※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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ニーアオートマタ、2週目突入中。
…いや、面白いし興味深いよ? 先が気になりますよ?
でもね…。



萎える。


2Bのフトモモが! 尻が! 口元のホクロが! 鑑賞できないとか拷問じゃああぁぁぁ!
9Sのうなじとか見ても俺は得しないんじゃああぁぁ!!
カメラ動かせば見る事はできるけど、余計な男まで見えるし、なんかこう…アングルがだな…。

この鬱憤、外伝にぶつけるしか…いやしかし話が最後まで進んでないし、中途半端な知識で書くのも…現在のプロットも、設定的に問題があるか分からんし…。
何よりやっぱりA2も出したいから、最低でも彼女に何があったのか知るまでは…。

外伝を2つに分ければいけるか…でもそれだと書き溜めが…うーむ…。
でもやっぱり2BにもA2にも「マスター」とか呼ばせたいしなぁ…できれば自主的に。

いっそ先に、クッキングファイターハオの外伝を…しかしそこまで書き溜めもない…。


第262話

HR月

 

 

 

 朝起きたら、いきなり左右から鳩尾に一発叩き込まれました。何事。解せぬ。…いや解せるけどさ。

 

 

「…本当にね。随分と好き勝手やってくれたじゃない」

 

 

 そう言うなって。これでも気ぃ使ったんだぞ。放っておくと色恋沙汰で猟団ブレイクとか、本気で考えたんだから。

 

 

「そこら辺は分かっているさ。やらかした当事者だしな…。しかしまぁ、何だな。リア殿とフラウ殿で二股をかけていると聞いたが、立場も稼ぎも狩りの腕も上の筈のレジェンドラスタから文句が出ない理由がよく分かったよ」

 

「まぁ、ね…。一人で相手してたら、絶対体が保たないわ。あの後も、私達を二人纏めて好き放題弄んで」

 

「しかも、片方には優しくして、片方は玩具のように扱って。それが終わったら扱いを逆にしたり、揃って跪かせて奉仕させるし…」

 

 

 そんだけやれば、鬱憤も蟠りも消えざるを得ないだろー? 思いっきり趣味に走ったのは事実だけど。

 いやぁ美味しかった美味しかった。

 

 

「…殴った程度で反省する筈もなかったか。礼は言うけど、感謝はしたくないな…」

 

「やっぱりここは反省の儀の出番かしら…」

 

 

 反省の儀?

 

 

「建物でも樹でもいいから…理想を言えば崖かな…、簀巻きにして逆さに吊るすんだ。3日くらい放置して反省していればそれで良し。反省してなかったらよく回してからまた吊るす。ちなみにミーナの故郷に伝わる仕置き法だ」

 

 なんともまぁカワカミン溢れる故郷ですこと。ところでカワカミンを摂取しすぎると全裸で走りまわってみたりオパーイと叫び出すそうだが、部屋の中ではトランクス一丁、たまに自分で乳首を弄りたく俺はカワカミン禁断症状なんだろうか、それとも単に欲求不満なんだろうか。二人と関係する前にも、リアとフラウを相手にしてたけど、前ループのウタカタでは毎晩フィーバーだったからなぁ…。

 百合厨の人とも多少はいい酒飲めそうだし、行ってみる価値はあるかも。

 と言うか逆さになって回転したくらいで俺が反省する訳ないから、半年経っても多分そのままだぞ。むしろ開始5分で脱出するわ。

 火で炙ってる訳じゃないし、甘い方じゃないか? 別に火口に吊るせって言ってるんじゃなくてだな。

 

 

 

「タチの悪い男だわホント…。ま、とりあえずマオとこれ以上揉める理由はなくなったから、そこは感謝しておくわ」

 

「私はやっぱり感謝したくない…。私の初体験が…」

 

 

 あーうん、オシオキとは言え流石にやりすぎたかとは思ってる。今度があるなら、もっとマイルドにしよう。

 

 

「……い、いや、それは別に考えなくてもいいぞ? 姫のように甘い言葉を囁かれて溶かされるのもいいが、こう、な? あれはあれでスゴいと言うか、得難い体験と言うかだな」

 

 

 まーそうそう至れるような境地じゃないな。羽化登仙と言うには激しすぎるけど。俺もまだまだ未熟よのぅ…。

 マオに最後に使った言葉だって、中伝でしかないし。

 

 

「最後の言葉…って、私に残った霊力が一斉に…こう、変わったアレか? …あれが、まだ中伝…?」

 

 

 怯えているよーな、ゾクゾクしているような顔をしているマオ。どうやら、昨晩の感覚はしっかりとマオの中に刻み込まれてしまったらしい。

 と言うか、ナチュラルに『次』がある事を了承して期待しているな。ド嵌り状態かな? 

 

 まぁ、俺が知ってるのは中伝までで、奥伝も皆伝も極伝も想像もつかない。

 仮に知ってたとしても、いきなり使うような事は無いから安心してくれ。

 

 

「いやいやいきなりじゃなくてもだれかがためさなければならんだろう? きみがいっしょうつかわないなんて、とてもしんじられないからな! うむ、わたしがひとはだぬいでじっけんだいになろうじゃないか!」

 

「マオ、貴方ね……いえ、その時は一緒よマオ。あなただけを色欲地獄には落とさないわ」

 

 

 表情が本音を物語っておりますなぁ。いや男冥利に尽きるね。二人はともかく、俺はガチで色欲地獄行だけど。

 

 

 …ところで、無粋と分かってて聞くが、二人とも体調は? 一晩ヤり続けた疲れや痛みはともかく、霊力はほぼ自覚できるようになってると思うんだが。

 

 

「頗るいいな。心地よい倦怠感と、その…某所がヒリヒリする感覚はあるが、活力が噴き出し、世界が輝いて見える。これが女になると言う事か…」

 

 

 …まぁ、俺だってDT卒業した直後はそんな感想だったと思うが…。

 

 

「冗談はともかく、確かに霊力らしいものはハッキリ感じられるわね。操作も……ある程度はできるみたい。…でも、当然ながら他人の力をどうこう、というのはやっぱり難しそうね」

 

 

 そりゃそーだろ。これからそこに至るまで、どれだけ訓練せにゃならんやら。

 …ま、何だ。今後も、この手段に関しては、最後の切り札くらいに思っておけよ。流石に俺も、口実にして女を抱き放題なんて考えられない…いや必要であればやるんだけどね?

 

 …無言で左右から頬を抓られた。まぁ仕方ないよね。

 

 

 

 

 とりあえず、二人を猟団近くまで送って行った。その間も観察していたのだが、ギルギスした空気は完全に消えているようだ。ま、昨晩あれだけ上になったり下になったりしたもんな。レズプレイこそまだ仕込んでないが、肌を重ねた相手と言う事で、今までとは違う気安さも漂っているようだ。

 分かれてからも、ちょっとだけ様子を伺っていたが…うん、大丈夫そうだな。揃って猟団部屋に帰っていく。

 …多分、この後はぐっすり眠るか、その前に思い出して自室でジタバタするか、さもなければ初めての体験の感想を言い合うのだろう。興味が無いと言えばウソになるが、女子会に入り込むのはね…。

 

 

 んじゃ、俺も帰るとしますか。コーヅィの上位昇格試験が、確か明後日だった筈。直接的な手助けを禁止されたようなものだが、下準備までは禁止されてない。

 …まぁ、それも既に猟団員達が、よってたかって色々やってるみたいだが。

 

 相手はモノブロスだったな…。コーヅィも自分で戦った事は無いらしく、アドバイスを求められた。

 アドバイスねぇ…。

 まずアイテムは惜しまず使う事。特に音響玉と閃光玉な。出来れば尻尾はさっさと切断しておきたい。角は無理に破壊しなくていい。討伐・捕獲のみを考えるなら、壁に刺さるチャンスが減るからな。

 

 

 後は………いいか、もしも、もしもだぞ? ディアブロス亜種辺りが一緒に居たら、一目散に逃げろ。気づかれてなくても逃げろ。

 纏めて相手にするような真似は、絶対にするな。

 後は、そうだなぁ………よし、これをやろう。

 

 

 

「……これは?」

 

 

 最終兵器、聖なるG級石ころだ。

 

 

「いえ…その、どう見ても普通の石ころにしか…見えないんですが」

 

 

 いいか、まずはモノブロスが眠るのを待つんだ。アイツも夜なら寝てる事が多いからな。

 眠っているモノブロスを発見したら、聖なる樽を3つ設置しろ。なんなら聖なるG2樽でも構わない。以上でも以下でもなく3つ設置するのだ。数えるのは3つ、4でも2でもいけない、5は以ての外である。

 3つまで設置した時点で、石ころを敵に放り投げなさい。目障りな敵がくたばりはなくても部位破壊の一つくらいはできるであろう、アーメン。

 

 

「それは……単なるG級爆弾の…睡眠爆破では…? と言うか、石ころ自体は普通の石ころ…ですよね? そもそも、ハンターのルールで一度における数は…決まっています…」

 

 

 そうとも言う。ちなみに、もしコレをやったら開幕怒り状態だから気を付けるように。

 ついでに言うと、蹴っ飛ばして爆破する漢起爆の先には、アイルーよろしくコレを抱えて特攻する回天起爆というやり方がだな。

 

 

「はぁ……まぁ、威力の高い先制攻撃…には…違いありませんし…」

 

 

 

 何となく納得してなかったよーだが、とりあえずコーヅィの調子は大丈夫そうだった。

 ちなみに、もしもコーヅィが回天起爆を実行し、俺がそれを唆したと知れたら、多分猟団は全力で反旗を翻すだろう。

 

 

 

P3G月

 

 

 新しい月に突入した。訓練所を卒業して、丁度一か月か…。そうとは思えない程に濃い一か月だったな。

 G級まで一足飛びの昇格に加え、古龍×3体襲来による防衛戦、猟団結成、その他諸々…。ここまで濃い一か月も珍しい。

 

 それはともかく、コーヅィが上位昇格試験に向かった。狩場の位置からして、帰ってくるのは早くて明後日か。

 団員の殆ど(ほぼ自発的に集まっていた)に見送られるコーヅィに幸運を祈り、それぞれの狩りに向かう。

 

 今日は俺も狩りに行かないと。地盤固め、装備作りも大分進んできたとは言え、まだG級クック先生ならどうにか…ってレベルだからな。

 さて、今日はどうするか……とりあえず、火山で炭鉱夫しとくか? 

 

 

「おや、土偶ですね」

 

 

 奇遇や。……って、リア? …と、そっちは…。

 

 

「レジェンドラスタのティアラよ。アタシの事を知らないなんて、随分と世間知らずなハンターね」

 

 

 こりゃ失敬。名前だけは知ってたが、色々特殊な環境で生きてるもんでね。

 

 

「あらそう。でも、アタシが貴方の事を知っているのに、貴方が知らないなんて不公平だわ」

 

「…要するに、自分の事を知らなかったのが気に入らないそうです」

 

 

 そんな自意識過剰な。いや立場を考えれば、そう言われても仕方ないのは分かるんだが。

 ところで、二人ともこれから狩りか?

 

 

「いえ、今日はオフです。そういう貴方は?」

 

 

 火山に行って炭鉱夫します。残念ながら、一緒に来ても楽しい狩りは無いと思うよ。

 

 

「そう、詰まらない男ね。色々聞いていたから、期待していたんだけど」

 

「面白さについては保証しますよ。とは言え、採取依頼では同行しても仕方ありませんね。フリーハントするつもりも?」

 

 

 ない。メンドい。ぶっちゃけ、気配を消して採取するつもりだから、モンスターにも見つからないと思うよ。

 

 

「ふん。だったら、採取に行く前に一杯付き合いなさい。聞きたい事が色々と………あら?」

 

 

 ティアラさんが口を止めて、俺の後ろに目をやる。そっちを向くと(後ろを見せた途端に、襲ってこないか警戒しつつ)……変わった衣装のアイルーが一匹。

 目が合った。近付いてくる…。

 

 

「あのアイルー、確か…」

 

「お楽しみ中に失礼するニャ。レジェンドラスタ2人を侍らせたハンター……。アンタがトッツイ達に力を貸してくれてるーハンターニャ?」

 

 

 侍らせてるって所はともかく、トッツイ達についてはそうだが…お前さんは? この辺じゃ見ない恰好をしてるが。

 

 

「こいつは失礼ニャ。オレはモービン。お察しの通り、歌姫様のお付きのアイルーニャ。…と言っても、諸事情あって昨日まで、旅をしていたんだけどニャ」

 

 

 その衣装は旅装束か。トッツイとバッシにはいつもお世話に…お世話に………。

 

 

「…色々無理難題をふっかけたようで、済まないと思ってるニャ…」

 

 

 分かってるならちゃんと手綱とっとけよ! アカムを試験扱いとか聞いた事ねぇよ!

 

 

「ニャハハハ…返す言葉もないニャ。それは置いといて、お楽しみ中に申し訳ニャいけど、一緒に来てほしいのニャ。歌姫様がお呼びだニャ」

 

 

 …歌姫サン? トッツイでもバッシでもなく?

 

 

「ニャ。間違いなく歌姫様本人ニャ。要件は…悪いけど、歌姫様本人に聞いてほしいニャ」

 

 

 ふーん……まぁ、行くのは別に構わんけど、今はティアラさんに誘われてるんだが。

 

 

「構わないわ。お行きなさいな。聞きたかった事ももう分かったから」

 

 

 へ? …えーと、リア?

 

 

「大方、ネコ達に本当に力を貸しているのかを聞きたかったのでしょう。私も、少しあなたと話をしたかったのですが……モービン、もう一度聞きますが、歌姫本人が呼んでいるのですね?」

 

「その通りニャ。間違いなく、トッツイでもバッシでもなく」

 

「…ならば行きなさい。少々苛立つ事もあるかもしれませんが、刃物を使ってはいけませんよ。ギルドナイト案件ですから」

 

 

 ……ハンマーならええんかい。と言うか、一体何があるんだよ…。

 まぁ、お二人さんが行けと言うなら、そうしますか。今日の狩りだって、そんなに本気で行こうとは思ってなかったし、まだクーラードリンクの用意すらしてなかったし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 行ってみた。

 

 結論、働け、豚姫になるぞ。

 

 

 

 

 …およそ、女性に対して使うべきではない暴言(男性だったらいいのかと)が、似非とはいえフェミニスト…なんか違うな、『へみにすと』の俺から多数飛び出した。

 誰に対してって? ブ……じゃなかった、歌姫サンに対してだよ。

 

 と言うかモービン、あれで良かったのか? リアとの会話を見るに、こうなる事を予測してたようだが。

 

 

「ああ、あれでいいのニャ。今の歌姫様には必要な事だが、オレ達にはできない事ニャ」

 

 

 ふぅん…まぁ、意図した所は察せないではないが…。とりあえず、最初から書いておこうか。

 呼び出されて泉まで来たんだが、出迎えたのは呼び出した歌姫ではなく、トッツイとバッシだった。おう、元気そうだな。ところで歌姫サンから呼び出されたんだが、何処にいるんだ? と言うか何の用だ?

 

 

「さぁ…オイラ達も、寝耳に冷や水だニャ。モービンが帰ってきてたのだって、今知ったのニャ」

 

「昨晩には帰ってきていたそうですが…ニュフ、そのまま出かけられたので?」

 

「そんな所ニャ。昨晩のバッシとトッツイは…その、ちょっと話せる状況じゃなかったのニャ」

 

 

 ? どういう事だ?

 

 

「すぐ分かるニャ…」

 

 

 モービンが奥に目を向ける。そこから出てきたのは、足音も荒く(キッパリとひ弱だが)登場してきた歌姫サン。

 トッツイとバッシ、モービンにも目もくれず、俺の目の前に。

 

 

「貴方ですね…。トッツイとバッシに、何をしたのです!」

 

 

 ………は?

 

「…ニャ?」

 

「…ニュフ?」

 

 

 俺と2匹の戸惑う声。説明を求めるようにモービンに目を向ければ、肩を竦められた。

 

 

「先日、貴方と共にトッツイとバッシが出かけ、帰ってきてみれば…夜毎に悲鳴を挙げては飛び起きて走り出し、壁に激突してまた気絶する。昨晩など、危うくバッシが泉で溺れる所でした」

 

「そういえば、いつの間にかタンコブが…」

 

「今朝、毛皮が妙に濡れていたと…」

 

「ま、そういう事ニャ。でも、起きたら二匹とも全然覚えてニャいし、妙な夢を見たとも言わニャい。これはニャにかあると思って、調べた訳ニャ」

 

 

 そしたら、前日俺がこいつらを狩りに連れて行った事が発覚し、呼びつけたと。

 

 

「…あー…それは…ニャぁ…」

 

「夢にも見るニャ…」

 

 

 …まぁなぁ。自分達が何言ってるか叩き込む為とは言え、いきなりアカムと対面すりゃトラウマにもなるわなぁ…。

 

 

「で、でもその歌姫様! その件についてはオイラ達も悪かったと言いますか、お互いにもう納得して…」

 

 

「お黙りなさい! 私は貴方達の主、この件については徹底的に追及する義務と権利があります!」

 

 

 ………まぁ、言ってる事は尤もだよな。理由と切っ掛けはどうあれ、身内にトラウマ刻み込まれりゃ、そりゃ怒る。

 でもなぁ………こうまで一方的にこっちを悪者扱いされるとなぁ………!

 

 

「どうしたのです、言いたい事があるのなら言ってみなさい!」

 

 

 相手がキャンキャン喚くだけのチワワ同然でも、反撃を躊躇う理由は無いんだよォ。

 

 主、主ねぇ……お前が? ペットじゃなくて?

 

 

「な、どういう意味です! 人を侮辱するのもいい加減になさい!」

 

 

 そういうセリフは、自分の言動を顧みてから言えよ。

 アイルー達を放し飼いにしてトンでもない依頼をバラ撒いた上、当人は何があったかも興味は無いが洞穴の中で引き籠りと来た。

 おまけに、何でこいつらが素直についてきたのか、全然わかってないと来た。

 

 お前、自分の財布の中身分かってんのか?

 そうやって引き籠ってる間、誰が飯代稼いでるのか分かってんのかよ。

 

 

「な……」

 

 

 トッツイとバッシに目をやる歌姫。…バッシは気まずそうに眼をそらし、トッツイは「大したことではありませんニャ! 全ては歌姫様の御心の為ですニャ!」と言ってたが、この場合どう見てもトドメだよな。自分がニートしてる間、トッツイ達が必死こいて自分を養ってたって証明だ。

 ハッ、配下に養われている自覚も無い主とは、また滑稽な事だ。

 

 大体手前ェ、文句言うならモービンに呼びに越させるような真似をせずに直接来いや直接!

 トッツイを傷つけられて頭に来た? バッシが心配だった? ああ、そりゃ確かだろうさ。だがそれでも結局! テメェは自分の領域から出ていない!

 お前の怒りとやらはその程度だ。

 

 

「っ!」

 

 

 繰り返す。言いたい事があるなら、そっちから来い。

 トッツイ達なら、今までの義理や付き合いもまだあるが、お前の恨み節に突き合ってやる理由は、何一つない。 

 被害者面して文句言えば、相手が頭を下げてくるなんて勘違いをしているバカなんぞ、知った事じゃないんだよ。 

 

 

 それが出来ないなら、誰にも関わらずに、何もせずに悲劇の姫君気取って、トッツイ達の尽力を食い潰しながら食っちゃ寝してろ。

 そんな生活してたら、太って豚になるだろうけどな。

 試しに、二の腕とか脇腹とか摘まんでみたらどうだ?

 

 フン、じゃあな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …大体こんな感じだったかな。頭に血が上ってたし、実際にはもうちょっと色々言ったんだが、よく覚えてない。

 

 正直、言ってやったという爽快感はあるが、言い過ぎたかな、という後悔もある。

 いやホント、豚だの何だの、女相手に言う事じゃなかったわ。いや男相手ならいいって訳じゃなくてね。

 

 

「いやいや、あれでいいのニャ」

 

 

 …モービンか。何だ、姫サンについてなくていいのか?

 

 

「今はいいニャ。それより、悪役を押し付けて悪かったニャ」

 

 

 言いたい事を言っただけだから、そこは気にしなくていいが…やっぱ、お前らも同じ事を思ってたのか?

 

 

「…言い方と強さは違うけどニャ。歌姫様が落ち込むのも無理はニャいけど、穴倉にずっと籠りっぱなしじゃ、それこそ気が滅入って立ち直る事もできないニャ」

 

 

 まぁなぁ…。俺が知る限り、洞窟から一歩も出てないみたいだし、ロクに体も動かさずに暗い考えばっかりしてりゃ、立ち直れる筈もないわ。普通は、ある程度続いた所でイヤでも音を上げるんだがな。

 …にしても…『落ち込む』『気が滅入る』ねぇ…。モービンは、トッツイやバッシと違って『呪い』とは言わないんだな。

 

 

「…呪いと言うのも、間違ってはいないニャ。オスメス問わず、誰でもかかる呪いだニャ。本来なら、呪いでもあり、祝福でもあるニャ…だけど、呪いだけに変わってしまったニャ」

 

 

 やっぱそういう事ね…。トッツイやバッシの尽力は、結局無駄だったか。

 

 

「全くの無駄ではニャいニャ。歌姫様も、自分の為に何かしてくれている、というのは分かってるニャ。それでも慰めにしかならないくらいに、呪いが強すぎるニャ…」

 

 

 それを無駄って言うんだよ。ったく、あいつらが言う儀式まで、あと一歩だってのに…。

 

 

「あと一歩じゃニャくて、今条件は揃ったニャ。お察しの通り、歌姫様はトキシから貰った装飾品をまだ隠し持っていたニャ」

 

 

 ……あん? 

 

 

「歌姫様と言い合ってる間に、バッシが居なくなってた事に気付かなかったかニャ? どこに行ってたと思うニャ?」

 

 

 おま……まさか、俺を囮にして、バッシに歌姫サンの部屋を探らせたのか? 確かに目星はつけてあると言ってたが、鍵はどうした………俺に気を取られてる歌姫サンからスった?

 …なんつーか、油断のならん奴だな…。仮にも主(被扶養者)に対してそこまでやるとは。

 

 

「お褒めに預かり光栄だニャ。時代はチョイワルおネコだニャ」

 

 

 それ単なるメラルーじゃねーか。と言うか、呪いじゃないんだったら、儀式の条件を揃えても意味ないんじゃないか? むしろ、勝手に思い出の品を持ち出されて怒ると思うが。

 

 

「それが狙いだニャ。怒りでも悲しみでも、何でもいいニャ。今の歌姫様に必要なのは、何でもいいから自分から動く事ニャ。勝手に部屋を漁って、装飾品を持ち出したバッシには怒ると思うけど、沈んで悲嘆にくれてるよりずっといいニャ」

 

 

 …で、自分はこうやって悠々と逃れてる訳か。大した悪党だこと。

 つーか、本気で大丈夫かね。あんだけ罵られた上、身内が自分の大事な物を勝手に持ち出す裏切りとか、本気で心が圧し折れるんじゃねぇの?

 

 

「そーれーは違うニャ。歌姫様を甘く見過ぎだニャ。あれで意外と負けん気も強いし、行動力も突発的に高くなるし、反骨精神も旺盛なのニャ。いくら大事に育てた子でも、自由なアイルーのオレ達が、ただ見た目がよくて便利な力を持ってるだけの女を、姫様扱いすると思うかニャ? …良くも悪くも、なのは否定できないけどニャ…」

 

 

 む…。確かに、基本が獣のお前らが、弱者に従う理由はないよな…。

 まぁ、事ここに至って、どうこう言っても無駄か。トッツイが後で死ぬほど怒るかもしれないが、間違った事を言ったつもりもないし、あの状況でオブラートに包む義理があったとも思わん。理不尽なクレーム付けてくる相手に、後先考えずに思いっきり罵り返してやった気分だわ。

 モービン達には悪いが、俺にとっては現在進行形でモノブロスとやり合っているであろう、コーヅィの無事の方がずっと重要だ。 

 

 

 

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