。ただ、軒並みブーストの効率は良くない。多少は霊力が強くなりもしたが、その程度だ。こりゃ単に、注ぎ込まれたエネルギーが体を強化しているだけっぽいな。うーむ、アラガミ因子は関係ないのかな?
ちなみにデンナーからは、「こんな方法があるなら、もっと早く思いついてほしかった」と言われたが、後の祭りである。言い出したらキリがないしね。
…そうそう、このセリフからも分かるように、デンナーが霊力の存在を、ほぼ安定して認識できるようになった。しかもどういう訳か、そのコントロールも(初心者にしてはだが)かなりのものだ。
そんなデンナーにリンクバーストをブチ込んだ結果、2~3日練習すればタマフリを発動させる事もできるんじゃないか、と思うくらいの上達速度だった。
…が、俺はようやくここで、非常に根本的な問題があった事に気が付いた。
タマフリってミタマが無けりゃできねーよ。
…いやホントどうしよ…。確かにミタマ無しでも多少は効果がある術はあるよ。でも回復効果なんてスズメの涙以下。少なくとも足をどうこうする事はできそうにない。
肉体強化はどうだ? …ダメだ、あれは基本的に普段使われていない力を引っ張り出すものであって、動かない手足を強引に動かせるようなものじゃない。
身に着けた霊力は無駄にはならんと思うが、有効にする為の段取りが…。
いやあるんだよ? 物凄く単純かつ手っ取り早い手段がさ。でもやだよ俺。前にもやったけど、やられた方がひどい事になったじゃん。
すっかり存在を忘れ去られていた(と言うか無視しきっていた)のっぺら共をデンナーにつけるなんて。前に憑かせた奴、ロクに眠れなくなったもんなぁ…。あれから随分立って、のっぺら連中のウザさは物凄くパワーアップしてしまっている。デンナーでも正気で居られるかどうか…。
と言うか、そろそろ一度、のっぺら達を直視するべきだろうか。スッゲェ嫌だ。生理的嫌悪がパない。無数の蟲が蠢く穴に突貫しろって言われても、これ程の嫌悪は感じないだろう。
…よくよく考えてみれば、そこまで嫌なのも不思議だな。ウザさが凝縮されてドロドロに煮込まれてるとは言え、結局のところあいつらには何もできんのだし。
他の人にとってはともかく、俺にとっては自分で自分の内臓を覗き込んでいるようなものだからか?
ふーむ……もうちっと考えてみるか。どっちにしろ、タマフリするにはもうちょっと訓練を重ねなければいけない。それまでに何か方法があればそれで良し。のっぺら達にも目を向けない。いよいよダメとなったら………本人に了承は得るべきかなぁ…。
そうそう、話は変わるが、一つめでたい事があった。と言っても、まだ確定した訳ではないんだが。
コーヅィの上級ハンター昇格が、本格的に近付いてきたのだ。G級が当然のフロンティアで、上級に上がりそうな程度でそんなに喜んでも…という意見もあるかもしれないが、フロンティアでの上級昇格=他所での上級終盤と考えると、結構な戦果だと言うのは分かるだろう。しかも、多少の下積みがあったとは言え、コーヅィが真面目に狩りを始めてから一か月も経っていないのだ。
で、その事について、猟団員数名と飯食ってた時の事だが。
「…でも、実際ちょっと早すぎません?」
ん? どした、ヨシミ?
「いや…その、コーヅイさんが真面目に狩りをするようになったのは知ってますし、何度も一緒に行きましたけど…コーヅイさん以外にそういう話が全然出てこないのは、おかしくないかなーって…」
要するに、コーヅイばっかりズルイ? 自分も上級になりたいと?
「それは…………そうは思いますけど、上級って事はもっと危ないモンスターが沢山出てくるんですよね? どっちかと言うと怖いです…」
フロンティアでは、下位でも偶にG級相当が出てくるけどな…。まぁ、上位ハンターになれば、その分強いモンスターと当たる事が多いのは事実か。
上に上がっていくだけがハンター人生じゃないし、別の今のままでもいいけどね。…でも長く続けられる仕事じゃないんだよなぁ…。教官みたいに、歳喰っても現役でいられる人がどれだけ居るやら。
「デンナーさんも、復帰できるかどうかって状態ですしね」
「実際…どうなんですかいの? 歩けるようになりつつある…とは…聞いとりますが」
ハンターとして復帰するには、まだ時間がかかりそう。だけど、日常生活なら…ってところだな。たった一か月でそこまで回復するんだから、やっぱハンターって凄いわ。
「団長が使っている、妙な癒しの力の結果では?」
あそこまで効果は高くねーよ。やっぱり本人の生命力あってのものだし。
「それでも……あの能力は…オイシイ…魅惑的…! 医者にでもなれば……元手無しで…大儲けっ……左団扇っ…!」
「左団扇とまでは行かなくても、あると支出が抑えられるんだよなぁ…。外傷の手当てに使う道具が要らないだけでも、どれだけ楽になるか…。でも、習得できるんですかね、唐揚げにレモンかけるか?」
「前に団長に聞いたら、何もせずに何時間もじーっとしてなきゃいけないって言ってたぞ。あ、俺レモンはパス。後で被り付くけど」
「ああ…それは…ヨシミには無理っ…。ランゴスタに…飛ぶなと言うようなもの…! ビールお代わりっ…!」
「否定はしないけど、俺だって真面目にやる時はあるんだぞ…。あんまり長続きしないけど…。俺もレモンはいいや。むしろ皮の方を食べたい」
治療自体は順調だけど、習得に関してはちょいと問題が発覚してな。どうにかしようと頭を捻ってるんだよ。
まあ、習得ができなくても、俺が最後まで治療を続ければいいんだけど。
パセリも美味いぞ。
話が逸れたけど、コーヅイ大丈夫かね。臆病と紙一重なくらい慎重なのは、ハンターとして得難い素質だと思うが、それだけじゃやっていけないからな…。
それに、上位ハンターになるには試験があるだろ。何が相手だろうなぁ…ダイミョウザザミかショウグンギザミか、シェンガオレンか…。いや、大物ばかりじゃなくて普通のザザミを何十匹も狩るとか、意表をついてモンスターじゃなく生態系維持の為に、カニを育てるとか?
「その熱い甲殻類押しはなんですかいの? …カニ鍋ってこの店あったか?」
「刺身ならあるけど、カニは無いな」
個人的な事情で、ラオシャンロンが来てほしいんだけどなー。2体ほど。
「また…防衛戦…! 数の力で…!」
「でもコーヅイさんの試験なんだろ? 猟団で袋叩きって、それいいのか?」
「と言うか防衛戦が試験になるか?」
「そう言えば……上位ハンター昇格が考えられている話を聞いた時、コーヅイさんが『ようやく戻って来たか…』って呟いてたけど」
戻って来た?
「…なんだよ、お前らあの人の事、全然知らないんだな」
あん? …お前、確か…コーヅイに度々つっかかってた、オジ専ホモ種じゃないか。
「誰がだ! 初対面でいきなり名誉棄損してんじゃねえよ! お前らも真に受けて引いてんじゃない!」
いやだってよぉ、防衛戦後の宴会でも、酒も飲まずにコーヅィにちょっかい出してたし、後で聞いたら度々突っかかってくるって言うし。
こりゃ、気があるけど世間体とか照れくささとかで素直になれずに、ついちょっかい出してしまうガキンチョみたいな恋愛弱者だと思うじゃん。
「思わねえよ…! ったく、タカリハンター共の頭だけあって、ロクな事考えてねえ…!」
褒めてくれてありがとう!
「………!!!! …もういい、帰る」
まぁまぁ、待ちんさい。ホモ呼ばわりは謝罪するが、なんか用事があったんじゃねーの? 意味もなく俺らに話しかけにはこないでしょ、アンタ。
「…別に。隣で物知らずな話してたから、つい首を突っ込んじまっただけだ」
物知らず? コーヅィの事を知らないって事か。
「そうだよ。…あの人、元は上級ハンターだったんだぞ。しかも、今じゃなくて昔の制度でな」
昔?
「ああ…団長はその頃のフロンティアの事は知らないんでしたの。今でこそハンターランクは1~7で簡潔になっとりますが、以前はもっと細かく区分されとったんです。確か…1~30が下位ハンター、それ以上が上位ハンターじゃったか」
「あの頃は、今と違って使える技術や技も、もっと少なかったからなぁ…。今だって、俺らに使えるようなのは少ないけど」
ああ…ゲームで言えば、大型アップデート前の制度って事か。具体的にどのアップデートの事なのかは分からないけど。
要するに、コーヅィはああ見えて、今よりずっと厳しい状況でハンターやって、認められたくらいの大物だったって事か。ちょっと信じられないが……でも動きは結構悪くないし、ギルドマスターにも名前を憶えられてたくらいだし。
「へぇ、そいつは俺も知らなかったな。まぁ…あの人に助けられた、ってハンターは結構いるし、不思議じゃないか」
助けられた?
「ああ。俺もその一人だ。…まだ駆け出しの頃にバカやってさ。クエストが終わった帰りに、フルフルに襲われたんだ。目も見えないし、基本的に動きが鈍い奴だからって甘く見て…。クエスト中じゃないから、回収してくれるアイルーも居ない。回復薬も無かったし、それ以前に痺れて動けなくなってた」
そりゃまた絶体絶命…。確かにフルフルは、見てるだけだとそんなに厄介には思えないからな。洞窟の中とかに居ると、面倒くささが跳ね上がるが。
「そういう事だな…。動くに動けずに、もう食われて死んじまうのかって思った時、あの人が飛び込んできたんだよ。まぁ、恰好いいなんて言えないやり方だったけどな。その辺の石とか消臭玉とか、罠にもかかってないのに麻酔玉とか、とにかく手当たり次第に投げつけて気を引いてた。その間に、俺は何とか動けるようになって逃げられたんだよ。礼を言いたかったんだけど、クエストに行く途中だったらしいし、俺もフルフルから逃げ切るので精一杯だった」
ほうほう。で、それが切っ掛けで…(オジ専に)…いや何でも無い。
「…くだらねぇ事口にしたら、絶対ぶっ飛ばすからな…。その後療養して、その時のハンターが誰だったのか探して…一か月くらいだったかな。それらしい人の居場所を探し当てた時に、色んな話を聞いたよ。華やかなもんじゃないが、地道にコツコツやってきて、遂には上位にまでなったハンター。俺みたいに助けられた、って人は沢山いて、それさえ無ければもっと早く上位ハンターになれたって噂だった」
コーヅィがねぇ…。ま、お人好しだし、目の前で困ってる人がいたら、ついつい手を出してしまうのは、今も変わってないけど。それで?
「言っちゃなんだけど、憧れた。俺もそんなハンターになろうって思った。…それで、礼を言いに行ったんだ…。確かにその時のハンターだった。あの時、フルフルの攻撃を避け損ねて受けた傷と同じ跡もあった。ハッキリ断言できる。あれはコーヅィさんだった。でも、再開した時のあの人は、噂とは全然違った。毎日毎日酒に溺れて、狩りになんか行きやしない。…幻滅したよ」
「そんな、勝手に期待されて勝手に見放されても…」
「ああ、それは分かるさ。俺が勝手に夢見て、憧れて勘違いしただけだ。でも、当時の俺は我慢できなかった。憧れがひっくり返って、礼を言う気すら無くなっちまった」
コーヅィが真面目にコツコツやってたのは事実なんだろ? どうしてそんな事になった。
「わかんねぇよ。知ろうとも思わなかった。…だけど、どっかでずーっとそれが引っ掛かってて…この前の防衛戦で、真面目に戦ってるのを見て本当に驚いた。…正直、今更って思ったけどな。割り切れた訳じゃないし、お前らのやり方は嫌いだ。ハンターってのは自分の力でのし上がっていくもんだ。…でも、今まで怠けてた奴が、それを取り戻そうと頑張ってる事まで否定するつもりはない。だから……あー…あの人を支えてやってくれ。そんだけだ」
一度だけ軽く頭を下げて、そそくさと去っていった。
「…何だったんだ?」
「さぁ…。でもコーヅィさんに何があったかは、ちょっと気になるな」
詮索してやるな。モチベーションに問題が出ると困る時期だしな。
にしても…一方的にコーヅィについて語っていったな。感謝、幻滅、批判と来て、結局気になって仕方ない、と。
やっぱりオジ専のホモじゃないか。しかもツンデレと来た。オジ専ツンデレ種。
…ところで、あれが誰か知ってるか?
「あー…ベテランのハンターで、G級も近いって話は聞いた事あるけど、名前までは…」
「G級間近など……フロンティアでは珍しくもない…! が…俺達にとっては…遥か彼方の話…!」
「あんま威張れた話じゃないけど…。まぁ、ハンターやっていくつもりなら、やっぱり上位までは行かなきゃ安定しないだろうなぁ。上位ハンターの装備で、下位の安全なクエストをして暮らすのが理想かな」
「他所の土地に引っ越すのは博打だしな。どんなモンスターが居て、どんな土地なのか、施設が整っているのか。よさそうな所は、大抵他のハンターが居るしなぁ…」
そうか……あ、メニューにカニカマある。
話し方でお察しでしょうが、ヨシミその他は福本モブをイメージしています。