ご本人に許可までいただいていたのに、公開がドタバタで遅れた不手際を首つってお詫びいたします。
異伝の方に投稿してありますので、是非ともご覧くださいませ。
なんとなく、迷い込んでポッケ村を見返し始めて、ふと思う。
同じ雰囲気で、艦これやってくれねぇかなぁ。
駆逐艦は最高だぜ勢が大挙して押し寄せるぞ。
兄弟王強すぎィ!
…やはりアレか、フリンの指輪つけて達人装備(+マスク)はアカンか。
どのゲームでも大体そうだけど、初心者は軽装甲で動き回りたがるが、最初こそ重装備にすべきだよなぁ…。
オーベックさんを召喚できるようになって挑んだら、なんとか勝てました。
シーリスさんは気が付けばどっか行っちゃってました。
8/2追記
でもって王の化身強すぎィ!
あとちょっとの所まで追い詰めたと思ったら、蹴りやらディレイからの連続攻撃やらで、何度死んだ事か…。
リーチと攻撃範囲とタイミングが明らかにおかしいよ…。
結局最後は、盾も持たずにフリン+打刀無印+達人装備で勝ってしまった。
死にまくってちょっと食傷気味…。暫く仁王に逃げるか…。
NTD3DS月
ミキ・ウェストライブとの初接触は、極めて物騒に終わった。それはもう、そこらのモンスターと遭遇したり、誘拐犯になったりするのと同じくらい物騒に。
お~イテェ…まさか歯形付けられるとは思わなんだ。エッチい場面での歯形なら受け入れるけど、アレはなぁ…。
とりあえず今は落ち着いているが、起きた時にどうなるやら。
なんでそんな事になったのか、原因は大体予想がつく。なんでそんな事になってるのかは全く不明だが。
対応策も……長続きするものではないが、一応ある。
ちなみに、当のミキ・ウェストライブは、気絶した状態で俺の家のベッドで眠っている。そのすぐ隣には、彼女の連れである数人の少女が看病しており、ついでに俺も警戒していた。無理もないね。
うむ…例によって何があったか、から書いていくか。
事の始まりは昨日、教官に聞いた場所に向かった事だ。行き先は大衆食堂。味よりも安さ、早さが重視された、お手軽メニューが人気の食堂だ。
そこに近付いていく途中、妙な気配を感じた。
妙…と言うのもちょっとおかしいか? 俺には慣れ親しんだ気配だが、この世界にある筈がない気配。そう言えば、以前にこの広場に来た時も、同じ気配を感じたな。
今は、前回よりもハッキリ感じられるので分かるが………これは、アラガミの気配だ。
何でMH世界にアラガミが? それに、アラガミ……というより、これはゴッドイーターに近い? その中間? ……そうだ、腕輪が壊れて侵食されていたリンドウさんと同じような気配だ。
まさかと思いつつも気配を辿ってみた先には、食堂のド真ん中で、どこのドラゴンボール or ワンピースかと思うような大量の食器を積み上げる少女。
その隣のクセッ毛の少女が、「ミキ殿、流石にそろそろ止めた方が…」と声をかけていたので、ミキ・ウェストライブに間違いないと思う。
ちなみにその少女は、ギロッと一睨みされて縮こまっていた。なるほど、貪り狂うイビル嬢の名に相応しい迫力だ。
実際、そろそろ止めた方がいいよなぁとはマジで思う。ギャグマンガ並みに喰っとる。
クラピカ風に言えば、「おかしい…妙だぞ、明らかに奴の体積より食べた量の方が多い!」だ。この状態で食いすぎによるリバースしたら、絵面云々以前にどれだけの被害が出るか。
ついでに言うと、食堂のおばちゃん達がそろそろグロッキーだ。ここまで作れただけでも称賛に価する。
皿の上の料理を、魚の骨に至るまで全て食い尽し、突っ伏するように倒れるミキ嬢。
それでも、うわ言が聞こえてくる。
「おなか……おなか、おなかすいた…おなかすいたよ…」
…マジかよ。物理的に腹いっぱい状態だろうに、それでも腹が減ってるって…脳になんか異常でもあるんじゃないか? 満腹回路とかに。
さて、どう声をかけたものか…と悩んでいたら、彼女は突然振り返った。
目が合う。
…これは、捕食者の目だ。アラガミの気配に、ゴッドイーター特有の気配…。間違いない。この子、アラガミ細胞に侵蝕されてる。
「ミキ殿? ……まさか? ちょ、いかんであります、その方はご飯ではなく人間であります!」
「お腹、おなかへった! 離せ!」
「ちょっ、ミキちゃんそれシャレにならない!」
「ごめん、皆手伝って!」
尋常ではない迫力と腕力で、彼女を抑える周囲の人間を振り払い、一直線に飛び掛かって来た。大口開けて、明らかに噛みつく気満々だ。
俺、こんな騒ぎに巻き込まれて出禁にならないよな? と思いつつ、大きく開いた顎を掌底でカチ上げ。 痛みを感じてないかのように取り付きにきたので、体を逸らして受け流した。
獣そのものの動きで着地すると、すぐ反転して再度飛び掛かってくる。適当な椅子を蹴り上げて進路を塞いでやったが、なんと空中の椅子を足場に二段ジャンプ。
…仕方ないか。急降下してくるミキ嬢を、今度は受け止める。肩に体重がかけられ、少女らしからぬ握力に驚いたが、身体能力が高いのは今更だ。
俺の首筋に噛みつこうとするミキ嬢に…ホイ! 動きが止まった、締め落とす!
「むがっ!」
スリーパーホールドは、綺麗に決まれば3秒で堕ちる! …ハンターの腕力でやったら、その前に首の骨が逝くけどな。
「ミキ殿!?」
心配すんな、気絶しただけだ。動きを止めたのだって、殴ったんじゃなくて口の中に手ぇ突っ込んで舌を握っただけだし。
「犬じゃないんだから…。確かに犬型のモンスターみたいな動きだったけどさ。とにかく、私達の連れが迷惑かけたね。申し訳ない」
このツインテールの嬢ちゃんが、ミキ嬢が居る集団のリーダー各かな?
それはいいんだが、何事だったんだ。明らかに異常だったぞ。狂竜ウィルスに感染したモンスターだって、こうはならない。
「…分からないんだ。初めて会った時からよく食べる子ではあったけど、それからどんどん食欲が増していって、どれだけ食べても満たされないって言ってた。最近じゃ、大皿を積み上げる毎日さ」
…よく食費が保つね。
「狩りに出て、自給自足してたしね。何件か食べ放題の店から、出禁になったけど…。それでも、人間を襲うような事は無かったのに」
多分だけど、起きても治ってないと思うよ。…これからどうなるかは分からないが、当面狙われるのは俺だけだろう。
「…? 何か知ってるのかい?」
詳細は言えないが、多分。あまりおススメは出来ないが、俺の血でも飲ませとけば、多少はマシになる…かもしれん。
「それはちょっと…吸血鬼じゃないんだから。食人とか、ミキも嫌がるだろうし…。他に何か、方法はないのかい? 一方的に迷惑をかけた身でこんな事を頼むのもなんだけど、他に頼れる人が居ないんだ。お金が対価なら……その、食費が嵩んで資金がすり減ってるから、なるべく早い内に金策するから」
俺としても、広場を歩いてたら唐突に噛みつかれるなんてゴメンだから、協力は惜しまんよ。金銭は不要…と言いたいところだが、対価は必要だ。
…個人的にミキ・ウェストライブと話がしたい。元々、その子を探してたんだ。別に二人きりにしろとは言わない。話の内容も、聞いてもらって結構。
場所は…俺が借りてる部屋でいいか?
「…構わない」
ありゃ、そっちの部屋に行った方がよかったかな。…どっちにしろ警戒はされるか。
じゃ、とりあえず……オバちゃん達と他のお客さんに謝り倒して、食堂を掃除しますかね。
「そうだね。やれやれ、これはまた出禁かなぁ…」
…と、こんな流れで、まだ目を覚まさないミキ嬢と、その連れ…さっき話していたリーダー各は、ハンズと名乗った…達数名が、俺の部屋に居る訳です。
ちなみに食堂には、ギリギリ許してもらえました。器が大きいねオバちゃん!
さて、自己紹介とか色々話し合う事はあるが…その前に………ええと、何処にしまったっけな。最後に使ったの、大分前だしな…。
…お、あったあった。
「何だい、それ? …見た事もない材質みたいだけど。」
ミキ嬢の症状を緩和する薬。カプセルっつーて、この中に薬が入ってるんだよ。
以前、俺もミキ嬢と同じ症状になった事があって、その時の薬の残りがあったんだ。あまり多くはないけども。
「へぇ…随分と都合がいい話だね」
都合がいいと言うか、逆かな? その症状の元患者だから、それを感じ取って餌だと思ってしまったと言うか…。
ま、その辺の話は、ミキ嬢が起きてから詳しくするとして。
この薬を………ケツにブチ込む!
「まさかの座薬!?」
「み、ミキ殿の……ハナヂガ…」
「誰がやるんだ!? いくら医療行為とは言え、私は嫌だぞ! と言うか後が気まずすぎる!」
「あ、元患者って事はお兄さんも実はお尻に入れられた経験が?」
すまん、冗談だ。普通に飲めばいい。これを飲み込むと、腹の中で殻が解けて、薬が直接体の中に染みわたるって訳。
「趣味の悪い冗談はやめるであります…ティッシュティッシュ…」
そっちの方が効果高いと聞いた事はあるが、流石に試した事が無いから分からんな。他にも、注射器で体に直接注ぎ込む方法もある…道具が無いけど。
そういう訳で、今のうちに突っ込んでしまえ。水で流し込めばいいだろ。あと、顎のこの辺りを抑えると上手くゴックンと行くぞ。
「なんか大雑把だね…。まぁ、やるけどさ…」
…流石に口移しはな…。多分ファーストキスだろうし、寝てる間に奪ってしまうのは可愛そうすぎる。相手が俺でも女の子でも。
「…本当にこれだけで効果があるのか? 即効性は?」
割と高い。とは言え、根本的な解決にはならないんだよな…。
簡単に言っちゃうと、今のこの子の体は、強引に作り替えられてる途中なんだよ。それをさせている原因を抑えないと…。
体の奥深くにある器官による現象だから、本人の意思でコントロールするか、さっきの投薬で進行を遅らせるしかないんだよ。
「なんか…協力してくれる相手に言うのは憚られるが、胡散臭いぞ…」
「まぁまぁ、そう言いなさんなってミミ。多分、この人が言ってる事は本当だよ。聞いた事ないかい? 不思議な力を使うハンター、その中心になっているG級ハンターの事」
「G級……G級だったのか!?」
そうです、私もG級です。で、その妙な力を使っているのも私です。
「その噂を聞いてるから、本当だって思ってるんだけど…。同時に警戒もしてるんだよね。相当に女癖が悪いらしいし」
何を言う、女の趣味は最高だと自負しているぞ。皆美人で格好良かったり可愛かったりする子ばっかりだ。
…手あたり次第状態になってるのは否定できんがな!
とりあえず、初対面の子にどうこうするつもりはない。お誘いがあれば別だけども。
……おお、ミミ嬢を始めとした女性陣の視線が冷たいな。実に正常な反応で何よりだ。
じゃ、ちょっとばかり話をしようか。この子が置かれている状況がどういうものなのか、すり合わせる必要がありそうだしね。
NTD3DS月
ミキ嬢が起きてくるまで、色々確認しあった。
まずは俺の話から。…と言っても、アラガミ関係の事は言えないし、大したことは話さなかったが。
言った事と言えば、ミキ嬢がウェストライブ家の出身である事、何故か突然家出した事、それをお忍びでマキ・ウェストライブが探している事。これくらいだ。
彼女がウェストライブ家出身である事は、既に知られていた。名前を隠している訳でもないし、同姓同名の他人にしては振る舞いが洗練されているしで、上流階級出身なのが明らかだった。
家出については初耳だったらしい。何やら事情がありそう、と言うのは察していたが、そこまでだ。
逆に、彼女達から聞いたのは…彼女達は訓練所を卒業したばかりの完全ルーキーハンター達であり、卒業寸前になった頃に教官がミキ嬢を連れてきた事。
ミキ嬢は、連れてこられるなり上級ハンターかと思うような凄まじい身体能力で、訓練所をあっという間に卒業し、その間に意気投合したハンズ嬢達のグループに入った事。
「ふーむ、訳アリだとは思ってたけど、まさか家出してたとはねぇ…」
「大丈夫なんでしょうか? 今更ミキさんを放り出す気はありませんけど」
「大丈夫じゃない? 立場的には、家出したミキを保護したって事になるんだし。ミキは結構すごいハンターだけど、一人でフロンティアを生きていけるかって言われるとね」
「立場で言えばそうでしょうが…問題は…」
俺? …依頼されたのは、ミキ嬢を探すところまで。どんな意図があるのか知らんが、連れ帰れとまでは言われてないよ。
どう報告するか、場合によっては連行するかは、ミキ嬢の話を聞いてから決める。
そもそも、何でフロンティアにやってきたのかもわかってないんだ。場合によっては、秘匿…は流石にマズいんで、発見報告を遅らせる事も考えないではない。
正式に依頼を受けた訳でもないからな。
「へぇ、話が分かるねおにーさん?」
わざわざ裏なんぞ疑わなくても、ハナから俺の都合で動いてるだけだよ。ちょいと気になる事もあるんでね。
…この症状、本来はありえないんだよなぁ。何が切っ掛けでこうなったのやら。
「…貴方も元は患者だったのでは?」
そだね。まーその辺を確認しないと、俺としてはオチオチ昼寝もできないんだよ。
大体、おかしいと思うだろう?
この子、今までハンターとしての訓練なんぞ全く受けてないんだぞ。それが何だっていきなりとんでもない身体能力を発揮するようになってるんだ。
異常な食欲とも合わせて、副作用がない方がおかしいわ。いや食欲が副作用って言われたらそれまでだけど。
「それは……確かに、私達も、本人も疑問には思ってるみたいだけどね。…時々、そういう人って出てくるみたいだしねぇ。貴方の傍にも多いんでしょ?」
うん、かなり多い。身体能力から異能から、選り取り見取りってね。
……あ、嬢ちゃん起きる。
「え? あ「ミキ殿っ!」
こらこら、寝起きの人間に飛びつくんじゃありません。……よう嬢ちゃん、塩梅はどうだ?
「え…? ここは……」
キョロキョロ周囲を見回すミキ嬢ちゃん。ふむ……ほれ。
「貴方は……え。…あの?」
腕を目の前に突き出しても反応なし。取り敢えず、さっきの発作は収まったか。
あーよかった。こんな子がガチでカニバリズムに目覚めるとか世も末だわ。
「本当にね。…ミキ、頭はハッキリしてる? 私が誰か分かる?」
「ハンズさん…私は……………!! あ、ああああ! ご、ごめ、わた、そ!」
ごめんなさい、私はそんなつもりじゃなかった…かな? ふむ、記憶も残ってるようだな。
落ち着け落ち着け、そうなった原因も分かってるから。ところで、腹は減ってないか?
重要だからもう一回聞くぞ。
腹は、減って、ないか?
「え………。…いえ…むしろ…うぷ…」
「洗面器持ってまいります!」
「いやむしろトイレに!」
「…まぁ、あれだけ食べればね。寝てる間に戻さなかったのが救いかな…」
ふむ、飢餓感も無くなってるようだな。と言う事は、取り敢えずは問題なし。
また異常な空腹を感じたり、それが慢性化するようであればガチでマズい。
「ふぅん…その空腹が異変の兆候な訳だ。他に注意する事は? あの症状を克服する手段は?」
注意する事は山ほどあるが、正直この状況だとどうにもならんな…。克服に関しては、もっとどうしようもない。残り少ない薬剤の定期的な投入か………正直、あんまりやりたくないが、俺の血でも飲ませてやるか。
尤も、それで症状が治まったって話は聞いた事はないがな。
…とりあえず、本人に何がどうなってるのか説明して、確認もするとしますかね。……あ、リミットブレイク。
さて、掃除は部屋のお付きアイルーにチップ渡して任せ、ミキ嬢が体を軽く流してから。
とりあえず落ち着いたらしい(恐縮しているようだが)ミキ嬢を中心に、勢揃いしている猟団(名前に関してはまだ揉めているらしい)のメンバー。流石に椅子も座る場所も足りなかったので、適当に寄りかかったり、床に座り込んだりしている。
…うん、若い子達の無防備な姿ってなんかグッと来るよね。本人は警戒しているつもりなんだろうけど、まだまだガードが甘いよ。
それは置いといて、どっからどう話したもんか…。
…そうだな、取り敢えずは名前から。ミキ嬢、君に起きている現象は、「アラガミ化」と呼ばれているものだ。…まぁ、呼んでいる人は俺一人しか残ってないと思うが。
詳細は省くが、症状は異常な空腹、理性の消失、それから体の変化。この辺はもう自覚があるな?
酷な事を告げるようだが…体の変化は、強化されるって意味じゃない。文字通り、全く違う物に作り替えられるんだ。モンスターと人間のハーフになる、と言えばイメージしやすいか?
身体能力が上がったのは、その結果にすぎん。
そして、本来のアラガミ化では、ハーフでは留まらず、完全にモンスターになっちまう。
…信じられない? まぁ、そうだよな。人間がモンスターになるなんて…。
でも事実だ。俺の腕、よく見てな。
変身!
…と、こんな訳だ。騒ぐなよ。と言うか武器を構えるなって。
ほれ、ちゃんと戻るから。…まぁ、俺が胸張って人間だと言えるか、と問われると苦しいね。ハンターだって似たようなもんだと思うけど。
話を元に戻すぞ。本来のアラガミ化の進行は、もっと早い。人にもよるが、一度発症すれば数時間と経たない内にこんな風になる。
ひょっとしたら、ミキ嬢のは亜種みたいなものかもしれんな。
さて、肝心の治療法だが……根本的な治療の仕方は、俺も知らん。抑える方法は、さっき寝ている間にミキ嬢に呑ませた薬。これもそう長く保つもんじゃないし、俺の手持ちも少ない。
……手に入れる方法? 悪いが心当たりはない。
この研究をしてたのはとある村なんだが、もうそれも無くなってる。研究してた奴も、資料も全滅さ。
…落ち着けっつーに。態々、絶望を告げる為だけにこんな手間暇かけとらんわ。
俺以外の症例のデータが無いから何とも言えんが、症状の原因…アラガミ細胞をコントロール下に置けば、それ以上症状が進む事は無くなる。ひょっとしたら、俺みたいに変化したり元に戻ったり、自在にできるようになるかもしれんな。
…ああそうそう、この変身については誰にも教えてないんで、秘密にしてくれよ? アラガミ化を抑える薬の対価って事でね。
…結構。さて、具体的な方法だが…俺が異能持ちとして名が通ってる事は、ハンナ嬢ちゃんは知ってるな? 他にも聞いた事がある人も居る?
んじゃ、話自体は単純だ。その異能を扱う為の力…霊力が、アラガミ細胞を抑制する。…霊力が胡散臭い? だったら適当に他の名前で呼べ。イメージしやすい名前、親しみやすい名前だと、多少は習得も容易になるかもしれん。
もうちょっと具体的に言うと、アラガミ細胞は霊力が苦手でな。これを浴びていると、動きが鈍るんだ。まぁ、その内耐性がついて活動を再開するんだが…それまでの間に、霊力を通して主の意思を浸透させ、従順になるように仕込む。
(※随分前の話だが、異界に潜ったりしている間、神機の動きが酷く鈍かった時期があるが、その原因がコレ。覚えてるかな? 今は慣れちゃってバリバリに動くけどね!)
霊力習得に必要な時間は、人によってかなり違うな。
裏技みたいなのも無いではないが、乙女の尊厳的に非推奨としておく。…軽蔑されそうだし…。
さて、ここまでで何か質問は?
「はい! そのアラガミ化とやらが治療された場合、ミキ殿の力はどうなるでありますか?」
完全に治療されれば、今みたいな身体能力は無くなるだろうな。抑え込んでコントロール出来るようになる、という意味なら強化されたまま。
「彼氏が出来たり結婚とかしたら、何か問題って起きる?」
ハグする時に力加減が必須。相手がハンター級に鍛えられてればともかく、背骨がボキッとなりかねん。
んー、子供に影響が出るって聞いた覚えが…。(ゴッドイーターチルドレンだよな…)
でもそっちは命の危機は無かった筈だ。普通の人より頑丈になるが、ハンター程じゃない。投薬しなくても、特にモンスター化は無かったな。
「『手掛かりや資料は無い』ってやけに強く確信してるみたいだけど、その根拠は? 貴方が知らないだけで、何処か別の場所で研究されてるかもしれないよ?」
その可能性は否定できんし、しようとも思わんが…このアラガミってのは非常に特殊な性質を持つ。
ある一定の条件が揃わないと出現しない、モンスターと言うよりは自然現象みたいなものだ。そして、恐らくその条件が揃うのは、今から何百年後だ(この世界がGE世界みたいになるまで、どれだけかかるやら)。……あくまで、俺の知ってるデータが正しければの話だが。
…ミキ嬢、君から何かあるか? ショックなのは分かるが、黙りこくっていられてもな。
別に、アラガミ絡みの質問じゃなくてもいいぞ。(具体的には家族がどうしてるのか、とか)
「あ、はい…えっと………その、何で私がそんな事になってるんでしょう…」
…それについては、こっちが聞きたいくらいだ。家出したって聞いてはいたが、見つけたらアラガミ化しかけてるし、いきなり飛び掛かってくるし。
「あぅ…」
すまん、怒ってるんじゃない。だから周りもそんなに睨むな。
…実際のところ、何でいきなりフロンティアまで来た? 前日、ウェストライブ家に侵入者騒ぎがあったと聞いたが、何か関係があるか?
「それが…分からないんです。あの日、お姉ちゃんに頼まれて家の倉庫で探し物をして…それで棚の一部を崩しちゃって、お母さんに怒られて落ち込んでました。夕方くらいになってから、急に意識が遠くなって。……気が付いたら、もうフロンティアに居たんです」
「ミキちゃんミキちゃん、それ普通にホラー現象だから。さもなきゃ人攫いだから」
ふむ…自分の意思で来たのではない、と。家に連絡を取らなかったのか?
「…はい。お父さんの事、ここなら何か分かるかなって思ったら…」
おとーさんとな? ……ほう、物心ついた頃には父親は居なかった。肖像画の類も無し。お母さんに聞こうとしても、ガン付けで黙らされる。唯一の手掛かりは、ハンターだった事…か。
それだけで探そうってのは、ちょいと無理があるが…。
「わかってます。でも、私がフロンティアに来れる機会なんて、他にありませんから」
マキ嬢はお忍びで来てたぞ。…その時、ミキ嬢の捜索を依頼された。ちょっと前に噂が流れた、何でも屋を頼って来たんだよ。
「お姉ちゃんが……。……あの、お母さんからは何か?」
いや、聞いてないな。他で探しているのか、それともマキ嬢が母親の許可を取ってから来てたのかも分からん。
流石に身内が突然いなくなって、ノーリアクションって事はないと思うが。
…ふむ、ところでミキ嬢、ちょっと聞きたい事がある。と言うより、半ばその為にここに居たと言っても過言ではない。
コイツに見覚えは無いか?
「これは…?」
「えらいゴツい腕輪だな」
「それに、こっちは剣でありますか? それにしては何というか、盾みたいな部分もついて、妙にゴテゴテしていますが」
腕輪はゴッドイーター…もとい、アラガミ化した人の症状を抑え込む為に使われていた腕輪だ。ただ、これを付けるには手術が必要になるし、あったとしても投薬が必要だから、現状じゃあんまり意味は無い。
神機は…なんて言えばいいんだろな。アラガミ化した人間専用の武器?
…アラガミ化とゴッドイーター化は別物なんだが、便宜上アラガミ化で纏めて話す。なんか複雑な気分。
…そんな顔すんなよ、ハンズ嬢ちゃん。怪しいって事くらい、俺を含めて皆わかっとるわい。
聞いた事もない、法螺話としか思えないような症例に加え、ソースはサッパリ明かせない上に、殆ど感染者が居ないと言う割には専用の武器まであると来た。放っておくとモンスターになるって奇病なのに、わざわざそれを戦わせるような前提の道具がある上、明らかに普通の技術で作られた代物じゃない。
ついでに言えば、これを証言している俺は妙な変身まで出来る。
纏めてホラだと思った方が、よほど納得できるだろうよ。
「そうだね。私達を騙す理由が無いとか、騙すならもっと上手くやるとか、そんなのは信じる理由にはなり得ない。理由なんてなくても嘘を吐くなんて珍しくないもの。……で、結局どうする訳?」
ん? どれの事?
「色々あるけど、ウェストライブ家にはどうするんだい? ミキを放り出すつもりはないけど、帰ってこいと言われるなら、相応の対処はしなきゃいけないでしょ」
あー、暫く報告は無しの方向で。アラガミ化の進行をどうにかしないと、領地に帰ったところでロクな結果になりそうにない。
最悪、また理性を失うくらいに飢餓が強くなって、誰かに襲い掛かりかねん。…多分、捕食対象と見なされる人間は俺だけだと思うけど…。
「ウェストライブ家は名家だよ? そこを欺いてまでやる気? 発覚したら、それこそ誘拐犯やその共謀と見なされるかもしれないよ?」
「あ、あの、私は! …私は…」
あーミキ嬢、言っちゃ悪いがこれには君の意思は関係ない。アラガミ化しつつある人間を、放っておく訳にはいかんのだ。
大体、君だってこのまま戻ってもロクな事にならない、と分かってるんじゃないか? 自分の体の事だ。ある程度の知識を得た今なら、このままだとまた飢えが再発するって何となく分かるんじゃないか? …自分の体が変わりつつある事も。
「………はい。その予感は、前からありました。気のせいか錯覚だって思ってましたし、何も考えられなくなるくらい、お腹が空くとは思ってませんでしたけど…」
ま、普通はそうだわな。
つー訳で、アラガミ化を抑えられる目途が立つまで、俺からマキ嬢への報告はしないつもりだ。勿論、そっちが何らかの理由で、帰らなきゃならなくなった、連絡を取りたいと言うなら、それを止める事はしない。フロンティアの適当な所から手紙を出せば、そうそう居場所は突き止められないだろ。
何か質問、および懸念事項はあるかね?
「えーと…その、アラガミ化を抑える、霊力? と言うのは、どう訓練すればいいんですか?」
基本的には瞑想から始めてるんだけど……暗示を上手く使えば…でもコレやると後が面倒だよな、多分。
……試した事が無い、上手く行けば急激に上達できる方法もあるにはあるんだが…。
「わかりにくいよ。具体的かつ簡潔に」
……卑猥な話ではないからな。目を閉じてリラックスした状態で、延々と耳元で囁いて催眠にかけ、トランス状態までもっていく事で、霊力を自覚できた例がある。ただし、見ていたギャラリーによると「セクハラしてるようにしか見えない」との事。
もう一つの方法は、リンクバーストと言う、アラガミ化した人間特有の短期間パワーアップ方法を使い、増幅した力を自覚させる。ただし、これをそこらのモスで試した事があるんだが、一匹だけ下級モスがG級ドスファンゴ以上のタフさと突進力を手に入れ、数時間としない内に衰弱し力尽きた。
「…なんて言うか…極端ですね。2番目の方法は、人間に使ったら…?」
俺が極端な人種だからじゃないかなぁ…。真っ当な方法は、やる方も教える方も死ぬほど面倒くさいし。
一回だけ試した事があるけど、その時は「強い力を感じる」で終わった。特に後遺症も無し。アラガミ化した人間なら…もっと言うとそれを制御されてる人間なら、ノーリスクのパワーアップで終わる。
ただ、ミキ嬢の状態だと制御されてるとはとても言えないから…パワーアップで終わるかもしれんし、最悪の事を考えると、体の変質が進む可能性もある。
あ、臨死体験したら霊力を自覚できた、って例もあるぞ。成功率低いけど。
「臨死体験なんて、ハンターやってりゃ誰でもあるでしょ。両手の指じゃ数えきれないよ。ん~~~………一番安全なのは…セクハラにしか見えない方法か…」
「あう……」
…うん、なんていうかゴメンね…。元の世界であればJKくらいの年齢なんだろうけど、なんか被保護者的な視点になっちゃって、いつもみたいに割り切れん…。
ま、まぁアレだ! 今日の投薬で、暫くは大丈夫な筈だから、ゆっくり考えればいいんじゃないかな!
瞑想とか、真っ当な方法で覚えたのも、ウチの猟団に2人居るし。抑制の薬も、暫く分のストックはある。渡しておくから、空腹が慢性化してきたら飲んでくれ。
それじゃ、色々あったが今日はここまで! 連絡先を渡しておくから、何かあったら来るといい。
終わりっ! 閉廷! …以上! 皆解散!