※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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GEレゾナンス、プレイ中。
…何と言うか…まだ2、3話進めた程度ですが…特筆すべき事が無いような…。
ネタ探し程度かなぁ…。
キャラを出そうにも、時系列的に少なくとも数年後だから、お子様状態でしか出せそうにない…。

結局FGOも冬木を終わった所で放置してるし、なんか合わないなぁ…。


ダクソはまだ3を続行中。
ロスリックに入って、そろそろ厳しくなってきた。
しかし、侵入してきた闇霊に何度か襲われたけど、勝てないなぁ。
まだ敵を未掃討の所に出てきて待ち構えられたりするんで、ホント勘弁してほしい。
この前はイルシールで2人がかりで襲われたし…。
今回はそういうのもありでプレイしていきたいと思ってますが、何故青教は全く来てくれないんだろう…。
金サインは何故か召喚できないし。
ネットで見た通り、そっち系のプレイヤーが居ないんだろうか…。


第360話

神産月

 

 

 太平洋を飛び越えて、遥々来たぜアメリカ大陸。…アメリカ大陸つっても広すぎるな。具体的な位置は、アレだ、五大湖ってヤツのすぐ傍だ。

 …アメリカ大陸を、ほぼ横断した訳だが…なんつーか、酷い有様だった。

 

 俺もアメリカ自体にそんなに詳しい訳じゃない。行った事もなければ、小学校の社会の授業で習ったうろ覚えの知識しかない。

 大雑把なイメージは、西側にクッソデカイ山脈があって、東側に行くにつれて穀物地帯が広がり、緑が増えていき、一部に近代的な建物なんかの都市が集中している…ってイメージだった。

 

 

 ……それが正しい印象だったのかは不明だが……空の上から見ると、ケイが言っていた、アラガミによる被害の大きさがよく分かる。

 赤いんだよ、大地が。丁度夕暮れ時だったのも理由の一つだろうが、荒れてるって一目見ただけで分かった。

 かつては小麦やトウモロコシに覆われていたであろう平原は、上から見ると酷い虫食いとなっており、あちこちで火が燻っている。所々に見える廃墟は、恐らく以前は農夫が住んでいたのだろう。…全て、過去形だが。 

 山脈に至っては、不自然な傾斜と凹凸だらけ……山脈を食いやがったのか…。

 

 こりゃ、五大湖も以前の通りの地形なのかは怪しいな。下手すると干上がって、小さくなってるんじゃないか?

 ついでに言えば、さっき遠くで赤乱雲…赤い雨を降らせる災厄の雲が見えた。結構な規模で降ってるな…。残り少ない川に注がれたり、或いは場所によっては無事に残った穀物地帯に降り注いだりするんだろう。

 

 よくもまぁ、アメリカって国が残ってるもんだ。

 

 

 ケイの計画が上手く行けば、これがナンボかマシになるのか…。うん、応援したいな。細かい損得は抜きにして。

 

 

「あらあら…あまり雅な光景とは言えませんわね」

 

 

 タカネか…。まぁ、お前さんにしてみりゃ食べ残しがあちこちに放置されてるようなものだしな。

 それに、ラーメンの麺の原材料になるものが軒並み焼き尽くされてるんだし。

 

 

「…あなた様、私はちょっと怒りが有頂天状態となりました。天から降り注ぐ光で、アラガミ達を焼き尽くしましょう」

 

 

 止めろダァホ。アメリカ大陸中に居るアラガミを消し飛ばすような真似、今のお前に出来るのか?

 仮に出来たとしても、それだけの被害を大陸中にバラ撒く事になるだろうが。原材料どころか、それを育てる大地も人手も消し飛ぶわ。

 

 

「……そうですね。失礼しました。怒りというのは厄介なものですね。私をこうまで狂わすのですから」

 

 

 どっちかっつーと怒りよりもラーメンに狂ってる気はする。

 ともあれ、食い物関係に関しては、今はアラガミよりも赤い雨…黒蛛病の方が被害が大きいだろう。アラガミは何もかも食い尽すが、赤い雨は土壌を動植物ごと汚染する。

 その後、そこで育つモノまで汚染するんだ。

 

 

「………アレが何かは大体分かっておりましたが……例え星そのものと言えど、私の道を曲げる事はできません」

 

 

 …格好いい事言ってるけど、星の意思なんかよりラーメンその他諸々食いたいって言ってるだけだな。

 

 

「あなた様であれば、曲げられるかもしれませんよ?」

 

 

 ラーメンよりも、濃厚カルピスを好物にすればいいってか。ま、それはその内。

 

 

「あいかわらず、いけずですねぇ…」

 

 

 これからインタビューを受けるのに、情事の痕跡を残すのもな。見ろよ、空港に記者が詰めかけてるぞ。このご時世に、アイドルでそこまで大騒ぎできるのも凄いもんだ。

 写された横顔に、シモのケがついてた、なんてスキャンダルどころの話じゃねーよ。

 偽装はできるが、記者のカンは侮れんからなぁ…。もっと厄介なのは捏造だけど。

 

 ところで、タカネって英語できるの? なんかカタカナが苦手な印象があるけど。

 

 

「勿論ですわ。あなた様の使う言葉とは法則が違うので少々戸惑いましたが、英語に限らず今回のツアーで行く先で使われている言葉は、全て覚えました。何となれば心を読むなり伝えるなりすればいいですもの」

 

 

 ……それ、テレビ越しじゃ多分通じないぞ。いや、こいつなら割と…。

 ちなみに俺は、レアからマンツーマンで叩き込まれました。英語だけじゃなくて、あっちこっちの言語を。女教師プレイ!とか考えたけど、勉強中は割と真面目に厳しかったです。

 

 

 

 

 

 

 さて、そういう訳なので、インタビューです。…アイドル達にね。

 俺はケイと一緒に、人ごみの死角を通って一足お先。ついでに、妙な事を考えてそうな連中を闇討ちしておいた。

 

 

「…こういう事も得意なのね」

 

 

 そういうアメリカさんは、この手のシークレットミッションは苦手なのかね? 言っちゃなんだが、諜報員としては明らかにレベル低いぞ、あの連中。

 

 

「それ、皮肉? …ま、ガッタガタだからね、今のアメリカ。本腰入れてないって言うか、入れられないって言うか…要は人類名物・足の引っ張り合いよ」

 

 

 ふーん。と言うか、今更気付いたけど…ひょっとしてアイドル達って、俺を隠す為のデコイだったりする?

 

 

「さぁ、上の思惑なんて知らないわ。どうせ、知ってもロクなものじゃないしね。あなたに最初に接触したのだって、ハニートラップを仕掛けてこいって言われたからよ」

 

 

 最初から堂々と無視してたけど。

 それにしても、黒蛛病治療の事を差し引いても、随分な歓迎ぶりじゃないか? 言っちゃなんだが、あいつらはまだ日本の新人アイドルだろうに。

 レベルで言えば、ハリウッドやブロードウェイに比べると、一歩も二歩も知名度で、注目度でも劣ると思うんだが。

 

 

「何度も言ってるけど、全ては昔の話よ。今のアメリカに、そんな華々しい舞台は無いわ。ブロードウェイは寂れ果て、ハリウッドは既にアラガミに荒らされて、ロサンゼルスのカジノも瓦礫の山。…国としての体裁を保つのが精一杯なのよ。だからじゃない? 昔の輝きを思い出せるような、キラキラしたアイドルに飛びつくのよ」

 

 

 夢も希望もありゃしないな、ったく…。

 いや、MH世界の植物が、夢と希望になるのかな。希望じゃなくて魔法だったら、ディ〇ニーランドに訴えられそうだ。

 

 

 

 

 

 さて、記者会見も終わり、ホテルへ移動。…一見すると立派なホテルだな。あちこちにSPっぽいのも配置されてる。さっきの不穏な連中とは違い、そこそこ期待できそうな連中だ。

 リカとチームアンツィオは、飛行機に乗った時からずっと騒ぎっぱなしだった為か、ついに電池切れでスヤスヤ。アンチョビが寝かしつけに行った。…相変わらず面倒見のいい子だ。

 

 逆に、明日からステージに立つアイドル3人は、打ち合わせに入っている。…若干一名、酒が入っているのがいるが。…訂正、2名だ。タカネはアルコールも即分解できるから分かりづらい。

 

 

 そして俺は……ケイに頼まれて、アラガミの狩りに出ていた。…なんか、今日はケイとばっかり絡んでるな。

 

 

「別にいいじゃない。もう少ししたら当分会えなくなる訳だし、知り合った記念に一緒にミッションに行くんだと思えば」

 

 

 別に不満がある訳じゃないよ。…いや、不満っちゃ不満なのかな。ケイじゃなくて、このミッションの方に、だけど。

 でっかい劇場の中じゃなくて、野外ステージになるのはいいよ。ケイが言ってたみたいに、黒蛛病に犯された植物や土地を浄化する効果を期待してんだから。

 なーんで、今からステージ建設の為の安全を確保せにゃならんのかなぁ? 普通、もっと事前に準備して、アラガミを掃討して、ステージも作るもんじゃない?

 

 

「ステージ自体は、もう大体出来上がってるのよ。でも、アラガミの掃討だけは、度々やらないと際限なく寄ってくるから…。掃討が間に合わずに、ステージの完成が遅れちゃったのね。一晩あれば、完成まで漕ぎつけられる段階だけど…」

 

 

 ああ、あっちのアレがステージ会場なのね。……ん、一角だけ妙に厳重に隔離されてる席があるが……関係者席か?

 

 

「いえ、黒蛛病患者席よ。隔離扱いで悪いとは思うけど、接触感染するからね」

 

 

 そりゃ仕方ないか。

 

 本来ならもう完成して、後は防衛してりゃいいって段取りだった訳か。ま、世の中予定通りに進む事の方が少ないわな。

 そういう訳で、俺もアラガミ掃討に駆り出されています。…一応、俺も護衛対象なのになぁ。まーVIPや大統領みたいな要人が強いのもハリウッドではお馴染みだから、ヘーキヘーキ。

 アメリカのアラガミにも興味はあったしね。

 

 

 

「さて……アリサ!」

 

「はい」

 

 

 なぬ!?

 

 

「…あ、ちょっと待ってて…。あなたの恋人のアリサさんじゃないわ。ほら、この子。私の副官のアリサよ」

 

「よろしくお願いします」

 

 

 敬礼する、そばかすツインデールの少女。

 …そ、そうか…ややこしいな。いや名前が被るなんて、現実的に考えると珍しくもないだろうけど。

 

 

「そこらへんは気にしないで。立場上、あんまり接する機会があるとも思えないしね。今回のミッションは?」

 

「大型アラガミの群れの駆逐です。現在、ステージ近辺には小型アラガミの姿はありません。住み着いた大型アラガミが食料にしたか、逃げていったようです」

 

 

 ふむ、雑魚を虱潰しに消していくのは面倒だし、難易度が下がったと思っておくか?

 問題の大型アラガミは…………はい?

 

 

 …あの、これ…大丈夫? いや強い弱いじゃなくて、権利的に。

 アリサ(そばかす)が名前や特徴を述べているが、あまり頭に入ってこない。

 

 

 …見せられた映像に映し出されているのは、どっかで見た事のある姿形を、悪意を持ってデフォルメしたような連中。

 筋肉ムキムキの緑の巨人、盾が腕についている青い奴、赤くてメカメカしい奴、その他諸々…。

 

 ……あの、一つ聞きたいんだけど………ア〇ェンジャーズって知ってる?

 

 

「? 復讐者、ですか?」

 

 

 いやそういう名前のチームなんだけど…。

 

 

「心当たりはありません。…いえ、確か別動隊に、そう名乗るチームが居たような……とっくに壊滅していますが。それが一体?」

 

 

 ……いや、考えてみればこの場では関係なかった。すまん、忘れてくれ。

 

 …いいのかな、これ…。そりゃアラガミの姿に著作権なんてないけど。いやあるけど、それはゲーム的に考えてだし…。ここでは現実だし。

 そもそも、アヴェ〇ジャーズを知らないってどういう事よ? アメリカ人なら、大体知ってると思うんだけど。それこそ、アメリカが生んだ国際的キャラクターだろ? 日本で言えば某ネコ型青タヌキロボット、白いモビルスーツとかに相当する。

 

 …この世界では、考案されなかったんだろうか? いや、旧世界の記録なんて殆ど残ってないみたいだし、単純に失われただけか?

 

 

 まぁ、何でもいいか…。仮に目の前にキャプテンAが居たとして、それがアラガミであったりモンスターであったり鬼であったりするなら、狩りの対象でしかない。実際にやれるかはまた別問題だが。

 

 問題の中身だが、ケイが空港で言っていた事が事実なら、奴らに特殊攻撃はないに等しい。ただ巨体と力に任せて飛び掛かってくるか、精々光弾を飛ばすくらいだそうだ。

 あれだけ外見が似てれば、キャラクターが持ってる攻撃方法の一つや二つ持ってそうなもんだけどな…。あ、スパイ〇ーマン型アラガミ。

 

 …どうやら、こいつらは新種と言う訳ではないらしい。少なくとも、極東で言えば、多分ヴァジュラ扱いだ。うむ、慣れ親しんだ、こいつらを一人で狩れて一人前ってレベルだな。…他所の地区のゴッドイーターからすれば、狂気の沙汰もいいところだったが。

 

 

 

 

 

 つまるところ、アメリカゴッドイーター勢にとってはマジヤバイ状況らしいが。表面上は何とか平静を保っているが、「行きたくねぇ」って感情が簡単に見て取れる。

 ケイが俺を引っ張り込んだのはこの為か?

 

 まぁいいさ。興味もあったし。差し当たり、空を飛んでるシユウに似たコウモリ男アラガミを叩き落してくるとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 …うん、結構楽しめた。

 アトラクション的な面白さがあったな。近くで見てみると、本当にデカいんだわ。巨体のパワーとリーチで、ゴリゴリ戦うタイプだね。

 んで、斬り合ってみるとかなりタフ。巨体と戦うには末端を攻撃するのは、オーガも認める戦術とは言え、ちょいと時間がかかり過ぎる。

 アメリカゴッドイーターが嫌がるのも、無理はない。はっきり言って、豆鉄砲だからね、彼らの神機。数を揃える為に質が失われた結果か。

 

 本来なら、遠くから包囲するなり、遮蔽物に隠れて銃撃したり、計画的でシステマチックな戦い方をするんだろうが……何せ荒野だもんなぁ。隠れられる場所はまるで無く、デカいアラガミのリーチとパワーがモロに活用されるシチュエーションだ。

 

 

 そういう訳なんで、ケイと一緒にデカブツの囮を引き受けました。勢い余って倒しちゃう事もあったけど、戦果は出してるから問題なかろ。

 アメリカゴッドイーターさん達からも、なんかヒーローを見るような目で見られたしな。

 

 

 最初は皆の戦い方に合わせ、離れて銃撃に参加してたんだが、ケイに接近戦を誘われたんで、ホイホイ参加してしまった。

 ミタマ『挑発』を使って惹きつけ、デカブツのパンチをジャストガードで受け止め、後ろに味方が居ない時はブシドースタイルで回避&反撃。

 

 それが基本パターンだったんだけど、相手からの攻撃を待つのが面倒になってきた。確かにパワーはあるしダイナミックなんだけど、動きが単調だから飽きが来る。

 なので、アラガミの体でパルクールしてみました。

 

 エリアルスタイルの応用でね、跳躍・攻撃からの、乗り状態じゃなくて駆け上がり状態。ああ、正宗もこんな感じだったのかな。イャンクックの尾に飛び乗って、そこから駆け上がって頭に攻撃とかやってたっけ。

 アラガミの体を駆け上がり、背後を取ってドタマとか首とか、とにかく急所に一閃。

 ついでに、すぐ傍に他のアラガミが居るなら、伸びてくる腕を掻い潜って飛び移り、また一閃。

 殺られる前に、と飛び掛かって来たアラガミを避ければ、そいつは別のアラガミに激突して動けなくなったり喧嘩になったり、そうなっている所にやっぱり一閃。

 

 

 

 上手く決まると、実に爽快である。ギャラリーのアメリカゴッドイーターの皆様が、歓声をあげてくれるのがまた。

 もしもこの動きがゲームに実装されるとしたら、多分QTEになるだろうなぁ…。複数人プレイ前提のゲームでQTEとか、バランス悪そうだな。

 

 うーむそれにしても、アヴェ〇ジャーズを相手に無双して、それでアメリカ人から喝采を浴びるって変な気分だ。…ヒーローの偽物は悪党って相場が決まってるし、そうでもないか? 明らかに悪党寄りのデザインになってるもんな。…元々悪党っぽいデザインの人達も居たが、そこは国民的な感性の違いって事で。

 

 

 

 程なく、ミッションは完了。周辺一帯のアラガミを掃討し、後はアメリカゴッドイーターの皆さまが、明日まで警備に当たるそうな。俺はホテルに戻る。

 帰り際、アメリカゴッドイーターの皆さまに、口々に褒められた……んだと思う。流石にあれだけの人数の言葉を、素早く聞き取るのは不可能だ。いやできなくはないけど、翻訳がね。

 擦れ違いざまに、笑いながら肩とか背中とかバンバン叩かれた。ケツを揉まれたが、ありゃ一体誰だ? 手の感触からして、女だったようだが。

 

 

 …離れた時、背後から「極東のゴッドイーターって凄いな!」って声が聞こえたが……まぁいいか。極東支部が地獄扱いされてるのは今更だし、大して変わらんわ。…同じ事が出来そうな奴、何人か居るしね。

 

 

 

 

 

 

 はい、ホテルにただいま。…うん、変な事があった気配もない。皆無事だ。

 それぞれ、部屋に戻って眠っているようだが……おや? 俺の部屋に一人…。

 

 

「あ、おかえり、開祖様」

 

 

 アンチョビ、起きてたのか。寝ちまってもよかったのに。

 

 

「一応、開祖様の世話係って名目で来てるから…。ついでに言うと、ウチのチームの連中が寝付くのを確認するまで、不安で眠れなかったのもある」

 

 

 ああ…目を離すと、何をやらかすか分からんからな…。

 …他の皆は?

 

 

「リカは電池切れで眠ったまま。ステージに立つ3人も、打ち合わせは終わってもう寝てる」

 

 

 …飲んだ?

 

 

「飲んだ。明日に響かせないように、必死で止めた。最近は割と大人しく従ってくれてたんだけど…タカネさんが一緒に居るからなのか、いつにも増して飲兵衛で…」

 

 

 タカネはザルも枠も通り越して、そもそもアルコールが効かないからな…。やろうと思えば酔う事も出来ると思うが。

 カエデさんは対抗意識を燃やしたのか、単に自分の酒量に付き合える相手を見つけたのが嬉しいのか。…多分後者だ。

 

 多分、このツアーの間、ほぼそんな状態だろうなぁ…。

 

 

「やっぱり? …頭痛くなってきた…二日酔でもないのに」

 

 

 撫でてやるから、元気出せ。

 ……で、お前はどうなんだ? 俺を待ってたのも、チームの連中を寝かしつけたのも確かだろうが、何か引っかかるモノがあるって顔してるぞ。

 

 

「あー………うん…。…飛行機、乗って来たじゃないですか」

 

 

 ああ、乗ったな。

 

 

「GKNGに入った頃、昔のアメリカの画像が発見されたのを見た事があるんです。その中に、空から撮影された写真もありました。何処の辺りかは分からないんですけど……綺麗だった。凄く高い所から撮影してる筈なのに、地平線まで畑が広がって、一面が金色で…。こんな凄い光景が、世界にはあるんだなって感動したんです」

 

 

 ……それが今や…か。

 憧れが砕かれてしまったかぁ…。そりゃ落ち込むよな。

 俺だって、オランダ辺りに行って、風車とチューリップが無残に焼き払われていたら、そんな気分になるだろう。シリアス度はともかくとして。

 

 

「憧れって言うか、幻想って言うかイメージと言うか…まぁ、そんなところです。今の極東に居ると、あんまり意識しないけど……あれが世界では普通なんですよね…」

 

 

 極東も3年前までは似たようなもんだったけどな。

 

 ま、そう落ち込む事はない。いつまでもこのままって訳じゃないんだ。

 アラガミをどうにかする目途は立ってないが、代わりにケイが極東から種を持ち出してる。上手くやれば、以前と同じか、それ以上の光景が拝めるようになるかもしれん。

 

 

「ケイさんが? …それ、GKNGは…」

 

 

 知ってるよ。販路もグレアム局長…つっても分からんか。金儲け大好きな人が整えてるから、長続きするし、どんどん規模も広がっていくと思う。

 

 …ふむ、考えてみりゃ、アンチョビ。お前結構いい立場に居るんじゃないか?

 下っ端とは言えGKNG。しかも幹部のリカともコネが出来た訳だ。仲いいだろ?

 

 

「仲がいいと言うか、チームアンツィオに凄い勢いで馴染んでいったと言うか…」

 

 

 そんで、多くの人の注目を集めるアイドルでもある。やろうと思えば、いくらでもその販路を宣伝できる訳だ。

 極東が緑に覆われているって言うのは、世界中で知れてはいるけど、完全に冗談かネタだと思われてる。そこに一石を投じるのに最適なのは、多分アンチョビだ。

 注目度で言えば、タカネとカエデさんの方が高いが、あの二人はGKNGじゃないからな。

 

 

「む…。あ、でも言葉が…」

 

 

 砂の耳、持ってる奴がチームアンツィオに居るんだろ。直に話すに越した事は無いが。

 ……スゲェな。アンチョビとしては計算外どころか想像もしてなかったろうが、色んなピースがどんどん当て嵌まっていく。

 これの繰り返しで、アイドルチームに妙に慕われるようになったんだな…。

 

 

「心底納得しないでくださいよ! 身の丈に合ってない幸運や力って、超絶厄介事ですよ…」

 

 

 そう言いながらも、慕って来る人達を拒む事も見捨てる事もできない辺り、本当に業が深くて重症だ。

 だからこそ、なんだろうけどな…。お天道さんなのか四文字なのかブッダなのか知らんが、よう見てるわ。本人的には『寝ているのですか!』って叫びたいんだろうけど。

 

 

 

 

 ふむ……。一回、自分の事を自覚させた方がいいのかな。相手の望む態度を取ってしまうってヤツ。…。しかしフラウと違ってコイツ、生真面目だからなぁ…。拗らせなきゃいいんだが。

 

 

「ちょっといい?」

 

「あ、ケイさん」

 

 

 んぁ? …仕事どうした?

 

 

「私の分担は、アラガミの掃討までよ。引継ぎも終わったから、もうフリータイム。明日には別の基地に移動しないといけないから、もう寝る程度の時間しか残ってないけどね」

 

「明日? それじゃ、ステージは見て行かないんですか?」

 

「出来るものなら、見ていきたいんだけどねー。遅刻のペナルティくらいで見られるならそうするけど、こっちの案件も大事なのよ。ところで、何か話してたみたいだけど…借りていい?」

 

「私はいいですけど…」

 

 

 俺も。大事な話と言えばそうだが、どっちかと言うと愚痴みたいなもんだったし。

 アンチョビ、色々考えちまうのは分かるが、今日のところはもう眠れ。一人で考えても、何か得られるような問題じゃない。

 

 

「そうですね。…流石に眠くなってきましたし…」

 

 

 欠伸を噛み殺して、アンチョビは腰を上げた。幾ら俺の世話役として連れてきたからって、夜まで一緒の部屋に居る訳じゃない。

 …別に居てもいいんだけど、そうなるとまず間違いなく過ちが起きるんだよな。

 

 で、ケイさんや、お話って何だね?

 

 

「ん? 大した事じゃないんだけどね。極東でも何度か一緒にミッションに行ったけど、ゆっくり話した事なかったなって思って」

 

 

 ケイが持っていた袋の中には、ビールビールビールツマミビールウィスキー…。何だ、呑みのお誘いか。

 

 

「何だったら、その先も、ね?」

 

 

 …先ってお前…。ハニトラしろって命令に従う気はないんじゃなかったか。

 

 

「命令なんて知らないわ。ただ、そうしてもいいかなって気分なだけよ。勿論、誰でもいいって訳じゃないけどね」

 

 

 気分かよ。まぁいいけどさ。

 要は、戦闘の後で体とか本能火照ってるんだろう。

 

 

「ま、それよりも先に、飲んで飲んで。いやー、極東のご飯やお酒も美味しかったけど、やっぱり故郷の味だわ」

 

 

 ふむ…。俺も酒の味の違いが分かるようになったもんだなぁ。ま、この味も嫌いじゃないよ。

 …どっちかっつーと、問題はこのツマミの量だな。フライドポテトだが、山盛りだ。しかもちょっとシナッてなってる。

 

 

「フライドチキンがよかった? 流石に、この時間じゃ売ってる所が無くてね」

 

 

 フライドポテトは売ってたんかい。ま、いいけどね…。こんなご時世になっても、アメリカは何かとサイズがデカかった。

 

 

 

 

 

 

 

 具体的にはおっぱいもお尻もビッグサイズで、腰の動きもダイナミックだった。

 

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