※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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第324話

神逝月

 

 

 唐突だが、グレムのオッサンに呼び出された。ブッチしてもよかったんだが、無意味な軋轢を生むべきじゃないだろう。俺の行動で、ブラッド隊に余波が行ってしまう事も考えられる。

 何事かと思ったら、鬼の手…正確には、それを用いた黒蛛病の治療の事だった。

 

 何スカ? …ええ、確かに治療しましたが何か? それはシエルを検査したラケルてんてーからの報告でも分かるでしょう。

 

 

「ああ、確かにな。だがワシは、血の力だのブラッドアーツだの、そんな胡散臭い話は好かん。フライアに出資したのも、胡散臭い力を抜きにしたリターンが確実だったからに過ぎん」

 

 

 まぁそうでしょうな。次代のゴッドイーターの手本となるべき、特殊な力を持ったゴッドイーター…なんてラケルてんてーは言うが、公式にはジュリウスにしかその力が発現していない。ハッキリ言えば、ラケルてんてーが勝手に言い始めた新興宗教くらいにしか思えんでしょうよ。

 

 

「フン、宗教であれば、まだ儲ける手段があるわ。だが、胡散臭かろうと宗教がかっていようと、使えるものは使うのが金儲けの常道だ。少なくとも貴様の能力、宣伝にはなる」

 

 

 宣伝? ……ああ、黒蛛病を治療する事が出来る、と?

 確固とした理論が打ち立てられてる訳じゃないが、確かに注目を集める事はできるでしょうな。医療として認めるかはともかく、不治の病を覆す手段がある…。これはどんな金持ちにとっても重要な事だ。自分や身内が感染してしまった時の為、何とかしてその手段を確保しようとする。その為に使えるのが、出資によるコネと。

 

 

「ほう、存外話が分かるではないか。ならば、ワシが何を問題としているのかも当てて見ろ」

 

 

 ……ブラッド隊に俺と同じ事が出来るかどうか、か?

 治療が出来るっつっても、俺は所詮葦原ユノの劣化版に過ぎん。あっちは歌で、多くの人に影響を与えられる。

 

 

「フン、やはりアラガミを狩る事しか頭にない脳筋か。随分な勘違いをしているな。確かに葦原ユノはその歌によって病状を和らげ、進行を抑える事ができるようだが、治療までは出来ん。ブラッド隊に同じ事ができんのであれば、貴様の価値が一層高まるだけだ」

 

 

 褒められてる訳じゃねーな。資産としての価値が、って事か。

 ブラッド隊を売りつける事ができないなら、その分俺を高く売る、と。

 

 

「そういう事だ。だが、貴様にはもう一つの利用価値がある。どうだ、ワシに協力する気はあるか。待遇の他にも、幾つか便宜を計ってやろう。悪いようにはせんぞ?」

 

 

 …? 悪代官から、不正の誘いを受けてる気分だが…俺に利用価値? 俺の価値って言ったら、精々狩りが上手い事くらいだが…エロは価値にならないよな、AVでも作ろうってんならともかく。

 

 

「言っただろう。貴様が3年前、極東で何をやったのか知っている、と。…ここまで言っても分からんのなら、貴様は脳無しだ。能力があっても、金儲けに仕えるだけの脳みそが無い」

 

 

 そりゃ、脳に入ってんのは女と狩りとイヅチブッコロだからな。

 …で、何か? 機密事項を使って、極東支部を脅そうってか? 面白そうだが、やめておけとしか言いようが無いぞ。あそこの連中、いざと…ならなくても、同席した時点で迷いなく刺しに来るから。

 

 

「脅しはワシもよく使う手段だが、極東なんぞ相手にやってもメリットが無いわ、脳無しめ。貴様、GKNG…だったか。奴らとの繋がりがあるだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 は? GKNGって…あのGKNG?

 

 

「他にどのGKNGがある。貴様だろう、あの団体の創始者は。緑の君…だったか?」

 

 

 

 

 …えぇ……いや確かにさぁ、そう言われてるみたいだけど、俺って切っ掛けにはなりはしたけど、あの団体には何もしてないんだが…。

 と言うか、グレムのオッサンみたいな脂ぎった中年から『緑の君』って、スゲェ違和感バリバリなんですが…。

 

 

「貴様の感想などどうでもいい。実際に何をやったのかも、大した問題ではない。重要なのは、貴様があの団体にとって重要人物だと言う事だ」

 

 

 何をやらせたいのか、大体予想はついてきたが…そもそもアンタ、極東がどうなってるのか知ってんの?

 ネットで『極東の脅威』なんて言われて、緑溢れる風景が撮影されてるけど、大体ネタ扱いされて終わってるだろ。そうされても仕方ないけどさ。

 

 

「…流石にワシも、初めて見た時は目を疑ったわ。だが、それ以上にあの地は宝の山だ。極東支部を金塊で埋め尽くしたよりも、大きな儲けになる」

 

 

 まぁ、このご時世で天然モノの樹やら植物やらが、そこら辺を歩くだけでゴロゴロ転がってるもんな。単純な資材としての価値も、貴重品としての価値も、何より増やす事で枯渇したリソースを回復させ得るだけの可能性もある。

 同質量の黄金よりも価値がある、と言うのもあながち過言ではあるまい。…金塊と違って、上手くやれば増える訳だし。

 

 しかし、何でわざわざわざ俺を挟む?

 

 

 

 

「フン! 奴らは手元にある資材の価値を分かっとらん! 分かってはいるのかもしれんが、「未来の為」とやらで、まるで有効に使っておらん! あの一端でもワシの手に入れば、どれだけの利益を生み出せると思っとる!」

 

 

 あいつらはあいつらの利益を求めてるんだろうさ。それが金って形じゃないだけだ。

 

 

「それは構わん。ワシにとって、利益とは即ち金だ。奴らが金が要らんと言うなら、ワシがそれを受け取ればいいだけだ。代わりに奴らを上手く使ってやろう。ワシには金、奴らには「未来」という幻想。どうだ、麗しい関係だろう? 大体、ワシに言わせればあの資材が極東以外に流通せんのは、奴らの姿勢の問題もあるのだぞ」

 

 

 はぁぁん……。まぁ、言い方は気に入らんが、一理はあるな。いくら資材素材を増やして広め、緑あふれる地球に戻すのがGKNGの理念だからって、無償で出来る訳じゃない。

 聖人は、持てはやされた後に切り捨てられるのが伝統だ。

 利用されるだけ利用されてポイ捨てされる前に、通常の経済循環の一部として取り込んでしまえと。

 

 いいだろ、口利き位はしよう。

 だが、さっきも言ったが俺は発足の切っ掛けになっただけで、その後はノータッチだ。この3年間、独自の理論と理念でやってきたあいつらが、俺の言葉があった程度で簡単に乗るとは思えんぞ?

 

 

「構わん。口説き落とせばいいだけの話だ。ワシは強引な男だが、話が分からん偏屈者でもないし、利を齎す者には相応の扱いをする。事を荒立てようとは思っておらん」

 

 

 その割には、シエルよりも神機兵を優先するような命令を出してたが…まぁいい。アンタと剃りは合わないが、棲み分けはできるらしい。俺の狩りの対象にならない事だけ祈ってるよ。

 

 

 

 

 

 汚ッサンだとしても、好き好んで人を殺す趣味は無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、それはそれとして、今後の予定だが、極東に向かう事になった。

 ゲームのシナリオ通り…と言っていいのかは分からんが、とりあえずグレムのオッサンの判断だ。GKNGとつながりを作る為だろう。

 

 …どうしたもんだろうか。

 あいつら、俺に一目置いてくれてはいると思うんだが…とても、俺の言葉に耳を貸すとも思えん。このまま無償奉仕オンリーなのが望ましくないとは分かってる… と思うんだが、それだけで素直に従うとも…。

 

 シナリオ的にはどうなったっけか。

 極東入り…ムーブメント師匠…ギルの仇討ち…。

 その後にナナの覚醒に…この辺から記憶が曖昧だ。ロミオが今更暴走するとも思えん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最優先事項忘れてるじゃん! ロミオの元カノ! 復縁!

 ロミオを性癖的に奈落に叩き込んでしまった以上、何が何でも復縁させねば! いつもなら『ループすれば全部オシャカ』って公式が通じるかどうか分からんのだ!

 

 

 

神逝月

 

 

 K・R・S!

 

 

 

 何の略でしょう? …答えは極東・リアリティ・ショックです。

 いや俺も前回はああだったんだろうなぁ。混乱するフライア職員を見るのが愉快愉快w

 

 あぁ笑った笑った。微笑み動画に挙げているが、ジュリウスが某空島の神みたいな顔芸するシーンが大好評だ。

 今思い返しても、ラケルてんてーの映像が取れなかったのが残念で仕方ない。

 

 まぁ、その反応はと言うと、「またネタ動画か」みたいな一言で済まされちゃったんだけども。

 

 

 

 ちなみに、その時の映像の一部がコレだ。前回ループよりも激しい反応な気がするね。

 

 

 

「キェェェェェェアアアアァァァァァァミドリユタカアァァァァァァ!」

 

「幻覚ガスの対策を持て! 既にフライアにまで極東の瘴気が侵入しているぞ!」

 

「qあwせdrftgyふじこlp」

 

 

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tanasinn

 

 

tanasinnは真実だ

 

 

 

「1D10/1D100」

 

「当SSは規約違反により更新停止警告ががががががが」

 

 

 

 

 ………まぁ、何だ、よくぞ精神崩壊しなかったと褒めておくべきか。

 と言うか、最期のヤメロシャレになっとらん。クサレイヅチよりもヤバいじゃないか。

 

 

 その狂乱をビデオに収めて、ニヨニヨしていた俺が言う事でもないが。

 

 

 

「ね、ねぇねぇ教官。アレ、何?」

 

 

 んぁ? どうしたナナ、もうちょっと面白いリアクションを……。…………ほぁ?

 

 

 

 ナナが指さした先は、極東支部の上にデカデカと掲げられた看板。描かれているのは、見覚えのある女性…葦原ユノ。

 そこまではいい。

 ユノの看板自体は珍しくない。前回ループでも何度か見た事がある。世界的な歌手だからな、不思議ではない。

 

 

 しかし、あんな看板、前回ループでは見た事無いぞ。

 まして、内容が内容。

 

 

 曰く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『第二の葦原ユノを探せ! フェンリル主催、シンデレラオーディション! 参加資格無し、来たれ未来のアイドルよ!』

 

 

 

 

 …なぁにコレ? 看板には歌っているユノの写真以外にも、開催日時やら申し込みの仕方やらが記されている。

 冗談…にしては大がかりすぎるな。フェンリルは何時から芸能界に手を出したんだ?

 

 そういや、ユノは前に会った時、「極東で大きな仕事がある」って言ってたけど、コレの事か? サツキが乗り気でなかったのも、分からんではないな…。『こんな事やってる暇があったら、炙れている人達に手を差し伸べろ』というのも無理はない。ま、ボランティアを強要するのは、カツアゲと同じだけども。と言うか、営利企業を相手に一銭の得にもならない行為を要求したって、呑む筈がないんだよなぁ…。税金対策での寄付じゃあるまいし。

 

 ともあれ、なんか今回のループは色々な意味で予想外のイベントが多そうだ。アリサとレアも居る筈だし、色々聞いてみるかなぁ。

 

 

 

 

 

 

 追記

 極東リアリティショックの映像は殿堂入りしました。

 

 

 

 

 

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