うーむ、こんな展開になってたのか…しかもプレイしてる人が上手すぎる。
現在見ているのは、ルパン三世パンドラの遺産、FC版北斗の拳、クッキングファイター好…。
うーむ、名前が思い出せない奴が多いなぁ。体験版でちょっとやっただけの奴も多いしな…。
あと、流石にトッツイをdisりすぎかなーと思ってたら、みんな特に違和感ないみたいで草不可避w
それだけ鬱憤とか怒りとか溜まってたんだろうなぁ…。
HR月
そろそろ今月も終わりだなぁ。フロンティアの気候はワケが分からんから、一か月と言いつつ何度も季節が廻ったような気もする。
まーそれはともかく、G級昇格試験アカムトルムの通達を正式に受けた俺は、心配するコーヅィや、お気楽に騒ぐ団員達に見送られ、途中で待っていてくれたらしいストライカーの面々に激励を貰い、クエストに出発した。
途中でシトサとトッツイとバッシと合流し、狩場に向かう。
ちなみに、狩りに付き合えと要求されたバッシは不満タラタラだったが、アルバイト扱いで給料を出すと言ったら掌(或いは肉球)クルックルだった。やはり、彼らの財政はあまりよろしくないらしい。
「…まさか、こんな事でアカムトルムと戦う日が来るとは…」
何だよ、言い出したのは俺だけど、乗ったのお前じゃん。
「別に文句はねぇよ。ただ、俺も軽率だったって思っただけだ。…ウチの団員からも、疑問の声はあったしな」
俺が相棒だって事か? それともアカムに挑む事自体に?
「両方。ま、足手纏いになる気はないさ。ジャイアントキリングは、ハンターのお家芸だ。相手がアカムだって、何もできないようじゃG急に上がろうとする資格はない」
言うねぇ…ん、前方から誰か来る。
あれは……フラウとユウェルさん?
「やっほー!」
ヤッホー。開口一番飛びついてくるとか危ないぞ。俺もフラウもそんなんで怪我する体してないけど。
「だったらいいじゃん。で、とうとうG級だって? 聞いたよ、そっちの……ラサマ猟団のシトサさんだっけ? 一緒にギルドに直訴したとか」
「お、俺の事知ってるのか?」
「大きくなりそうな猟団とか、素質がスゴそうなハンターはそこそこ覚えてるよ。エドワードみたいに、一度会ったら忘れない、なんて自信を持って言える程じゃないけど。……ところで、そっちのネコちゃん達ってひょっとして…」
お察しの通り、歌姫サンの所のアイルー達です。まーちょっと色々あってね…。連れてきたのは俺の都合みたいなものだ。
……トッツイ、バッシ、どうした?
「…恐らく、我々に対して隔意があるものと。こちらにも言い分はありますが、我々は彼らの依頼を受けませんでしたので」
「レジェンドラスタだからって、どんな依頼でも受けなきゃならないって訳でもないと思うが。それに、言っちゃなんだけど、こいつらを助けようとしなかったのはなぁ…」
言うなシトサ。理解させる為に連れてきたんだし。ところでユウェルさん、さっきから何を?
「いえ、ここで会ったのも何かの縁ですので、新作をお渡ししようかと。試作品で申し訳ありませんが」
「…おい、確かユウェルさんの料理って…」
とりあえずこの前は食えたぞ。おかげで古今無双のモノノフなんて渾名を広められてしまった。誰も呼ばないのが救いだが。
「じゃあ古今無双のモノノフに、処理をお任せ…とは言えないな。狩りの前に変な物食って、狩人弁当の効果が無くなっても何だし」
「酷い言われ様ですね。自信作ですよ? …暖かい内にどうぞ。カンタロスのタッカテーントード~ランゴスタクイーンの蜂蜜を添えて~です」
……す、姿揚げ? デカい…。
「…おい……」
美女が作ってくれた物なら、美味しくいただくのが男の姿です。トッツイ、バッシ、お前らも食っていいぞ。
「いやこれはちょっと…イヤガラセニャ?」
「…美味しいのですが…」
「確かに、郷土料理にこのような物はありましたニャ…。評価は……まぁその、伝統料理として伝えられてはいますニャ。伝えるだけは」
それは味見をしての結果なんでしょうかね。いや味見をしてもその感想が人と共通だとは限りませんが。
まーこれは後から食うとして(苦虫みたいに何か効果あるかもしれんし)、これからアカムとやり合いに行くんですが、何か気を付ける事あります?
モンスターの動きがどうの、よりも…何か異変があるかも、って方で。
「うーん、今の所特に聞かないなぁ。アカムトルムも、まだギリギリナワバリの中に居るみたいだし」
「私も、今の所特には…。強いて疑問点を上げるなら、防衛戦の回数でしょうか? 今月は2回発生し、今までにも同じような事はありましたが…もしもアカムトルムがナワバリから出てそのまま進めば、メゼポルタ広場に直撃します」
3度目の防衛戦になるかも、か…。まぁ、それは俺達が失敗したらの話だが。
………トッツイ?
「…何でもないニャ。トキシの呪いが解ければ、全部解決するニャ…」
「………」
トキシの名前が出た途端、レジェンドラスタ二人の表情が僅かに強張った。…未だに分からないんだよなぁ…。なんで口留めされてんだろ。
てか、やっぱりトッツイも自分達が古龍飛龍を引き寄せてるのかも、とは思ってるんだなぁ。
ま、いいか。
んじゃ、悪いけどもう行くわ。フラウと遊びたいのは山々だけど、もう行かないと時間までに狩場につかないから。
「ん、頑張ってねー!」
「御武運をお祈りします」
二人は去っていく…かと思ったら、急にフラウだけが振り向いて、猛スピードで戻って来た。……って、この走り方は…?
「ごめん、忘れてた! 本当はもっと落ち着いた所か、大ピンチの時に見せようと思ってたんだけど…ほら、見てコレ!」
双剣を片方だけ掲げると…おお!?
フラウが掲げた剣から、強い霊力…いや、これは物理的にまで高まった…!?
「ひ、火が出た!? いや、これは単なる火じゃない? まるでモンスターが放つ炎のような…」
……アラタマフリ? 武器に宿る属性を強化したのか? それに、さっきの走り方は不安定とは言え鬼疾風…。
以前の件で既に霊力を会得してはいたが…。
「へへーん、出来ちゃいました! コツを掴めば意外と簡単だね。特にこの、タマフリって言うの?」
マジかよ…。俺も割と早く会得できた方とは言え、独学でこうも短時間とは…。これがレジェンドラスタの力って事だろうか。
「このタマフリって言うの、意外と簡単だったよ。要するにさ、装備にお願いして力を貸してもらうんでしょ。自分で言うのもなんだけど、ボク達は信頼しあってるからね! 幾多の狩りを一緒に乗り越えて、大事に大事にしてきたんだもの。この子達だって応えてくれるよ!」
はー……成程なぁ…。俺は武器に宿るモンスターを屈服させ、主として認めさせて力を奮わせようとしたが、フラウは信頼関係を構築する…大事にしたり手入れをしたり、相応しい敵を相手取り続ける事によって、互いに認め合った形を作り出した訳か。
アラタマフリとしては、こっちの方が正しいやり方だな。モンスターの魂を、ミタマとして昇華したようなものだ。
ゲーム的に言えば、愛用度が極まって新しい能力が解放されたようなもんか?
うん…いいもの見せてもらったわ。
べ、別に剣を掲げた時に見えた脇の事じゃないんだからねっ!
「あ、でもねでもね」
ん?
「さっきの走り方とか、まだよくわからない事が多いから、まだ『個人授業』をお願いね? これは先払いのお礼!」
頬に柔らかい感触がして、フラウは鬼疾風で素早く去って行…あ、ハリウッドダイブみたいな勢いでこけた。…結構恥ずかしかったらしい。
去っていく姿(ユウェルさんが追いかけて行った)を見送って、呆然としているシトサ。
「………はー…。フラウさんとリアさんを二股かけてる、なんて話す方の冥福を祈る噂は聞いてたが…。マジだったんだなぁ。二股の部分はともかくとして」
……二股の部分『も』マジです。
「………そこまで行くと、色んなことすっ飛ばしてパネェって思えるわ…。…しかし、断っておいてなんだけど、さっきのタマフリとやらは凄かったな。装備に宿った力、か……」
シトサはそのまま、狩場につくまで何か考え込んでいたようだった。
HR月
来た、見た、勝った! …とまでは言わないが、アカムトルムに勝利。
これでG級ハンターだ。最初はモスに崖から突き落とされてお陀仏した俺が、フロンティアのG級とはなぁ…。思えば遠くに来たもんだ。
と、感慨にふけりたくはあるんだが、何というかスッキリせん。
いやね、真っ当に戦って勝ったんだよ? シトサも最初はアカムの迫力に押されたようだが、すぐに立ち直って援護に徹してくれたし、途中からは攻撃にも参加した。
俺も最初は様子見に徹して行動を把握し、あの手この手を試して有効な戦闘パターンを構築した。
……トッツイとバッシは…まぁその、なんだ、今はちょっと魂が抜けて動かなくなってます。比喩だからね? ガチで心臓止まってるんじゃないからね? それくらいにアカムの迫力にビビってはいたけども。
……2匹を俺の背中に括り付けて、ブシドー回避やらエリアルジャンプやら忍法身代わりの術…じゃなかったタマフリ・空蝉で攻撃受けたりしまくったけど、そんなに影響ないよね? 盾にもしてないし。 猫の不眠術とか使わせたから、現実逃避も失神もできなかったけど。
精々、高所恐怖症の人にバンジージャンプやらせたくらいのダメージしかないよね?
どこからか鬼畜猫ザマァとかまだ足りんとか声が聞こえた気もするが、これは決して俺の感想ではない。イイネ?
アイルー達の事に関しては後で語るとして…何がスッキリしないかと言うと…胃だ。
気持ち的な意味でも、体調的な意味でもスッキリしない。何が原因かは言うまでもないだろう。ユウェルさんに餞別としてもらった、あの料理だ。
…その、な? 好奇心が抑えられなくて、狩場に到着するまでに一口食べてみたんだよ。暖かい内にって言われたし。
味に関しては…美味くはなかったが、まぁ珍味なんてそんなものだろう。
結果。
餓狼と火事場+2を始めとして、窮地で発動するスキルが山ほど発動したのですが。しかもMH世界だけのじゃなくて、3つの世界の奴が片っ端から。中には俺も見た事が無いスキルが混じっている…これは単に、俺が知らないだけのスキルなんだろうけど。それらが累積しまくって、下手するとアラガミ化状態以上の火力が出ていたと思う。
しかも、実際には満腹状態・傷も受けてない、スタミナだって満タン状態なのにだよ?
なんつぅかさ、全然ピンチじゃない状態なのに謎の心理的圧迫感を感じ続けて、あと一発でも喰らえばお陀仏して……いや、俺だけじゃなくて世界がぶっ壊れてしまうんじゃないかって気持ちさえあった。
ハンター式熟睡法を使っても、その効果は消えやしない。
明らかに人間に使っていい物じゃないナニカの効果だろアレ。麻薬とか呪いとか、そのハイブリッドか。
…まぁ、お陰で勝てたんだけどさ。本来なら、一撃で倒れるリスクと引き換えに得られる以上の力が、ノーリスクで発揮できるんだよ? そりゃアカムだって沈むわ。
動きは大体見切ったから、再戦するとしても違法ドーピング(と言うのはドーピング剤に失礼な気がする)無しで勝てると思う…異常な行動をとる個体でなければね。
で、勝ったはいいが、その謎の心理的圧迫感は残ってるし、相変わらず物理的に満腹なのに空腹は感じるしで、色んな意味で気分が悪い訳だ。シトサもダメージがデカイいようだが、俺程じゃないらしい。
このまま帰っても、俺は祝勝会という名の宴会に巻き込まれるし、シトサも似たようなものらしい。…仕方ないので、狩りの疲れを癒す為、一晩ベースキャンプで休んで帰る事になった。
…さて、今日はもうさっさと寝るだけだ。幸い、シトサも話に聞いたようなムラムラ状態じゃないみたいだし(これを口にしたら、「オジ専ホモ扱いはやめろって言ってんだろ!」と割とマジで怒られた)、トッツイとバッシも気絶したままだし。
余談だが、俺達をこんな意味不明な状態にした劇薬は、俺の ふくろ に詰め込まれている。この中なら腐る事もない。
…何でこんな物を確保しておくのかって? そりゃ、気分は悪いし見えないリスクが極大だろうが、優れたパワーアップアイテムである事は間違いないし…。
何より、俺の中ののっぺら共にはホウ酸団子よりもよく効くみたいだからな!
いやー、あんだけ意味不明なスキルが発動してるから、スキルを保持しているらしきのっぺら連中がどうなってんのかと思って(イヤイヤ)意識を向けてみたら…笑った笑った。シュールストレミングを、犬の間近でブチ撒けたらこんな風になるんじゃないだろうか。
どーも俺の体はあいつらで構成されてるから、奴らが倒れれば俺も弱体化するか気分が悪くなるか、とにかく悪影響があるとは思うんだが、それでも連中へのイヤガラセもとい何かやらかした時の制裁手段があるのは非常に嬉しい。具体的には、ニギタマフリを暴発させた時とか……まぁ、まだ封印を解く気はないけど。制裁手段の抑止力が、どれくらいあるかは分からんし。
…今後もユウェルさんの料理、挑戦するべきだろうか…。意外なメリットと、残当なリスクがあるかもしれない。
HR月
無事帰還。そして正式にG級昇格!
宴会、大盛り上がりでした。ラサマ猟団、ストライカー猟団のメンバーとも合同で宴会したよ。やはり元タカリの集団という目で見られていたが、最近はしっかりやってるし、更生したハンターも多いし、ちゃんとした人材も育ってきた。
後日聞いた話だと、「思ってたよりまともな集団だった。偏見の目で見て悪かった」なんてコメントまで出たらしい。
大変楽しかったんだが……気のせいかな? マオとミーシャの様子が若干おかしかったような…。二人の間に妙な緊張感が漂っているような…。そもそもマオの霊力に若干ながら陰りが見える。
何があったか分からんが、霊力修行をするなら、気分を切り替えてやるように忠告しておいた。霊力ってのは生命力そのもので、かつ精神状態に大きく影響されるからな。極端な事を言うと、自殺したい程に落ち込んでいる状態で霊力を酷使すれば、使った霊力が自身に牙を向ける事だって考えられる。
分かった、と言ってはいたが……うーん、面倒事の予感。
話は変わるが、シトサにもG級昇格の話がチラホラ出始めたらしい。完全に叩き上げだな、あいつの場合。
ただ、これについては本人は微妙な顔をしていた。今回の俺の試験のフォローが評価されたらしいが、図らずも違法ドーピングした結果だったからねぇ…。それでも、あの心理的圧迫感を押し退けて狩りに徹する事ができたのは、凄まじい地力の現れだと思うし、胸張って試験を受ければいいと思うんだが。
そう言ってはみたものの、アカムトルムとの闘いに、本人は納得いっていないらしい。確かに今回は勝てた。今回は違法(と言うか普通じゃない)だったとは言え、ドーピングは珍しくない。
しかし、今の自分で、万全と言える程に準備をして、アカムトルムと渡り合えるかと言うと、答えはノー…らしい。
別にG級だからって、即アカムとタイマン張れるくらいの実力が求められる訳じゃないが……「もしもそういう依頼が来たら、もしも偶然遭遇したら」と考えると、今の自分ではまだ実力不足…と言っていた。
考えすぎとも思うし、ブチ当たる時はG級だろうがルーキーだろうが直撃するだろうが……まぁ、本人がそう考えているなら何も言うまい。最悪を想定するのは、何につけ必要だしね。
そうそう、宴会の裏で、コーヅィとトッツイ・バッシの謝罪合戦があった事を記しておく。…あまり詳しく書く気はないが、トッツイも当時の自分がどれだけ無茶な事を言っていたのか(しかもそれを試験と称していた)、ようやく理解したようだ。
それでも、逃げ出した挙句に報告もしなかったのは自分だ、と言い張るコーヅィと延々と頭を下げ合っていたな。
と言うかなー、本当にあいつらに手を貸そうとするハンターが居ないのだって、歌姫の力云々よりも無茶な事を平然と言ってくるあいつらの態度が発端なんじゃないかなぁ…。それで悪評が立って、ハンターに敬遠されるようになったんじゃなかろうか。
コーヅィは人助け(本人は打算と恐怖の結果と言っているが)を繰り返す事で結構有名なハンターだったようだし、恩人があいつらのせいで様変わりした…と考える奴もいたかもしれない。
…ま、過去の事はいいか。これからも俺は手を貸すつもりだし、本猫達の態度が変わっていけば、評価だって多少は変わっていくだろう。
とりあえず、今日は延々と飲んでただけだったし…そろそろ酒も尽きたし、もう起きてる奴でまともに動けるのも居そうにない。後はトッツイとバッシを、歌姫サンのトコに送って行って終わりにしますかね。
HR月
昨晩、住処に戻ったトッツイとバッシは、途端に泉に到着すると同時にぶっ倒れてイビキを掻き始めた。どうやら緊張の糸が完全に切れたらしい。
奥に運んでやるべきかとも思ったが、部屋の配置とか分からないし、野宿で寝ても平気なアイルーだし、放っておいても大丈夫だろうと思って帰って来た。差し入れにこんがり肉置いてきたし、給料もちょっと割り増ししておいたし、問題は無いだろう。
さて、俺もしっかり体を休めて、違法ドーピングの副作用が無い事を確認したが…さて、これからどうするか。
G級になったのは感慨深いが、これで終わりではない。むしろ、廃人級がひしめくこのフロンティアでG級到達なんぞ、ようやく入口に立てたようなものだ。
実際、メゼポルタ広場をちょいと見渡せば、明らかに俺以上の強さを感じるハンターをそこかしこに確認できる。これでも随分強くなったんだけどなぁ…ま、上があるのはいい事だ。自分こそが最高、なんて増上慢を持てるような余裕もないしね。
ともあれ、今後は暫く地力を固めなきゃならん。ランクが上がった事に浮かれて、「上位ティガ装備だし、今更コンガとかの装備を作るくらいなら、すぐザザミに挑むわ」と考えて大怪我した奴は数知れず。
正直、G級のモンスターがどれ程のものなのかサッパリだから、一から足元を固め直さなきゃならん。ゲーム機でプレイした時、上位ドスランポス相手に弱い装備で挑んだ時の事は、まだ忘れてない。雑魚だと思ってたら大惨事だったからなぁ…。
そういう訳なんで、当分は大型モンスターの狩猟は無し。文字通り一から始めるつもりでいく。
そんな地味な依頼でも、G級クエストの報酬は莫大だ。猟団員達を養っていくのに、不足は無い。
「うむ…いい事だと思うよ」
…そう言ってくれますか、エドワードさん。
「人に笑われる事もあるかもしれないが、君のその選択は最善のものだと断言しよう。足元固めの時期を軽く見て、取り返しのつかない事になったハンターや猟団は後を経たない。特にG級昇格直後はね。むしろ、そうやって笑っている連中を、鼻で笑ってやる事だ。足元を疎かにする愚か者。或いは、自分も通った道を、誰かに支えられた道を忘れて見下す不義理者だとね」
…金言、ありがたく。
「気にしないでくれたまえ。君があの猫達に手を貸しているのは…やはり眉を顰めるが、それを差し引いても君には助けられている。…君が現れてから、リアもフラウもそこそこ大人しくなってね」
…重要なのはそこっすか。てーか、そこまで酷かったのか?
いや、リアに勢いのままに斬りかかられた事が2回くらいあるから、分からないではないんだけど。
フラウも…まぁ、小悪魔のよーな人だったとか。
「ただ…それでも忠告させてもらう。いや、猫達の事じゃない。君はまだ、G級を甘く見ている」
…どういう事です?
「……クエストが地味に見えても、そこに居るモンスターまでが地味とは限らないと言う事だ。具体的に言うと乱入祭り。いつ大狩猟祭が開催されてもおかしくないと、そう思って起きたまえ…。それで全財産を注ぎ込んだ武器防具を失い、極貧生活を続けた先輩からの忠告だ」
………キツいっすね…。おまけにレジェンドラスタの報酬は、前に言ってたように龍の涙の一割程度と…。
「まぁ、これはレジェンドラスタになる前の話だがね。何とか立て直せたよ…。あやうくクエストに行くための契約金すら払えなくなるところだった。持っていた最後の防具を売り払って、クエストに行ったっけな…」
つまり防具一切無しの縛り付で狩りをやってたと? そんな状況で狩りをやってりゃ、そりゃ腕も上がるわ。
……ひょっとして、赤フンに目覚めたのって…。
「せめて自分の心を奮い立たせようと思ってね。効果覿面だったよ。防具がなくとも、金がなくとも、勇気と武器があればモンスターと戦える。赤いフンドシは、僕の心を奮い立たせてくれたのさ」
………いい話…なのかなぁ? これがマフラーとかだったら、素直に恰好いいと言ってやれるのに。
まぁ、それはともかくとして。宣言通り、G級の採取依頼を中心に活動していた訳ですが。
初っ端からイビルジョーが出るとか流石に予想外だったがな!
え、何? こいつフロンティアにも居るの? いや何にでも食い付くし、どこにでも行くらしいから不思議はないんだけども。
前ループ時に動きは知ってるし、何とかやれるだろう………なんて油断は俺にはなかった(キリッ
いやホント、そんな事考えてたら確実にデスワープだったよ。異様にタフだし、筋力もブレスも俺が知ってる奴とか比べ物にならないし、何よりしつこい! とにかくダメージも疲れも体力も無視して追いかけてきて、自分からどっかに移動すると言う事が無い。おかげで、移動された間に体勢を整える、と言う事が不可能に近い。闘技場の中でやりあってるのと同じだよ、コレ。まぁこんな障害物だらけの闘技場、そうそう無いけども。
ま、おかげで行動が予測しやすかったけどね。前に立てば即噛みつき、後ろに居ても噛みついて、とにかくリーチの中に入れば噛みつき噛みつき噛みつき。ブレスは殆ど使わず、距離を取ったら突進して近付いてくる。文字通り、得物を口に突っ込む事しか頭になかったらしい。
それだけ空腹だったって事か…。変な言い方になるが、イビルジョーとしてはかなり強い個体であっても、中途半端な力しか無かったんだろうな。
イビルジョーがフロンティアに居ない…少ないのは、そのどうしようもない闘争心と空腹の為だろう。何かと桁外れなモンスターだらけのフロンティアで、相手も見ずに、状況も考えずにただ空腹の赴くままにケンカを売り続け、生き延びられる可能性がどれだけあるか。
あのイビルジョー……ああいう遠方にしかいないモンスターがフロンティアに居るのを、遷悠種と呼ばれていると、最近知った……は、そうやってケンカを売り続けて生き延びるだけの力はあったが、充分な食料を…獲物を仕留めて喰らえるだけの力が無かった。そして最後は貧じ、鈍じて、ついには俺に狩られた。
全く…他所の地方じゃ災厄の権化か、悪堕ちしたピンクホールみたいな扱いを受けてるのに、とんでもないな。やっぱりフロンティアは地獄だぜ。
まぁ、そんな事をやってる内に、今度はコーヅィの上級昇格試験が決まった。