※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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本日で連続更新は終了となります。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
連続更新中にも誤字しましたが、お突き合いの文字が変換して即出てくる俺のPCって…。

次回の更新は、5/11の17時の予定です。


第255話

HR月

 

 

 俺達がメゼポルタ広場に戻って来た時、既に通常ラオシャンロンの撃退は完了していた。流石である。

 ま、数は揃ってたし、今回はG級とかレジェンドラスタも出張ったみたいだからね。こっちに参加していた猟団員の証言によると、「ラオシャンロンが可哀そうに思えてくるくらい」だったそうだ。数歩歩いてはダウンし、起き上がって歩いてはダウンし、ダウン、ダウン、ダウン…。砦前まで辿り着き、最期の力を振り絞って立ち上がれず、力なく一啼きして倒れ伏すラオシャンロンを見て、「もう、ゴールしてもいいよね…」との声が聞こえたとか。だが残念、実際には砦の手前で倒れたんで、ゴールは出来てないです。

 

 とりあえず、撃退成功って事で宴会の始まりである。既に出来上がっている方々が、広場中で騒いでいる。ウチの猟団員も騒いでるが………俺の報酬、また吹っ飛ぶなぁ…。まぁいいけども。

 あっちこっちで大酒かっくらい、武勇伝を語る者が多数。狂走ラオシャンロンなんてイミフな代物が来たんだからな。そりゃ話を聞きたくなるのも無理はない。

 

 ちなみに、そんな大騒ぎの中で俺はと言うと…名も知らない方々に、モミクチャにされております。別に意味深な訳じゃない。

 鬼返で多大な被害を被った方々に、「もうちょっと考えて行動しろ」と説教されております。

 まぁ、説教と言うか苦情は一言二言程度で、殆どの人が「あれはどうやったのか」「自分達にも出来るのか」「他のモンスターにも使えるのか」と、好奇心丸出しで質問に移る。身の安全とかよりも好奇心優先な辺り、実にハンターである。

 

 俺は俺で正直に答えてはいるが、霊力なんて言われて面喰ったり、馬鹿にされていると思うハンターも居る。ま、信じる信じないは君達次第。俺は聞かれた事に答えてるだけだ。

 

 

 

 ハンター達に酔いが回ってきて、俺は解放された。フラフラと飲み歩いていると、見知った顔を発見。

 エシャロットを始めとした、仲良しハンター4人組……と、ミーシャとマオか。

 

 おいーす、無事だったようで何より。

 

 

「あんまり無事とは言えない気もするけどね…。まさか本当にラオシャンロンをひっくり返すとは思わなかったわ」

 

「あ、いつだったかの人!」

 

 

 えらい抽象的な物言いだな。久しぶりだねぇ。覚えていてくれたよーで有難い。

 

 

「…あの、言っておきますけど、この子がこういう言い方する時って、忘れたのを誤魔化そうとしているんですよ。私は覚えてますけど。連絡先もまだ持ってますし」

 

 

 さいですか…まぁ、一人だけでも覚えててくれたのは本当に嬉しいね。

 ともあれ、改めて自己紹介。猟団の頭をやってます。タカリ集団一歩手前…いや、ようやく一歩脱却できた程度の猟団だけどね。

 

 

「噂は聞いています…。あの時、貴方についていくのも面白かったかもしれませんね」

 

 

 入団希望自体は、いつでも受け付けてるよ。…それとも、ストライカーに入るのか?

 

 

「それも考えはしたんですけど、残念ながら…」

 

 

 入団試験に落ちた…と言うよりは、資格無し、か。ミーシャ、要するにそういう事?

 

 

「そうね。彼女達の腕は、こっちから頼んで入ってもらいたいくらいなんだけど、猟団の理念がね…。その理念は明かせないんだけど、これから徐々に状況は変わっていくと思うわ。…変えようとしている人が、目の前に居るしね」

 

 

 結果的に変わるかもしれないってだけだがね。そうできるようにあれこれやってるのは否定しない。…効率は悪いけど…。

 

 

「よく分からないですけど…そう言えば、あのラオシャンロンをひっくり返したのって、何だったんですか?」

 

 

 さっきからその質問ばっかりされてるが…鬼返って技だよ。もうちょっと詳しく言うと、「鬼の手」を使った技で、鬼の手と言うのは霊力を操って使うもので…。

 …うん、怪しい事言ってる自覚はあるから、その目は止めてくれないかな。

 マオ、ミーシャ、何とか言ってやってくれ。

 

 

「実際怪しいからねぇ…。私だって、最初にあなたが怪我を治す所を見てなかったら眉唾って感じただろうし」

 

「百聞は一見に如かず、と言うだろう。実物を見せればいいんじゃないか? 実の所、私も気になって仕方なくてな! ミーシャやエシャロット達の話だと、あの巨体が宙を舞ってひっくり返ったそうじゃないか!」

 

 

 見せる…ああ、その手があったか。さっきの時もそうしとけば良かったんだな。まぁ、そうしていたら、今も捕まってアレコレ聞かれっぱなしだろうけど。

 そんなら…ほい、鬼の手発動。

 

 ミーシャ達が囲んでいるテーブルの上に、大きな半透明の手が現れる。

 おお、と驚く声。

 

 

「これが鬼の手…。触っても噛みつかない?」

 

 

 俺が噛もうと思わなければ大丈夫だよ。

 

 

「そこはかとない不安があるな…。ふむ……触れる事は出来るが、物を触っていると言うより、粘度の高い水をまさぐっているような感覚だ。これで、どうやってラオシャンロンを?」

 

 

 普段はこんな状態だけど、俺が意識したら…よっと。近くのテーブルから、鬼の手で皿を取って来た。

 

 

「おお、便利だな。何かに触れさせようとした時だけ、実体を持つと言う事か? しかも大きさや形も変えられる。これでラオシャンロンの足を掴んでコケさせたのか…」

 

 

 流石にコレだけでひっくり返すのは無理だからな? 重心を上手く崩してやって、自分の力を空回りさせたんだよ。ハンターの基本技術の一つにあるだろ、ガードとかの時にモンスターの力を受け流す奴が。アレをもっと攻撃的に使ったんだ。

 

 

「多少は人間相手の武術にも心得があるし、言っている事は分からないではないが…。そこまでやれるものか…いや、巨体だからこそやりやすかったのか? 傍目にもバランスが悪そうな走り方だったとは聞いているし」

 

「そう言えば、これを伸ばしてすごい速さで移動してましたね」

 

「走るだけでも、下手なモンスターより早かった気が…」

 

 

 ありゃ鬼疾風って言って、鬼の手とは関係ないぞ。鬼の手よりずっと難易度も低いし。マオも出来るんじゃないか?

 

 

「マオさん? え、マオさんこの胡散臭い力使えるんですか?」

 

「あー…まぁ、練習を始めたばかりだが、こういう力があるって事は自覚しているぞ。曰く、本来なら誰でも持っている力だが、必要が無いから使われないし自覚もしない。そうしてどんどん廃れていったとか」

 

「必要ないって、それフロンティアのモンスターを相手にして言えますか…? どんな力でも、あるなら使わないとやっていけないでしょ、ここ…」

 

「うーん…変な感触…」

 

「あ、次は俺が触るからな!」

 

「私も私も。うわ、本当に変なカンジ」

 

「あっ、抜け駆けするな! 団長、次は猟団員の俺らが触っていいっすよね!?」

 

 

 

 ……お前ら、いつの間に…。いやこんな人のド真ん中で鬼の手見せれば、そりゃ注目もされるか。もういいから。分かったわかった。

 全員一度に触れればいいんだろ? ほれ、伸び~る伸び~るストップ!

 

 鬼葬使用時の、槍形状になって動きを止めた。触るなら今のうちに触れよー。言っとくけどコレ、長時間保たせるようなもんじゃないんだからな。

 

 

「…いやあの団長、触るのはいいんですけど……なんすかこの形」

 

 

 何って………特に意味は無いぞ。ただ、出来る限り伸ばして行ったらこんなんなっただけで。…まぁ、確かにストレッチマンが限界に挑戦しちゃったような形になったけど。

 形を上手くイメージ出来てないんだな。俺もまだまだか…。

 

 

「いやもう触るのはこの際どうでもいいです!これ、俺にも出来るんですよね?」

 

 

 ヨシミ…前に同じ事聞いただろ。これをやろうと思ったら、長い事訓練しなけりゃいかんのよ。それも退屈だったり、ただ只管に辛かったりする奴を。

 お前嫌だって言ったじゃないか。

 

 

「そりゃそうですけど…ほら、何か新しい方法とかないですかね? デンナーさんとか、なんかいい感じだって聞きましたけど」

 

 

 あいつはハンター復帰の為の情熱が桁外れだったからなぁ…。稀に生まれつき下地を持ってるような奴ならもうちょっと早いかもしれんが、

 ちなみにその下地を持ってる奴でも、ここまで出来るようになるかは俺にも分からん。本来なら専用の道具が必要なんだ。俺は特異体質に加えて、みっちり使い方を練習したからできるけど。

 

 

「そうなんですか……や、やっぱりやめときます…」

 

 

 そうしとけ。普通に考えれば、狩りの腕を磨いた方が収入は上がるからな。希望者が居ればやり方だけは教えるよ、団員であろうとなかろうと。

 ま、聞いて試すだけ試して、すぐ止めるのがオチだと思うが…

 

 

 あん?

 

 

「やっほー!」

 

 

 おっとフラウ、酔っぱらってんなー。こっちで戦ってたんだって? お疲れ様。

 お、リアも居るのか。…随分呑んだな。

 

 

「戦うって言っても、いつものラオシャンロンだったから、つまんなかったなぁ。走るラオシャンロンって、どんなカンジだった?」

 

「どーも。ったく、アタシもそっちに行こうとしたってのに…。聞いたぜ、なんかやらかしたって?」

 

 

 …リアの口調が戦闘モードだ。どうやら、酔っぱらってバトルジャンキーモードに入り始めているらしい。

 鬼の手を囲っていたハンター達が、そそくさと離れ始める。どうやらリアに恐れをなしているらしい。…まぁ、タカリじゃなくてもあの変貌ぶりはショックだったろうな。

 フラウに抱き着かれている事で殺気立っていたハンター達が、そそくさと離れていく。ふむ、恐れをなして逃げるようではファンとしては二流だな。

 残ったのはストライカーの面々と、エシャロット達4人組のみ。

 

 

 やらかしたのは事実だなぁ。大地震が起きたし。

 

 

「…コーヅィさんが話してくれてはいましたが、まさか本当にラオシャンロンが宙を舞うとは…」

 

「はははっ、いいぞいいぞ! アタシはそういう無茶が大好きなんだよ! 戦場なんだから派手に行かないとなぁ!」

 

 

 実に嬉しそうに笑うリア。…こりゃ大分欲求不満が溜まってるみたいだなぁ。こっちのラオが期待外れだったからか?

 後で解消させてやらないとな(ゲス顔)

 

 

「それで、さっき出してたのがラオシャンロンをひっくり返したっていう手? ボクにも触らせて!」

 

 

 はいはい。ほれ。あんまり長く顕現は「チェストぉ!」おおおおおお!?!??

 

 

「ちょっ、いきなり何やってるんですかリアさん!」

 

「いやいきなりモンスターが出てきたからつい」

 

「モンスターじゃないです! それ、その人が出したよく分からない手っぽいナニカです!」

 

「でも鬼の手っていうくらいだし、モンスターなんじゃない? 確か、極東辺りにそんな名前のモンスターの話があったような」

 

 

 あ、おいそんな事言ったら「やっぱりモンスターでいいよな!?」よくねぇよ! 大剣握るなよ!

 

 

「リアちゃん」

 

「あ゛ぁ゛!?」

 

 

 

 

 

「ギルドナイトは居ないけど、酔っぱらって暴れたから一晩ブタ箱ね」

 

 

 

 

 ……ガチトーンのフラウが真顔で宣言した。その隣には、警察(っぽい役職)の人が立っている。

 それで頭が冷えたのか、リアは固まって青くなっていた。…『それで』がマジオコのフラウなのか、警察の事なのかはそっちで想像してくれ。

 例えレジェンドラスタでも、いや立場あるレジェンドラスタだからこそ、ルールは守らなきゃならんのだな…。

 

 

 

 メゼポルタ 入ればレスタも ただの人

 

 

 

 

 …結局、リアはそのまま大人しくブタ箱(他にもモス箱とかプーギー箱とかもあるらしい)に連れられて行った。フラウも「ごめんねー」と言いつつついて行ったが、付き添いであってトドメを刺す為ではない…と思う。

 酔ったうえでの行動だし、多少は酌量の余地が付くと思う…フロンティアのルールは、その辺割といい加減だしな。貴重なレジェンドラスタを、これで解任するとも思えんし…。

 最悪、フラウとリアで二股かけた俺への制裁だったと主張すれば、何とか通るんじゃないかな。割と事実だし。

 

 

 

 

 少々ドタバタあったものの、飲み直し。とは言え、いろんな意味で冷めちゃったし、集まってた人も居なくなっちゃったで、河岸を変えてって事になった。

 河岸を変えると言っても、今はメゼポルタ広場全体が宴会騒ぎだから、宅呑みになるが。

 宅と言っても、俺の拠点はこのメゼポルタ広場には無いんで、ストライカーの猟団部屋にお邪魔させてもらう事になった。女だらけの中で男一人になるのかな、と思ったが、猟団の皆は好き勝手に宴会で騒いでいるから、俺、マオ、ミーシャの3人だけだ。ま、外が宴会騒ぎなのにわざわざ宅呑みするのは、引き籠りか喧噪が苦手な人種かのどっちかだろうしな。ちょっと残念。

 

 適当に取ってきたツマミを抱えてお邪魔して、適当に駄弁りながら飲む事暫し。

 

 

「しかし…さっきのフラウ殿の様子は意外だったな。あんな顔をする人とは思ってなかった。随分と気に入られてるな?」

 

「そうね。嫌いという程ではないけど、愛嬌を振りまく言動が少々目につく人だと思っていたけど」

 

 

 あー、同性からしてみるとそう見えるのかね。ファンの人には女性も多いから、個人差の問題だとは思うが。

 気に入られてるのは嬉しい事だよ。なんつーか、アイドルに言い寄られてるみたいで優越感もあるしね。

 

 

「…ふん、そういう趣味か?」

 

 

 プレミアや付加価値に弱くない男なんて居ません。

 

 

「それで? 何処まで行ってるの?」

 

 

 なんか二人とも妙に絡むね…。

 

 

「色恋話が嫌いな女性なんて居ません。実際のところ、気になる噂も結構聞いているもの。フラウさんとリアさんで二股をかけているとか、三角関係が出来上がっているとか、はたまた本命はあっちの広場で何度も密会していた人達だとか……」

 

 

 それ、最後のってマオとミーシャだよな。まさかサーシャって事は。

 

 

「噂話なんて無責任なものだ、とだけ言っておこう。他には……そうだ、チルカ殿に餌付けされているという噂もあったが」

 

 

 それは普通にデマだな。全く無味無臭でやたら歯応えがいいスィーツ(笑)を一回食べただけだし。

 

 

「メシマズなのね…。で、それ『は』と言う事は、さっきの噂の中に事実もあると」

 

 

 誘導尋問イクナイ!

 

 

「いいから吐きなさい。ほら、もっと飲んで口を滑らせるのよ。あ、おつまみ追加で持ってくる?」

 

 

 あーんしてくれたら食べる。

 

 

「あ、あー……!? わ、わかったからちょっと待ってなさい。マオ、逃げないように見張っておいてね」

 

 

 チッ、徹底してやがる。…マオ。

 

 

「却下。逃がさん」

 

 

 さいですか…。にしてもちょっと意外だな。乗ってくるとは思わなかった。ミーシャの事だから、適当に流すと思ってたんだが。しかも満更じゃなかったように見えるんだが…俺の錯覚かね?

 

 

「いや、私にもそう見えた。…と言うか、そういう思わせぶりな態度をとるから、私達から尋問を受けているんだが、自覚しているか?」

 

 

 …割と。役得だと思ってます…。

 

 

「……ミーシャが戻ってこない内に話しておくか。身内の恥を曝け出すようでなんだが、我々ストライカーが女性のみの猟団だと認識されている事は知っているな? 何故そうなったかも」

 

 

 ああ、前にミーシャから聞いた。能力持ちが集まって、同類を助けようとして、そんで下心だらけの男ハンターを拒んでたらそう噂になったんだっけ。

 …更に、その認識がエスカレートして、女性同士の堅い結束(意味深)を持つ猟団だと思われるようになったとか…。

 

 

「当然、我々にそのような趣味は……弱冠数名怪しいのが居るが、他者に強制しない限り直ちに問題は無い。イイネ? …そういう趣味は無いが、世間のレッテルというのは厄介なもので、一度『そうだ』と認識されると、それを正す事は難しい。それがゴシップの類で、尚且つ未来永劫そのレッテルを消滅させようと思うと、猶更な。同性での性交渉は、フロンティアでは稀によくある事だしな」

 

 

 あるのか、稀によく。と言うか何故にブロント語。

 

 

「ブロント? どこの地方だ…ヒック」

 

 

 ああ、偶然ですか。と言うか、マオってば何気に酔いが回ってるな。言葉が怪しくなりつつある。

 で、同性が稀によくあるって?

 

 

「あるぞ。狩りの後、命の危機を感じた後に、ムラっと来て……周囲に異性が居ないから、ついつい…という話を時々聞く。男でも女でもだ。実際、私もそういった視線を向けられた事はある。さっさと逃げたがな」

 

 

 …俺、当分男とは行かない。

 

 

「そう深刻に考えなくてもいいぞ。ある時はあるが、基本的にはさっさと拠点に帰って、ちゃんと…その、処理するらしいから。話が逸れたが、とにかく我々はそういった集団だと見られている。アブノーマル、性癖異常者と言うかな。…そんな集団に、出会いがあると思うか?」

 

 

 あっ(察し)

 

 

「…そういう事だ。ミーシャは将来設計をしっかり立てる方だからな。ハンターもいつまで続けられるか分からん仕事だし、早いうちに伴侶が欲しい、と考えているようだ。かく言う私も、先日まではそう深刻に考えてなかったが、目の痛みと頭痛で、ハンターを引退した後の事は嫌でも考えざるを得なかった。家庭を持てば安心、なんて事は考えてないが………まぁ、何だ、我々も所謂『青春』とうい奴をやってみたいしな。とにかく、我々にとって異性との巡り合いと言うのは非常に貴重なものだと言う事は分かってくれ」

 

 

 お、おう。

 

 

「そういう意味で、ミーシャも私も、君を異性として意識せざるを得ない。ハンターとして将来有望な上、経済力という意味では現在は君の徒党に全投資している状態だからなんとも言えんが、少なくとも充分な稼ぎはある。異能に対して非常に深い理解を持ち、性格も悪くは無い…常識的ではないが」

 

 

 なんか微妙な言われ様だけど、好意的に見てくれているのは分かった。(甲斐性と言うか女癖に超が付く程問題があるがね!)で、俺がフラウさんにゲットされるんじゃないかとヤキモキしていると?

 

 

「…そうだな。特にミーシャは、ちょっとトラウマが…。ハンターとして故郷を出る前、友人以上恋人未満の幼馴染が居たらしいんだが、ある程度実績を作って里帰りしてみたら…………なんだ、ストライカーの評判を聞いていたらしく」

 

 

 うわぁ…。

 

 

「鼻血付のいい笑顔で激励されたそうだ」

 

 

 百合厨かよ。泥棒猫とくっついてた方がまだマシだわ。

 

「同性愛は非生産的にござるのは否定せんが、メラルーと結婚した方が上等かは賛同しかねるな」

 

 

 ケモナー的な意味でくっつけとは言うとらんわ。

 それなら百合の方が、まだ薄い本的に生産性がある。経済効果もあるしな…いやでもケモナーでも薄い本はあるよな。

 相手がケモナーだったら、ミーシャに犬耳でもつけさせれば一発じゃないかな。いや、そんだけ飢えてるなら狼かな?

 

 

 と言うかマオ、いいからお前ちょっと休め。内情を理解させる為とは言え、ミーシャのトラウマをホイホイ話すんじゃない。

 

 

「む…私は酔ってなどいない!」

 

 

 アカン、ミーシャのトラウマについてじゃなくて、そっちのコメントが出てくるか。…寝ろ!

 

 

「むぐぉ!?」

 

 

 やれやれ…。どうしたもんかな。マオって起きたら記憶が飛ぶタイプか? …明日、余計な事を話したとミーシャに土下座している姿が目に浮かぶ。俺に特に非は無いと思うが、色々な意味で気まずい。

 

 

「ただいまー。…あら、マオってば寝ちゃった?」

 

 

 ああ。チャンポンがアカンかったっぽい。

 

 

「珍しい…。まぁいいわ。ほら、おつまみ持ってきたから口開けて。フラウさんとの事、ちゃーんと話してもらうからね」

 

 

 

 

 

 …話すのはいいけど、ドン引きされるか軽蔑されるか…。

 フラウにゲットされるんじゃないかと心配しているらしいけど、実際は俺がフラウをゲットしたような状況だからなぁ…。

 

 

 

 

 とりあえず、ミーシャにもあーんを返して、酒飲ませまくろう。記憶が飛ぶ事を祈って。

 

 

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