※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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第299話

PS4月

 

 

 結果的に大惨事を引き起こしたものの、素材はまだ足りてない。一斉に狩るとまた大事になりそうだったので、俺、レイラ、チルカ、ティアラの4人で覇種テオを狩り、他の面々は別の素材を集めに走った。

 このペースで行けば、遠からず素材も集まるだろう。

 

 問題はイナガミに勝てるかどうか。…この4人なら、そうそう遅れはとらない…と思いたいが、4人がかりでも返り討ちにあう事があるのがハンターとモンスターの関係だ。

 尚、返り討ちじゃなくてもチルカがパンチラするのはほぼ確定事項である。文句あるならスカートを伸ばせ。……それを伸ばすなんて、とんでもない!

 

 4人の連携は、そこそこ様になってきたと思う。元より、適当にやってたらレジェンドラスタに至ったような怪物と、バフを専門とする狩猟笛使いだ。余程のヘマをしない限り、連携がバラバラになると言う事は無い。勝手が分からなかったレイラが、少々やらかしもしたが。

 ……一応言っておくが、狩猟笛使いなのに全く演奏しないという事は無い。……ちょっと目を逸らしていたから、ひょっとしたらそういう時期があったのかもしれないが。

 

 

 尚、依頼を引き受ける時、ティアラが予想通りに面倒くさがったが、餌で釣って何とかその気にさせた。

 餌? シキとミキの退廃的な行為に混ざる権利ですが何か? 初めてヤッた時もそうだったけど、シモ関連では貴族趣味と言うか悪趣味なのが好きなのよね、ティアラって。ちなみにSもMもどっちもイケる。俺が調教したんじゃなくて、自前の性癖だった。

 

 

 

 全く話は変わるのだが、ハンターやギルド内で俺の扱いが少々問題になりつつあるらしい。このクソややこしい時に…と思ったが、問題自体は頷けるものだった。

 レジェンドラスタの私有化。いや人を私有化って言うと人聞きが悪いけど、要はレジェンドラスタがやたらと俺を優先している、って事だ。

 

 エロ関係にある事は、特に問題視されてない。人倫的には問題があるだろうが、ギルドの規約には特に禁止されてないし、むしろ『あの女傑達に囲まれて、よく生きてるな』と思われる事も多い。

 しかし、当然妬み嫉みが消える訳じゃないんだよな。

 

 まぁ、こっち方面を問題とするのは、俺ともレジェンドラスタとも直接的な関わりが少ない人達だから、どうでもいい。

 

 

 ただねー、今ってほら、トキシの穿龍棍を復活させる為に、レジェンドラスタ総出で手伝ってもらってるでしょ? レジェンドラスタの制約として、自分からは動けないので、俺が依頼してるって形にしてんのよ。

 レジェンドラスタ達も、私情にせよ助け合いの精神からにせよ、他の人達からの依頼より、俺を優先する事が多々ある。

 「アイツだけチヤホヤされて面白くない」という話ではなく、他のハンター達がレジェンドラスタを雇えなくなってしまうのだ。

 

 

 …と、言われても…。俺としては、単に狩りに行かないかと誘ったり雇ったりしてるだけなんだよなぁ。

 今のところ、ギルドもそこまで問題にはしてないし、レジェンドラスタをこれ以上思ったように動かせるとは考えていないようだが、何かしらの対策は必要かもしれない。

 具体的には、俺をレジェンドラスタ達の統括役(と書いて子守り役と読む)として登録するかもしれない、とか。…ギルドの人からチラッと聞いただけなんで、本気かどうかは分からないな。

 

 ま、俺の個人的な理由で、皆に迷惑をかけるのも忍びない。関係を清算するつもりもないが。

 自重しろっつーのなら、自重せずにコッソリ色々やるとしますかね。

 

 

 追記 一日間が空いたが、またミキとセラブレスの夢を見た。今度は狩場のキャンプで、うつ伏せにしたセラブレスのうなじ・背中・尻を順々に嘗め回して開発した。

 先日、ミキと本番した朝は、特に痕跡は残ってなかったそうだ。ふむ…やはり夢は夢、と言う事かな。

 

 

PS4月

 

 

 あ。

 

 

 

 っという間に、穿龍棍修復に必要な素材が集まってしまった。こんなにもあっけなく、とレイラが呆然と呟くくらいだ。

 俺も呆然としているが、別の意味で呆然としている。

 

 

 だってよぉ、まさかギネルさんが一人で7割以上も覇種テオの素材を調達してきたんだぞ?

 そら呆然とするわ。

 

 何かと扱いの悪さで定評のあるギネルさんだが、実力は本物なんだよなぁ…。特に何かの理由でブーストがかかると、桁外れの実力と行動力と勢いと、タイゾーさん並みの暑苦しさを発揮するらしい。

 実際、タイゾーさんと組んで何匹か覇種テオを狩ったらしいが、「先日の火の7時間並の熱気だった」と、気球から観測していた人が漏らしたそうな。

 

 聞いた話では、以前にも何かの素材と間違えて電撃袋を千個近く調達してきたり、一日足らずでフルフルを300頭以上狩ったりした事もあるとか。この前やらかした俺らが言うのもなんだけど、乱獲すんなよ。

 

 呆然としたまま(呆れているとも言う)のレイラを小突いて正気に戻し、礼を言うと…。

 

 

「あの時は、何もしてやれなかったからな…」

 

 

 と呟いたのが聞こえた。…何だ? 昔あった事があるのか? レイラに心当たりはないようだが。

 

 

 

 さて、どうにも得心いかない部分もあるが、とりあえず明日にはコーレナントカも修復できる。…今更言うこっちゃないが、名前が覚えにくいんだよ…。

 連携の練度も充分だし、2~3日中にはイナガミにもう一度挑む事になるだろう。

 準備もした。作戦も立てた。しかし、相手は冷静ではなかったとは言え、レイラを一方的にあしらう古龍である。さて、今度はどうなる事やら。

 

 

 

 追記 夢の中のセラブレスの開発が、大分進んできた。眠ったまま、体だけマジイキできるくらいには。

 

 

 

 

PS4月

 

 

 穿龍棍の修復が完了した。工房の親方から受け取ったレイラが、若干涙ぐんでいる。「お師匠様…」とつぶやいたのが聞こえた。

 穿龍棍の仕上がりは問題ないようだ。俺も受け取り、何度か振り回してみたが、龍気の乗りも手触りも問題ない。今まで培ったアレコレも、充分発揮できるだろう。

 

 すぐにも出発! …と言う事になるかと思ったが、意外な事にレイラがそれにストップをかけた。

 その理由がまた意外。プリズムと話をしておく為、だそうだ。あれだけ毛嫌い……と言うのもちょっと違う気がするが、避けていたのにどうしてまた。

 

 …………いや待て、お前、俺のところに来た時、本当に怪我は治ってたのか? プリズムと二人きりなのが耐え切れずに、抜け出してきたとか言うまいな?

 …半分図星、か。傷は治ってるけど、接し方が分からず、ついつい飛び出してしまったらしい。

 むぅ、プリズムに連絡入れて確認するべきだったか。で、何か? 俺が居れば多少は空気が紛れるだろうって? …あんまり仲良くないんだけどな。好き嫌いは置いといて。

 

 

 と言う訳で、祈りの泉にやってきました。

 

 

「ニャ? おお、何だか久しぶりニャ」

 

 

 おートッツイ。考えてみれば、最近はこっちにも来てなかったな。プリズム、居るかい?

 

 

「先程、新聞配達から戻られて、今は湯浴みをしてるニャ。最近は暑いからニャ。……ところで、そちらが…」

 

「……レイラだ。一応、妹…って事になる」

 

「むぅ…。歌姫様の血縁が、こんな粗暴な女だと認めたくは…」

 

「あんだとコラ」

 

 

 やめれトッツイ。と言うか、血縁云々はともかく、いきなり貶すような奴が従者だと、主の評価も落ちる事になるぞ。

 と言うか、里に居た頃には接触はなかったのか?

 

 

「殆ど無かったよ。…当時の歌姫は、里の最重要人物だったからな。アタシも最初は歌姫みたいな力があるんじゃないかと期待されたけど、無いと分かってからは殆ど放置されてた。面会も殆どできなかったよ。……歌姫への反発は、その辺も理由かもしれないな。一人だけチヤホヤされて、ってさ」

 

 

 挙句の果てにはお師匠までも…か。その分析の是非は置いといて、冷静に語れるようになってるんだな。

 

 

「当時の私にとっては、軟禁されていたようにも感じられましたが…。お待たせしました」

 

 

 あ、プリズム。朝風呂とは優雅だな。

 

 

「皮肉ですか? …最近は暑気が強くて、外に居ると走らなくても汗が出ます。考えてみれば、フロンティアの外はもう夏ですからね」

 

 

 あー…そんな時期だっけ。ここに居ると、季節感とか狂いまくるよなぁ…。

 それは置いといて、これからイナガミの所に殴り込みに行ってくる。…結果的には、トキシの仇討ちって事になるんだろうな。

 なんか言っておく事あるか?

 

 

「…いいえ。確かに思う事はありますが、それは託すべきものではありません。レイラが言うように、私の歌が古龍の怒りを買うもの、古龍を操る為のものならば、イナガミに恨みつらみをぶつけるのは、逆恨みになりましょう」

 

「………。なぁ……ね…ぇ、さん。これからどうするつもりだ? イナガミの事は、アタシが蹴りをつけるつもりだ。でも、その後は? また歌を歌うつもりなのか?」

 

 

 …あぁ、それが聞きたかったのか。

 

 

「はい。レイラの言葉も、私を元気づけようとしている間に、多くのモンスターが現れた事も聞きました。古龍を退ける歌ではなく、古龍を操る為の、忌々しい力を持った歌…。ですが、やはりこれが私の生きる道です。…例え、私の為に里が滅んでしまったのだとしても…既に絶えて久しかった歌の力が私に宿った事は、何らかの意味がある事だと思うのです」

 

「運命論なんか、アタシは聞いてない。過去の事はこの際置いておくとしても、また古龍が襲ってきたらどうするつもりだ」

 

「…………そんなの、襲われるのもハンター総出で撃退するのも、フロンティアでは日常茶飯事ですし…。今日だって、隣のメゼポルタ広場でクシャルダオラ亜種が殴り込んで来ましたし。でしたら、ハンターの皆さまの力になれる方がいいじゃないですか」

 

「………」

 

 

 …あまりに当たり前の事実に、レイラは一瞬反撃の言葉を失ったようだった。

 

 

「フロンティア、と言う事を差し引いてもですね。あの里は古龍の生息圏内にあったからこそ滅んだとも言えます。例え私が古龍を操る歌を歌ったとしても、その効果が届く範囲に古龍が居なければ、全く関係はありません。そして私の歌が響く範囲は、どれだけ広く見積もっても、精々メゼポルタ広場一つ分です。この泉の舞台で歌えば、洞窟の外にも届きません」

 

 

 それはそれで凄い事のような。そういや、ミラボレアスとやりあった時も、壊滅した広場の隅々まで声を響かせてたっけ。桁外れの声量と肺活量。成程、持久力が必要な新聞配達は、思った以上に天職だったらしい。

 そしてそれを洞窟の中だけに抑え込む防音機能。高級耳栓の応用かな?

 

 

「…納得はできないけど、分かった。確かに、忌々しい力であったとしても、歌の力は強い味方になると思う。……一曲、頼む」

 

「え…?」

 

「さっきも言ったろ。これからイナガミと雪辱戦だ。どんな力であれ、強化が出来るなら使うべきだ。…力を合わせる、束ねるってこういう事だろ。狩場のハンターだけじゃない。武器や防具を作ってくれる工房のおっちゃん達、狩人弁当を作ってくれるおばちゃん、帰るところを掃除してくれるアイルー達、情報を集めて見送ってくれるギルドの人達。…ここに、歌を歌ってハンターを強くする女が一人増えるだけだ。…仮にもお師匠様に大事に思われていたんだ。アンタの力添えがあった方が、お師匠様も喜ぶだろ」

 

 

 …レイラ…。拗らせたボッチ女が、立派な事言っちゃって…。

 

 

「はい…ありがとう、レイラ…。私の想い、歌にして貴方達に預けます。どうか、どうか無事に帰ってきてくださいまし」

 

 

 歌姫の宣言を聞いて、こっそり隠れた(つもりで)聞いていたアイルー達が騒ぎ出したのが聞こえる。

 

 

「ニャニャッ! 歌姫様が歌われる決意をされましたニャ! バッシ、モービン、舞台の準備ニャ!」

 

「ニュフフ、苦節数年、ついにこの時が…。ワタクシの胸も熱くなりますニャ」

 

「船出の時、ついに来たれり…ニャ。トキシ、草葉の影で見守ってやってくれニャ…。トッツイ、喚いてないで衣装持ってくるニャ。バッシは広場の飾りつけ、オレは表で待ってるレジェンドラスタ達に話を通しておくニャ」」

 

 

 ドタバタがちゃんと、アイルーが立てるにしては大きな音と共に去っていく。……さっきから破砕音が連続してるけど、重要な物まで壊さなきゃいいけどな…。

 去っていくアイルー達を見て、プリズムは大きく溜息を吐いた。口元はちょっと笑ってるが。

 

 

「まったく、あの子達は…と、私に言う資格はありませんね。それだけ苦労をかけてきましたし…」

 

「歌姫様! まずはこれをどうぞニャ! 個人的にコレには複雑な思いがあるけど、歌姫様の復活にはコレが絶対に必要ニャ!」

 

「…それ…確か、お師匠様が作ってた…」

 

 

 トッツィが真っ先に戻ってきて、渡したのは一つの耳飾り。

 結構古いようだが、その割には使い込まれていないようだ。そしてよく磨かれている。…身に着けた物じゃなくて、しまい込んで使ってなかった物かな。と言う事は…それが、トキシから送られた装飾品か…。

 

 

「…はい。あの方から送られた、ただ一つの耳飾りです。一度だけ身に着け、あの方に見せた後は…ずっと、しまい込んでいました。あの日から、この耳飾りを眺めては嘆き、思い出に浸る日々…。ですが、それももう終わりにしなければなりません」

 

「そっか…。それ、送られてたんだな。しかし、何で一度しか使わなかったんだ?」

 

「大した理由ではないのですが…着けさせていただいた時、何も感想を言われなかったので、不評だったのかと…。もう一度着けるべきか悩んでいる内に、あの方は旅立たれてしまいましたし」

 

「それが完成して、お師匠様が旅に出るまで、かなり時間があった筈なんだがな…」

 

 

 あー、完成したのは前でも、贈られたのはもっと後ってパターンじゃないか? 渡すタイミングが掴めないって、結構あるぞ。多分、タイミングを逃しに逃し、プリズムの力が失われかけているのに気付いて、何とかしようとして…旅立つ直前くらいに、ドサクサに紛れて渡したんだろ。

 

 

「…確かに…。あの時、あの方は妙に慌てていたのを覚えています。当時の私は、あの方からの贈り物に舞い上がっていましたが」

 

 

 (…多分、DT拗らせて渡すのに散々煩悶した挙句、恥ずかしがるかフリーズして何も言えなかったんだろうなぁ…。トキシの名誉はどうでもいいが、故人を貶すような発言をして白い目で見られるのも嫌だし、黙っておこう)

 トッツイ、ナイス判断。普段は頓珍漢な事やってる頑張り屋さんが、ここぞと言う時に綺麗に決める…。いいゾ~コレ。

 

 

「そ、そう言われると照れるニャ…。褒められるのに慣れてないニャ。それじゃ、準備の続きがあるニャ!」

 

「ええ、ありがとうございます、トッツイ…。これを付けるのも久々ですね…。………どうでしょう?」

 

「おい、言ってやれよ。男だろ?」

 

 

 ああ、よく似合ってる。陳腐な言い方になるが、プリズムの為だけに作られたモノだって、よく分かるよ。

 

 

 

「ふふっ、確かに気の利いた言葉ではありませんが、私にとっては万雷の拍手よりも嬉しい褒め言葉ですわ。…では、喉も治っている事ですし…ブランクが少々不安ですが、一曲謳わせていただきます。ティアラさん、チルカさん共々、存分にご堪能くださいませ」

 

 

 

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