※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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結局ダクソ3買ってしまった…。
まだプレイしてませんが。

にしても、このところ全然話が進まない。
デンナーはほぼ復活してるからいいとして、歌姫クエストが完全に停滞しとる…。
ストーリーの進捗率が、90%と20%くらいになってしまった。

仕方ないから新しい案件を一つ捻じ込もうと思ってますが、これって幻想砕きの剣の時にもあった、どんどん話が冗長になるパターンだよな…。
と言うか、歌姫クエストだけでも一体どれだけかかるか…。
下手しなくても、今年いっぱいモンハン世界やってそうです。


第267話

P3G月

 

 マオと一緒に狩りに行ってきた。何やら張り切っていると思ったら、上級ハンター昇格試験の通知が来たらしい。

 以前は「そろそろかな」と思っていた所に、発作で狩りを断念せざるを得なかったんだよな。今度こそは、と息巻いている。

 

 …それとは別に、ちょっと悩みがあるようだけども。

 具体的にはルーディの事。最近、前にも増して問題行動…と言うより、無茶な戦い方が増えているらしい。

 しかし、当の本人は「無茶な事などしていない。全て予想した通りの動きで、予想した通りの結果になっている」と述べる。…多分ガチなんだろうなぁ、それ。ルーディの戦い方と言うか戦闘センスは、とても理解も真似もできるようなものじゃないし。

 マオもそれは分かっているのだが、見ていて非常に心臓に悪い。最近では、設置した爆弾を自分で起爆して飛び上がるとか、更にその状態から抱えた爆弾を叩きつけるとか、ルーディ自身も、周囲で戦っているハンターも危険な真似をするようになったらしい。

 戦い方は危険だが、その分非常に強力で、モンスターも手早く倒せるから、むしろ回復薬等を使う必要が減り、結果的には収支黒字になる……らしい。味方のハンターを巻き込まなければ…という条件付きだが、偶然なのか技量の問題なのか、今の所ルーディの攻撃に巻き込まれた者は居ない。

 

 うむ…スタイリッシュボマーの型が、どんどん完成に近づいているようだな。

 だが、一番問題なのはそこではない。最近、ルーディは「相棒」作って出撃…もとい狩りに出ようとするようになった。別に、それだけなら問題は無い。共に狩りに行くのはいい事だ。

 しかし、その「相棒」は特定の決まった相手ではなく、近場に居た団員を適当に捕まえているだけらしい。相手の都合もほぼ考えず。

 

 確かに問題だなぁ…。

 

 

 

「だろう? 私も先日、突然付き合わされてな…。狩りたい相手が居れば、そちらを優先してはくれるんだが、大抵それだけでは終わらない。続けて何かを狩りに行くか、乱入があるか…。全く、今まではほぼ一人で狩りに行っていたのに、どうしたんだろうな。いやそれはそれで問題なんだが」

 

 

 …多分、霊力教えた時に言ったアドバイスが原因だよなぁ…。一人ではルーディの考える運用法は難しいから、サポートを付けろって。

 

 

「…どうした? 何か考え事か?」

 

 

 いやいや、マオに似合うコスチュームは裸エプロンか裸割烹着かを考えていただけだ。

 

 

「人にどんな格好をさせる気だ!? しないぞ、私はしないからな! …いやどうしてもと言うなら考えなくも………ゲフン、ちなみにミーシャだとどうだ?」

 

 

 うーん…受付嬢みたいな服かな。

 シチュエーション的には、そうだなぁ…タチの悪いニート男に引っ掛かって、ミーシャが養ってる感じ。

 仕事を終えて家に帰ってきたら、酒飲んでゴロゴロしてた男に「またお酒飲んでたの? いい加減にしないと体を壊すわよ」とか怒ったら、「うるせえ俺の勝手だ! ナマイキ言ってんじゃねえ!」とか逆ギレされて引きずり倒され、ひん剥かれて無理矢理ヤられた挙句、心の中では「やっぱりこの人には私が居ないとダメなんだ」と思っているような……。

 

 

「…ふむ…………」

 

 

 マオ、沈思黙考。

 

 

「…………うむ」

 

 

 深く頷いた。ついでに、「君はミーシャの事をよく理解しているな」なんてコメントまでついた。どんな目で猟団長を見てんだよ。

 ちなみに、似合うのはある意味当たり前だ。実際俺に引っ掛かって都合のいい(ただし若干重め)女になりきってるし。

 

 

 

 

「ついでに言うとな、アンナがどうするのか、正直予測がつかないのが非常に怖い」

 

 

 アンナ…と言うと、あの宴会で絡まれた時の最後の一人か。

 

 

「最後の、ね…。つまり残りの2人にはもう手を出したと言う事だな。それに関しては後で埋め合わせをしてもらうが、アンナはとにかく負けず嫌いでな。普通に考えれば、あの時言ったような、霊力の為に君に抱かれる、なんて事はお断りだろう」

 

 

 常識的な反応でしたもんね。ジェリーとルーディはあっけらかんとしてたし。

 美人で強気な見た目に反して、妙にウブな反応してたもんなぁ。なんちゅーか、一途と言うか「本当に好きになるのは、生涯に一人だけと決めている」とか言いそうなタイプだ。

 

 

「毎度毎度思うが、よく僅かな接触だけでそこまで辿り着けるな…。女絡みの推測は殆ど的中しているし…。ともあれ、あの時君に迫った3人のうち、自分だけ出遅れている状態な訳だ。他人の言動で自分の決定を変えるような奴ではないが、同時に他人に負ける事が何より嫌いで、かつ「戦場での勝利以外に価値は無い」と断言もする。狩りの腕にも自信を持っていて、霊力なんぞ不要と考えるかもしれんが、同時にあらゆる努力を惜しまない為、より力を付ける為の方法と割り切る可能性もある」

 

 

 …本気で行動が読めんな。読めないが……今までのパターンから行くと、何だかんだで抱く事になるんだろうなぁ。

 

 

「…君の異性運はどうなっているんだろうな、全く。しかし、実の所私も同じように予想している。だから、君に言う事は一つだけだ。……どうせだったら、アンナをコントロールできるように躾けてくれ。アンナがルーディ並みにはっちゃけ始めると、何が起こるか想像もつかん」

 

 

 おっしゃ任せとけ。ウブなネンネをしゃぶり尽くす所存です。…ま、こっちから仕掛ける気はないけどね、今の所。

 

 実際、このペースでお相手の人数が増えていくとどうなる事やら。ベルナ村で、各地を飛行船で巡ってた時のお相手の方が多いけど、あの時はそれぞれの場所の現地妻だったからな。揉め事になろうにも、距離が離れすぎていた。

 今は…近いどころか、殆どが同じ猟団の中。今のところは、一人一人を丁寧にノックダウンさせ、「自分だけじゃ体が保たないから」とか納得させてるけど、それもいつまで保つ事か。

 

 

「まぁ…それはそれとして、だな。さっきも言ったが、私に上級昇格試験の話が来ている訳だ。何かこう……言う事は無いか?」

 

 

 頑張れ、無事に帰ってこい…としか言いようがないな。実際、マオの戦力は上位でも充分通じるくらいなんだから、よっぽどの選択ミスかヘマでもしなければ、充分合格できると思う。

 …ちなみに相手はもう決まってるのか?

 

 

「ノノ・オルガロンだ。狩猟対象は雌のみだが、やつらは行動を共にするからな。流石に2頭同時を一人ではきついので、誰かに手伝ってもらうか、分断して各個撃破になるが」

 

 

 雌響狼か…。あのスピードは厄介だが、マオの魔眼があれば動き自体は見切れるな。問題は、見えてもそれに体が対応できるかだが…そこが今回の試験の肝になりそうだ。

 アイツの咆哮には、耳栓は効果ないぞ。動きで振動やら風圧やらが度々起こるから、2頭同時になるともうロクに動きが取れなくなる。絶対に同時に相手にするのは避けるべし。

 割と打たれ弱いのが救いだな。

 閃光玉を使う時は要注意。背中が柔らかくなるけど、なんか知らんが光に反応して即怒るから。

 

 

「ああうん、要求した以上に的確なアドバイスをありがとう。ありがたく参考にさせてもらうが、言いたいのはそうじゃなくてだな…。その、もっとこう、無いか? ちょっと気が早いが、上級に上がったらご褒美と言うか餞別と言うか、いや自分で言いだす事じゃないとは思ってるんだぞ。しかし何というかモチベーションを上げる手伝いくらいしてもいいのではないかと…」

 

 

 うん、何を言いたいかは分かる。分かってるけど、マオがそーやって言葉を濁しながらも求めてくるのが見たかったっス。

 

 

「あ、相変わらず悪趣味な…」

 

 

 褒めてくれてありがとう! ま、差し当たりだな、今から即席パワーアップとかどうかね? オカルト版真言立川流は、元々その為の技術だぞ。何、怪しいもんじゃない。これも一種のネコ飯や狩人弁当みたいなもんだ。

 ああでも、上級試験にはまだちょっと日があるかな?

 

 

「確かに、試験があるのは5日後だが、急激なパワーアップだと色々感覚が狂うからな! 今のうちに慣れておくに越した事はないよな! なるべく早い内に慣れるべきだよな!」

 

 

 いや全く持ってその通り! と言う訳で慣れる為に、今からでもドーピングしておきましょう!

 

 

 この後無茶苦茶セックスします。

 

 

 

 

 

P3G月

 

 

 団員達が集まって盛り上がってたのを見つけて、何事かと思って近づいてみた。

 

 

 

 

 

 舌打ちされた。

 

 

 

 

 何だよいきなりよぉ! 猟団長に対してとか立場はどうでもいいけど、こんなんでも心が傷つく事くらいあるんだぞ! 形状記憶合金みたいに、すぐ元通りになる心だけど!

 

 …で、何かと思ったら旅行の計画らしい。旅行と言っても、メゼポルタ広場からあまり離れてない近場の街までだ。

 それで何で舌打ちされるかな。と言うか、旅行行くんだったら一言くらい相談してくれりゃ、福利厚生の一環と考えない事もないぞ? すぐ近くだから、そんなに旅費もかからないし。

 俺も行きたいけど、下手にメゼポルタ広場から離れると俺の場合はな…気のせいだと割り切れればいいんだがな…。

 

 …いつもの彼らなら、すぐに話に乗って来ただろう。何せ、この話をしていたのは猟団初期から居るメンバー。古参と言えば聞こえはいいが、ウチの場合は真っ先にタカりに来た連中という意味だ。

 そんな連中に、「旅費を立て替えるか?」なんて言えば二つ返事で頷くに決まっている。最近は真っ当なハンターやるようになったが、性根はそのままだもんな。

 

 

 が、まさかのNO。

 

 

 一体どういう事だ、と愕然としてたんだが……相談していた団員の一人に、パンフレットを渡された。旅行先のパンフのようだが……。

 

 

 

 

 

 あ。

 

 

 

 開かれているページは、思いっきり水商売の…。街のパンフレットと言うよりは、夜の〇〇の歩き方、かな…。

 ええと、つまりお前ら……発散しに行く訳?

 

 

「その通り…。メゼポルタ広場には…娼館は無い…。コーヅィさんや…団長のように…特定の相手が居るならいいが…そうでないなら…自家発電…!」

 

「フロンティアのメゼポルタ広場では…珍しくもない事…! 事実…この町の収入源は…発散に来たハンター…!」

 

「他の猟団でも…相手が居ない者同士で集まって…行く事もある…」

 

 

 あぁー……成程、そりゃあるよな、そういう話。うん、メゼポルタ広場で持て余された欲求がどう処理されてるのか分からなかったけど、疑問解決。

 流石にそれを福利厚生扱いはできんわ…。いや旅行に行くだけなら出来るけど、それをやると多分他のハンターも相乗りするもんな…。女も入るものな…。

 

 

「あの街には…女向けの風俗は無い…。もう少し遠い…別の街だ…」

 

 

 ホストクラブとかもあるって事ね。

 どっちにしろ俺はやっぱり行けないな。増える事への公認は貰ってるけど、ソッチ系の店はミーシャもマオもNGだ、多分。

 

 

「ケッ」

 

「チッ」

 

「ペッ」

 

「壁を寄越せ」

 

「タヒね」

 

「こころのなかにやみのようなものがうまれる・・・」

 

 

 …この扱いよ。いや気持ちは本当によくわかるけどね。

 俺もかつてはリア充に嫉妬したもんだ。と言うか、俺みたいな奴をこんな旅行に連れてく訳ないな。むしろムラハチするわ。

 

 

「くぁー! この余裕! 散々イチャつきやがって…」

 

「しかも…浮気公認で…どんどん手を広げていると聞いたぞ…」

 

「この前はストライカーの猟団長と…副長…。また別の女と…自宅に向かっているのを見た…」

 

「G級……G級になれば…俺達だって…!」

 

「なれる気が…まるでしない…。そしてそれ以上に…なれたとして、複数の女と関係を持って……破局しないとは思えん…!」

 

「リアルを突き付けるな…。せめて…妄想の中でくらい…!」

 

「しかし、本当によく破綻しませんのぅ…。その、何かコツとかあれば…」

 

 

 腰。タフさ。テク。

 とにかく「一人じゃ保たない」「でももう離れられない」と思わせる事。

 

 …と言いたいところだが、それはあくまで不満を抑えたり解消させる方法であって、問題を起こさせないと言う事じゃないな。

 ま、これに関しては相手の性格がデカいな。しっかり自分を見て満足させてくれれば、多少の事には目を瞑る、或いはその時以外は好きにすればいいって考えが強いから。

 

 そもそも、こういう人間関係だってのあんまり隠してないから、それが許容できない人は寄ってこないんだよ。

 

 

「それも道理…できないものは…どうしたって無理…。できる者で固める…!」

 

「普通…そんな都合のいい人…そうそう居ないんですが…」

 

 

 さもなくば、何かしらのギブアンドテイクで納得させるかなぁ。ほれ、金で囲って愛人にするとか、そういう話だ。金に限らず、幸福、愛情、快楽、生活環境その他諸々。

 後は……そうだな、例えばお互いの人生を賭けた勝負に勝って、文句を言う権利すら剥奪するとかかな。ま、これだといつ後ろから刺されるか分かったもんじゃないけども。

 

 

 

 

 

 

P3G月

 

 

 VSクエスト、というのを知っているだろうか。俺もこの世界、今回ループに来てから初めて聞いたシステムなんだが…簡単に言えば、モンスター討伐のタイムアタックだ。

 ルールは単純。2つのパーティーが同じクエストを受注してクエストクリアまでの時間を競うだけ。基本的に、同じ種類のモンスターを相手にするのだが、ゲームと違って全く同じ、個体差の無いモンスターが居る訳じゃないし、同じ場所で戦っているのにお互いが居ない、なんて事も無い。

 なので、実際は極めて近い区域に生息する同じモンスター…同意の上であれば、別々のモンスターのクエストを同時に受け、出発・討伐・帰還までの時間を競うものとなる。

 

 ハンター同志の揉め事が起きた際、このV.S.クエストを用いる事でカタを付ける事もある。

 ゲームで言えば、恐らく対戦のシステムなのだろう。モンスターを操る…のはモンハンではまず考えられないので、恐らく同時進行でどっちが先にクリアするか、という問題。

 

 

 

 …なのだが、実を言うとこのクエスト、基本的にあまりいい評価を得ていない。率直に言えば、ルールがガバガバなのである。

 流石にお互いへの直接攻撃は禁止されているが、明確な罰則がある訳でもないし、逆に専用の対人罠(殺傷性無し)まである始末。しかし、その罠自体に危険が無かったとしても、モンスターと向き合っている間に痺れ状態になりでもしたら、ガチで命の危機である。一時期、V.S.クエストが決闘、下手すると暗殺の代名詞になりかけた次期さえあったそうな。

 亜種として、トドメを刺した方の勝ち…なんてルールもあるが、それはそれで問題が多発したそうな。具体的には、「俺の一撃で終わった」「いや、そこはまだ最後の抵抗をしようとしていて、それを俺の攻撃で終わらせた」みたいな。…そーいや、いつぞやのオストガロアも倒した後にブッパしてたなぁ…。

 

 そもそも誰が判定するのかもフワフワだし、上記ルール以外に殆ど明文化されてないので、狩りの送り迎えの馬車(ガーグァ車)の買収さえ可能。審判の買収は…記録こそないが、あるんじゃないかなぁと疑うレベルだ。

 狩場に行ってすぐにモンスターを見つけられたとしても、個体差の強弱で狩りの時間が左右される事も多いから、運の要素も非常に強い。 

 

 そして何よりも不評の原因となっているのは、目の前のモンスターを単なる的として見て、まるで敬意を払わない事。いや、全くのゼロではないんだが。

 狩りの場でモンスターと相対する時というのは、真摯でなければならない。誰にも邪魔されず………小型モンスターや乱入モンスターに邪魔されまくるけど、独りで……最大4人で行くけど、静かで……モンスターの咆哮やハンターの叫びで騒がしいけど、豊かで……まぁ自然だけは豊かだな…。

 

 とにかくしっかりモンスターと向き合って、命のやり取りをしなければいけない。モンスターと戦いながら、実際はそいつ以外ではない誰かを見ているなぞ言語道断。これが大多数のハンターの意見である。

 尤も、モンスターにしてみれば、何が目的であろうと狩られる事、反撃する事には違いないから、考えすぎだという意見もあるが。

 この倫理観については、ハンターが乱獲したりするのを防ぐ為の物でもある。一時でも訓練所に居たハンターであれば、洗脳に近いやり方で刷り込まれる意識なんだよなぁ…。ウチの元タカリ達でさえ、程度は違えどこの意識を持っているのだから驚きだ。

 

 

 これらの意識の是非はともかく、ハンターとして持っていて当然の最低限のモラルに触れる(ように思われる)為、あまり利用はされてない訳だ。報酬もあんまり美味しくないし。

 

 

 …で、ここまで長々と説明した時点で検討はついていると思うが。

 

 

 

「同意と見てよいようじゃな。では、VSクエストを受注する」

 

「ああ。…どうした、臆したか? そんな事では、私が問答無用で勝ってしまうぞ。結果が同じであっても、多少は抗ってほしいものだな」

 

 

 

 アンナさんに勝負を挑まれました。アンタこんな事しててええんかい。そろそろマオの上級試験出発の日だろうに。

 

 

「マオなら多少手古摺っても、充分成功できる内容だったから問題ない。それにさっさと片付ければ、見送りにも間に合うからな」

 

 

 まぁいいけどよ…。相手はリオレイアが3頭。場所は砂漠。装備はお互いに同じものを使う。クエストを終了し、その報告でメゼポルタ広場に戻って来るまでが勝負。尚、狩場に向かう為の手段は自分で調達。事前にガーグァ車を予約するのと、狩場で相手を直接攻撃するのだけは無し。

 他に特にルールは無かったよな。

 

 

「肝心の事を忘れているぞ。お前が負ければ、週1回のペースで、私が指定する素材を調達する」

 

「モンスターの素材の横流しはギルドナイト案件じゃぞー」

 

「狩りに同行して、その報酬を融通し合うという名目だから問題ない。そして私が負けたら」

 

 

 俺に抱かれる、か。

 

 

 率直に言うが、面倒くさいって意識の方が先に来るぞ。そもそも俺がそうしたい、って言った訳じゃない。どっちが勝っても、アンナの都合に付き合わされるだけな気がする。

 

 

「むぅ…こんな絶世の美人を相手によく抜かす。立たない訳でもなかろうに」

 

 

 残念美人の間違いとちゃうか? 確かに見かけも含めてスペックは物凄く高いが、性格がヒジョーにアレだよ。プライド高くて面倒くさいよ。

 

 

「実力に裏打ちされたプライドだからいいんだ。大体、ミーシャのように都合のいい女になってやる必要は無いからな」

 

 

 ミーシャのアレは、単なる都合がいい女じゃないぞ……裏に色々潜んでるぞ…。

 

 と言うか、何だってこんな事になってんのやら。お前さんの実力なら、霊力を無理に覚えなくてもいいだろう。

 弱い相手に抱かれるのが気に入らない、ってだけか? これで自分に負けるようなら、霊力も大した効果は無くて覚える価値もなければ、俺に触れさせるのも嫌だってか?

 俺が勝ったら納得する訳でもなかろうに…。

 

 と言うか、前にマオも俺も「どう行動するか分からない」と言ってたが、考えてみればこれは一番ありそうなパターンだったな。抱く抱かれない以前に、それだけの価値があるのか見極めに来る。

 つき合わされる方としては、限りなく迷惑だが。

 

 

 

 

 まぁいいや。そら、手続きが終わる。書類を受け取った時点で勝負の始まりな。

 せーので受け取る。『の』が終わった瞬間から、書類に手を触れていい。

 

 

「いいだろう。…せーの!」

 

 

 

 

 クエスト開始! 

 尚、書類を受け取って駆けだそうとする瞬間、お互い同時に足払いをかけてすっ転ぶと言うアホな展開となった。…足よりも書類を持つ手を狙うべきだったかな。

 

 

 

 アンナの動きはスムーズだった。フロンティアでの狩りの経験が長い為か、狩場へのルート、その為に乗り継ぐガーグァ車の出発時間とか、その辺の行動が実にスムーズだ。俺は狩場へ一番近い便に乗ったつもりだったが、それは距離だけの話だった。荷物の重さで移動が遅くなったり、途中でモンスターを撃退したりしたおかげで、かなりのタイムロス。

 ここまで計算してたのか…。

 

 

 まぁ、途中から鬼疾風で移動したから、途中で追いついたんだけどね。「走ってくるとかマジか」と目を丸くするアンナの表情は見ものだった。

 尤も、そうでなくては面白くない、とばかりにニヤリと笑ったが。

 そしてその後、狩場に到着するまでお互いボウガンでガンガン打ち合っていた。ルールにあるのは、狩場での直接攻撃禁止。そこに辿り着くまでに撃つ事については、全く言及されてないのである。

 

 

 そこから先は、二手に分かれてのタイムアタック。

 …遠目に狩ってる所を1度見たんだが…ああ、スゲェな。本当に。フロンティアに来たばかりの俺だったら、霊力を使っても確実に負ける。それくらいの実力はあった。

 問題行動が多いと聞いてるが、こいつやルーディが下位ハンターって本当におかしいよなぁ…。少なくとも上級の中でも上の方の実力者だぞ。

 

 

 

 さて、肝心の狩りの方はと言うと、俺は順調。幸い、1体目はすぐに見つかって狩れた。2体目は少々離れた場所に居たので、鬼疾風で近付く必要があったが、これまた狩るのにそう苦労はしなかった。

 3体目が問題。ここまで来ると、リオレイアも俺とアンナ…俺と同じで、既に2体討伐済み…を警戒しており、中々見つからない。おまけに乱入まであった。………金レイアだった。

 

 

 

 金レイアは討伐対象にカウントすべきかで少々議論したが、結局は対象外となる。ギルドの依頼でも、明確に分けられてるしね。素材の剥ぎ取りタイムだけは、お互い邪魔せずカニを食う時のように無言で。

 

 

 んで、お互い最後のレイアを探す訳だが…先に見つけたのは俺だった。ただし、遠くの方でずーっと空を飛び続けている奴を。

 俺達から逃げてるんじゃなくて、単に移動してるだけっぽいな。……あれだと、狩場領域ギリギリに降りてくるかどうか…。追うべきか? 追いかけて、もしも狩場の外に着地するようなら無駄足+無駄時間で、ほぼ負けは確定。…しかし、このまま別のレイアを探しても見つかるかどうか分からない。

 戦闘能力は決して負けてないが、アンナの勘は異常だ。どんなに戦闘力が高くても、ターゲットの目の前に辿りつけなければ意味がない。

 

 

 数瞬だけ悩んで、俺は空を飛んでいたリオレイアを追いかける事にした。

 結果は…狩猟成功。だがかなり時間がかかってしまった。移動の為だからか、それとも個体差によるものなのか、とにかく空を飛び続けて全く降りてこない奴だったんだよなぁ…。結局、狩猟領域の外に降りようとするから、挑発使ってなんとか引っ張り出したし。

 

 

 で、ようやっとこさ討伐し、そのままメゼポルタ広場に直行。帰りがけに見たが、アンナも3体目のリオレイアを追い詰めているのが見えた。

 討伐こそこっちが早かったようだが、油断はできない。帰りがけに、ガーグァ車の移動や乗り継ぎの間に追いつかれる可能性は、充分にある。

 

 最悪、メロスのように延々と鬼疾風する事も考えながらガーグァ車に乗ろうとした………瞬間に、地雷で吹っ飛ばされた。ガーグァ車の手前に、樽爆弾が埋められていたらしい。俺へのダメージは大した事ないが、ガーグァ達が驚いて騒ぎだした。この分だと、まともに移動できそうにない。

 

 

 

 

 …ああ、そうだなそういやそうだったな。直接的に攻撃をするのが無しと言うだけで、間接的ならいいんだよな。

 

 とりあえず、もうちょっとでリオレイアを倒せそうなアンナに向けて、ペイント弾の要領でモドリ玉狙撃。これは攻撃じゃないぞ。むしろダメージ受けてたみたいだから、キャンプに戻って寝て回復する為の援護だぞ。軽症だったけど。

 アンナにイヤガラセもとい援護をした後、つい先ほど考えたように、メロスの如く鬼疾風。

 移動中に、閃光玉の罠とか、さっきと同じ樽爆弾の罠に何度かかかった。どうやら、狩場に向かう小競り合いの間に、いつの間にか仕掛けていたらしい。俺に全く気取られずに仕掛ける技量も流石だが、それ以上に行動ルートを完全に読まれたな…。と言うか俺がこうやって走って移動するのを確信していたようだ。やはり、さっきのガーグァ車が使い物にならなくなるのも計算の内か。

 セコいと言えなくも無いが、本当に勝つ為に徹底しとるのぅ…。

 

 

 山を越え谷を飛び越え川を水上歩行で渡り疲れたらその辺のランポスを捕まえて足代わりにし、ショートカットしまくりながら進む。アンナが通らなかったルートを進めば、罠は無い。

 かなり汗だくになりながら、何とかメゼポルタ広場に戻ってくる。後ろをちょっとだけ振り返ると、まだ遠いがアンナらしき人物が、土煙をあげる馬車(俺が使ってたガーグァも連れて、4頭引き)で爆走しながらこっちに向かっていた。

 

 が、もう遅い。後はクエストの完了報告をするだ……

 

 

 何ぃ!? こ、このタイミングで対人痺れ罠だと…!?

 いや、しかしここならば確実に俺が通る! しかも勝ちを確信した状態にせよ、ギリギリのデッドヒートで走るにせよ、足元への注意が疎かになる一瞬!

 更に言うなら、この罠にかかって痺れている俺に、勝利の瞬間を見せ付ける事も出来る! 何と言う………いやらしい……配置!

 

 

 

 …あれ? あの、ギルドマスター? なんでそんな険しい顔してんスか? とりあえずクエスト完了の報告を受け取ってほしいんですが……え、その前にやる事がある? おこ? おこなの?

 いや対人痺れ罠をメゼポルタ広場内に仕掛けたのは悪かったけど、これは俺じゃなくてアンナ……はい? 

 

 

 仕掛けたのはギルドマスター? え、何で? 

 

 

 状況が理解できず呆然としていると、追いついてきたアンナが……俺の隣で、同じように痺れ罠にかかりました。

 二人揃ってぶっ倒れて、そのまま衆人環視の中で延々と説教されました。

 

 

 …狩り場に行くまでの間、打ち合いやってたのがアカンかったようだ。流れ弾があっちこっちに飛んで大変らしい。…こやし弾もペイント弾も打ちまくったからな…。そりゃ怒られもするわ…。

 

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