※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

362 / 611
farさんの『我輩は〇〇である』を推してみる。
今は北斗の拳の新作を書かれておられるが、個人的にはまだこちら。
『それでも我輩はネコである』から入ったが、軽妙かつ読みやすい文章、分かりやすくネタを突っ込むタイミングと不自然でない解説、いいカンジに原作をひっかきまわしつつも違和感を感じさせない。
某理想郷のオリ―シュにも通じる印象でした。

…新作を読んで、モヒカンを率いる姿を想像する時、BGMがワンダフルワンダブルオーになっているのじゃが。

どんなの読んでるのかな、と思って情報を覗かせていただいたら、拙作がお気に入り状態になってて驚いた。
ありがとうございます! ありがとうございます!


…ところでエロゲ脳の方ですが、狩りゲーが行き詰っている事もあり、ついついそっちを書いてしまいます。
長くても中編で完結させるつもり。
ダクソリマスターの1ステージ分=1話で書くつもりなんですが…うーむ、どこからどこまでを1話と考えるべきか。
攻略ページの1ページ分=1話とすると、番外編まで含めると30話ちょっとか…。
少し多い気がするし、初挑戦だから攻略ページはあんまり見たくないんだよなぁ…。


第362話

神産月

 

 報道陣や不埒な事を考える者も多いが、それ以上に親衛隊が増えたようだ。

 ホテルの近くで、警備と称してウロウロする者が数人。…こう書くとストーカーのような印象を受けるが、マスゴミや不埒者を何人か捕まえたらしい。まだ一晩も経ってないのになぁ…。

 逆に不埒者の発生源になりそうな印象もあるが、とりあえずはいいか。どうせ、このホテルに留まるのもあと数日。

 今日はお休みで、明後日はもう一回ライブ。そして次の国に出発、という予定である。

 

 

 

 そして、休日である本日の予定はと言うと。

 

 

「う~~~みだ~~~~!!」

 

 

 海じゃなくて五大湖です。何処なのかよく分からんけど。

 …ともあれ、リカの強い希望で、海水浴に来ています。

 

 うむうむ、眼福眼福。リカのちょっと背伸びした水着の中の、そのまたナカで、俺のドロドロした欲望がタップリ貯めこまれていると思うと、猶更ね。

 

 勿論、眼福なのかリカだけではない。

 リカを見て、フヒヒヒヒヒと変質者のような笑いを漏らしている、全身疲労で今日はちょっと動けそうにないJK(っぽい)アイドル。

 白い水着に身を包み、しかし両手にはキンッキンに冷えたビールを持って、真昼間から早速一杯飲んでる25歳児アイドル。

 

 更に、水着を着てても、見知らぬ地でも、言葉が通じなくても、平然と好き勝手に動き回るチームアンツィオの面々、何かしでかしそうな彼女達を必死こいて諫めるアンチョビ。

 ちなみにペパロニ嬢ちゃんは、何処からともなく調達してきた屋台で、いつも通りに飯屋を始めていた。

 そして、そのド真ん中に陣取り、大量に作られたラーメンを啜り続けるタカネ。…水着だけど、ラーメン食いながらじゃあんまり色気ってものが…。健康的な美は感じないでもない。

 しかしそれを言うならば、『火力は極東料理の命!』と言わんばかりに、特級厨師並の火の扱いを見せるペパロニ嬢ちゃんの方が色っぽい。残念美人なカンジはするが、汗水垂らして働いて、皆を笑顔にする彼女には色気よりも尊さすら感じるよ。

 

 

 …俺? 俺も一応水着だけど……水着っつーか、潜水服かな。

 一応、海中の安全を確認しないといけないから。海の中にだって、アラガミは居るのだ。

 

 そう言えば飛行機から海を見下ろしていた時、とんでもなくデカい…と言ってもナバルデウス程ではないが…アラガミっぽい影が見えたな…。クラーケンみたいだった。………アレが襲ってきたら、西洋人はパニックになりそうだなぁ…デビルフィッシュだもんなぁ…。

 

 

 

 

 それはともかく、水中の安全は確保完了。アラガミが居なかったのは、元々なのか、アメリカンゴッドイーターの皆さまが頑張ったからなのか。

 今も密かに警備についているが、視線の行き先を考えると盗撮疑惑が湧くな…いや相手が相手だから無理もないが。え? 一番視線を集めてたの? …天然で理性にダイレクトアタックをかけてくるロリ小悪魔だよ。

 ジャレ付かれている俺が、嫉妬の目線を一身に集めています。心地よいのぉw 朝っぱらからリカとズコバコやった後だと思うと猶更w いっそ泳ぎの練習と言い張って、海の中で本番やったろかw …いややらないけどね。流石に気付かれるし、体内にまで海水はマズかろ。

 

 まぁ、割と真剣に理性が揺らいだのは事実だが。しゃーないやん、あんなの来たら。

 

 

 …昨晩…いや、時間帯的に、向こうで夜なのかは疑問の残る所だが、ホテルに設置してあるターミナルにアクセスした時、俺のアカウントにメールが来てるのに気付いたんだ。

 画像データが添付されていて、アドレスは見知った物。タイトル未記入と言う、微妙な怪しさだ。

 ウィルスの類が入ってないのを確認して開いてみると…。

 

 

 

 

 『あなたに虐められたくて、毎晩体が疼いています』

 

 

 

 

 ………まさか3日程度で、こんなメッセージが届くとは思わなかった。しかも自画撮り、無論R-18…いや、まだ15くらいか? レアめ、ツボを付いた媚び方してきよってからに。

 お返しに、画像を見て大きくなったナニの写真を送り返してあげた。オカズにするヨロシ。

 

 このまま話を続けるとエロ語りに入ってしまいそうなので、自重する。

 話を戻すが、水着でビーチだと言うのに、海に入っていくのはリカくらいだ。ちなみに、タカネ以外は全員泳げなかったりする。ま、プールを使えるような機会なんてない世界だからね。仕方ないわ。

 

 リカも海に突っ込んでいったはいいが、泳がずに水辺でパチャパチャ飛沫を立てて遊んでいる。

 さって、俺は何をしようかね。真昼間から酒もいいもんだが、折角ビーチに出たんだしな。何かそれっぽい遊びをしたい……を?

 

 

 おーい、リカ、ちょっとこっち来て。伝統的な遊びをしよう。

 

 

「伝統的な遊び? なーに?」

 

 

 うむ、コレだ。

 ふくろ の中から取り出したのは……スイカ。ウォーターメロンとも言う。無論、MH世界産なので普通のスイカじゃない。……3つ揃うとコインやパチンコ玉が出てきそうな気がするが、それは多分錯覚だ。

 

 

「スイカ…。これで何をするの? ビーチボール?」

 

 

 スイカでビーチボールとか斬新だな。そうじゃなくて、スイカ割って聞いた事ないか?

 極東じゃ伝統的な遊びなんだが……そういや、外国ではどうなんだろ。

 おーい、通りすがりのそこのにーちゃん、アンタこの遊び知ってる?

 

 

「あ? …いや知らないよ、そんな遊び。大体、何だその実? ていうか、美人の女の子にばっかり囲まれて、アンタ俺の敵だ」

 

 

 

 スイカを知らんのか。そこからか…。

 しかし敵だと言うなら、別に仲良くする必要は無いな。これから皆と一緒に遊ぼうと思ってたが、参加したくもない訳だ。

 

 

「待て待て待てブラザー、その実はきっと平和と友好の象徴だろう? だったら昨日の敵は今日のブラザーだ。一緒にその遊びをしてみよう。だから俺にあの子達を紹介してくれ」

 

 

 …アイドルだって事には気づいてないのかな。それとも、先日のライブには来なかった人か。無駄に陽気な笑顔が眩しい。

 まぁいいや。シートを敷いて…。

 おーい、遊びたい奴、スイカ食いたい奴はこっちに来い。見事当てた奴には、ちょっと多めにスイカをやるぞ。

 

 

「フヒヒ…じゃなかった、どしたの? …スイカ…割り?」

 

「聞いた事はありますね。確か、戦いの前に行われる儀式で、生きた人間を埋めてその頭を叩き割る…とか」

 

「私は、海運や漁業の成功を祈って、海の神への捧げものとする儀式…と聞き及んでいます」

 

「なんすかなんすか、何か面白い事やるんすか?」

 

 

 おう、ぺパロニの嬢ちゃん。飯屋はちょっと休憩して、チャレンジしてみろ。

 まず目隠しをする。

 

 

「こうっすね!」

 

 

 いや手で隠せとは言ってない。こうして布で目を塞いで…。

 

 

「これじゃ何も見えないっすよ」

 

 

 更にこう回す。

 

 

「あ~れ~っす」

 

 

 よいではないか、よいではないか~…うん、このネタ知ってる人、この世界にどれくらい残ってるかな。

 そして、この棒を使って、置いてあるスイカを叩き割るんだ。

 

 

「割れって言われても、どっちにあるんすかー!?」

 

 

 で、他の人達はスイカのある方向をペパロニに教えてやれ。

 尚、デマカセ言っても構わないぞ。

 

 

 …デマカセOKの許可が出た瞬間、猛烈な勢いでチームアンツィオが騒ぎ出す。

 

 

「ぺパロニ、真っ直ぐだ!」

 

「いや後ろに5歩下がるんだ!」

 

「そのまま焼きそばを作ると、スイカの方からすっ飛んでくるぞ!」

 

「あっ、スイカが動き出して海に泳いでいく!」

 

「あっ、今ネッシーが通り過ぎた!

 

「ペパロニの足元にハシビロコウが!」

 

「後ろにS子さんが!」

 

「おおっ、姐さんがステージの練習だって驚異のスペシャルテクニックを!」

 

「未確認飛行物体が空を埋め尽くしている!」

 

「こらペパロニ、スイカ割りしてるんだから目隠しを取っちゃダメだぞ!」

 

「ペパロニが作ったパスタが、愛情が籠り過ぎて動き出したぞ!」

 

「えっ、ちょっ、ドゥーチェ! どうなってんすかドゥーチェ!」

 

「ペパロニ、迷った時は中道を行きなさい…」

 

「中道ってなんすか!? 道の真ん中はどっちっすかぁ!?」

 

「うおっ、パレードが横切っていく!」

 

「でっかい山車もあるぞ! キラキラでギンギンでラスボスみたいな衣装が浜辺を滑っていくぞ!」

 

『その水着脱いだら本当の事を教えへぶっ!?』←英語なのでペパロニは理解していません

 

『外国から来たお客さんに、アメリカの恥を晒すんじゃない!』

 

 

 

 アンチョビが海水浴に来た聖人みたいな事言っとる。…表情は、明らかに面白がってたけども。面倒見のいいアンチョビも、こいつらの纏め役で苦労してストレス溜まってんだろうなぁ…。偶に意趣返ししても許されるだろう。

 と言うか、お前ら嘘を教えてもいいって、そーゆー意味じゃねーから。確かに本当だったら何が何でも見たい光景だろうけど、そーゆー嘘教えるんじゃねーから。

 

 ペパロニはパニックに陥ったのか、『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?』なんて女の子が出す声じゃない音を響かせながら、とにかく棒を振り回していた。

 

 

 …あ、アンチョビに突っ込んでいった。

 

 

 

「て、適当言ったのは悪かったが、凶器を振り回しながら突っ込んでくるなよ!」

 

「あははは、ついノリ…じゃなかった、パニックになっちゃって」

 

「お前は料理以外はいつもパニックしてるようなものじゃないか…」

 

 

 何やらかすか分からない子だ…。

 

 

「でも、意外と面白いな、このスイカ割りっての」

 

「割れてないよ?」

 

「割ったら終わりになっちゃう訳っすね。ペパロニが右往左往するのは見てて面白かった」

 

「いかに上手に嘘をつくかの遊びなんだな…」

 

「そしてその嘘を見破って、見事スイカを割った人の勝ち。見破られないように誘導して、スイカを防衛すれば観客の勝ちと言う訳ね」

 

 

 ああうん、もうその認識でいいよ。間違ってるとも言い切れないし。挑戦者を如何にからかうかも、この遊びの醍醐味だしな…。嘘の方向性がかなりアレだったが。

 おし、次の挑戦者誰だ?

 

 

「うーん、あたしは嘘ついて眺めてる方が」

 

『あ、俺やっていい?』

 

 

 通りすがりのにーちゃん、日本語分かるなら止めないけど。

 

 

「いやちょっと待った! ここはアタシが指名するっす! メッチャ遊ばれたから、今度は遊ぶ側に回るっすよ!」

 

「あー、失敗したら次の人を指名するってパターンね。いいんじゃない? ただし、前にやった人はなるべく避けるようにね」

 

 

 あ、俺からも追加条件。俺とタカネは、挑戦者側は禁止な。目を閉じてても、空気とか匂いとか音とかで、すぐ分かるから。

 

 

「少々つまらないですが、仕方ありませんね。事実、やろうと思えば一歩も動かず、指先から出す衝撃だけで粉微塵にできますし」

 

「アイドルとは一体」

 

 

 そいつは色々例外個体だから気にするな。まぁ、アイドル達が目覚めた血の力を戦闘方面に成長させれば、そう難しい事じゃないが。

 俺なんて、予めマーキングしておけば指パッチンで内側からドカンと行けるぞ。「ただし、真っ二つだ」も可。

 まーそれはともかく、ペパロニ、指名は誰だ?

 

 

「ドゥーチェ! …といいたいところだけど、ここは一つ、カエデさんにお願いするっす!」

 

「えっ、私?」

 

「ここは一つ、アイドルパワーを見せてほしいっすよ! ささっ、どうぞ一発!」

 

 

 有無を言わせず(手に持ったビールを奪い取り)棒を握らせ、妙に手際よくクルクルクルクル……。

 止まった時には、カエデさんは完全にフラフラ状態になっていた。ああ、アルコールと回転でより一層目が回ったのね。

 

 

 そして、あまり接点のないアイドル相手にも、平然と無茶なウソを言ったり、『次でボケて!』なんて言って凍り付くような駄洒落を返されたり。

 最終的には、『何故その嘘を信じた』と突っ込みたくなるような言葉に従って、走ってコケてアンチョビに突っ込んでいった。棒を避けて、体を張ってカエデさんの体を受け止めたアンチョビ、褒めてあげよう。

 

 続いて、手を挙げまくって立候補した通りすがりのにーちゃんは、アメリカゴッドイーターの皆さまがこれでもかと言う程煽って囃し立て、嘘に乗せられて目隠しを取って失格。

 次点にリカが指名されたが、全身疲労状態では棒を持つ事すら難しく、冬まで生き延びた蚊のようにフラフラフラフラ…リカのデマカセの声を信じて進み、その途中でアンチョビに向かって倒れ掛かった。

 更に続いたリカは、ようやく自分の番が回って来たと超大張り切り。野生のカンなのか、GKNG幹部としてスイカの呼び声でも聞き取ったのか、かなり正確にスイカまで辿り着いた。もう決着か…と思ったら、思いっきり振った棒がスッポ抜けて、アンチョビを掠めていった。…結果はどうあれ、失敗。硬直しているアンチョビの頭を、ポンポンして慰める。

 次の挑戦者のカルパッチョは……うん、水着でポヨンポヨン揺れる胸が眼福だった。おっぱい大きい子は他にも沢山いるんだけど、この子ってば無意識になのか、胸が揺れる動きしてんなぁ…。声に従って右往左往したあげく、やっぱりアンチョビを追い回していた。

 肩で息をするアンチョビにお構いなしに指名されたアメリカゴッドイーターの人は、アメリカ人らしくなく小技を使った。具体的には、棒を掲げるのではなく足元に突き出し、レーダー代わりにしてスイカを探し当てようとした。コツンと当たったのは、スイカではなく防波堤だった。思いっきりフルスイング(横)で殴りつけると、跳ね返ってやっぱりアンチョビに向かって棒が飛んだ。

 

 

 どういう訳だか、棒が必ず自分にすっ飛んでくると悟ったアンチョビは、俺を盾にして、いつも持っている……指揮棒? いや鞭? を構えて警戒していた。飛んで行った棒が、風に流されてブーメランみたいにアンチョビを襲った。流石に掴んで止めた。

 

 今度はアンチョビが指名され、自身が挑戦者として棒を持つ。流石にこれで心配はないと思いたいが、油断はできない。

 

 

 

 海岸がドゥーチェコールに包まれ、スイカ割りとかどっか行ってしまった。…うーん、特別難易度として、ジャイアントスイングで回しながらスイカから引き離し、海辺まで持っていったんは悪かったかな? 足元が湿っている事で気付かれて、アンチョビにポカポカ叩かれた。

 

 結局、いつまで経ってもスイカが食べられない事に業を煮やしたタカネが、超難易度・俺がスイカを投げ上げると同時に、目隠ししたまま高速乱回転垂直ジャンプしつつポーズを決め、擦れ違いざまに鈍器である筈の棒を振るって、しかし一切触れずに真空波(っぽい血の力?)を使って賽の目状に切り刻む事で決着に至った。

 うむ、切り分ける手間は省けたが、やはりスイカ割りは叩き割らねばな…。これじゃ包丁使って切ったのと同じじゃないか。

 まぁ、参加者達は喜んでたから別にいいけど。

 

 ちなみに、タカネはニンジャアイドルとして認識されたようだった。

 

 

 

 ま、散々遊んで、盛り上がって、スイカも食ったから、結果的には良かったかな。

 他に書き記すべき事があるとすれば……ああうん、最後に一つあったな。

 遊びに遊んで、夕方。海(湖だけど)に夕日が沈んでいく、何ともノスタルジックな光景の中。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 襲って来たよ、デビルフィィィィィッシュ! アメリカゴッドイーターの皆さまが大混乱だ! クラーケンじゃなくて、タコ型だったがな! そのまま狩ってタコ焼きにしてくれる! アンチョビ嬢ちゃん、料理の準備をしておけぃ! 

 

 

 

 取り敢えず仕留めたが、アラガミだったのか天然の巨大生物だったのかは分からず終いである。

 

 

 

 

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