※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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ヨームをジークバルドさんと共に討伐直後、強制ワープを喰らった。
おのれエンヤ婆さん。
話しかける前に、倒れ居ていても斬り付けるべきだったか。

と言うかジークさんパネェ。
一人でも倒せない事は無い動きだったように思うが、初見でスゲェ楽にヨームを倒せてしまった…。

現在ロスリック城をウロウロして、2体竜に3回ほど焼き殺されています。
5万ソウル程ロストしました。
ここまでほぼ、打刀と傭兵シリーズと青の木盾のみで進んできましたが、そろそろ限界が見えてきたかな…。
どの敵に何の属性が有効化も、魔力エンチャントでどれくらい威力が上がるのか分からないけど、そろそろ魔術とかにも手を出してみようか。
それとも徹底して技量を伸ばすべきか…。



ところで、ウェストライブもとい西住さんちのウス=ヰ本って、母親と姉ばっかりだなぁ。
それだけエロいって事なんでしょーが、妹がエロくない訳ではないと思うんだ。
ピッタリ似合うシチュエーションが見つかってないだけだと思うんだ。

と言う訳で、西住みほに呼ばれるとしたら、『お父さん』か『パパ』のどっちがいいか真剣に悩んでおります。


第276話

P3G月

 

 

 とりあえず、ウェストライブ嬢から指定された素材をせっせと集める。確保してきても、品質が悪かったり(この場合は仕方ないとは思うが)、目的に沿うような大きさじゃなかったり、強度が足りなかったりしたら再度持ってこい、と言うのは普通に鬼畜な話だと思う。トッツイでもそこまで……いや、言いそうだよなぁ…。

 ガチで言うかはともかくとして、少なくともウェストライブ嬢との契約には、そこら辺の事もきっちりと明文化されている。鬼畜な条件である事には変わりないが、ケチをつけてくるよりはマシだろう。

 

 …こんな時になー、プリズムが言ってるようなモンスターを引き寄せる呪いとかあったら楽なんだけど。いや、そう都合よく目的にモンスターが来てくれるとは限らんか。

 

 

 と言う訳で、今回はエドワードさん・ギースさん・ギネルさんと、珍しい事に野郎だけで討伐に来ております。

 まぁ、モンスター…クアルセプスは無事討伐できたんだが、その帰りの事。近況を色々話しています。

 

 

「あー…あの爺さんに襲われたのか。災難だったな」

 

 

 襲われたっつっても、実害はありませんでしたけどね。なんつーか、ガチで考えたら強いのに、ギャグ補正が入ってるから勝手に自滅すると言うか…。

 

 

「まぁ…そういうご老体だしね。僕も一時期、色々絡まれたものだよ。赤フンのおかげでどうにかなったが」

 

「それは恐らく、裸で迫るエドワード殿に恐れをなしたのだと思うでござる…。ふむ、しかし歌姫殿は順調に元気になっているようでござるな。良き哉良き哉」

 

「…そうだね。歌さえ歌わなければ、以前のような惨劇もおきないだろう」

 

 

 どうですかねー。真面目な話、歌とモンスターとの関連性だって解明されてる訳じゃないですし。

 …そもそも…いや、皆さんは口留めされてるって分かってますけど、どうしてトキシの事が秘密にされてるのかが分からない。

 

 

「うん? お前、トキシの事はもう大体知ってるんじゃねーのか? トキシと歌姫の関係も知ってるようだったから、俺様はてっきり」

 

 

 いやそこは分かりますよ? 分かりますけど、何でそれを秘密にする必要があるのかと。

 プリズム…歌姫がトキシに惚れて、力を失った。その結果、村はモンスターに襲われ、それに対抗する為にトキシは戦って死亡。ここまでは知ってます。

 

 

「…大体把握しているではないかね。それ以上の何が疑問だと?」

 

 

 だ~か~ら~! これ別にトキシは何も疚しい事してないでしょーが! 何でわざわざ口留めするのかがわかんねー!

 

 

「ああ…そういう事か。それは非常に単純な話だよ、君。…それくらいなら、口にしても構わないね。考えてもみたまえ。トキシは…当時はレジェンドラスタという制度も無かったが、僕達にも多大な影響を与えた凄腕のハンターだ。率直に表現すれば、英雄とすら言っていい実績を持っている。その彼が、間接的にでも村の滅亡に一役買ったと知られたら、どうなると思う?」

 

 

 それは……。いや、理屈は分からんでもないが…。

 

 

「村の滅亡の責は何処にあるのか。トキシに心を奪われた歌姫殿か? 意図せず心を奪ったトキシか。…誰にも非はない、と言うのは簡単でござるが、それでは滅んだ村の住民達…殆ど冥府に居るでござるが…と、その関係者の感情が晴れぬ。トキシに非があるとすれば、ハンターの信頼と権威に傷がつく。歌姫殿に非があるとすれば、まだ生きている彼女の心に追い打ちが入る」

 

「加えて言えば、歌姫とトキシ、どちらか片方でも話が漏れれば、二人の関係も遠からず暴き立てられるだろう。ギルドの権威の為にも、歌姫の生活の為にも、全てを秘する事が最善の方法だったのさ。…納得したかい?」

 

 

 

 何とか…。スッキリしない所もあるけど。

 

 

「そりゃ俺様達だって同じだ。色々と理屈をつけちゃいるが、結局ギルドの都合のいいように話を盛ってるのは変わりねえ。ハンターにその手の話は必要ないってのによ…。もっと単純で、余計なイザコザなんざ入らないのがハンターのあるべき世界だぜ」

 

「ギネルの言う通りだと思うよ。残念ながら、世の中と言うのはそれが許される程単純な作りではないようだけど、ハンターの有り方はそうあるべきだとは思う。…うん、話が逸れてきたし、そろそろ帰ろうか」

 

 

 うーい。ご協力、あざっしたー。

 

 …でもやっぱスッキリしねぇなぁ…。いや、ハンターの有り方がどうのじゃなくって、何か誤魔化されてるような……はい? なんすか、キースさん?

 

 

「…これも本来、口にしてはならぬのでゴザルが…もしもトキシが、歌姫殿の想いに応えていたら、どうなっていたと思うでござる?」

 

 

 どうって…正直予測がつかないですね。力が復活するか、完全に消え去るか…。

 

 

「そこではなく……いや、これは拙者の聞き方が悪かったでござるな。何故、トキシは歌姫様の想いに何も答えなかったのだと思われる?」

 

 

 何故って……そういやそうだよな…。贈り物をするくらいだし、一個人としてでもそう悪感情は持っていなかった筈。応えたら力が失われる恐れが…でも応えなくても力はどんどん弱くなっていったんだし…。

 と言うか、YESにせよNOにせよ、ちゃんと応えてやったんだろうか? それで踏ん切りがつくとは限らないが、宙ぶらりん程辛い状態はないだろう。案外、その精神状態が原因で、力が弱くなったんじゃないだろうか。

 

 人の心を打算や法則で扱うような言い方をするが、受け入れるにせよ振るにせよ、「待っていてほしい」の一言くらい言っておけば、大分安定してたんじゃねぇかなぁ…。

 

 

「…その辺でござるよ」

 

 

 んあ?

 

 

「拙者のようなケツの青い若輩者にして未熟者が語るのも憚られるでござるが、事の次第を穏やかに伝えるにはケツが青く、古今無双のモノノフ殿が望むような天晴な結論をオイソレと纏めることもママならず、やはりケツは青く、だがしかし、拙者の心持としては、古今無双のモノノフ殿の肝にストンと落ちる事ができるように弱輩ながらも励むことだけがお役目とは思いまするがやはりケツは青く、誠にかたじけなく、拙者は心底から自らを情けないと思っているのでゴザルが、やはりここでは弱輩とはいえ、少しでもお役に立ちたいという忠義を示すべく、考えに考え抜いた口上と結論の中から選んで語らせていただきたいと、この場に参上いたした次第でゴザルがやはりケツは青く」

 

 

 キースさんの尻に蒙古斑(アオアシラ型)があるのは分かったから、そろそろ結論をお願いしますいやマジで。

 

 

「む…失礼したした。何というか、拙者のようなケツの青い…とと、その、非常に言い辛いのでゴザルが……トキシはその……童だった故」

 

 

 童ってアンタ……ああ、女心が分からないとか、そういう意味か。下手すると、プリズム…歌姫が初恋の相手で、どう対処すればいいのかさっぱり分からなかったと?

 …あの、キースさん? 何で顔を逸らすので…。

 

 

「……………………貞操が」

 

 

 ………はい? 貞操が……童? それってつまり…。

 

 

「そういう事にゴザル…。我々以上に、狩り一筋で生きてこられた御仁だった故。実を言うと、歌姫殿に対してどう対応すればよいか、何度か相談を受けた事がござった。…拙者もロクな答えを返す事が出来なかったでござるよ…」

 

 

 じゃあ…何か? 誰に責任が、とかそーゆー話は置いといて、初恋の人を前に舞い上がって逃げ出してしまう少年のよーな心の為に、トキシは何のリアクションも返す事ができず、プリズムは心の安定を失って歌の力まで消え、更には村の滅亡にまでつながったと?

 

 

「現状、見えている情報を強引に繋ぎ合わせると、そのような解釈に…」

 

 

 ………ああうん、これは言えんわ…。事実かどうかはともかくとして、口に出す気にもならんわ…。

 仮にもレジェンドラスタに多大な影響を与えた、英雄と言えるハンターが童貞で、それが原因で村が滅ぶとかアホ臭くて考えるだけでも嫌だわ…。

 

 

 こんな事言うのも何だが、その相談、受けてたのが俺だったらなぁ…。女心はともかく、女への接し方と言うか触れ方くらいは教えてやれたかもしれん…。

 

 

「…そうでござるな。凄まじい女関係を築いておる古今無双のモノノフ殿のお話なら、参考になったやもしれぬ。実のところ、拙者も興味はあるのでござるが、ケツの青い未熟者には早すぎるかと」

 

 

 いやぁ、むしろコッチ系を齧らずに一人前になれる筈ないと思うけどなぁ。人肌ってのは、何よりも明確な絆とコミュニケーションだぜ?

 具体的に言うと…まぁ、俺が使ってる霊力が最低条件で、ついでに言うと故郷(というか異世界)の本職には、『人間の構造上不可能な、完全に妄想の産物。何故実現できているのか分からない』と言わしめたもんなんだが。

 詳細はだな…。

 

 

「ふむふむ、ほうほう………おう? いやちょっと待つでござる、さっきの一言、もう一度…………うむ? うむむむ? どこかで聞いた覚えがあるような…」

 

 

 …マジで?

 

 

「うむ…故郷に居る間に聞いたのは間違いないと思うのだが…はて、誰から聞いたのだったか…。『まがい物』だの『ウソ八百』だのの喚き声とセットになっているので、恐らく実践しようとして失敗したのであろうが…。故郷に居た頃の、太刀の扱いすら儘ならぬ、ケツが藍より青い拙者がその手の話をするとなると、師匠か、或いは兄弟子方か…近所の悪童どもではないし、同年代の男は見栄を張り合って興味が無いフリをしておったからの…ガチ勢も居たが」

 

 

 …一回、その故郷とやらに行ってみたいもんですな。ガチ勢には近寄りたくないが。

 

 

 

NTD3DS月

 

 

 新しい月に突入した。フロンティアに居ると、ホント月日の流れの感覚が狂うわ…。だって数日の内に繁殖期と温暖期と寒冷期が一巡する事すらあるんだもの。

 季節の変わり目は体調を崩す人が多いけど、ここだとそーゆーレベルじゃないよなぁ…。全ての気候に適応できなきゃ、生活すら儘ならぬ。

 

 さて、そんな気候の中、3日に1回くらいのペースで、ストライカーの面々と、デンナー・コーヅィに霊力の使い方を伝授している。

 装備を使ったアラタマフリの効果や法則も大分解明できてきた。

 

 基本的に装備に使った素材によって効果が変わり、その効力は大体一定なのだが、例外があった。装備…いや、素材となったモンスターとの相性が良かったのか、特定の装備を使った時だけ、矢鱈と効果が高かったり、普段と違う効力が発揮できる例があった。

 例えば、ミーシャがノノ・オルガノンの装備、神座シリーズを身に着けた場合だ。

 

 うなじが普段の3割増しに艶めかしい…のは置いといて、通常のスキルに加え、他の人間がアラタマフリをすれば、若干ながら動きが素早くなる効果があった。ジャンプ力も高くなる。

 が、ミーシャが使った場合……上記の効果に更に加えて、怒声に咆哮(小)が付いた。

 

 

 …もう一回書くぞ。

 

 

 人間のミーシャの声に、咆哮(小)がついた。

 

 

 どうなってんだコリャ。単に声が大きくなっただけと言われりゃそれまでだが、ハンターの体を一瞬とは言え竦ませる効果があるとか…。音響玉が耳元で破裂しても、全く意に介さず行動できるというのに。

 しかも、本来のアラタマフリ効果である素早くなる効果も、他の人より格段に高い。と言うか、どんどん効果が高くなっている。

 

 使っている本人の証言によると、これからも、もっと強くなっていきそうな気がする…との事だ。

 ふーむ…効果が高いのはいい事だが、後遺症が心配だな。新たな技術なんだし、こういう予想外の問題が発生するのは当たり前か。

 

 その辺のリスクも呑み込んだうえで、ミーシャはアラタマフリを使い続ける事を決めた。強力な武器である事は間違いないし、俺がこの力を広めようとしているのだから、それが上手く行けば自分のような現象はきっと起こる。その時のテストケース、サンプルと考えればいい…と。うーん、覚悟決めちゃってるなぁ…。命の危険は無さそうなんだが…。

 ふむ、とりあえず、似たような現象が他の皆で起きないか、装備を変えて試してみよう。

 

 

 

 それにしても……ミーシャの赤い髪と相まって、アラタマフリで異様に素早くなった姿は、どうもアレを連想させるな…。まだ狩った事は無いが、ミドガロン…だったか。まぁ、まだ目で追えないくらいのスピードは出せないようだが。

 

 

 

 さて、それは置いといて、ストライカーから、ミキ・ウェストライブの情報が飛び込んできた。と言っても、何処にいる、と言う情報ではなく、その周辺についてだ。

 フロンティアに居るのは確からしいが、どうにも単なる家出という訳ではないようである。きな臭い……のかな?

 

 この辺はマオから聞いた話なのだが、やってきたマキ・ウェストライブも言っていたように、彼女達はそこそこいいトコの領主である。貴族と言ってもいい。

 母であるシキ・ウェストライブは相当な堅物だが、その実績と領地運営の手法は確か。また、様々な形でのハンターへのサポート活動を行っており、流れのハンターからも、領民からの評判もいいようだ。

 マキ・ウェストライブも、その手腕をそのまま受け継いだかのようだ。ただ、先日相談に来た戦車に傾倒しており、その事であっちこっち走り回ったり、領民に多少の負担を強いているとか。

 

 で、問題のミキ・ウェストライブ。この子も出来がいい子に分類できるのだが、どうにも「鉄の規律」と呼ばれるような家風が肌にあってないらしく、気弱な一面がよく知られているそうな。別に落ちこぼれ扱いされている訳ではないし、むしろ母・姉からは不器用な愛情を注がれている…と領民は思っている。当人は、それが今一つ信じられてないらしいが。要するに劣等感というかコンプレックス持ってる訳ね。

 どういう訳だかこの子、突然ウェストライブ家から出奔している。それだけ聞けば、単に家に居辛くなった少女が家出したってだけに思えるが…どうにも前後のトラブルが怪しい。

 彼女が出奔する前日、ウェストライブ家で侵入者騒ぎがあったそうだ。数人が昏倒させられるも、それ以上の被害は無し。昏倒させられた人達は、「突然気が遠くなった」と証言しており、下手人を見た者は皆無。

 その翌日に、ミキ・ウェストライブが居なくなったものだから、口さがない者達は「ミキ様が侵入者だったのではないか」「いやいや、侵入者に攫われたのではないか、常識的に考えて」「でも俺、朝にフロンティア行の馬車に乗って何処かに行ったミキ様を見たぞ」なんて囁かれているらしい。ちなみに最後の情報の証言者は、ウェストライブ母子から尋問まがいの圧迫面接を受けるハメになったようだ。

 

 

 

 うーん……マキ・ウェストライブの様子からして、ミキ・ウェストライブが窃盗犯だと思っている…のは無いと思う。純粋に心配していたようだった。

 となると、一番の問題は、何故ミキ・ウェストライブがフロンティアに突如向かったのか。この際、侵入者がミキ・ウェストライブなのかは、切り離して考えよう。

 失踪の前日、何やら失敗して母から叱責を受けたらしいが、これはそう大きな失敗ではなかったらしい。長年のうっ憤の爆発…と言う訳でもないと思う。少なくとも、それだと侵入者騒ぎに繋がらない。

 

 結局のところ、本人を見つけ出して話を聞くしかないが…なんだろな、スッゲェ面倒事の予感がするよ。

 

 

 

NTD3DS月

 

 

 …3軒隣のメゼポルタ広場から狩りに出て戻って来たんだが…なんかこう…モヤッとする感覚があるな。

 別に、一緒に行っていたタイゾーさんが悪いのではない。暑苦しいが。

 ナターシャとリアが、何かのモンスターへの対策にどんな武器がいいかを割と真面目に話し合い、それに板挟みされてたんだよなぁ…。入って行って、俺のモンスターで上手く気を逸らしたんだけどね。その時に助けてくれたお礼だって、狩りを手伝ってくれた。

 まぁ、今回は然程強敵ではなく、マキ嬢への納品の為に数を狩らなきゃならなかっただけだが…充分助かってるか。

 

 それはともかくとして、こっちのメゼポルタ広場に到着してから、妙な感覚がある。霊力…じゃない。けど、こう…本来この世界にあるべきではない力のような…。

 ふむん?

 霊感にひっかかる感じはあるんだが、逆に霊力的なレーダーには何も感じられない。暫くメゼポルタ広場を歩き回ってみたが、それでも何もない。

 …横で騒いでいるタイゾーさんが悪いって訳じゃないと思う。悪目立ちしてたけど、そんな事はレジェンドラスタとしてはいつもの事である。

 

 気にはなるが、見つからないものは仕方ない。日を改めてみるとしよう。

 

 

 

 …と言うか、家に帰る途中にサーシャがすっ飛んできた。また可愛がられにきたのかな? と思ったら、割とシャレにならない事態。

 つーか、毎度毎度思うがアレだ、揉め事が起こるのはこの際仕方ないとして、頼むから連続して押し寄せてくるのはヤメロ。二つも三つも同時に来ると、大した事ない揉め事でも死ぬほど面倒臭く感じられるから! マーフィーの法則と言うか、泣きっ面に蜂の法則と言うか…世の中ってそんなもんだけどね…。

 

 ともあれ、発生した揉め事を順に記そう。

 

 

①ミーシャに耳と尻尾が生えた。エクセレント!

 

 

②トゥルートの故郷にモンスターが迫っていると連絡が入り、シスコンが飛び出していった。

 

 

③サーシャの友達のイールが酒&なんかマズい食い物浸り状態。よく分からんけど、大した事じゃない気がする。

 

 

 とりあえず、③は気絶させて酒が抜けるまで吊るしとけ。下にはリバースを受け止める為の洗面器も忘れないように。

 

 ①は…個人的にケモミミも大好きなんだが、これが何らかの異常であるのは明白だ。装備や装飾品ではなく、明らかにマジモノだもの。触ったら感触もあるらしい。

 性癖には大ヒットなんだが、本人にしてみれば突然人間からキメラに変わったようなものだ。検査が必要だろう。

 

 

 すぐにミーシャの体を調べたい(エロは安全が確認されてからだ!)ところだったが、トゥルートも放っておけない。

 武器も持たずに、全力ダッシュで馬で走って行ったらしいからな…。

 トゥルートが向かった場所は、馬を全力で走らせ続ければ、1~2日くらいで到着する小さな村。立地条件としては、ポッケ村に近いか? 大したハンターも居ないその村に、古龍が迫っているらしいのだ。

 今はまだ近くをウロウロしているだけらしいが、いつ村にブチ当たってもおかしくない。もしそうなれば、村は勿論壊滅だ。

 

 

 ミーシャの事も気になるが、最優先事項は②だろう。ミーシャには極力人と触れ合わない状態で安静にしておくように伝え、俺はトゥルートを追う。

 猟団ストライカー所有の馬はトゥルートが乗っていってしまったので、現状では追いつけるのは俺の鬼疾風くらいだろう。ガーグァ車も馬には追いつけないし、鬼疾風を唯一会得しているジェリーも瞬間最高速度はともかく、スタミナ(と言うか霊力)の絶対量が足りない。もっと足腰立たなくなるまでイタして、増幅してやっとけばよかったか。

 

 トゥルートの武器(大剣)を預かり、モンスターを避けながら文字通り走って追いかけていく。

 途中で使い潰されたらしい馬を発見して、ちょっとだけ馬刺しにしようか迷った挙句に近所の村に預け、再度追いかける。

 

 追いついた時には、トゥルートは汗だくになりながら全力疾走していた。…どっかで馬なり馬車なり借りればよかっただろうに、それも考えられない程焦っていたのか。

 仕方ないので、担いで鬼疾風で走りました。流石に走りにくいけど…。

 

 

「……! …!」

 

 

 何言ってるのかよく分からんが、とりあえず休んどけ。そんな疲労困憊で村まで辿り着いて、何するつもりだったんだよ…ま、心配だからすぐにでも帰りたかったって気持ちは分かるけども。

 む、汗が垂れてくる……この状況じゃご褒美とか言ってらんねーな。

 

 トゥルート、道はこっちでいいんだな? …………おい、何か煙が見えるが…まさか?

 

 

「……………!!!!!!!」

 

 

 分かった分かった、急ぐから少しでも体力回復してろ! 何かあったとしても、そのザマじゃ何もできんだろうが!

 ったく、ハンターなのにスタミナ回復に時間がかかるくらいに走るとは…。逆に時間がかかったんじゃないか? まぁ、言っても仕方ないけど…。

 

 

 

 …………古龍の咆哮が聞こえる。この声は………聞き覚えがある…。

 襲われる村、古龍、この声…。

 

 

 

 トゥルート、裏技使って文字通り全速力で突っ切る。村に着くまでの時間次第では、俺は途中でダウンすると思ってくれ。あと、これから見る事は絶対誰にも言わないように。

 OK? ……よし。そんじゃ、久しぶりの…。

 

 

 

 

 

 アラガミ化!

 

 

 

 からの、移動速度系バフてんこ盛りダッシュ!

 

 

 

 木々の上を駆け抜け、一気に村まで走りぬく。

 ……トゥルートは絶望したような表情になっていただろう。いや、移動速度が速すぎてアッチ側が見えたとかじゃなくて、飛び上がった時に見えた村が、既に壊滅状態になっていた事にだ。

 

 俺は……アラガミ状態のおかげで表情は極めて分かりにくくなっていただろうが、多分激怒か無表情のどっちかだ。

 …嫌な事を思い出す…!

 

 燃え盛る村、逃げ惑うまだ無事な村人達、その真ん中で雄叫びをあげる……ルコディオラ…! ああ、そうだ、そうだな! ユニスを殺した(未確認だけど)お前を、まだ狩ってなかったよなぁ!

 クサレイヅチ程じゃねーが、テメェにも怒り心頭きてっぞ…!

 

 …とは言え、第一優先事項が救助である事は忘れてはいけない。

 トゥルート、体力回復したか?

 

 

「な、何とか! それより早く!」

 

 

 ここからお前をブン投げる。ハンター式着地術は使えるな? しっかり衝撃を殺せよ。

 武器は持たない方がいい。アイツは磁力を使う古龍だから、下手に金属持ってると吸い寄せられたり弾かれたりする。

 アレを斬るのは俺がやるから、住民の避難を頼む。

 

 最後に一つ、こういう場合に使える必殺技を伝授しておく。何、お前なら今すぐにでも使える技だ。………覚えたな? よし、行け!

 

 

「赤い煙突がある家の前に投げてイィィィリスゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!」

 

 

 妹の名前を叫びながら、放物線…じゃないな、一直線にすっ飛んでいくトゥルート。ルコディオラもあっけにとられているように見えた。

 …あ、いけね、このままだと思いっきり壁に激突……受け身取ってたから大丈夫か。おお、元気に動いとる。 

 

 でもルコディオラの意識があっちに向いた。…家から女の子を連れて出てきたようだが、自力では歩けないようだ。

 トゥルートが庇ってるが、これはマズい…くそ、ここからじゃ神機の狙撃も…!

 

 だが、そんな状況でこそ輝くのが、さっきトゥルートに教えておいた…。

 

 

 

「くらえ! 直伝、最終兵器・そこら辺にあるもの!」

 

 

 メシャ、といい感じの音がした。そこらへんにあったでっかい瓦礫を、トゥルートの馬鹿力で思いっきりルコディオラに叩き込んだのだ。

 …ちょっとだけ、ルコディオラの動きが硬直した。瓦礫は粉砕された。

 流石に、ハンターの武器でもない物で殴られるとは思ってなかったんだろうか。瓦礫程度じゃ、ルコディオラにはダメージはないだろうが…。

 

 

 動きが止まっている間に、トゥルートは妹らしき人物を持ち上げ、全速力で退避した。

 

 

 

 …おお、正気に戻ったルコディオラの咆哮が聞こえる。怒り咆哮だな、コレ。ダメージ無しで速攻怒らせるとは、使い方と相手によってはいい武器になるかもしれんの。

 ま、それはともかく…。

 

 

 後はルコディオラをぶった切るだけだな。昔年の……でも時間的には未来のような……怨み、一方的な因縁、ここで晴らしてくれる。アラガミ化状態には、磁力なんぞ通じないぞ。…思いっきり謎素材になってっからな!

 

 

 

 

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