※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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討鬼伝モノノフがいつの間にやらサービス終了になっていた件。
そりゃ大手って程注目されてた訳じゃありませんけどね。
ていうか、ソシャゲなんてガワが違うだけで大体同じだしのぅ(偏見)。

ともあれ、どうしたものやら。
討鬼伝世界編では、モノノフから始める予定だったんですが、こなってしまっては誰もストーリーやら世界観やらも分かるまい。
うむぅ、フライングして導入部だけ書いちゃってるんですが…。
どう思いますか、皆さま?

いっそ、討鬼伝2極としてあの里も出してくれないかな。



追記

よっしゃああぁぁぁ!
某理想郷で連載してた、改定前の北斗の拳憑依モノ、魚拓で見つけた!
ウィルスでデータが壊れてもう読めないと思ってたが、なんたる幸運!


第353話

神呑月

 

 

 ライブツアーの事が正式に発表された。世間では結構な話題となっているようだ。

 意外な事に、極東だとあまりいい印象を持たれていないらしい。…まぁ、黒蛛病の患者がまだ何人も居るのに、何でわざわざ遠い所の患者を優先するんだ、って理屈も分かるが。やろうと思えば、もっと沢山の人を治療できるから猶更ね…。

 その黒蛛病治療法所持者を、ずっと一か所で保持していると、他所との関係が悪化してしまいかねない。

 一応、ライブツアーで得た収益は、黒蛛病患者達の収容所を改良する為に使うと宣言されている。

 何とも面倒な話である。誰もが別々の理屈で動いてるから、世の中ってのは面倒くさい。

 

 

 

 さて、そのライブツアーに行く人選だが。まずタカネ。血の力体得者…と見せかけて、実はノヴァ。本人はライブツアーと言うより、俺との新婚旅行気分のようだ。

 次にカエデ。血の力体得者。最近では歌による治療の効果も高くなってきて、アイドルとしてもワンステップ上に上がりつつあるそうだ。…アイドル業は真面目にやるが、それはそれとして各地の地酒を楽しみにしているらしい。

 そして俺。アイドルじゃないが、血の力の第一人者ではある。上記二人の護衛も兼ねている。ちなみに、支部長からは『素質がありそうな者を見つけたら、引き抜いて来るか、目覚めさせるかしてこい』と密命を受けている。…そんなすぐに目覚められるよーなもんじゃないから、引き抜けなかったら抱いてこいって事ですかね?

 

 

 で、その俺の監視役兼護衛役。最終的には、アリサがその地位を掻っ攫ったんだが…いやもう揉めた揉めた。

 結局ね、立場的な要素で決まったんだけど。だって、シエルもナナも、ブラッド隊だもの。ジュリウスの許可なしで、勝手に離れる事はできねーよ。

 ただ、アリサもアリサで、俺の護衛…はともかく、監視には不適切だもんなぁ。言っちゃなんだが、俺至上主義者的な面があるから、何だかんだで俺の決定に従うし、他の女に手を出しても…怒りはするが、あまり止めようとはしないし。

 

 

 …で、後はアンチョビ。血の力は未収得。彼女もアイドルと言う訳ではない。まだ候補生止まりだからね。

 一応、俺やタカネ、カエデの付き人という立ち位置に居るが、彼女を連れていく目的は別にある。……知りたきゃ日記を読み返してくれ。ま、苦労してるなぁ、この子…って事だ。

 ちなみに、状況や本人の意思によっては、ステージに立ってもらう可能性もある。

 

 

 

 この他、自主的について来るアイドルの追っかけや、公認ファンクラブって名目でチームアンツィオの面々がついて来る事になるが、これは割愛する。

 

 

 …そして、もう一人分、ツアーに席が残っている。その席を掴み取るべく、二人のアイドルが激突する……!

 

 

 

 

 

 …アイドルの激突って、どうやるんだ? キャットファイトか?

 

 

「そんな訳ないだろう。所謂、対バンと言う奴だな」

 

 

 …つまり、二人順番に歌えって事で? 先行後攻とかで差が付くのでは。

 

 

「そこは問題ない。デュエット曲だからな」

 

 

 ……それ、対バンになるんですかねぇ…。…つーか、マトモな方法で決めるつもりがないのでは?

 

 

「いいや、確かに勝った方がライブツアーに参加できるとも。…とは言え、勝敗に我々の意思が反映される要素は多くあるがね。言っておくが、八百長ではないぞ。明確な差が付けば、そちらを優先するさ」

 

 

 つまり、僅差、或いは引き分けになった時、自分達に都合のいいように勝敗を決められる、と。

 ……あれ、でも対バンって、明確な勝ち負けって…しかもデュエット曲…。

 

 

 

 ………おい。

 

 

「…勝敗を分けるルールは設定してある」

 

 

 ………くだらねー真似するんじゃねぇぞ。

 

 

「私とて、好き好んで無粋はせん。だが、今回の二人については、本当に決めかねていてな…。一概に言える物ではないが、アイドルとしての評価も互角、血の力の習得状況についてもほぼ互角、ついでに言えば……いや、何でもない」

 

 

 そこで話を濁されると気になるんですが。特にアンタのよーな腹黒相手だと特に。

 

 

「下半身に聞き給え」

 

 

 …ちなみに、二人のアイドルって具体的に誰っすか?

 

 

「そこからかね…。君も知っている、リン君とミカ君だ」

 

 

 …あの二人か。そういや、ミカは一度、支部長に食って掛かった事がありましたね。妹を助けてくれって。

 確かに、最近の血の力関係の進歩には目覚ましい物がありましたが…言っちゃなんですが、何故その二人なんです? アイドルとして見れば、それ以上の人も多いと思いますが。

 

 

「熱意を買った…と、担当者は言っていたな。今の彼女達は、一気に飛躍する時期だから、世界に連れ出せばそれに合わせるようにレベルアップするだろう…と。私は娯楽としてのアイドルに興味はないが、現状で血の力体得者が他に居ない以上、誰を選んでも同じだ。ならば担当者の目を信じるとするさ」

 

 

 そういうもんかね。

 …知らない仲じゃないし、後でちょいと話をしてみますかね。

 

 

「うむ、刺されてきたまえ」

 

 

 …刺された程度じゃ、今更死ぬ気がしねぇよ。

 

 

 

 

 

 

 

 さて、話に行くのはいいが、どうしたもんか。対バン(なのかは未だに疑問)の結果に、支部長達が妙な工作をする可能性がある…と伝えるか?

 と言うか、あの二人の間でギスギスした空気とか漂ってないよな? 仮にもライブツアーの席をかけて戦うライバルになる訳だし。

 あの二人、腹括ったら突っ走るタイプだもんな…。しかも最初は搦め手上等、最後は気合と根性で。敵に回すと、一番面倒くさい人種である。

 

 普段の訓練だと……うーん、どうだろ。ライバル意識はあるようだけど、険悪って程でもなかった。

 会話は減ってるような印象はあったが、それはお互いの間だけではない。自主練等の励んだ結果、プライベートな会話が少なくなっているようだし。

 

 

 

 …こういうのこそ、アンチョビに対応させるべきとも思うが、そうするとアイツの胃痛が加速しそうだしなぁ。

 いや、それ以前の問題か。最近のアンチョビは、ちょっと彼女達と距離を置いているようだ。アイドルとしてではないとは言え、コネの力でライブツアー行に潜り込んだ事に罪悪感があるようだ。

 …アイドル達の反応は、『さすがアンチョビさん』略して『さすアン』状態だったけども。見る目がありますね、って彼女のシンパに嬉しそうに言われたよ。

 

 

 …お、ジュリウス。

 

 

「お前か。…聞いたぞ、暫く離れるそうだな」

 

 

 ああ。ブラッド隊としては、隊員を惑わす悪い虫が居なくなって一安心かい?

 

 

「自虐ジョークにしても笑えんな。むしろ、お前が居なくなってナナやシエルがどうなるか、不安で一杯だ。…良くも悪くも、お前が安定させてからな。隊長の俺としては、情けない限りだが」

 

 

 まぁ、メンタルケアも隊長の役目って理屈は分かるが、それを出来る奴にやらせるのも役目だろ。相手が俺なのは問題だが。

 …ところで、俺がライブツアーに行ってる間のレッスンだが。

 

 

「ああ、俺が引き継ぐ形となる。暫くレッスンに付き合って、俺もノウハウが分かって来たからな。まぁ、度々相談する事はあると思うが」

 

 

 時差で寝てなきゃ相談に乗るさ。外面がいい分、彼女達も気合が入るんじゃないかね。下手な男性アイドルよりも美形だし…。

 何なら、プライベートな悩みとかも相談に乗らんではないぞ。

 

 

「…ラケル先生の事、とか?」

 

 

 相談するのはいいが、電話じゃ止めとけ。どっから漏れるか分かったもんじゃねぇ。

 ……そうだな、ツアーに出る前に、一度腹を割って話してみるのもいいか?

 

 

「俺は構わない。…言いたい事も多々あるが、酒の席だ。許せよ」

 

 

 実力行使に出ても、武器を使わなけりゃ何も言わんよ。それだけの事をやってきた自覚はある。

 え、自重しろ? 色情狂に自重なんて、過食症患者に飯食うなって言うのと同じだよ。

 

 

 

 

 

 はい、そういう訳で、極東の町の一角にあるバー…バー? 居酒屋? とにかくそんなトコに来てます。

 飯はそこそこ、酒はとりあえず酔える。

 ジュリウスのイメージには合わない所だが、実態はこんなもんだろう。毎日フランス料理フルコース食ってそうな外見だが、本人はカツ丼が好きだしな。

 

 

「大体お前はだな…」

 

 

 そして悪酔い中のジュリウス。ゴッドイーターをここまで酔わせると言うのは、ある意味珍しい酒だ。

 酒より飲み方の問題かな…。飲みなれない酒だって事もあるだろうが、俺がカパカパ開けてるのを見て、同じようなペースで飲んでしまった。

 ゴッドイーターは酔いにくいが、ハンター兼ゴットイーター兼アラガミのペースに合わせりゃ、それはね。俺もそこそこ酔いは回っているが。

 

 …その結果、机に頬を押し付けて、片手に持った酒をチョビチョビ啜るジュリウスという、珍しい代物が出来上がってしまった。…疲れた中間管理職が、ヤケ酒煽っているようにも見える。

 

 

 

 

 

 

 …まぁ、そうなるのも無理はないかな。見かけと外行の態度はともかく、ジュリウスの中身は何だかんだ言ってガキンチョだからなぁ。

 信じられないって? …はっきり言って、ヤリたい盛りの青少年だよ。

 

 証拠として、ホレ、今の会話。ジュリウスの記憶に残るかは怪しいけど。

 

 

「あぁ…出会いが欲しい…」

 

 

 …何処のOLだお前。いや俺だって、ループに入る前だと似たような事考えてたけど。

 

 

「いやだってなぁ…。分かるか、俺の気持ち? 何でこんなに、敬遠されると言うか、一線を引かれるんだ…」

 

 

 一線?

 

 

「一線。…俺だって、こう、伴侶が欲しいとか内心を吐き出せる相手とか、甘えさせてくれる女性が欲しい時だってあるんだぞ。だと言うのに、どういう訳だか皆してそっけない態度を取るんだ。いや、好意的に見てくれているとは思うんだが、こう…バカな事を言い合ったり、肩を叩いたりハイタッチしたり、そういう…」

 

 

 青春的な?

 

 

「事をやってみたいんだ。出来れば伴侶と。いやもうこの際言ってしまうが彼女と」

 

 

 …一線を退かれる、ねぇ。まー、お前の周りでファンクラブやら何やら作ってる連中もいるようだが、それで交流が測れる訳じゃないからな。むしろ、抜け駆けしないように見張り合って、一定ラインから踏み込まないよう監視し合ってる状態だし。

 

 

「俺のファンクラブがあると言うのは初耳だが」(イヤミかッ!!)「、要するにそういう事だ。俺はもっとフランクに接してほしい。いや、どうしてこうなったのか、分からない訳じゃないんだ。人は完璧すぎる物には、畏敬を感じて近寄れなくなってしまうと言う。自慢じゃないが、俺はそれだけの物を積み上げてきたつもりだ。自慢じゃないが。ブラッド隊を率いる為、次代のゴッドイーターの模範となる為、あらゆる面から自分を研磨し磨き上げてきた。戦闘力、血の力、指揮力、知識、組織を纏める為の手法、良い印象を与える為の外見…。それら全てが実を結んだと言い切れる訳ではないが、何もできなかったとは口にできない程度の自負はある」

 

 

 …自慢か。いや実際、それだけ積み重ねてきた事は分かるし、それに裏付けされたプライドもあるだろうから、自分で言って許される範囲だとは思うが。

 実際、ジュリウスって一見すると貴公子そのものだもんな。公の場で、それを崩した事は見た事が無い。…まだ3か月にも満たない付き合いで、だが。あれ、でも俺割とマジギレされたりしてたな。

 と言う事は、唯一本心を曝け出せる親友枠?

 

 

「胃痛枠だ」

 

 

 …今こうして酔いに任せて、本心を晒していると言うのに。

 

 

「本心を曝け出しているのは、お前ではなく酒に対してだ。なぁ、どうすればいいと思う? どうすれば彼女って出来るんだ? ギルは過去に女性遍歴があるようだし、ナナとシエルはお前に篭絡されたし、ロミオに至っては、知らない間に付き合って別れて復縁しているし。彼女とは言わないまでも、せめて対等で、仕事の話抜きで話せる友人が欲しい。できれば異性で。年上で包容力のある人なら尚良し」

 

 

 普通に好みの話ししてんじゃねぇか。つかグラスに語り掛けとる…本格的に酔ってるな。

 あと、『彼女の作り方なんて俺が知りたい!』と時守の声が聞こえた。仕方ないね、こんなSS書くのに熱中して普段誰とも会わないから、そりゃ出会いもないわ。

 

 ふーむ……真面目な話、完璧すぎて近寄りがたいってイメージは大きいよな。軽いジョークで場を和ませようとしても、下手な事言うと空気が凍り付いて反応してもらえない。

 となると…マジレスすると、まずは距離を縮める事?

 

 

「それを何度もやろうとしてるんだ…」

 

 

 いや、お前のやろうとした事って、まずは素の状態で接しようとしたって事じゃないか?

 

 

「そうだ。友人と言うのは、そういうものだろう?」

 

 

 そらそーだが、10年来の親友だってハナからそーなる訳じぇねぇよ。最初は完全な他人さね、何にだって順序と段取りがあるのは、俺よりジュリウスの方が身に染みてるだろ。。

 まずは顔合わせ、なんとなく話す、お互いの事を知る、名前や呼び捨てで呼ぶようになる、家に遊びに行く。素の態度で接するようになる。

 これは想像でしかないが、今のジュリウスはお互いの事もあまり知らない相手に『本音で語り合おう』とプリンススマイルでいきなり話しかけたよーなもんじゃないか? そりゃどんだけ見た目が良くても、胡散臭さで退くわ。。

 

 

「む……思い当たる節は…ある…な。プリンススマイルも含めて」

 

 

 割と、誰でも当て嵌まる事だけどな。プリンススマイルは、余所行きのツラで話しかけたって解釈にしとこう。

 

 

「なら、俺はどうすればいいと?」

 

 

 んー…いきなり素の顔を見せようとするんじゃなくて、部屋に連れ込めるくらいに信用を得てから素顔を晒す、とか?

 エスコート用のマナーや技術も叩き込まれてるだろ。まず、それでプライベートルームまで連れ込んで……『づぁぁ~~~~疲れたぁぁぁぁ~~~』みたいな感じで、素顔を晒す?

 呆れられたり戸惑われるかもしれないが、部屋まで来てそれだけで帰るってのも考え辛い。

 

 

「……何と言うか…いい顔して女性を引き摺り込んで、襲うような手口じゃないか?」

 

 

 手順としては大差ねーな。顔赤くするな、ちょっとドキドキしてるだろお前。

 

 

「そんな事は無い、これは酒のせいだ。……後は、誰かが部屋に遊びに来るという想像にちょっと胸が躍って…」

 

 

 …泣けてきた。こいつの部屋、買ったけど使わなかったTRPGのルールブックとかあるんだろうか…。普段のコイツなら玩具なんぞに興味を示しそうにないが、中身がコレだもんな。

 真面目な話、お前が好意的に接すれば、大抵の女性は悪い気はしないと思う。個人差はデカいだろうが、誠実なのは確かだし、技術だとしても気配りも出来る。

 下手にそれを崩そうとするから、ぎこちなくなるんじゃないか?

 

 

 …まぁ、俺が人間関係についてアドバイスするなんざ、ヘソからマグマが噴き出すようなもんだろうけど。

 

 

「? 意見は参考にさせてもらうが、女性関係であれだけ好き勝手やっているのに、人間関係に弱いとは思えんが?」

 

 

 真っ当な関係と、俺の関係を同列視したらアカンぜよ。色んな意味で特殊すぎるからな。

 こんな事語っておいてなんだが、他人の人間関係について俺がアレコレすると、大抵裏目に出るからな。

 

 真っ当なテクニック(エロじゃなくて人間関係を潤滑にする系の)も語れなくはないが、それは多分ジュリウスの方が詳しいんじゃないか?

 大体、俺のやり方はDTにはちょっと…。

 

 

「どどどど童貞ではない! 不義理な事は出来んだけだ!」

 

 

 下手に恋人作れないって立場は分かるよ。しかし、不義理な事はできんって言っても、それ目当てなのも確かだろ?

 

 

「む、むぅ…。それは、まぁ、俺とて…興味が無い訳では…」

 

 

 …すっごい失礼な事聞くぞ。ラケルてんてーから、そういうお誘いや教育は無かったのか?

 

 

「ある訳ないだろう! 最近は疑念を持ってきたとは言え、あの人は俺の母親のようなものだ」

 

 

 想像してオナッた事は?

 

 

「……………………………………………………ない!」

 

 

 間が長いぞ。

 はー、そうか…ちと残念だな。いっそジュリウスをラケルてんてーとネンゴロにさせて、篭絡して何を考えているのか吐かせられないかと思ってたんだが。

 

 

「外道すぎる」

 

 

 この程度、ラケルてんてー本人に比べればまだまだ。…そんな面すんな。お前の知らない事も、色々知ってるだけだ。知らない方がいい事もな…。

 

 

「…吐け」

 

 

 この程度じゃリバースなんざしねぇよ。

 

 

「その知っている事、と言うのを全て吐け。前々から、お前の秘密主義には物申したいと思っていた。大体、重要な情報があるなら、何故それを隠す。公開し、皆で対処するべきではないか」

 

 

 おいおい、興奮すんなって。言えないのにも理由はある。

 …やべ、目が座ってる。妙なスイッチ入ったみたいだ。

 

 

「ならばその理由とやらを言ってみろ。俺はな、人に隠れてコソコソ動き回られるのが大嫌いだ。どいつもこいつも、俺を食い物にする事しか考えてない。アラガミと何の違いがあるんだ」

 

 

 …大分酩酊してるな…。こりゃアレか、ゲームシナリオであった、幼い頃のジュリウスの独白。「みんなが僕を食い荒らすんだ。まるでアラガミみたいだ」なんて言葉があったが、それの事か。

 遺産絡みの陰謀に巻き込まれて、相当な思いをしたんだろう。

 

 

 が、それはそれとして。おい、無理すんな。立ち上がろうとして、膝から崩れ落ちてるぞ。

 慣れない酒で、慣れない良い方してるんだ。いきなり興奮したり動いたりすれば、そりゃ倒れもするさね。

 

 

「うぐ…ぬぅ…」

 

 

 目が回って来たか? しゃーない、今日の話はこれくらいにしよう。

 ほれ、帰るぞ。

 

 

「まだ…話は…」

 

 

 酔っぱらった状態で何聞けるっつーんだよ。明日の朝まで記憶が残ってるかも怪しいのに。

 ほーい、お勘定ー。

 

 

 

 

 そのままジュリウスを、俵みたいに担いで帰った。途中でリバースしかけて、仕方なく背負って帰る事にした。

 …ジュリウスファンクラブに見られた。

 怒りの襲撃に備えるか、それとも腐属性の本の出回りを阻止するべきか…。

 

 

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