※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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第330話

 

 

神逝月

 

 

 またアイドル候補生と遭遇。本当に数が多いな…。全員がタケウチ社長の所に所属してるのかは知らないが。

 その中の一人とテレビを見ながら話していたところ、タケウチ社長が何故か食い気味に割り込んできた。微妙に睨まれているようだが、気のせいか? 失礼なこと言うけど、目付きよくない人だしなぁ…。

 やっぱ、アイドルが男とプライベートで話していたってのは好ましくないんだろうか? しかし、笑顔がどうのと言っていたあの人が、ただ話すだけでどうこう言うとは思えんし。

 

 何やら誤解されている気がする。

 

 しかし……ミナミっつったか。表情が妙にエロい子だったな。……いやこんな事考えてっから誤解されるんだよ。

 

 

 誤解はともかくとして、見ていたテレビの内容だが、アイドル業界に超新星が爆誕したとかナントカ。超新星とか期待の子役とか、大げさに言う物だろうから、あんまりアテにはならないが、確かにこう……何か感じる物はあったな。

 ミナミさんやタケウチ社長から見ても、かなりレベルの高いアイドルだそうな。

 

 名前はタカネ。ミステリアスな雰囲気の、諸々のプロフィールが軒並み不明で、分かっているのはラーメン大好きな事くらい。

 数日前まで完全な一般人だったにも関わらず、凄まじい勢いで歌や踊りを身に着け、その技術だけで言えば既に業界トップクラスらしい。

 アイドル業界に入った切っ掛けは、何やら探し人が居て、その人からの接触を待つ為だとか。

 ちなみに、その探し人は既に見つけているそーな。

 

 

 ………何だろ。テレビ越しにだけど、確かに妙な感覚を感じる。既視感…のような、それともちょっと違うような。

 …俺を、見ているような? いや幾ら何でもそれはねーよな。自意識過剰っつーか、画面の向こうのアイドルの発言が自分に向けたものだと思い込むとか、どんなストーカーやねん。

 

 

 …まぁ、いいか。この人もシンデレラオーディションに参加するらしいし、ひょっとしたら会う事もあるかもしれない。会わないのなら、それまでの話だ。

 

 

 

 

 

 さて、別世界の事は置いといて、狩りとGE世界シナリオの話だ。

 

 ムーブメント師匠、来日。

 なんか前回より遅くね? まぁ、前回と同じ事ばかり起きるのではないと、身に染みてるけどさ。

 ギルと話をしていたが……揉めて…はいないよな? なんか、ムーブメント師匠が知らない女を連れていたらしい。…別に珍しい事じゃないだろ。ムーブメントについて語る度に、あっちこっちから女性ゴッドイーターを連れてきてたんだし。

 ムーブメント師匠の恋人とは……まぁ、死に別れて。結構な時間が経っている筈だ。浮気って訳でもない。

 

 仇討ちも果たせてないのに、って気持ちは分からないでもないが。

 

 

 

 結局、浮気じゃなくて任務で連れてただけらしいんだけども。

 ムーブメント師匠が連れていたのは、アメリカ人のゴッドイーター・ケイ。フレンドリーと言うかダイナミックな人だ。体的にも性格的にも。スキンシップが激しいが、別に付き合っている訳ではないらしい。

 ロミオがハグされて硬直していた。……今日のオカズは決まりかな…。

 

 

 

 

 

 

 

 いきなりでなんですが、ギルがブラッドアーツを習得しかけています。…早くね? まだ赤いカリギュラとも遭遇してないよ。まぁ、前回の指導の経験があるから、効率的なやり方を分かってるってのもあるんだろうけど。

 ちなみにナナは「追い抜かれちゃったね」、ロミオは…血の力に目覚めているけど、隠しているから「うかうかしてられないな」くらいのリアクション。

 ジュリウスは…「何故、ナナより先にギルが目覚めたのか?」という疑問だった。……素質もあるだろうが…心理的な物だろうなぁ。トラウマを自覚無く封じ込めているナナだ。ブラッドアーツ習得にも、影響は出るだろう。

 シエルは落ち着いている…ように見えるが、何とかして覚醒できないかと思考錯誤しているようだ。

 

 

 何故に? ムーブメント師匠と話をしたからか? でもそれだけで吹っ切れる筈もなかろうに。

 まぁ、血の力とブラッドアーツは微妙に別物だから、ブラッドアーツだけ習得してもおかしくは無いが。血の力が炎なら、ブラッドアーツは熱。体内で燃えている炎を直接外に持ってくるのが血の力で、漏れ出た熱を活用するのがブラッドアーツだ。

 

 …俺が教導している内容自体、ブラッドアーツを使えるようになる為の物だから、覚えてもおかしくはないが…なんか、随分と一気に習得率が跳ね上がったな? この前までは、調子がいい時に僅かに光るかどうかって程度だったのが、明確に赤い光が確認できる。攻撃力は伴ってないけど。

 ただ……何だろうな、あの光からは、あまりいい印象を感じない。………焦燥…だろうか。光を見るだけで感情や精神を読み取れる訳じゃないが、内面観察術を併用して、ギルの事情を鑑みれば、ある程度は見当がつく。

 

 まー割り切れるもんじゃないっつーか、平静でいられる筈もないわな。

 感情の乱れは、ある意味では感情の爆発。血の力の発動条件にも通じる。転じて、ブラッドアーツの体得にも繋がったか。

 

 

 …どうすっかな…。放置しておいてもいい事ではない。だが、言って聞かせて落ち着くものでもない。

 やはり、一段落つける為には仇討ちか?

 

 レア、赤いカリギュラの情報ってある?

 

 

「最後の目撃情報は2か月前ね。それまでは各地でちょくちょく報告が上がっていたようだけど、ぷっつり途絶えてるわ」

 

 

 そうか…。普通のカリギュラを捕まえてきて、ペンキで赤く塗るか? いやでも、確か恩師の神機が刺さってるんだよな。途中で抜けたって事にすれば誤魔化せるか。

 そもそも、何故に赤いんだろうか。3倍でもなきゃ1.3倍でもなかろうに。

 むしろ、ストーリー序盤から中盤で出てくるカリギュラなんだから、一般的な個体に比べると逆に弱い部類に入るんじゃなかろうか。

 

 ん? 前回ループでも、同じような事を日記に書いた覚えがあるような無いような。

 

 前回は…日記を読み返してみると、鬼いちゃんの幻魔剣なんて厄介な物使ってきてたんだな。しかも赤犬の乱入付。

 仮にまたタッグで襲ってきたとして、返り討ちにする事自体は問題ない。前回と同じであればね。

 幻魔剣は厄介だが、使いこなせてないし、熟練度も甘い。何より、フロンティア経験後の俺であれば、多少頑丈になっていたとしても一刀両断できるくらいの戦力差がある。

 奇襲を受けたとしても、「油断? これは余裕というものだ」とCCOさんごっこしながら宇宙CQCをキメるくらいの事は出来る。

 

 一番の問題は、ギルとムーブメント師匠がどうやって心の整理をつけるかって事なんだよな。俺が勝手に赤いカリギュラを狩ってきて「終わったぞ」の一言で済ませる訳にもいかん。

 そういや、前回のギルは『ケイトさんに会ったよ』みたいな事を言ってたな。赤いカリギュラを斬っただけで心が落ち着く筈もないから、それがカギか…。

 

 

 

 

「…それ、感応現象じゃないですか? ほら、新型…と言っても、新型だったのは3年前の事ですが…同志が右手で触れ合うと発生するって言う。その赤いカリギュラには、右手じゃないけど神機が刺さってるんでしょ? それを手に取った時に、何かが伝わった…とか」

 

 

 …あー! 確かに! それはあり得る。神機に自由意志がどれくらい宿るかはともかくとして、リンドウさんのブラッドサージ…レンという前例もある。

 神機を通じて遺言を残すとか、案外できそうだ。勿論、誰にでも、いつでも出来る事ではないだろうけど。

 

 うん、赤いカリギュラとやり合う時が来たら、そこら辺を注意してみてみるか。

 

 

「でも、その肝心の赤いカリギュラが見つからないんですよね。仮にゲームシナリオとやらに沿った未来だった場合、極東付近に潜んでいると思うんですけど」

 

 

 …そーね。2か月前か…。何処に行ってもおかしくないが…。

 

 

「そのカリギュラ、普通のカリギュラと違うのは色だけじゃなかったのよね? おかしな力を持っていた…とすると、考えられるのは……また新たな力を得て、それを使って目撃者を消している。或いは……そもそも、姿形が変わったか…ね」

 

「他のアラガミに既に食われている、という可能性もありますが…正直、考え出すとキリがありませんね」

 

 

 それだと手の付けようがないんだよなぁ…。

 

 

 

 

 

神逝月

 

 

 オーディションの開催まで、あと数日。

 手伝いの合間を縫って、ロミオのモトカノ復縁計画を練っている。参謀として、シエルを巻き込んでみた。

 

 

「…あの、何故私を? こういった事は、不得意なのですが」

 

 

 それは知ってるが、だからこそだ。苦手な事だからこそ、積極的に練習しないといかん。

 

 

「その理屈も分かりますが…もういいです。それより、ロミオ副隊長の元彼女と言うのは」

 

 

 ああ、この資料を見ろ。詳細は省くが、順調に仲良くなり、このまま行けば結婚もあるか…という段階で、破局してしまっている。

 調べてみたところ、ロミオは自分に非があると思っていて、9割以上は諦めムード。お相手の子は………未練があるけど、認めたくないって感じだな。

 

 

「認めたくない? 何故ですか? そもそも、直接会った事もないのに、何故そうまで分かるんです。………資料によると、ロミオと別れた頃から、同年代の男性に対して態度が厳しくなった…とありますが、これは所謂男性嫌いなのでは?」

 

 

 ま、そこは色々と経験の賜物って言うかね。殆どはGKNGからの、不必要なまでに詳しい情報によるものだけど。

 言動や、他の男への態度で、ある程度予想もつくんだよ。あくまで予想でしかないが。

 認めたくないと言うのは……その、さっきも言ったが、破局した非はロミオにあってな。(大本まで辿れば俺だろうけど)それが、著しく彼女のプライドを傷つける事になった。

 

 自信を失っている、と言いかえてもいい。失った自信を取り戻す為には、どうすればいいと思う?

 

 

「そうですね……。最も効果的なのは、同じ状況を乗り越えさせる事…でしょうか?」

 

 

 そうだな。だが、自信喪失している人間が、その『同じ状況』に積極的に挑めるかと言うとな…。

 しかも、彼女が自信喪失した状況は、気安く行える状況じゃない。

 

 自信を取り戻したい。だけど、他人を相手に『そういう事』をするのは嫌だ。やっていいと思える相手は、今までロミオしか見つかってない。

 でも、そのロミオにプライドを傷つけられた。見返してやりたいが、そういう風にできるだけの雰囲気も作れないし、何よりもしも同じ事をされてしまったら、二度と立ち直れなくなるくらいに傷ついてしまうだろう。

 

 …そういう葛藤が渦巻いてんだよ。

 

 

「……そ、そういうものですか?」

 

 

 多分。ま、納得できなきゃできないで構わないし、推測が的外れであっても大した問題じゃない。

 ただ、このまま放っておくとロミオの将来が色々不安なんで、何とか復縁させてやろうと思っている訳だ。

 

 

「はぁ…。そもそも、ロミオ副隊長が、この人のプライドを傷つけた、という状況が分からないのですが。昔からコミュニケーション能力の高い人でしたし」

 

 

 その割には、ゲームでは微妙な発言をしてたけどな。

 強いて言うなら……一番大事な物をプレゼントして、ロミオもそれを丁重に受け取ったけど、その扱いを間違えてしまったとゆーか…。とにかく、初めての事だったから、ロミオも勝手が分からなかったんだ。

 俺も、自分で高めるやり方だけじゃなく、相手が居る状況でのヤり方を少し伝えておけば、もっといい結果になってたかもしれないなぁ…。

 

 

「益々もって、言っていることが分かりません…。結局、具体的にどうするつもりなんですか?」

 

 

 うん、この子も今度のオーディションを、VIP席で鑑賞するらしいんでな。その時に色々と唆して、リベンジさせてやろうかと托卵でおる。…いや待て企んでるんだ。ロミオのモトカノ兼未来の嫁さんに手を出す気はない。

 

 

「そこまで決めているなら、私の助力など必要ないと思うのですが…」

 

 

 いやまぁ何だ、シエルの血の力も目覚めさせなきゃならんし、丁度いい機会かなって。

 

 

「…!? 意図的に目覚めさせる事ができるのですか!?」

 

 

 うん。ただ、普通に考えると色々問題になるんでやってなかった。特にシエルの状態と言うか生きてきた環境を考えると、下手しなくてもセクハラ通り越して脅迫扱いになりかねん。

 『ブラッドで居たいなら、体を差し出せ』と言ってるようなもんだし。

 

 

「よく分かりませんが、このシエル・アランソン。血の力に目覚め、より一層の貢献をする為なら、どのような事でもする所存です」

 

 

 ん? 今、何でもするって言ったよね?

 

 

「はい」

 

 

 …あっさり返されても反応に困ると言うか…。まぁいいや。

 とりあえず、アリサとレアに許可取ってくるから、これに関してはまた明日辺りにね。

 

 

 …ところでシエル。君、性的な知識ってどれくらいある?

 

 

「性的と言うと、子供を作るメカニズムの事ですか?」

 

 

 いやそーいう意味じゃなくて…その過程について。………質問の意味が分からない? いや、それならそれでいいんだ。それに合わせたやり方でいくから。

 

 

 

 

 

 

 

 追記

 この夜、『許可』をもぎ取る為に、2匹のメスを精根尽き果てるまで嬲り尽くした。いつかやり返す、みたいな事を言われたが、それはそれで楽しみである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神逝月

 

 

 とうとうオーディション、開催!

 と言っても、まだ第一審査の段階だけど。

 

 会場は、極東支部近くの大きな広場。恐ろしい事に、対アラガミ防壁の『外』である。

 元々は壁の中で行われる予定だったのが、参加希望者が多すぎて、急遽会場が変更となった訳だ。そのおかげで、ここ数日のゴッドイーター達は忙しかった。会場の安全を確保する為、近辺のアラガミを徹底的に掃除していたのだ。無論、俺も参加していた。手応えなかったけど。

 

 壁の外で、安全も保障されているとはとても言えないと言うのに、会場は大盛況。それだけこのオーディションが注目されているのだろう。

 ちなみにゴッドイーター達はと言うと、総出で会場の警備に当たっている。勿論、ブラッド隊もそれに参加していた。

 

 

 

 …そして俺はと言うと、胡散臭い支部長と博士に並んで、審査員席でボケーッと座っている。確かに審査員を引き受けはしたが、俺はこんな所で何をやっとるのだろうか…。

 そりゃ、ちゃんと審査はしてるよ。歌にしろ踊りにしろトークにしろ、素人目線だけど『あ、これいいな』って思った相手はメモしている。

 メモしているけど、その結果、殆どの参加者の名前がメモ帳に書かれてるんだよねぇ…。余程下手な子でない限り、オッケーを出してしまっている状態だ。

 

 もう審査がどうのと考えずに、楽しんでしまえばいいだろうか?

 ちゃんとした審査は専門の方々がやっているようだし、本気でここに居る理由が分からないんだが…。博士と支部長が直々に「ここに居ろ」と命じてきたんで、何かあるとは思うんだけど。…もしかしなくても、この状況で黒蛛病治療しろってか? テレビカメラも来てるしな。

 

 

 

 

 …お、もうすぐ顔見知りの出番だな。最初はドゥーチェか…。それから少しずつ間隔を開け、リンやミカと言ったタケウチ社長の所に所属している本職達。その更に後には、希代の超新星と名高いタカネ等の名前も見える。

 ふむ…ま、とにかく今は愉しめばいいか。どーせ、絶対に何かトラブルが起きるんだ。それまでは、彼女達のステージが上手く行くよう願うだけである。

 

 

 

 

 そうそう、ロミオのモトカノ復縁計画の参謀であるシエルだが、休憩時間中に一つ仕込をしておくよう伝えておいた。

 今一、指示の意味が分かっていなかったようだが、「ひょっとしたら友達ができるかも」の一言で飛びついてきた。……外道な事やってんなぁ、俺…。

 

 

 

 

 

 

 

 あ、ドゥーチェの出番…。

 …何で軍服着てるんだ、アイツ? コスプレか? イロモノ路線と言ってしまえばそれまでだが、似合ってはいるな。

 しかし、やっぱ歌や踊りは本職には一歩及ばない。

 このままだと、オーディションに落ちてしm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドゥーチェ! ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

 

 

 

 

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