※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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どうも、遅くなりまして時守です。
前回投稿から一週間以上、音沙汰無くて申し訳ないっす。
ちょっとアサシンクリードと目の痛み(日光が目に写るだけで痛いとか洒落にならん)と世界樹でhageるのに忙しくて、全然執筆してませんでした。
ちなみに比率は、2・1・7くらいかな…。

今回のアサクリはイマイチ爽快感が無い気がする…あっという間に死ぬし。
これはアレですね、カウンターで正面からやるんじゃなくて、真っ当に不意打ちするアサシンをやれって意味ですかね。

そして世界樹のボスは…取り巻きの方が厄介やん…。


第35話

 

 

 

 

 

黄昏月心眼×忍び足=覗き魔日

 

 なんか変な夢を見た気がする。

 よく覚えてないけど、ナニカが踊りまくっていたような…。

 ミズチメが術を使って、俺に何か見せたんだろうか?

 僅かに記憶に残る印象だけで言えば、延々と見せられてたら百日どころか2日で発狂して魂を食われるようなイメージがある。

 …ミズチメ、何の夢をみせたのか覚えてないが、マジでブッコロス。

 

 

 

 ふと気が向いて、ノッペラトリオのスキルを確認してみた。

 

 

 

 

 

 いつの間にかミタマの組み合わせスキルが発動していた。

 普段あまり意識しないが、ゲーム原作では「攻」ミタマ3つを揃えたり、特定のミタマを組み合わせたら発動したアレだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 でも発動しているスキルが、「ゴッドリール:ゴッド☆土下座」と「ゴッドリール:ゴッド本塁打」ってナニよ? 

 と言うか夢の中で何があった。

 あまつさえ、よく分からんけど使うにはゲージ(何の?)が必要っぽくて、「ゴッドリール:ゴッド本塁打」はゲージが足りないから使うに使えない感じがするんだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よく分からん、と言うか分かりたくない。

 忘れよう。

 

 

 

 桜花がミズチメを発見したと、報告が入った。

 のはいいんだが、先日物見隊を襲った鬼に追われているとの事。

 これから迎撃に向かう。

 

 …その鬼ってアレだよな、多分息吹の因縁の鬼。

 強い弱いはこの際問題ないとして…息吹が暴発しないかが心配だ。

 ゲームストーリーでは、ギリギリまで不貞腐れていて、我慢できなくなってようやく立ち直った…みたいな記憶がある。

 しかし、今の息吹はちょっと違う。

 この間のダブルボール喪失の脅しが効いたのか、精細を欠いても何だかんだで素直に桜花救出に向かっている。

 

 

 ……で、その状態で恋人の仇の鬼に初遭遇か。

 ヤバいかな…。

 今の息吹は、中途半端な状態で失意と立ち直りの間で揺れている状態だ。

 吉と出るか凶と出るか、正直予想がつかない。

 

 …最悪、息吹を張り倒して戦線離脱させる事も考えておこう。

 まったく、何がどう影響を及ぼすか分かったもんじゃないぜ。

 

 

 

 

 

 

黄昏月魂特化・継続×集中=スパロボ日

 

 何とか勝利、救出成功。

 

 だが予想通り、息吹の動揺というか暴投が凄かった。

 タケイクサとの遭遇が、それ程に衝撃的だったらしい。

 

 しかも桜花に追いついたのが、追い詰められ、あわや致命的な一撃を加えられそうになった決定的瞬間である。

 何処か投げ槍(槍の鬼千切ではない)だった息吹が、血相変えて半狂乱になりつつ突撃した。

 多分、恋人の死亡した瞬間と被ったんだろう。

 術だの技だのを放り出したような、体ごと槍でぶつかっていく体当たりだった。

 

 おかげで桜花は何とか生き延びたが、息吹のダメージが大きすぎた。

 槍も折れかかっていたようだったし、あれで無事戦闘を終えられたのは奇跡に近い。

 那木が診察したそうだが、暫く絶対安静にしておかなければならないらしい。

 

 …まぁ、あっちこっちから血を流してたり、吐血した様子からして内蔵にも相当ダメージ入ってるみたいだし。

 しかも、これでトラウマを乗り越えられたのかと言われると、それも怪しい。

 確かに鬱病みたいに塞ぎ込んだり、精細を欠くのは何とかなったようだが、今度は逆に躁が入ったように見える。

 一言で言えば気負いすぎだ。

 ちょっとでも他人が危険に晒されれば、過剰反応して援護に向かう……自分の事を疎かにしてでも。

 バランスが取れてない。

 

 ……どう考えてもトラウマ乗り切れてねぇよ。

 むしろ死にたがりが出来上がっちゃったよ。

 

 言っちゃなんだが、そのおかげでタケイクサとの戦いは色々な意味でギリギリだった。

 そのおかげで桜花が助かったって事を差し引いても、だ。

 

 

 正直な話、これをどうにかしないと息吹を戦力として数えたくない。

 どっちにしろ、絶対安静状態なんだが……いや、あの反応を見るに、怪我を圧して出てきてしまう可能性もあるか?

 

 …そうなった時は、富獄の兄貴に期待かな。

 戦闘終了後だって、息吹のダメージがもうちょっと軽ければ殴りかかりそうな形相だった。

 流石お気遣いの紳士、息吹の精神状態もしっかり見抜いておられる。

 

 しかし、これで暫く息吹は戦線離脱か。

 ゲームではなかった展開だな。

 無事に切り抜けられるといいんだが。

 

 

 …というか日記を読み返すと、2度目の泡沫の里入りで、一気に無印討鬼伝ストーリーの1/3くらいは進んでるかな。

 順調と言えば順調だが、今後が怖いな。

 いや、息吹がこんな調子な時点で順調とは言いづらいかなぁ…。

 

 

 

 

黄昏月錬金術×グルメ=メシマズ死すべし慈悲はない日

 

 兎にも角にも、ミズチメ討伐に向かう。

 里で百日夢にかかった人は、昏睡してそろそろ100日に至るそうだし、時間が無い。

 

 

 …ふと思ったんだが、100日って約3ヶ月だろ?

 俺が来てから大体それくらいなんだが、眠ったままの人なんて聞いた事ないぞ。

 

 

 …まぁ、鍛えられたモノノフでもないと、1ヶ月保たないって考えておこう。

 そもそも寝たきりで1ヶ月保つっていう方が驚きだ。

 意識不明者につけるよく分からん機械とか、栄養補給のための点滴とかも全く無いのにね。

 詳しい医術の知識が無い俺としては、そういう人達に民間療法…もっと言えば、科学的ではない迷信…の処方を施しているように見える。

 でも実際に効果があるから、寝たきりで1ヶ月保ってる訳だしな。

 侮れん、と言うよりは俺の無知かな。

 

 

 さて、それはそれとして、これからミズチメ攻めだ。

 なんだってヘビだかカタツムリだかの鬼に、取ってつけたように夢を操る能力なんぞあるのか分からんが…ああ、そう言えば眠り状態にする攻撃とかあったな。

 ミズチメが叩き斬れば、初穂は目を覚ますのだろうか?

 いやでもミズチメって一言で言っても、一体じゃないしな。

 桜花が見つけたミズチメが、初穂に術をかけた個体とは限らんし。

 

 

 

 

 

 

 

 考えるだけ無駄か。

 ゲームじゃ桜花が見つけた奴を斬ればどーにかなった気がするし。

 これはあれだな。

 

 斬れば分かる、と言う奴だな。

 半人前の庭師的に考えて。

 

 よし、じゃああの足だかヘビだかよー分からん部分を輪切りにして食って

 

 

 

 

 

 

 

 

 思いついた。

 ミズチメが夢を操る能力を持ってるってんなら、体の部位の床かにそれを司る器官がある筈。

 それを確保して上手く媒介にしてやれば、GE世界で昏睡したアリサを叩き起こせるんじゃないか?

 デスワープして次回の討鬼伝世界に来たとして、同じように百日夢にかかった初穂をそれによって叩き起こし、ミズチメ攻めに参加させる事もできるかもしれない。

 

 幸い、鬼の部位と言うか素材は、本体が消えてもその性質を失わない。

 明らかに物理法則を無視した反応を示す。

 夢を操る部位を特定して、霊力を流し込んでやれば何かしらの反応はあるだろう。

 

 

 

 

 

 

 夢の内容を操れるのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢の中なら橘花のロストバージンも、夢じゃないと言うか夢と言うか。

 

 しかも他人の夢を自由に操れるとするなら、深層心理に影響させ放題である。

 つまり息吹に何かいい夢見せてやって精神を安定させるとか、夢の中でオニャノコに狼藉しまくって精神的に調○してしまうとかも可能。

 ガチで洗脳だけど。

 

 

 と言うか仮に可能でもそうそうすぐには使えまい。

 ヘタをすると、夢を見せた相手がそれこそ百日夢にかかってしまう事も考えられる。

 この辺は秋水に頼んで研究だな。

 

 

 

 

 

 …ん、ちょっと待てよ?

 仮に鬼の司令官…ゴウエンマだったか?…の体に、他の鬼に指令を出す器官があったとしたら、それを確保すれば他の鬼達にこっちから指示を出す事もできるのか?

 ツチカツギとかの、地面に潜る溜めの部位を使えば、人間も地面を泳げるようになるとか?

 ……流石に夢物語に思えるなぁ…。

 

 

 

 

 

 

黄昏月アスリート×ランナー×絶倫=エロゲ性能日

 

 あ、危なかった…。

 ミズチメ、案外侮れねぇ。

 

 いや本体自体は強くてタフなんだけど、それはそこまで特筆する事じゃなかった。

 火力で言えばGE世界の黒爺猫の方が高い感じだったし、タフさで言えばMH世界の上位連中の方が余程頑丈だった。

 

 ヤバかったのはアレだ、タマハミ状態になった時に外す、背中に背負った殻。

 放っておくと大爆発を起こすのをすっかり忘れてた。

 ヤバイ感じにピカピカ光り始めたのを見つけて、咄嗟に出撃者全員で集まって浄化したんだが、アレが爆発していたらと思うとゾッとする。

 俺一人ならデスワープするだけだからいいんだが(橘花をまだご馳走になってないから、良くはない)、那木達はなぁ…。

 

 と言うか、やはり息吹が戦闘不能になった穴がデカい。

 と言うのも、俺を含めて戦力が3人分しかなかったのだ。

 

 初穂は昏睡状態。

 息吹は絶対安静。

 

 残っているのは俺、桜花、那木、速鳥、富獄。

 この内、里の防衛に回ったのが桜花と速鳥だ。

 ここ最近、里にちょっかいを出される事が多かったんで、防衛を2人以下にはできなかった。

 帰ってきた時に聞いたが、実際に2匹ほど大型鬼の襲撃があったらしい。

 しかも、別々の場所から同時に進行してきたと。

 

 …搦め手を使って一人行動不能にし、その元凶を叩こうと戦力を出した所へ奇襲をかける、か。

 鬼ってのは存外知恵が回るらしい。

 

 まぁ、そっちはお二人さんがどうにかしてくれたのでいいとして。

 

 

 

 今回のミズチメ退治は、ちょっとフルスロットルで行ってみた。

 具体的にどうとは言わないが、MH世界の太刀やら鎧やらを持ち出して(素材からして違うので、この世界の太刀よりずっと強い))、とにかくミズチメを切り刻んだ。

 言うまでもなく、夢を操る器官を確保しようとしての事だ。

 どれがその機関なのか分からなかったので、とにかくバラバラにしようとした。

 腕を切り落とし、足のヘビをバナナのよーに輪切りにし、頭から脳天を叩き切り、腹を割いて内臓を引き裂き、首を跳ね、嬉しくない乳を削ぎ落とし……もしもあれが人間だったら、確実に発行禁止のスナッフムービーになっていた事だろう。

 ちなみにバラバラにした部位は、予め持ってきていた極大風呂敷に包んで持って帰ってきた。

 …鬼の部位からも血って出るのな。

 風呂敷が真っ黒になっちゃったよ。

 

 最初は富獄の兄貴も「おお、やる気じゃねえか」なんて言ってたのが、数分もせずにドン引きするくらいだった。

 那木も気のせいか、ミズチメを同情するような目で見ていたし、狩りしている時の間合いが普段より2割り増しで遠かった。

 そんなに怖かったか。

 …それとも、思わず「俺のオモチャもとい仲間を返してもらうぞ」と熱血系主人公のようなセリフをはいたのはマズかったか。

 

 

 まぁ、ありとあらゆる能力を全て攻撃に傾けた上、GE世界やMH世界の攻撃力アップアイテムを徹底的に注ぎこみまくったからな。

 後は杭君が動いていれば、生涯で2発目の鬼杭千切を放てそうだったくらいだ。

 相手が下位の鬼なら、そりゃ溶けるように潰れるわ。

 

 ヤバい薬物を複数使って使ってドーピングしたような気分だ。

 正直後遺症が怖い。

 少なくとも筋肉痛は確実だ。

 

 

 で、ミズチメをバラバラにしたのはいいんだが、やはりと言うべきか肝心の初穂が目を覚まさない。

 他の人達は起きたのに。

 呼びかけようが蹴ろうが冷水をぶっかけようが吊るそうが効果なし。

 あまつさえ、病人に対してムチャをするなと那木からお叱りをいただいてしまった。

 

 現在、持って帰ってきたミズチメの部位を秋水に見せて、夢を操る機関がどこなのか調べてもらっている。 

 もしもこれで見つからないようなら……色々とかき集めた、ワサビとかカラシとかトウガラシとかの出番かな。

 …何処に塗りつけようか…。

 

 

 

 

 

黄昏月神医×欲張り=その言葉が聞きたかった日

 

 さて、いよいよもって初穂にワサビを塗りこむしかなくなってきたかもしれない。

 …いや別にやりたいって訳じゃないよ?

 

 よくよく考えてみれば、ゲームではどうやって初穂は目を覚ましたんだっけか?

 夢を操れるような術を持ってる人間は居ない。

 できそうなのと言えば樒さんくらいだが、直接聞いてみても首を横に振られた。

 じゃあ一緒に居るらしいミタマでどうにかできないか、と聞いてみても、やっぱり無理だそうだ。

 

 …よー考えてみれば、討鬼伝のプロローグと言うかチュートリアルで、ミタマ達が主人公に夢を見せとらんかったか?

 いきなりゴウエンマと戦いになった覚えがあるんだが。

 …まぁ、仮に俺が百日夢を煩って目が覚めなくなったとして。

 

 起こしに夢の中に入って迎えにくるのが、物々しい鎧やらヒゲやらつけまくったむさくるしい英雄達だったら、逆にそのまま永眠したくなるだろうな。

 イケメンだったら蹴りを入れ、美人だったら起きる前にお近づきになれないかと…なんて事を言ってたら、那木に抓られた。

 いや那木、冗談だって。

 

 

 真面目な話、ミタマ達が迎えに行っても、初穂が目を覚ますとは思えない。

 初穂が眠り続けているのは、過去に戻りたがっているから、その時代の思い出に浸り続けているからだろう。

 となると、目を覚まさせるのに必要なのは、過去よりも強い現在の絆と考えられる。

 縁も所縁もない英雄が迎えに行ったところで、言葉一つ届くか怪しいものだ。

 

 

 最後のエロゲ的手段として、オカルト版真言立川流も考えた。

 性交を通して霊力とか色々やりとりする訳だから、それで意識の中にも入り込めるんじゃないかなー、治療だから那木も多目に見てくれるんじゃないかなー、最近女の事ばっかり考えてるなー、と思ってたんだが。

 

 別の意味で那木から駄目出しが出た。

 オカルト版真言立川流は、快楽によって互いのエネルギーを増幅させる術。

 例えそのエネルギーが霊力という特殊な物であっても、眠っている人間の意識に作用するような物ではないそうだ。

 

 

 ぬぅ。

 

 

 

 

 

 

 

黄昏月煽り効果×カリスマ=釣り師日

 

 納豆とかニンニクとか油とか鬼の素材とか混ぜ合わせまくって、シュールストレミングを再現できないか実験していたところ、秋水から「夢を操る部分を特定できた」という知らせが入った。

 …シュールストレミングをナニに使うつもりだったかって?

 言わせんじゃねえ、気付け薬として初穂に食わせるんだよ。

 

 …富獄の兄貴が、「初穂をオモチャって言ったのは本気だったんだな…」とちょっと引いていた。

 

 

 それはともかく、夢を操る部分というのはミズチメの角だったらしい。

 捻りもクソもないな。

 しかし、戦った時に斬り刻みすぎたらしく、角の欠片がもうちょっと必要らしい。

 仕方ないな、明日狩りに行くか。

 

 ただ、角が揃ったとしても、初穂の夢の中に入り込めるかは話は別だし、そもそも入り込めたとしても上手く初穂を引っ張り出さないと意味が無い。

 …ま、やってみるしかないね。

 

 

 

 さて、今日は那木でどう遊ぼうかな。

 ……橘花の気配もするな…相変わらず隠行がやたら上手い。

 ナニを見せ付けようか。

 やっぱ尻関係の実演かな。

 まだ開発段階だけど。

 

 

 

黄昏月大吉×オートエイム=にんっしん日

 

 手分けしてミズチメを狩ってきたが、まだもうちょっと角の数が足りない。

 それでも、あと2~3戦すれば充分だ、と秋水が言っていた。

 明日か明後日には揃うだろう。

 

 ところで、狩りから帰ってきたら、橘花に禊に誘われた。

 …風呂(?)に男を誘うとは、随分と積極的というかエロくなったものよのぅ。

 

 やはりと言うべきか、昨日見せ付けた那木とのアレコレについてだった。

 どうも、自分がやっている『自習』と色々違ったのが気になっているっぽい。

 いや、勿論橘花は自分が『自習』をやっているなんて言ってないし、覗き見に気付かれている事も知らないんだが、色々聞いてくる辺りでね?

 「前に言っていた『自習』は、そんなに気持ちのいいものなのですか?」って。

 

 具体的な方法を語ると、ふんふんと顔を赤くして鼻息をちょっと荒くしながら聞き入っていた。

 

 

 

 

 …もうちょっと時間を置いて、もう一度行き詰ったら……それを切欠にして、「やり方を直接教えてあげる」に持っていけるか…?

 

 

 

 

 

黄昏月捕食時体力回復×体力自動回復=グルメ細胞日

 

 ミズチメの角が集まった。

 さて、後は誰が霊力を流し込んで、初穂の夢の中に入り込むかだが…俺としては、大和のお頭がいいと思う訳よ。

 何故って、40年前も現在も何だかんだで繋がりがある、唯一の人物だからな。

 

 が、そういうと逆に、「だからこそ、40年の差を見せ付けてしまう」と言われた。

 他にも色々とお互いに理由をつけてみたのだが、何故か他の皆からも俺が推薦されてしまった。

 

 …こう言っちゃなんだが、俺は初穂とそこまで仲良くないぞ?

 むしろライバル視されていたのをいい事に、オモチャ扱いもとい人権もクソもない弟子扱いと言うか。

 組み手やら何やらに突合せ、ついでに鍛えているようなもんだった。

 

 …正直自信はないけど、この空気で断固拒否するのもなんだな。

 どっちにしろ、GE世界に行ったら、アリサを起こす為に俺がやらなきゃならん訳だし。

 

 という訳で、覚悟が決まったのでこれから実践に入る。

 どうか上手く起きてくれますように。

 

 

 

 

 

 

黄昏月はらへり×死神=白玉楼の亡霊日

 

 疲労困憊…とまではいかないが、ちょっと狩りを見送るレベルになるくらいに疲れた。

 眠る初穂を前に、ミズチメの角に霊力を注ぎこみまくった訳だが、効果は今ひとつ…というか夢を操れているという実感は無い。

 やはり鬼の部位を通して人間が夢を操る、なんてのは机上の空論だったのだろうか?

 眠る初穂の耳元で「背が縮~む背が縮~むちっぱーいちぱーい」とか囁き続けた方が効果があっただろうか?

 

 

 …いや、そう決め付けるのは早計だ。

 確かに夢を操る事はできなかったようだが、変化はあった。

 ある程度霊力をミズチメの角に送り込んだ辺りから、眠る初穂の様子に変化が生じたのだ。

 

 とは言え起きる兆候などではなく、眉を寄せてう~んう~~んと魘されはじめたのだが。

 正直な話、これは迷った。

 変化が生じたとは言え、どう見ても良い変化ではない。

 だって魘されてるんだし。

 

 これはやめておくべきか、初穂の精神力とか魂を逆に衰弱させているんじゃないか?という意見もあったのだが、それに反対したのは秋水だった。

 またお前か。

 

 しかし意見には耳を傾けるべきものがあった。

 

 夢患いは、戻りたい過去や取り戻したい何かの夢を見せて、そこから帰りたくないと思わせる事に要点がある。

 つまり、衰弱していく体や魂とは裏腹に、甘く居心地のいい夢を見続けているのだ。

 当然、魘されるという事など無くなる。

 逆に安らかな、それこそ放っておくと天寿を全うしたと思われそうな寝顔が夢患いの特徴だ。

 

 だが、魘されているという事は、どうだ?

 夢の中が居心地悪くなっているという事だ。

 精神的にストレスが溜まっていくのは避けられないだろうが、どっちにしろ放っておけば死ぬだけだ。

 それなら、このままストレスを与え続ければ、夢の中から嫌でも抜け出そうとするようになるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 夢から抜け出せないとか、ホラーゲームみたいな話だな。

 初穂がパジャマ一丁で、二足歩行する羊におっかけられている姿が目に浮かんだ。

 

 

 

 …あ、そういやアレも浮気とかの話だったな。

 

 

 

 

黄昏月きまぐれ×ひらめき=紙一重日

 

 女の子の歯軋りとか、幻想が砕けますな。

 まぁ今更だけど。

 女は心も体もファンタジーだが、幻想は既に遥か遠くに置き去りにしてきましたよ。

 具体的にはアヴァターとかいう異世界に。

 

 …つまり根源に幻想を持ち続けているという意味ですが。

 

 

 とにかく、初穂の魘されようが酷くなってきた。

 …もうミズチメの角に霊力送ってないんだけどな…一体どういう夢を見てるんだ。

 

 真面目な話、どうしたものか。

 初穂は半人前扱いされているし、事実一人前と半人前の間をフラフラしているような実力だが、それだけでも戦力が減るのは辛い。

 ただでさえ、息吹の怪我だってまだ治っちゃいないのだ。

 これ以上戦線離脱者が出たら、戦力以前に人手が足らん。

 

 しかしこの方法以外に手は思いつかない。

 いっそ橘花の千里眼だったか?(他者の視界を盗み見る術だ)とかで、初穂の夢の中を見られないかと考えたんだが、桜花がそれを許しそうにないし、そもそもそういう術じゃないので夢の中身は見れないらしい。

 

 

 

黄昏月運気×大吉×幸運=ラッキーマン日

 

 

 朝起きたら、初穂が簀巻きになって逆さで燻され、周囲で謎の祈祷が行われていた。

 何を言っているのか分からないと思うが、俺も何が何だか分からなかった。

 頭がどうにかなりそうにはならなかった…。

 とりあえず逆さになった状態で回転するように仕向けた。

 初穂が割りとマジ泣きしてたが、起きてるんだからまぁいいだろ。

 

 

 話を聞いてみると、今朝方まで魘され続けていたのが、突然跳ね起きて、錯乱して暴れまわっていたらしい。

 被害は民家の壁×1、瓶×3、天狐の朝ごはん×1.秋水の眼鏡×⑨、大和のお頭に生ニンジンぶっこみ、富獄と息吹の顔に足跡、各種道具×6。

 結構な被害である。

 天狐のご飯を蹴散らされた速鳥がマジギレして簀巻きにし、そこからあれよあれよという間に吊るされてカム着火。

 初穂を囲んでやっていた謎の祈祷は、ウタカタに伝わる悪霊払いの儀式だそうだが…懲罰も兼ねた火炙りと見た。

 

 

 と言うか散々燻して回して南国少年風にイケニエ!イケニエ!!しておいてなんだが、何でいきなり起きとるのん?

 昨日までのイタズラの準ゲフンゲフン苦悩は何だった訳?

 

 解放されて、ちょっと焦げて煙を出しつつ、青い顔で「夢の中に戻りたくなった」とorzしている初穂にそう声をかけてみると、無言で殴りかかってきた。

 10分ほど適当にあしらって、ようやく出てきた言葉は「起こしてくれた事には感謝してるけど、人の思い出の夢に何してくれてんのよ!」だそうだ。

 いや知らねーよ。

 確かにミズチメの角に霊力送ったのは俺だけど、一体どんな夢見てたんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢の中でのっぺらトリオが散々遊びまわっていたらしい。

 そりゃ魘されもするわ、錯乱もするわ。

 

 

 どう考えても俺のせいですね本当に申し訳ありませんでした。

 訴えられたら負けるレベルである。

 だが黙秘権を行使します。

 

 …お詫びに今度団子でも作ってやろう。

 MH世界の取っておきの材料を使った奴を。

 

 

 

 

 

 しかし、何故にのっぺらトリオが?

 のっぺらトリオは依然として俺の中に居る。

 初穂の夢に出てきたのは偶然なのか…或いは顔が無いだけで別の個体なのか。

 ああ、ミタマだったら分霊って線もあるな。

 

 仮に分霊、或いは別の個体だった場合……初穂が目を覚ましても、まだのっぺらトリオが初穂の中に居る事になる。

 ……あいつ、ちゃんと寝られるのかなぁ…。 

 

 




番外編どうしようかなぁ…。
幾つか候補はあるんですが、あんまり使えるスキルを覚えさせるのも…。
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