※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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ほう…北斗が如く…。
モンハンワールドも楽しみだし、期待できるゲームが沢山あるっていいよね。

あと膝裏が汗疹になったようです。
職場がクッソ暑い制服しやがって、やりにくいったらありゃしない。


第295話

 

PS4月

 

 

 バックドロップ。パンチラキック。マジ殴り。回転肘打ち。トンファーキック。パイルトンファー。ミラボレアス戦で失敗に終わった、奥義の実験台。キック。

 

 以上が本日、狩りに誘ったレイラから食らった攻撃の全てである。最後の単なるキックが一番ヤバい気配がした。XXの回線切断的な意味で。

 つまりこれだけの回数、断られようが打撃がこようが、お構いなしに一日何度も声をかけに行った訳である。傍から見てみると、行き過ぎたナンパを、肉体言語で追い返しているようにしか見えなかったそうな。

 ハーレム作ってる俺が、簡単にあしらわれるのが面白いのか、あっちこっちからヤジが飛んできたりしたもんだ。

 チャンスとばかりに、俺の女達に声をかける猛者も居たようだが、まるで相手にされなかったそうな。

 

 ちなみにその女達は、「見ていて面白いわね」くらいのコメントしかない。まぁ、ナンパでやってる訳じゃないのは知られてるからな。

 ……結局ナンパ同然になるんでしょ、というコメントももらっているが。

 何度目で成功するか、賭けている猛者も居た。……性交、とは書かれてなかったが、多分そっちもトトカルチョしてんだろうなぁ…。

 

 

 まじめな話、若干ストーカーと化しつつあるような気がしなくもない。

 

 

 一日の襲撃&返り討ち回数が2桁後半に届きそうなあたりで、ようやくレイラは話をしてくれる体制になった。いやぁ、手間かけさせやがったね!

 人に聞かせるような話じゃないもんで、レイラの部屋にお邪魔している。俺の部屋は断固拒否された。

 で、今は酒を片手に向かい合ってる訳だ。

 

 

「今からでもストーカー案件でギルドナイト沙汰にしてやろうか? ってか、アタシが言うのもなんだけど、常識とか思慮とかないのかよ。アタシとあの女の仲を取り持とうとしてんだろうけど、それにしたって一日のうちに50回以上話しかけてくるとか…」

 

 

 だって、時間を空けたらレイラが回復しちまうだろ。気力を削りまくって対策の暇を与えず、疲労から立ち直らない、空を飛んで逃げない内に狩るのは当たり前じゃないか。

 お互い人間関係のアレコレが不要なのは自覚あるから、あとはもう先手を取れるか、そのまま仕留められるかの勝負でしょ。

 寝床まで逃げ帰ったら、不法侵入からの拉致も思慮に入れてたし。

 

 

「確信犯の上に、犯罪上等かよ…。本気でサイコパスかテメェ…」

 

 

 確信犯ってのは、自分の考えが正しいと確信して行う事だから、間違ってはいないな。

 というか、レイラにしては早く折れたなーと思ってるくらいだぞ。これから色んな人を巻き込んで、ちゃんと話をしなさいコールを巻き起こすつもりだったからな。

 

 

「そん時は、レジェンドラスタなんぞ止めてさっさと逃げるぞ…。本当に、フロンティアなんぞに来るんじゃなかった…」

 

 

 後悔は役満に満たずとはこの事ですな。切った牌をどれだけ後悔しようとロンされたのには変わらないんだから、役満じゃなかっただけマシだと思いなさい。なお、役満だったらイカサマと回し打ちを疑い、財布の中身を数え、場合によっては逃げなさいという大切な教えだ。

 まぁ脱マーにおけるロマンとは別物なんで、全く興味のない話です。

 

 ともあれ、だ。真面目な話、やっぱ姉妹?

 

 

「…どこまで把握してんだよ」

 

 

 んー、歌姫の本名と、妹にレイラってのが居るってのは本人に確認を取ってる。

 歌姫とトキシが恋仲………? …なんか微妙な仲で、歌姫の力が無くなって古龍に襲撃された里を、守って力尽きたのも知ってる。

 レイラがトキシの弟子なのは、武器の使い方で予想がついた。

 プリズムが居なくなったせいで里が壊滅したって恨んでるんじゃないかと思って、会わせるとヤバいかなーとは思ってたが、具体的に会わせない為のどうこうはしてなかったな。

 

 …で、何でお前がそこまで怒ってるのかが分からん。

 

 

「大体把握してんじゃないか。それ以上何をどう知りたいってんだ…。アタシがあいつを嫌う理由も、検討くらいつくだろ」

 

 

 最初は、男に感けて力を失い、里を滅ぼす事になったプリズムを憎んでいるんだと思った。

 が、どうにも少し違うように思えてきてな。先日の古龍襲撃の一件でも、あの歌が聞こえてから顔つきが厳しくなった。

 

 そもそも、あの歌は一体何なんだ? 古龍を退ける力があるとは、確かに聞いていた。眉唾モノだと思ってたがな。まさかミラボラス(仮)の動きを抑え込めるとは…。

 …そら、目付きが悪くなった。この辺に、何か肝があるって事か。

 

 

「……ああ、そうだよ。まだ歌ってるのか、あの忌々しい歌を…」

 

 

 

 忌々しいかどうかはよくわからんが、少なくともここ数年で歌ったのは、先日の一件だけの筈だぞ。

 俺が豚呼ばわりするまでは、泉の洞窟の奥で塞ぎ込んで、ニート生活してたからな。それ以降は、新聞配達しては体力が尽きてぶっ倒れる日々だ。

 

 

「お、おま……いくら何でも、女を相手に豚呼ばわりは…。まぁいいか。元はといえば、あの歌がそもそもの原因だ。アタシも詳しい事は知らされてないが、お師匠様は色々調べててね。……歌の正体まで突き止めたんだ」

 

 

 正体…?

 

 

「お前だって、おかしいと思うだろう? 古龍を退ける歌、なんてものが、突発的に生まれると思うか? あの女の力が失われていくのは、お師匠様も感じていた。それを取り戻す方法を探していたんだ…アタシも連れて」

 

 

 その時には、既に弟子入りしてたって事か…。しかし、プリズムはそれを知らなかったようだが。

 

 

「それこそアタシの知った事じゃない。大方、お師匠様にばかり目が行って、アタシの事なんか忘れてたんだろうさ。話を戻すぞ。どこからどう情報を仕入れてきたのかはわからないが、お師匠様は歌の正体を突き止めた。……古代文明の遺産、だとさ」

 

 

 古代文明? と言うと、あっちこっちにある古塔とか、謎の遺跡とかを作ったアレか?

 

 

「そうだよ。アタシ達の先祖は、その古代文明の……よくわからないが、体を弄られていたらしい。あの歌を歌えるように。一種の先祖返りなんじゃないか、だとさ」

 

 

 古代文明…。確かに、霊力を操る技術もあったようだし、歌が感応現象みたいになってたのも頷ける。

 

 

「あの歌は、『古龍を退ける歌』じゃない。『古龍を意のままに操ろうとする歌』だ。アタシ達は、元々ある辺境の村の出身だ。…あっちこっちに古龍が居る土地で、暮らしていくだけでも、村から逃げ出そうとするのも命懸けだ。昔っから、アタシも『どうしてこんな場所に村を作ったんだ』って思ってたよ。でも、アイツがあの歌を歌うようになってから、状況が一変した。古龍は村に近づかなくなり、他所との交通路も安全になって、人が徐々に入ってくるようになった。特別な力がある歌姫が居る、なんて言われて、ハンターがやってくるようになったのも、その頃さ」

 

 

 成程。ずっと昔の村人は、その力があるから自分達は大丈夫だと思って、わざわざ古龍の群れのど真ん中に村を作ったと。

 ひょっとしたら、それもその力を欲した人間達から逃れようとした結果かもしれないな。

 

 

「言われてみれば、そうかもな。…でも、その力は安易に使っていいものじゃなかった。確かに、古龍に村を襲わせないようにする事はできたんだろう。でも、それはずっとじゃない。いつかは効果が切れる。……効果が切れた後…ひょっとしたら効果が発揮されてる時もかもしれないが…自分が操られていた事に気づいた古龍はどうすると思う?」

 

 

 考えるまでもなく、逆襲だな。

 飼い主でもない相手に首輪をつけられ、リードを引っ張られて、誰が大人しく従うかって話だ。

 

 

「そうだよ。あの歌を歌える人間が再び現れて、確かに村は豊かになった。だけど、それ以上に確実な滅びを呼び込んだんだ。古龍の怒りって名前の滅びをね。今回だって、きっとそうだ。あの時はあの歌が無ければ厳しかったのは認めるよ。でも、あの歌を歌ったことで、きっと更なる災厄を呼び寄せる」

 

 

 ミラボレアス以上か…フロンティアには割とゾロゾロ居るから困る。

 その理屈で行くと、プリズムを元気付けて歌を復活させようとしてた時、計ったように必要なモンスターがやってきたのは…?

 

 

「古龍に限らず、モンスターを操れたって不思議はないさ。呼び寄せるだけならね。…さすがに、『お前の素材が必要だから、黙って生贄になれ』なんて命令を聞かせられるとは思えないし。…まぁ、歌を歌ってないなら、それとは関係ない…か? それにしては都合が良すぎた気がするが」

 

 

 自分から生贄なんぞ、出来てもやらせて溜まるかい。確かに俺達は命を狩るのが仕事だが、だからこそそれに反抗されるのは当たり前の事だ。

 

 

「それで? お前はここまで首を突っ込んでおいて、どうする気だ?」

 

 

 うむ、何も考えていない。…というか、話を聞くまで考えようがなかった。

 つまり何だ……。レイラが問題にしてるのは、故郷が滅びる原因となった歌を、性懲りもなく歌おうとしている…というところか?

 

 

「……それが全てじゃないが、そこに大いに引っかかってるのは否定しない」

 

 

 しかし、実際に歌わせようとしてたのはアイルー達の方だぞ。本人はもう何もしたくないって塞ぎ込んでたし。

 …トッツィ達の事だから、歌が災厄の源だってのは認めようとしないと思うが…。

 

 

「そこだって気に入らないんだよ。……アタシの個人的な感情は置いておくとしても、お師匠様はあの里を、あの女の故郷を守って戦って…死んだんだ。あの女のせいで、あの女の為に、自分の意思で戦って死んだんだ! だってのに、あの女は自分だけ悲劇に浸って何もせず、ただただ泣いていただと!? お師匠様のやってきた事、全部無駄にする気かよ!」

 

 

 それは…。

 

 

「慕っていた人が死んだら、悲しくて落ち込むのは当たり前? そんな事は聞いてない! ああわかってるよ、独り立ちしてから、そうやって泣いて暮らしてる連中だって山ほど見てきたさ。アタシみたいに、2日もせずに仇討ちを志して、すぐ動けるようになって、そのまま今まで突っ走れる方が珍しいんだろう。でもな、納得いかねぇよ。そうやって、人に手を貸されなきゃ立ち上がる事もできない奴の為に、お師匠様が死んだのはさぁ!」

 

 

 

 バン、とジョッキを叩きつける。…レイラの腕力で叩きつけられて罅も入らない辺り、ジョッキもテーブルも上物だなぁ…。俺も一度、家具屋にでも行ってみるか。

 

 ……ん? 仇討ち? トキシの?

 トキシが討ち死にした時の相手って、モノブロス、剛種ナナ、アノルパティスじゃなかったっけ? 当時はどうだったかしらんが、今のレイラなら楽勝…とは言わないまでも、ほぼ確定で狩れるだろ。何だ、まさかトキシとやりあった個体そのものを探してるのか?

 

 

「話を逸らしにきやがったか? まぁいいが…そうか、そこまでしかギルドも把握してなかったんだな。……あの時、確かにその3体が暴れまわっていて、お師匠様が打ち取られたのはアノルパティスだった。でも、おかしいと思わないか? あの里は、『古龍の怒りを買って』滅びたんだ。さっき言った中で、古龍は1体だけだろう?」

 

 

 …確かに。剛ナナは脅威だが、レジェンドラスタの師匠ともなれば、そうそう負ける事もない筈…。それに残りの2体は、古龍じゃない。小さな里なら、剛ナナと言わず残りの2体が単体でも、楽に壊滅させられそうだが。

 

 

「…あの時、もう一体の古龍が居たんだ。そいつと、その3匹が同時に暴れまわって…」

 

 

 あのー…まさかとは思いますが、それって連続討伐じゃなく、同時討伐?

 

 

「そうだよ。しかも燃える村の中だったから、分断もできやしない」

 

 

 うぉぉぉ…なんという地獄絵図…。しかも、4匹同時…。で、聞くのも怖いが、残りの一体って?

 

 

「最初に村を襲ってきた古龍。こいつさえいなければ、3匹同時でもお師匠様は生き延びる事だってできた。途中で姿が消えたらしいが…撤退したんだろうな」

 

 

 そいつが仇討ちの相手って事か。…ちなみに他の3匹は?

 

 

「モノブロスと剛種ナナは、乱戦の間にお師匠様が仕留めた。アノルパティスは、瀕死のお師匠様が相打ちまで持ち込んだ。残ってるのは奴だけだ」

 

 

 特定個体もくそも、既に3体討伐済みか…しかも同時戦闘で。半端ないな、お前のお師匠様…。

 で、そいつは?

 

 

「前に少し話しただろ。イナガミって古龍だ。竹を操る力を持った、珍しいモンスターだよ。こいつの力のおかげで、お師匠様は退路を塞がれた挙句、剛種ナナテスカトリが竹を燃やしやがったから…」

 

 

 大火災か。下手すると炎の竜巻が……ああ、剛種ナナが似たような事やってたっけな。

 しかし…俺も情報があったら、と言われちゃいたが、全然手掛かりが無くて、半ば忘れてたな。竹があるところにしか居ない、居るところに竹林ができるって言ってたから、すぐ見つかるかと思ってたが。

 おまけに、見つかってもそれが当該個体とは限らないのか…。見分けはつくのか?

 

 

「当然だ。…お師匠様が、撤退させるくらいに深手も負わせた。仮にそれが全部治っていたとしても、あの姿は目に焼き付いてる。間違えるはずがない」

 

 

 プリズムとどう接するにせよ、そっちを果たさない事にはどうにも…って事か。ハンターが仇討ちなんざ、ナンセンスもいいトコだが、止めろとも言えないし…。

 

 

「話はこれだけだ。もういいだろう? アタシから話す事は何もない。これ以上何か反応を引っ張り出したいなら、イナガミの情報でも持ってきな」

 

 

 それだけ言われて、部屋を追い出された。

 …ま、ストーカー紛いの方法で話し合いに持ち込んだにしては、ちゃんと対応してくれた方だわな。

 しかし、その一方で話すだけ話した為、これ以上の譲歩や反応は返してくれそうにない。少なくとも、プリズムとの会談の場を設けても、イナガミ優先の一言で打ち切られてしまいそうだ。

 

 さて…これはプリズムに話すべきか。話していいのか。その辺の事の確認を取れなかったのは痛いな。

 ま、確認を取ろうとしたところで、「ここまで好き勝手に踏み込んできて、何今更怖気づいてやがる」って蹴っ飛ばされるだけだろうけど。そんで許可は貰えないけど、何もしなけりゃしないで怒られそう。

 

 

 

PS4月

 

 

 腹括って、プリズムにレイラの話をしようと行ってみた。

 面会謝絶だった。

 

 

 

 

 おおい!? 一体どうなってんだよ!? そりゃ確かに丸一日以上歌い続けて、体力も、本人に自覚はないだろうけど霊力も使い果たしてるだろうが、そこまでの話かよ!?

 まさか、ミラボレアスが持っていた病原菌と言うか呪いに感染して……?

 

 

 

 と思ったら、トッツィ達が過保護なだけだった。

 何? 喉をやられた? やられたって言うか、準備運動も無しに歌い続けたもんで、喉が痛んでると。……まぁ、そりゃしゃーないよな。ちょっとだけ会わせてもらったが、見事な嗄れ声だった。

 仮にも歌姫なんて呼ばれた人間が、こんな声になっちゃったらなぁ…そりゃ心配もするし、本人もショックを受けそうだ。

 

 とは言え、本人は割と満足そうだった。確かに喉を傷めてはいるが、それはゆっくり静養すれば治るもの。それよりも、自分の歌でミラボレアスを抑え込めた…歌がまた、誰かの役に立った事が嬉しいらしい。

 確かに、引っ掛かりになってた部分だろうなぁ。力を失い始めた事が切っ掛けで悲劇が起きたようなもんだし。それを乗り越えられた、と言うのは自信にも繋がるだろう。

 

 …しかし、力が戻って来たと言う事は、トキシとの事から立ち直りつつあるんだろうか? いや、力が無くなったのはトキシが死んだからではなく、恋煩いをして精神の安定が無くなったからだと思われる。…つまり、トキシの事は思い出になりつつあるって事か…。

 これまた、レイラにとっては許容できない事かもしれんなぁ。歌姫の為に死んだ、とも言えるトキシ。その歌姫は、徐々にではあるがトキシを過去にしつつある。

 未だに仇討ちの為に必死になり、その悲しみや怒りを忘れていないレイラにしてみれば……お師匠様の死因の女が、どの面下げて…って事になりかねない。

 

 

 

 …こっそりモービンにだけ相談したが、会わせるの、やっぱりヤバイ気がしてきた。

 しかし、だったらどのタイミングで会わせるよ? 姉妹の再会はもう避けられそうにないし、避けるべきでもないと思う。が、どのタイミングでどういう理由で会わせても、大爆発、致命傷不可避な気がしてきた。特にプリズムに。

 

 何とか立ち直って来た、自分に自信がついて活力が戻って来たプリズムに、レイラの考え…歌が更なる災厄を呼び込む…を伝えたら…。傷つく程度で済めばいいんだが。

 何せ、実際に災厄に立ち会った、しかも身内の言う事だ。説得力もあり過ぎるし、そうでなくても生き残った身内からの呪詛とかダメージってレベルじゃなかろう。

 

 実際、ミラボレアスが来たって事は、まず間違いなくバルカンとルーツも…。ああ、考えたくもない…。

 

 

 

 …どうしよ。もう考えるだけ無駄な気がしてきた。

 

 

 

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