※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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バイク屋から連絡キター!
午後から受け取りに行ってきます!

…という日の朝、超高速で前後左右に平行移動する、呪いの市松人形が迫ってくる夢を見ました。
ご丁寧にも駐車場からやってきていました。
…あ、ある種の予知夢…?
夢違え、夢違えってどうやるんだ…。と言うか市松人形がシュールだったなぁ。

もしも感想返しが途切れるような事があれば、無事を祈ってください…。


第311話

ゲーム用PC月

 

 

 新しい月に突入。登録祭は昨晩で締め切られ、次の週開けから入魂祭が開始される。、

 フロンティアに戻った後、プリズムとは会話らしい会話もなく別れた。乗せてくれたライダーのニヤニヤ顔が腹立たしい。

 その後、レイラも無事に帰って来たようだが……どうすんべぇ、コレ。

 

 結局、プリズムからは是とも非とも反応は返ってこなかった。『そうなってしまっても、満更ではない』って事だろうか? どっちと結婚するのか、はさて置いて。

 俺としても、今のあの姉妹が相手であれば、満更でもない。出会った頃は酷いもんだったが…俺が言うのか、というツッコミは置いといて。

 

 ただ、『満更じゃない』程度でくっ付くと、絶対ガチギレする連中が居るんだよなぁ。それだけ好かれてるって事で、本気で怒るのも当然なくらいに色々ヤッてきたからね。

 と言うか、言っちゃ悪いが、俺だって結婚するなら、あの姉妹よりも…………………その、対象者が多すぎて特定の名前を口にできないが、まぁ彼女達がいい。……………決して、『重婚や内縁の妻や愛人も公認するように仕込んだからな!』なんて下心からではない。純然とした、積み重ねてきた感情(肉欲含む)による好感度だ。

 

 

 

 どうしたものか…。ぶっちゃけた話、拒む事ならいくらでも出来る。借金とかがある訳でもなし、俺自身も賭けを了承した覚えはない。

 賭けっつっても口約束だし、結婚書類に記入しなけりゃいいだけの話だ。

 

 が、勿体ないとも思うんだよなぁ~。

 いつもの悪癖だと言うのは自覚してるんだが、結婚しろって言ってきてるんだぞ。つまりは………二人とR-18な関係になるチャンスだ。

 

 

 

 …いつもの事だよ、そうだよいつもの悪癖だよ呆れろよ正常運転で結構な事だろ。

 

 

 

 

 まー真面目な話、レイラの方から勇気と言うか度胸振り絞って言ってきたんだしな…。恥を掻かせる訳にもいかん。

 ……結婚を断る事自体は、恥を掻かせるのとは違うと思うけど。それが恥だって言うなら、プロポーズされたら相手を問わずOKしないといけなくなる。

 だからと言って肉体関係だけ結びましょう、というのは色んな意味で結論がワープしてるが、それはそれ。

 

 

 

 

 …考えがループしとるな。結局、肉欲に惹かれて墜ちていくのみか…。

 こうしていても仕方ないので、部屋に来ていたミーシャに相談してみた。ミーシャは重婚許可派(多分にデバガメ癖によるものだと思うが)な上、夜のスケジュールの管理や、将来設計もしっかり行っている、言わば大奥の纏め役みたいなポジションに居る。相談するには適任だろう。…ちょっと情けないけど。

 

 

「ふぅん…。まぁ、結婚事態はいいんじゃない?」

 

 

 あら、ミーシャってばあっさりと。

 

 

「だって、それで私達と切れる訳でもないでしょ。どっちと結婚したとしても、ゴネるようなら下半身で説得するだけじゃない」

 

 

 御尤も。まぁ、そこまでは俺も考えてるんだよ。

 たださ、ほらやっぱり順番ってあるじゃん? 出会った順とか関係を結んだ順とか、まぁその辺のルールは置いといて、皆から見たらポッと出の女に持っていかれるようなもんだろ。

 

 

「それはそうだけど…私はそこら辺は気にしてないわね。式を挙げるとかはともかくとして、切っ掛けになるには違いないもの。…貴方、責任を取る気はあっても、結婚となると躊躇いがちだし」

 

 

 う…。

 

 

「まぁ、ハンターやってる以上、何処かで死んでしまう事を考えるのも分かるけどね。それを考えて結婚しない、というのも無責任な話よ? 例えほんの一時の事だったとしても、確かな証と思い出は欲しいものよ」

 

 

 金言、ありがたくいただきます…。

 んじゃ、ミーシャはあの二人と結婚もあり、と?

 

 

「そうなるわね。それが賭けによるもので、貴方を本気で好いているのか怪しい…と言うのは気に入らないけど、和を乱す事はしそうにないし、いいんじゃないかしら。貴方も、妻の間の順列を決めるつもりはないでしょう?」

 

 

 まーね。強いて言うなら、スケジュール管理とかを担ってくれてるミーシャが、頭一つ分上の立場になるんじゃないかな。或いは…皆の潤滑剤みたいな立場に入ってるフラウとか?

 この辺の事を言い出したらキリがないけど。

 

 

「それと……まだ口にしてない本音、当ててあげましょうか? 本当に相談したいのは、『どうやったら二人ともゲットできるか』じゃない?」

 

 

 

 ……はいその通りですゴメンナサイ。このままだと、結婚したとしてもどっちか一人、置き去りにしてしまいます。いやそれが普通なんだけど。

 

 

「ふふっ、いいネタ(デバガメの)が出来そうね…。いいアイデアはあるわよ。ただし…」

 

 

 ミーシャは立ち上がり、服のボタンに手をかけた。ハラリと上着が落ちて、いつ見ても均整の取れた見事な肌が露わになる。スポーティなブラも大好きです。

 アイデアを教えてほしかったら、満足させてねってか。

 

 

 

 

 珍しくミーシャが主導権を握った日でしたが、最終的には満足しきってオネムしました。…俺はその後も、後からやってきた子達とよろしくやってたけど。

 

 

 

ゲーム用PC月

 

 ミーシャのアイデアを採用し、結婚も基本的に問題無さそうなので、色々スッキリして入魂祭に突入!

 

 

 …ところで、昨晩は乱交途中に入ってきて、そのまま混ざったが…マキ、なんでフロンティアに? しかもキヨさんまで連れて……持ってきて、か?

 

 

「君に会いに来るのに、理由が必要か? …と言うのは(本気だけど)冗談で、こっちの仕事が一段落してな。その結果をお母様にも報告しなければいけないんだ。ミキの様子も気になるし」

 

 

 ああ、あくまで領主代行だったもんな。

 

 

「そういう事だ。話に聞いた入魂祭も、一度見てみたかった」

 

「全部後付けの理由で、ホントはマキ様も私も、貴方に会いたかっただけですけどね♪」

 

「そういう事をばらすのは無粋です、キヨさん」

 

「いえいえこれがお約束」

 

 

 相変わらず仲がいいね。重なって同時イキするくらいには。

 まー俺もフロンティアを案内とかしてやりたいのは山々なんだが、入魂祭で狩りをせにゃならんからな。

 

 

「分かってるさ。仕事が終わって帰って来た夫を労うのも、妻の務めだ」

 

「マキ様マキ様、狩りの後のハンターって、そりゃスゴイらしいですよ?」

 

「………ま、まぁその、子を作るのもな!」

 

 

 はっはっは、欲望に素直で大変よろしい。心配せんでも、親子姉妹共々に泣く程可愛がってやろう。

 

 さて、入魂祭で本日の試練として指定されたモンスターは……ウラガンキンを1体? あいつ、フロンティアに居たっけ? 遷悠種か?

 いや、しかし遷悠種ってそんなに沢山狩れる程居るのかね?

 

 他には……色々指定されてるなぁ。しかし特別目を引くものは無い。とりあえず、遷悠種らしいウラガンキンを狩ってみますかね。

 

 

 

 

 マキとキヨさんに見送られ、クエストを受けて出発。途中で遭遇するモンスター達を、試練の内容を思い返しながら討伐し、進む事暫し。…狩場に限らず、異変が起き始めている事は明白だった。

 普段とは、明らかにモンスター達の様子が違う。落ち着きなく動き回っているモンスター、やたらと狂暴なモンスター、普段の居場所とは明らかに違う場所に居るモンスター。フロンティア全体が、そんな感じになっているようだ。

 …これが毎年の事なのか…?

 毎年…であれば、これは異変と呼べるんだろうか?

 

 聞いた所によると、何故このような現象が起きるのかは解明されてないらしい。一か所だけでこうなるなら、まだ分かる。ナワバリ争いに敗れたモンスターが移動して、そこから連鎖式にモンスターの移動が始まったりね。

 でも、それがフロンティア全域で、だろ? ……絶対何か別の原因があるよなぁ…。

 

 

 まぁ、考えても仕方ないか。分からないなら調査するしかないんだ。多分、今までも何人ものハンターや学者さんが、解明しようとして挑んだのだろうけども。

 何か分かればそれで良し、分からないなら分からないなりに、目の前の事に対処するしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あのさ、遷悠種じゃなくて二つ名持ちが出てくるってどういう事よ? しかも2体。

 

 

 宝纏かつ遷悠種のウラガンキン。フロンティア仕様だけあって、マジできつかった…。

 ウラガンキンの動きには慣れてるよ。宝纏であっても、おおざっぱな動きそのものは変わりない。ありあまるパワーと、見かけによらないスピードで、面倒くささが一段跳ね上がっていたのは事実だが。

 

 むしろ鬱陶しかったのは、あの宝石の輝きだ。キラキラキラキラと、鬱陶しいったらありゃしない。反射しまくって、目を惑わせてくる。2体が動き回って、目がチカチカするし、頭がクラクラするし。なんつーか、催眠術でもかけられてる気分だったわ。

 催眠ガスも使って来たし、妙な暗示とかかけられてないよな…。

 

 と言うか、二つ名モンスターって入魂祭の対象になるんだろうか?

 

 

 ならなかったら狩り損………ではないな。うん、宝纏ウラガンキン。その宝石。レア度で言えば最高クラスだろう。結構デカい奴だったんで、それなり以上に量も取れた。

 こいつをプレゼントに使えばいい。丁度、言い出したマキもフロンティアに居るし。

 問題は、コレを加工するのがどれくらい難しいかだが……こればっかりは、加工屋のおっさん達に教わるしかないな。

 

 ま、愛(肉欲)の力で何とかするか。

 

 

 

 ……しかし、二つ名持ちの遷悠種が2体ね…。やっぱ何かとんでもない事が起きつつある気がする。

 

 

 

 

ゲーム用PC月

 

 

 入魂祭2日目。

 指輪が出来た。昨日の宝纏から採取した宝石で作った指輪だ。まぁ、所詮は素人の日曜大工的な作品なんで、プロから見れば「なっちゃいない」ってなもんだろうし、装備品としての特別な力は全く無いけど。…ただ、オカルト版真言立川流でチョコっと小細工したけど。

 加工が思ったよりもやりやすかったのは、本当に助かったなぁ。「細かい事を言わなければ簡単」って話でしかないが。

 

 と言うか、素人がたった一晩で宝石を加工できるって、考えてみりゃ凄い事だ。……4人がかりで数回ハンマーを振り下ろすだけで、武器やら鎧やら出来上がってしまう工房を見慣れてるから、何とも思わなかったけど。

 

 

 

 指輪を渡されたマキの反応は…………うん、ごめん、ちょっと書けない。おかしいとかじゃなくて…思い出したら指が震えるんだわ。渡す時にも柄にもなく緊張したし、受けとってくれた時には、なんか込み上げてきて、頭ん中が一杯になってたし。

 ただ、後になって思い返すと、「ああ、幸せってこういう事かな」って頭に浮かんできた。 

 

 

 

 

 『次に指輪を渡すのは誰かな?』ってプレッシャーも感じているんだけども。素材はまだ充分残っているし、出来上がり次第渡していく…としか言えないなぁ。

 

 

 ま、それは置いといて、入魂祭の事だ。

 今のところ、どっちが優勢という事は無い。ふむ…レイラがあっちに参加してるんだし、もっと破竹の勢いで入魂してんじゃないかなーと思ってたが…。

 いや、戦力が同等になるように組を振り分けてるっぽかったし、レイラが暴れてこの結果なんだろうか? それとも、全力を出すのに迷いがあるとか? …プリズムとくっつけようとしてるけど、実は自分も…という思いが捨てきれず、つい迷いが出てしまうと……。…俺の自意識過剰かな。

 

 

 

 どっちにしろ、俺は勝ちに行くつもりですが。結婚云々は置いといても、負けるのは悔しいからね。

 猟団の連中も、元タカリとは思えないくらいに精力的に働いている。尤も、流石にモンスター達が荒ぶっているこの時期に討伐は厳しいので、納品クエストでポイントを稼いでいる者が多い。

 ま、問題ないね。1回で稼げるポイントは少ないが、その分人数が多いからな。そこそこの稼ぎにはなってるだろう。

 

 

 そんな事を、久々に会ったシトサに言うと、フーンと実に曖昧な生返事をもらった。

 一体何よ?

 

 

「ああ悪い、ちょっと反応に困っただけだ。…上から目線で言うが、元タカリ連中が、よくもまぁ…ってな」

 

 

 確かに嫌味っぽい言い方になってるな。でも、確かに思ったよりよく働いてんだよなぁ。もっとサボる奴が出ると思ったのに。

 …自分の猟団員に言う事じゃねーな。常に4人組でモンスターにも対応しやすいし、猟団のバックアップの質も上がってきているとは言え、よくこの時期にクエストを受ける気になったもんだ。ヤバすぎるから絶対行かない、なんて言ってた奴も、何だかんだで参加してるし。

 

 

「そりゃ単純に、祭りの報酬目当てなんじゃないか? どうもお前は知らないみたいだが、入魂祭で勝った側には、特別な景品があるんだよ。代表的な物で言えば、金、素材、名誉…。この辺は成績上位者クラスじゃないと、大きなもんじゃないが……木っ端程度にしか貢献してない奴でも、特別なクエストに参加できるんだ」

 

 

 勝者側の特権…ああ、聞いた事あるな。ガチネコからの挑戦状…だったか?

 

 

「勝ちネコだ、勝ちネコ。勝ちネコからの挑戦状ってのは、狩人祭の亜種の通称みたいなもんだ。ルールが違うんだよ。勝者特権は、また別のもんだ。それを出してるのが、勝ちネコって事」

 

 

 ややこしいな…。具体的には。

 

 

「寿命は短いが、その間だけは異様に高性能な装備とかな。で、お前のところの連中が目当てなのは、多分勝ち組限定クエストだ。コイツを完遂すると、特別な素材が手に入る」

 

 

 …素材目当て? あいつらが? …金になるって事か。

 

 

「そうだな、金にもなる。宝石みたいなもんだから、観賞用としても人気が高い。でも、この場合…勝ち組限定クエストを受けられる、って状況が重要なんだ」

 

 

 ? ? ?

 

 

「色んな意味でオイシイクエストを受けられるんだ。それを目当てに寄ってくる奴らが居るだろう。…その中から、いい仲になれる奴を探そうとしてるんだよ。或いはチヤホヤされたいだけか」

 

 

 ………婚活パーティか何かか? と言うか、タカリ連中が自分からタカられに行ってるのか。

 

 

「勿論、タカる事も考えてるだろうけどな。『俺がクエストに連れてってやるんだから、分け前は俺が多く取って当たり前だよな?』的な認識はあるだろ。まぁ…いいんじゃないか? 悪質すぎるやり口ならともかく、確かに本来受けられないクエストに連れて行ってもらえる、ってのはあるしな」

 

 

 おお、シトサにしては意外な見解。自分の力で勝った訳でもないのに威張る奴、負けてプライドを捨てて尻尾振る奴とか言うかと思ったが。

 

 

「流石にそこまで拗らせてねぇよ。ま、世の中ルールだけで回ってる訳じゃないし、多少はな。要領の良さが必要だって事くらい分かってるさ。お互いに合意の上で、分かっててそういう付き合いをやってるなら、それは単純に取引の結果でしかないからな」

 

 

 ふーん。まぁ、真面目に狩りやってるのはいい事だ。あいつらも、この前の旅行でくっついた人達を見て、自分も家庭が欲しくなったのかもな。

 

 

「ああ、この前のバカンスか。土産、ありがとうよ。誘ってもらったのに行けなくて悪かった」

 

 

 いやいや、都合があったんなら仕方ないべ。また今度な。

 ……シトサもクエストを受けに来たのか。もうアイツもG級なんだなぁ…。準備期間はもう終わったのかな?

 

 

 …しまった、シトサがどっちの組だったか、聞いとくの忘れた。

 

 

 

 

 

 さて、今日も入魂祭の為に狩りをする。

 昨日から疑問に思っていたのだが、入魂の為の試練について、何故下位上位G級の区別が付けられていないのか。極端な話、G級ハンターが下位ドスランポスを乱獲したとしても、それだけのポイントはゲットできる。

 これっておかしくないだろうか? と思っていたが……うん、それどころじゃないってだけなのね。この時期、モンスター達の生息図、分布図が無茶苦茶に掻き回された状態になってるから、何処に何級が出てくるか分かったもんじゃないらしい。分かりやすく言えば、下級クエストだと思って出発したら、下位ティガレックスよりも強いG級ドスランポスが出てくる事もある訳だ。こりゃ危険すぎるわぁ…。

 …あれ、でも特異個体が出てくるのはフロンティアの常だよな…。つまりはいつも通りって事か? まぁ、危険度は段違いだけど。

 こりゃ、ウチの連中が行きたがらない理由も分かるなぁ…。

 

 

 そんな中でも、我が娘のミキは元気に狩りをしています。最近、ガンガン腕を上げてきてるなぁ…。上位ハンターまであと少しだろう。パンツァー猟団の皆と足並み揃えていきたいらしく、暫く昇格試験を受けるつもりはないようだが。

 猟団部屋に帰ってきて、武勇伝を母と姉に語っている所をよく見かける。ちなみに俺が相手だと、普通に語るよりも寝物語にしたがる。狩りの後は燃えるしね。無理もないね。

 

 

 

 ……それは置いといて…。やっぱりこのモンスター達の慌て方、まるで何かから逃げようとしているように見えるんだよなぁ…。

 

 

 

ゲーム用PC月

 

 

 入魂祭3日目。

 ふむ…紅竜組が若干優勢…。つまり俺達か。所詮は若干だから、明日にはひっくり返っててもおかしくない。

 …レイラが居てこの結果、か…。一度様子を見に行った方がいいかな? でも、何処にいるのか分からないんだよな。レジェンドラスタ達の集まる酒場にも来てないし、プリズムの所にも顔も出してないらしい。

 

 

 気になる事は、レイラの事だけではない。フロンティア古参の元タカリ団員に聞いたのだが、今年の入魂祭は昨年までに比べて、ポイント総量が明らかに多いらしい。

 つまり、それだけ狩ったモンスターの数が多いと言う事だ。…それだけ参加しているハンターの質や人数が上がっている…と言う事ならいいのだが、謎の大繁殖・大暴走の規模が大きくなってるって事っぽいんだよなぁ…。またキッツい一騒動ありそうだわぁ…。

 

 

 それは置いといて、また指輪やら首輪…もといチョーカーやら、色々とプレゼント用アクセサリを工房で作っていたら、親っさんから声をかけられた。

 

 

「おめー、細工物のセンスがねぇな」

 

 

 うっさい、ほっといてくれぃ。で、どしたのよ。工房の道具とかは貸してくれるけど、アドバイスはしないって言ってなかったっけ?

 

 

「おう。俺らの職場で、素人が俺らと同じ事をしようってんだ。気に入る訳がねぇよ。ま、女に贈るものを自分の手で…ってお前の気持ちも分からんでもなかったから、特別に許可出したが。…話がずれたな。お前、高密度滅龍炭を欲しがってたな?」

 

 

 高濃度…ああ、巨龍砲に使うエネルギー源か。ああ、欲しいね。鬼杭千切に突っ込めば、どれだけの破壊力が叩き出せるか。困った事に、それをやるだけの技術力が無いんだけども。

 

 

「俺もちょいと見せてはもらったが、あれは手に負えんな。鍛冶の腕なら負けやしねぇが、あの機構はな…。仕組みが理解できん」

 

 

 ただでさえ技術格差がある上、アラガミ細胞なんて訳の分からんもの使ってるしなぁ…。それで?

 

 

「おう、ちょいと時間がかかったが、ようやく手に入ったぜ。持ってけ」

 

 

 …はい? いいの? 何で?

 これ、結構な貴重品だろ? と言うか、俺が持ってていいのか?

 

 

「ああ、構わねぇ。確かに貴重品で、扱うには資格が必要だが、逆に言えば扱わずに持ってるだけなら何も問題は無い。…だが、持ってるだけでお蔵入りにするなら、そりゃ素材への侮辱だ」

 

 

 だったら猶更何で。有効活用する術は無いぞ。

 

 

「今はそうかもな。多分、俺の師匠の竜人族の親方でさえ、手に負えないだろう。だが、これからはどうだ? …鬼杭千切とやらに使う為に、高密度滅龍炭を求めた。つまり…今は出来なくても、使い物にする心当たりがあるんだろう?」

 

 

 ………それは。

 

 

「お前はそういう目をしてる。正面から見据えると、妙な眩暈がしてくるような目だが、どうも度し難い程の色狂いのようだが、お前の根っこは狩人だ。素材は使う物としか考えない。記念品として求めるなんぞ有り得ん。…尤も、俺の勘違いなら勘違いで、別に構わん。コイツは俺が持って居ても仕方ないのない物でもある。いいから持っていけ」

 

 

 …有難くいただきます。しかし、何故そこまでしてくれるんで?

 俺を工房に入れる事自体、弟子というか従業員から反発があったのでは?

 

 

「何、借りを返しただけだ。…先日の、邪龍とやらで壊滅した広場に、俺の嫁さんが居たんだよ。おかげで助かった」

 

 

 …そっか。ある意味、俺が原因で出現したようなもんだが……言っても理解されないだろうし、黙っておくか。

 これで嫁さんが死んでたら、流石に受け取るのに苦い思いをしただろうけども。…いや、死んだ人も居たんだろうけども。

 

 

 

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