トロフィーは地道に集めていくしかない。
…アサシンクリードの追加コンテンツでもやるか?
それともEDF5に戻るか…もうすぐ追加ミッションも出るようだし。
そういやファークライにも興味あったけど…。
エイプリルフール?
嘘ついていいのは午前中だけでしょ。
昨日がクッソ忙しくて5時まで仕事だったから、起きたらもう終わってたよ…最初から嘘つく相手もいないけど。
神呑月
帰ってからの家族劇については割愛する。ただ、レアの説教が浮気した時なんぞメじゃないくらいにガチだったとだけ言っておく。母親は怒らせると怖い。
ミカの場合は……あれ、説教になってたのかな。リカとしては、怒られるよりも堪えたとは思うけど。
車に乗せられて戻って来たリカを見るなり、ミカがガン泣きしながら飛びついてなぁ…。あれやこれや言おうとしてるみたいだったけど、嗚咽で全く言葉になってなかった。優しく頬を触ったりもしていたけど、あれって全然力が入ってないビンタだったんじゃなかろうか。
安堵で泣き喚くミカを宥めるリカ。どっちが姉だか分からなくなる(収入的にも)光景だったが、まぁ、なんだ、姉妹の絆が深まったんじゃないかな。元々、二人ともシスコンのケがあったっぽいけど。
リカを助けた事に対して、俺もナナも滅茶苦茶感謝された。
正直言って、複雑な気分である。
ナナとしては、半ば自分が原因で危険に巻き込まれたのは事実だし、俺はアラガミから助けた代わりに自分が襲った疑惑が晴れてないし。
…命が無事だっただけで万々歳って割り切ってしまうべきかねぇ…。
とりあえず、タケウチ社長の提案で、今日のミカは実家(と言っても、リカと二人暮らしで、そのリカも大抵GKNG本部で暮らしているらしいが)でリカにくっついている事になった。精神安定剤だね。どっちの、とは言わないけど。
そんで、ナナはと言うと、「今まで心配とか迷惑かけた分、頑張るよ! おー!」なんて、以前以上に元気な姿を見せてくれています。
自分が散々心配をかけた自覚はあるみたいで、それは申し訳ないと思ってはいるんだろう。が、はっきり言ってしまえばそれもアラガミの呪いが原因だった訳だし、あんまり気にしてもチーム内の不和を招くだけだ。
空元気…ではないけど、とにかく空気が重くならないような態度を、自然ととっているんだろう。
それが出来るのはナナの確かな強みで魅力である。
で、実際のトコどう思いますかねアリサさん。
「普通に有罪確定でしょう。確かに前後の状況に整合性のとれない所はありますが、その状況で自分が手を出してないと思えますか? 3年前、私とママだけを相手にしていた頃ならまだしも、話に聞いた異世界の自分を思い返して」
「普通は二人を相手にする事自体ないのよ、アリサ…。ま、それはともかく、私も有罪に一票。仮にその時に何もなかったとしても、近い内に何かあるのは確定的に明らかで回避不可能よ」
…やっぱそー思う?
「「「反論の余地すらなく」」」
シエルまで!
「むしろ、私だからこそですが? …今一つ実感が沸かないと言うか、世間一般の感覚からずれていると自覚していますが、そろそろ私も貴方と関係を持った時の経緯が、どういう風に見られるものなのか理解してきていますよ。…………そ、その、他人の目よりも、君との確かな繋がりの方が、ずっと大事ですけども」
ごめんなさい…と謝るべきか否か。いや謝るべきなんだろーけど、そうするとシエルとの今の関係も否定する事になっちゃうような。
しかし、どうすっぺか…。いや、俺としては全く問題ないんだが。
浮気男という蔑称も、今更としか言いようがない。ナナが「責任とって」なんて言ってきたら、皆と別れる以外の事は拒否権が無い。
「そもそも、ナナさんにそれだけの性的知識があるのかどうか…。私とは別のマグノリア・コンパスの施設で育った筈ですが、恐らくそのあたりの教育は受けていません。私も、教科書で読んだ以上の知識はありませんでした」
本当に歪な育て方しとるな…。ジュリウス以外はどうでもいいのか。
……ちょっと待て、電話だ。……ナナからだな。
「席を外すべきでしょうか?」
「構わないでしょ。一応、私達が居るというのは伝えた方がいいと思うけど」
はいはい。
…おーす、ナナ。体はもう大丈夫なのか?
「心機一転してご飯が美味しい! ムツミちゃんから後光が見えたよ」
あ、そうですか。絶好調のようだ。…で、どったの?
「うん、ちょっとお願いがあって。個人的なミッションに付き合ってくれないかな~、って…」
「個人的? …ナナさん、それは私もお手伝いできることでしょうか?」
「あれ、シエルも居たんだ。部屋に遊びに行くなんて、仲良しだね」
「遊びに来た訳ではないの……で、しょうか…?」
「そこを私に聞かれても…。話を戻すけど、その………お母さんのお墓参り、行きたいんだ。目が覚めた日からずっと忘れてて、一度もお墓に参った事が無いんだよ」
墓参り? …言っちゃなんだけど、墓地があるのか?
「共同墓地なら…。でもそっちじゃなくて、お母さんが…死んだ所に」
……場所、分かるのか?
「うん。あそこで何があったのか、もう一度思い返しておきたいの。お母さんだけじゃない、助けに来てくれたゴッドイーターの人達にも、謝らないといけない」
「ナナ、その場所は……今はかなりのアラガミが居るわよ。大人しく、シエルとアリサにも協力してもらいなさい」
「はーい、レア博士。…でもいいの?」
「私は構いません。同じブラッドの仲間ですから」
「(棒姉妹でもあるでしょうしね)私も、境遇的に他人事とも思えませんので。考えてみれば、私もお墓に行った事は無いんですよね…。その内、旅行も兼ねて一緒にどうですか?」
二股で娘と付き合う外道に怒ったご両親が、枕元に立ちそうだな…。しかし、義父義母への挨拶と考えれば、行かなきゃならんか。
それはともかく、そのミッションは引き受けた。大船に乗ったつもりで任せておけ。
じゃあ、早速…。
「駄目よ」
「ふぇ?」
レア? どうした、手伝ってやれって言ったのはレアだろうに。
「ちゃんとニュースくらい見なさい…。この場合は、ニュースと言うより予報だけど。もうすぐ赤い雨が降るわ。激しくはないようだけど、かなりの広範囲に渡って。貴方達が行こうとしている場所も含めてね。行くなとは言わないけど、暫く待っていなさい」
あちゃー…それはアカンな…。
治す手段があるとはいえ、好き好んでなるもんじゃない。
「ん、そだね。あー、でもそんなに広い範囲で赤い雨が降るなら、ゴッドイーターのミッションも暫くオアズケかなぁ」
「そうですね。ゴッドイーターと言えども、黒蛛病からは逃げられません。アラガミの活動も鈍るでしょうし、暫くは待機ですね」
…むぅ。ナナのイベントが終わった直後に赤い雨…。これはアレか? ゲームシナリオの、ロミオ死亡シーンか?
しかし、あれはもうちょっと時間が経った後だった筈。ナナまで覚醒して、焦りを覚えたロミオが暫く危険な戦い方を続け、そんでギルと揉めて飛び出して……ああ、一回目の赤い雨は、お爺さんお婆さんと出会った時か。死亡&ジュリウスの感染は、その次の雨だったな。
どっちにしろ、もうちょっと後……いや、ナナの事に時間がかかり過ぎたのか。
どっちにしろ、最近忘れられがちなラケルてんてーが仕掛けてくるとしたら、この辺りか?
しかし、ジュリウスにも疑念を持たれてる状況で、何をやらかすか…。………逆に何をやらかしても不思議じゃないか。
最悪、極東全土のアラガミ、そして一般人を煽って、暴動を起こすくらいの事はやりかねない。
さて、どう出るか…。
神呑月
赤い雨が降った。
この状況は、黒蛛病患者にとっては拷問のような時間だろうが、血の力習得の為には好都合な状況でもある。
前回のループで、シエルが雨の中に取り残された時に分かった事だ。赤い雨には、微力ながら霊力…血の力が籠っている。それに包まれる事で、人の体はそれらに反発するように活性化する。要は、霊力が強くなる訳だ。
とは言え、アナグラの深い場所では、流石にその力も届かない。なるべく外に近い場所で、レッスンを行う必要がある訳だ。
「それは分かったけど………その、患者の人達は…」
タカネが歌いに行ってるから、病状を和らげることはできてる。逆に言うと、現状でその力を得ていない君達に出来る事は、少しでも早く体得する事だけ…だろ?
出来ない事を出来ると言い張って失敗するより、出来る事を積み重ねていきなさい。チャレンジを否定するつもりはないが、堅実さに勝る正攻法はないよ。
「…はい」
「ところで先生。ミカが見当たらないんだけど、何か知らない?」
ああ、それなら実家に戻ってるぞ。
この前のアラガミ襲撃で、妹さんが巻き込まれてな。幸い怪我はなかったんだが、やっぱり心配だしな。特に精神的な方が。
で、ミカを落ち着かせる意味も兼ねて、一日一緒に過ごすようにと、臨時休暇にしたんだが。
「丁度、赤い雨が降り出して戻るに戻れなくなったと…。ミカったら、間が悪いんだから…」
いやぁ、逆に良かったかもしれんな。それだけ妹との時間が増える。
ちょっと気まずい空気が漂ってたみたいだから、一度ゆっくり話してくればいいさ。
「ミカと、妹ちゃんとの間に? …リン、何か知ってる?」
「うーん……『姉の威厳が…』って、なんだか凹んでたのは知ってるけど」
ま、大した事じゃないし、これで溝も埋まるだろ。…リン、どうかしたか?
「別に…。随分詳しいんだなって思って」
リカ…妹の方と話す機会が何度かあったからな。
さて、そろそろ話は終わりだ。レッスンに戻るぞー。
…ふむ、大分イイカンジに血の力習得は進んでいる。ロミオが「あれだけ苦労したのになぁ…」と顔を顰める程度には。
ロミオの場合、血の力の研究だけじゃなく、ゴッドイーターとしても鍛え直したからな。そりゃ時間がかかるのも当然だわ。
最初から体得していたタカネは別格として、現在で一番習得率が高いのは、熊本弁の子。
年季の入った……その、アレだ、厨で2で病なのか、イメージが異様にしっかりしているようだ。想像力やイメージが大事と伝えたところ、翌日から成長スピードが跳ね上がった。
が、問題が無い訳でもない。なまじイメージがハッキリしている為に、発揮される力が固定されてしまいそうなのだ。そしてそのイメージから逸れると、力が極端に落ちる。
…彼女のイメージ、『眼』なんだよなぁ…。他にも翼だの業火だの色々あるにはあるようだが、最終的にはそこに集約されるようだ。
どうやって『眼』のイメージで、黒蛛病治療を行えるだろうか…。
ネタではない、神話や伝承にある邪眼…所謂、ヴィーヴル・アイなら、見つめるだけで対象に呪いをかけたりする事ができたらしいが…逆に治療だもんなぁ。力を届けるという意味では同じかもしれんが…。
別の意味での問題児も居る。原因俺なんだけど。
そう、ミナミである。今までのミナミであれば、習得は遅かったかもしれないが、左程問題はなかっただろう。
が、俺に犯され自分の内面、破滅に惹かれる願望を自覚してしまった為か、一見すると穏やかに流れる力の裏側で、毒のような気配が渦巻いている。コレ、もしも力を籠めて歌ったら、麻薬みたいな中毒性が出るんじゃなかろうか。
……俺のせいだし、どうにかせねば。主に下半身で。
それにしても、やっぱ赤い雨の近くだと、目に見えて進歩が違うな。それを自覚しているのか、レッスンを受けているメンバーもいつもより真剣に見える。
力が湧き上がるような感覚があるんだろう。勿論、それは自分の中の感覚を研ぎ澄ます事を覚えているから察知できる事だが。
本日のレッスンは、講師である俺も、生徒であるアイドル達も、充分な手応えを持って終了した。それでも、今現在苦しんでいる人達がいる事に、焦りを覚える子も居るようだが。
さて、今まで何度も語って来た事だが、霊力、血の力は生命力である。細かい定義はともかくとして、それが強く発揮されれば、体も活発になる。
人として当然の欲求も強くなる。性欲とか。
…そういう訳で、「血の力の事で相談があるんです」と、部屋を訪ねてきたミナミが居ます。
それが口実である事は、彼女の視線から明らかだ。表情こそ真剣に見えるが、アリサとシエルのジト目にも構わず、ネットリとした視線を俺の股間に贈り続けている。内面観察術を使うまでもなく、頭の中が肉欲一色になっているのは明らかだった。
ちなみに、レアはナナに相談を受けているらしく、この部屋には居ない。
二人からの視線は痛いが、このままミナミを放置はできない。放っておくと、それこそ欲求不満を拗らせて、とんでもない行為に走りかねない。『破滅』に惹かれるサガに従えば、被害は自分だけで治まるかどうか。
だから、しっかりと責任とって、満足させてやらねばならないのだ。OK?
…暫くジト目を浴びていたが、諦めたように溜息を吐かれた。コトが始まったら、君達どっちにしろ絶対に混ざるしね。
ミナミを部屋に通し、アリサが当たり障りのない会話を振っている間に、俺はお茶の用意をする。
……ただし、戻る時にはチャックを外し、ビキビキきている肉棒を露出させていたが。ミナミの視線の粘度が一層増し、釘付けになっているのが分かる。そりゃ、こんなん錯覚かと思って二度見するか目を反らすか出ていくかの三択だわな。
ミナミは迷わず見た訳だ。ただし、錯覚だと思っているのでもなく、これから始まる行為にゾクゾクとした期待を感じながら。
俺の両隣に座ったアリサとシエルが、何事もなくお茶を啜りながら、器用に片手で棒を撫で回す。ピクピク反応するナニに釣られて、ミナミの視線が揺れる。体も揺れる。
左右の雌が、「このオスは自分達のもの」と示すように、撫で回し包み込み、精の臭いを立ち上らせていく。
犯されたがっている雌が、地を這うようにして自分にも触れさせてほしいと懇願するのに、3分もかからなかった。
神呑月
赤い雨が上がったので、ナナに頼まれていた通り、墓参りに付き合う事にした。
…それはいいんだが、あまり良くないニュースがある。昨日の赤い雨で、何人かまた黒蛛病感染者が出たようだ。『何人か』というのはアナグラ付近だけであり、もう少し範囲を広げてみれば、感染者は更に増える。
症状の進行度合いはまちまちだが、とりあえず感染していると言うだけでも、生活に支障は出る。何せ、接触感染の危険が非常に高いのだ。
感染した人達は病棟に運び込まれ、隔離された生活を送らなければならない訳だが……それを受け入れできる数にも、限りがある。
俺の手で回復して、病棟から出て行った人も居るとは言え…予算的にもスペース的にも、非常に厳しいものがある。
今日も今日とて、病状の酷い人や体力のない子供を優先的に治しているのだが、それに納得してない人も居る。
自分だけでも早く治してほしいと願う者も居れば、病状が酷いとは言え、後から追加された人を先に治され、自分は放置されるのは納得いかんという人も居る。
理屈の是非はともかくとして、分からないとは言えないな。死の恐怖は誰にでもある。…繰り返し続ける俺でさえも。
それを前にしたら、理屈も倫理観もすっ飛ぶわ。黄金の精神でも持ってなければね。
話を戻そう。
墓参りするにしても、やはり周囲のアラガミを一掃しなければならない。絶滅とまでは言わないが、せめてナナが念仏唱えている間くらい、余計な雑音が入らないようにな。
ちなみに、ナナの家の宗派は仏教らしい。ナムアミダブツではなく、ナモアミダンブと唱えている。かーちゃんが教えてくれた、先祖代々世話になってる寺の念仏だそうな。
確か、浄土真宗の……何処の宗派だったか。タマフリを体得する為の勉強の時に覚えたんだが、意識しないとやっぱり忘れるな。
アラガミを一掃する間も、ナナをこっそり観察していた。エロい意味ではない。健康的なエロさはあるが。
ともかく、母親を死なせてしまった現地付近まで来ても、表情に陰りは見られない。…本当に、トラウマ克服してんだな。
後は、それを掻き毟られるようなことがないようにするのが重要だ。……汚ッサンがやったみたいに、ラケルてんてーが心の傷を抉って付け込んでこないとも限らない。ラケルてんてーでなくても、外道はそこら中に居るからな。
…俺もその外道か。特に色欲系統の。
…………ええ、そうですよ。
結局手ェ出してたんですよ。どんな形なのかは、イマイチよく分からんけど。
アラガミ掃討のミッション中、ほぼ任務完了状態になった時の事だ。手分けして戦っていたんだが、その時ナナと合流した。
今思うと、合流と言うかナナが狙って俺と二人になれるタイミングで移動したんじゃないかと思ってるんだが。
周囲を警戒しながらも軽口を叩く。
…んだけど、なんだか妙に距離が近いな、と思ってはいた。アラガミとの闘い、俺から見れば鎧袖一触できる連中とは言え、ナナにしてみればそこそこ以上には手応えを感じる相手だったろう。
本能のうねり、火照りを宿し、上気するのもおかしな事ではない。そう思ってた。
…でもね?
「ん~……」
どうした、ナナ? もう周囲に獲物は居ないとは言え、あんまり油断するのは感心しないぞ。
何で周囲じゃなくて、俺をジロジロ見るのん? しかも、俺の周りをウロウロしながら、体を屈めて上目遣いで。あざとい。そしてぐうの音も出ない程カワイイ。
なんて事を呑気に考えていると。
「えいっ」
……血の力を放ってきた。攻撃的な意味…じゃないと思う。ブラッドアーツでもない。
先日からコントロールできるようになった『誘引』だ。効果だって勿論同じ。アラガミを自分の元へ呼び寄せる、諸刃の剣。
なんですけど、どうしてそれを俺に向けるんですかね? いやそりゃ確かにアラガミだけど、今は人間としての性質が強く出てるみたいだから、効かないんですが。と言うか、そもそもあの時ナナの能力が効いた事自体が想定外ですが。
やっぱ俺ってアラガミなんだなぁ…。アラガミでも鬼でもハンターでもこの際構わんけど。
それはともかく、俺はナナが放った誘引の力をマトモに浴びてしまった。
が、全く効果はない。テレパシー的な感じで、呼ばれた、引き寄せようとしている、と言うのは感じるが、感知もしてない場所から不意を打たれた訳でもなく、余裕で対処可能である。
下っ腹に力を籠めてりゃ、どうって事は無い。股間に力を入れるのではない。
…で、何すんだよ?
「ん? あの時みたいにならないかなって」
…あの時って、デカいヴァジュラに追いかけられてた時のアレか。あの時、記憶が飛んで気が付いたらヴァジュラから離れてたんだが…。
「私とリカちゃんを抱えて、凄いスピードで距離を取ったよ。それから、こう…ドカンドカン!って感じでヴァジュラを迎撃して…やー、凄かったなー。見た事ないけど、花火ってきっとあんな感じだよね」
なんだ、ほぼ無尽蔵状態になったOP使って、ガンバンぶっ放したって事か?
………やったの、それだけだよね?
「? 他に何か、気になる事でもあるの? ああ、私もリカちゃんも、あの恰好については誰にも話してないよ」
それは助かる…。流石にバラされたら、色々面倒な事になりそうだからな。
「ふぅ~ん? …まぁそうだよね。人の中にアラガミっぽいのが入り込んでるって事で、大騒ぎになりかねないもんね。…いい事聞いちゃった。リカちゃんにも教えてあげよっと」
………なぬ? …あの、ナナさん? それは一体どういう意味で?
見れば、ナナは普段のキャラに合わない、ニヤニヤした笑顔を見せている。小悪魔っぽい、イタズラっぽいと言うよりは…「弱み握った!」みたいな。
「別に、どういう意味でもないよ。人の秘密をペラペラ喋るのはよくないしね」
おう、今正にリカに話そうって言ってたやんけ。
「リカちゃんはもう知ってるからいいもん。でも、黙ってるお礼として、ちょっとくらい何かしてくれてもいいよね?」
この流れで、下から覗き込みながらの上目遣いは止めろって。ただでさえ、ナナは距離が近くて恰好が恰好だから、誘ってるように思えてくるのに。
「……………えいっ」
何故、俺に向けて誘引を使う…いや、もう認めるしかないって分かってはいるんだけど。
だがどっちにしろ無理だ。ほら、向こうでの討伐を終えたギルが来るぞ。
「むぅ……レア博士に聞いたら、これで一発だって言われたのに」
そういや、レアに相談があるって何か呼び出してたね。と言うか、俺の女癖を諦めて入れ知恵するにしても、何を教えてんだ何を…。
頭を抱えたくなった俺だが、ふとナナが胸に手をやったのに目が行った。
しなやかな獣のような肉体を、相変わらずツッコミどころ満載の水着のような衣装で身を包んでいる。胸に至っては、「それ布を巻いてるだけじゃね?」と何度思った事か。
その、胸を包んでいる布を、ちょっとだけ捲って裏返して見せた。
見下ろす体勢なので、ナナの谷間が目に入る。………が、それ以上に目を引いたのは、その布の裏に描かれていた一文。
『レイプ
OK!!』
絶句する俺を他所に、ナナはイタズラっぽく笑って舌を出し、布を元に戻して何事もなかったかのように歩いて行った。
これからお母さんへのお祈りをするんだろうに、あんな事書いた服でどうすんだよ……と、半ば現実逃避気味に考える俺だった。