※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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シフト表を見るだけで、胃痛になる程憂鬱になる今日この頃。
元々人が居ないのを必死で誤魔化して回していたのに、メインスタッフが1人家庭の事情で退職、1人怪我で復帰がいつになるか分からず、サブでも重要な位置に居たスタッフが本業の事情で退職、学生さん達はテストの時期。

ついでに俺は長期休暇が組まれている。
こんなに嬉しくない休暇は初めてだ…。

これらをほぼ一週間以内にどうにかしないといけない。
ついでに施設は故障だらけ。

ああ…ダクソ以上に心が折れそうだ…。


第367話

神変月

 

 

 気が付けば新しい月に突入。ライブツアー中だと、月末月初の業務から逃げられていいね。

 極東では色々と忙しい日が続いているようだ。その間にも、エロ画像を送ってくれるのは有難い。既に、『ネコっぽいって言われるけど、タチもイケるよ』とか、『帰って来た時の為に特訓』とか、色々送られてきている。

 …昨日送られてきた、『ご主人様が居ない間にクーデターを起こそうとした淫乱の末路』ってのはインパクトがあったなぁ…。何をやろうとしたんだろうか、ミナミの奴…。縛られて目隠しとか猿轡とかされた挙句、意外とサディスティックな表情も似合うフミカに犯され、更に周囲にも同じようにディルドーを装備した女達に囲まれているという、レズ輪姦直前の写真が送られてきた。

 例によって、大きくなったナニの写真を送っておきました。

 

 しかし、極東は案外平和な日々が続いているようだな。他所の基準で行くと、阿鼻叫喚もいいところだろうが。

 そろそろラケルてんてーが、何か仕掛けてくるだろうと思ってたんだが…。レア達も警戒しているようだが、実際何もないのだからアクションの取り様がない。

 勿論、影に潜んでの企みにも気をつけているが…そうそう気付けるような企みなら、陰謀とは言わんしな。

 

 

 …正直な話、何か起きるタイミングとして、有力な物はあるんだよなー…。

 ほら、ジュリウスの彼女…いやまだ彼女じゃないか。とにかく、急接近しているらしいアイドル候補の女の子。

 彼女とジュリウスの間に何かあったら…進展に限らず、仲違いとか、思わせぶりなアレコレとか、ラブコメチックなアレとか、ラッキースケベ的なナニがあったら、それが合図になりそうな気がする。

 

 …でも、そんな素振りもないんだよなぁ…。ロミオから聞いた話じゃ、さりげなくアレコレ世話を焼いたり、席を一緒にするよう仕組んだりしているのに、中々進展しない。

 ジュリウスはあれで以外とDT…もとい奥手だし、お相手の子も友人的な意識が強いのか、ある程度以上踏み込まないらしい。

 いっそ媚薬でも飲ませて閉じ込めてしまえ。

 

 

 

 冗談はともかくとして、今日はライブがある日だ。現地までの案内は、フランが務めてくれる。

 意外と言うべきか、フランはカエデさんと妙に気があっているようだ。性格は真逆にしか見えないのにな。キリッとしていて、有能でテキパキ、クールなフラン。一見するとミステリアスだけど、中身は25歳児、駄洒落を言っては実年齢など知らぬとばかりに人に甘え倒すカエデさん。

 …あ、共通点あったわ。あの二人、私生活はダメダメだ。フランは自室が超散らかってるしな。

 そして、二人ともアル中かと思う程の酒好きだった。実際、昨日も二人で飲んでたっぽい。酒飲み同志、目と目で通じて同類だと分かったのかもしれない。

 その癖、今日は酒の匂いも残ってないんだから、どうやってるんだか。香水で誤魔化せる酒量じゃないと思うんだがな。

 

 

 

 それはともかくとして、ここでもアメリカ同様、独特のアラガミが居るようだ。…何と言うか……前衛的な。

 戦闘能力としては、ぶっちゃけ弱い。ヘタリアアラガミと言いたくなるくらいに弱い。

 

 いや、『こいつら進化したら脅威だな』ってアラガミは何種類か居るんだよ。極東やMH世界に例えて言うなら、下位なら雑魚だけど上位になったら化ける、G級に至っては廃人でも嫌な顔をするって感じの。

 だが弱い。進化どころか、生き残る気があるのかと言いたくなるくらい弱い。

 …逃げ足は速いんだけどな。ある意味では、極東のアラガミよりも生き延びようとしているのかもしれない。

 

 ついでに言うと、イタリアのゴッドイーターの間では、『アラガミに酒を与えてはいけない。バースト化するから』という話が、まことしやかに囁かれているそうだ。…いやマジかは知らんよ。

 ただ、イタリアの軍人は酒と女の為に超パワーアップすると聞いた事があるが…まさかなぁ?

 

 他の特徴と言えば…さっきも言った、前衛的な部分? なんかね、アラガミ達が一々カラフルでお洒落なのよ。オサレなのかもしれんが、そこは人間との感性の違いという事にしておこう。

 どこの孔雀かと思うくらいにカラフルだったり、シンメトリーになっていたり、教会っぽい妙に荘厳な(でも弱い)飾り付けだったり。

 

 …ひょっとして、これはアレか? イタリアの建築様式を真似て進化したのか?

 そう言えば、例として写真を見せられたガルムは、ガントレットが何となくコロセウムっぽい形になっていた。アマテラスっぽいアラガミは、どっちかと言うとソル…太陽の名を持つアラガミだったし、ザイゴートはより天使っぽい飾りつけだった。

 ハンニバルに至っては、それこそ悪堕ちしたのかと思うくらいに姿形が変わってた。元々悪役っぽい恰好だったが、そこに厨二チックな魔改造が施され、悪魔をイメージしている事が丸わかりだ。

 イタリアでは、ハンニバル将軍は今なお悪魔として語られている、と聞いた事はあったが…あからさまだなぁ。

 

 

 ま、それでもやっぱり弱いんですけどね。強いだ弱いだ以前に、脆いんだよ…。軽く(極東基準)ド突くだけであっさり部位崩壊するしさぁ…。アメリカのアラガミの方が、まだ手応えあったぞ。

 こんなぬるま湯で過ごし続けてたら、フロンティアに行けなくなるくらい訛ってしまうんじゃないかと心配している。

 

 

 ん? アラガミともう戦って来たのか? うん、昨晩の夜にこっそり抜け出して、近場の奴を狩場に乱入してきた。ゴッドイーターの規律的に考えると大問題だが、そこはバレなければ問題ないという事で。

 アイドル達のライブを守る為、決死の覚悟でハンニバルに挑もうとするゴッドイーター達を死なせるのは、ちょっと忍びなかったしな…。

 

 その決死の覚悟を一蹴して、強敵(ヘタリア基準)のハンニバルをフルボッコにして見せた時の彼らの顔は複雑だった。名乗りもせずに、さっさと撤退してきたから、後から妙な事言われる事はないと思うが…。

 ちなみに、フランにはバレバレだったようだ。『この近辺でそこまで強いゴッドイーターは居ませんから』だそうな。仮にも自国のゴッドイーターだろ…。

 まぁ、確かにディバイダ―のお二人さんの手には余りそうな程度の力はあったようだが。

 

 

 

 

 そうそう、そのディバイダ―さんだけど…ああ、執事のハミルトンさんの方な。紅茶がめっちゃ美味かった。あのカエデさんが、一時的にでも酒より紅茶を所望するんだから半端ないわ。当然、それはそれとして酒も飲んでたが。

 で、お茶会の時に色々聞いてみたんだけど、ちゃんとした…主? 雇い主? ともかく、そういうのは居るらしい。その人はゴッドイーターではないが、それを援護、擁護する立場に居るらしい。よく分からんが、経済的支援ってヤツか。

 ディバイダ―の開発にも資金を出しており、若くして色々と大変な立場に居るのだそうな。家の立場やら何やらはよく分からんが、味方も多いが敵も多く、ハミルトンさんはそれを憂いているらしい。

 お約束と言えばお約束か。急成長した若手が結果を出して、妬まれたり疎まれたりするのは世の常だ。

 

 …で、その急成長した美人お嬢様(←ココ重要ね)の元を離れて、ハミルトンさんは何でディバイダ―なんぞやってるの?

 

 

 …これまた複雑な事情があるとか。複雑と言うか、『ちみつなせってい』のような気がしなくもない。

 とりあえず、執事である筈のハミルトンさんがゴッドイーターになる事で、主の家が果たすべき幾つかの義務を免除されているのだとか。…何がどうなってそうなったのかは、全く分からなかったが。

 

 もう一人のディバイダ―のセラさんも、そこら辺の事情はよく知っているらしいが…本人が語りたがらない。

 あまりフレンドリーとは言えない性格に加え、彼女は彼女で実家と何やら揉めて、飛び出してきたっぽい。『私の行動に、家は関係ない』って拘ってたからな。

 

 まぁ、そこら辺は好きにすればいい。誰だって、最良とは言わないまでも、ちょっとでもマシな道を選んで進んでる結果がこうなってるだけだ。結果がどうなるかは、未来だけが知っている。

 

 

 

 …のはいいんだが、ハミルトンさん、何か企んでる気がするなぁ。彼が言う『お嬢様』の味方を、手駒を、或いは友人を増やしたいだけなんだと思うが…。

 なんか、そうやって主の為に、主の意思すら超えて暗躍するのって、スッゲェ執事っぽい気がする。…何か基準がおかしい気もするが、それこそ考えても仕方ない。

 

 ちなみに、今日のライブにその主さんが来るのかと思ってたが、残念ながらそれはないらしい。今はイギリスの方で活動中なのだそうだ。…近いのか遠いのか…。世界地図は、距離間が把握しにくいなぁ。

 

 

 考えてみれば、こうやって世界を飛び回るのは、俺もほぼ初めてかな。近い経験を言うなら、MH世界で飛行船を使い、4つの拠点を飛び回ってたくらいか。

 あれも広範囲と言えば広範囲なんだが、MH世界の人類の生存圏は、意外と狭いからなぁ。世界を飛び回る、って認識はあんまり無かった。

 

 

 

 

 

 …なんか色々話が逸れた。ライブの事に話を戻そう。

 アメリカでの成功を聞いたためか、或いは単に可愛い女の子がやってくるからか、前評判は非常に良い。ちょっと街を歩いたり、そこらの人込みで耳を欹てただけでも、興奮した様子で語る若者達が多く見つかる。

 逆に、情報が入ってこないのは、黒蛛病についてだ。

 

 アメリカ同様、極東とかなり力の入った交渉をして、優先的にライブを行う事を取り付けた、と聞いている。つまり、それだけ重要で、深刻な被害が出ている筈なのだ。

 そうでなければ、多大な金額物資融通その他諸々を行ってでも、取引を勧める訳がない。

 

 うーむ…? 人の黒蛛病じゃない。アメリカのように土地でもない。感応種のようなアラガミでもないようだ。少なくとも、先日の戦闘と探索では、それらしい気配はなかった。

 となると…?

 

 …これは下手に想像せず、フランに確認した方が良さそうだな。もしも誤魔化されたら、それを元に想像すればいいだけだ。

 

 

 

 と言う訳で、早速確認してきた。

 

 

「ああ、その件ですか。別に隠すような事でもないので正直に答えますが、問題なのは水なのです」

 

 

 水…? 飲み水? 湧き水?

 

 

「どちらもですね。世界各国の例に漏れずアラガミに食い荒らされて、イタリアも人が住める土地は非常に少なくなっています。残されている数少ない生息領域の一つが、ここ、ヴェネツィアなのですが…見ての通り、水が非常に多い都です」

 

 

 まぁ、そうだな。これだけ水で満ちている街は、このご時世じゃ珍しいんじゃないかな。

 …かつての、ゴンドラが行きかっていた頃に比べれば、大分減ってるようだけど。水の都と言うより、川の交差点の上の集落って印象になってるからな…。

 

 

「私にとっては、物心ついた頃からこうなので、違和感は感じませんが…何れにせよ、この街の人にとって、今でも街を流れる運河は生命線でもあり、寄る辺でもあります。ですが…その寄る辺は汚されつつあります」

 

 

 …運河が穢れる…? 毒……いや、それこそ黒蛛病で、か。アメリカの時は土地、ヴェネツィアでは水?

 

 

「そういう事です。これだけの規模の水量ですから、非常に濃度は薄いです。ですが、極東のことわざにある塵も積もれば山となる、のように、常日頃からこの水に触れ続けていれば、遠からず感染するでしょう」

 

 

 …これは…アメリカの時以上に厄介かもしれんな。

 アメリカでは相手が土地で、或いは植物だったから、動く事もなかったし、溜まった黒蛛病のエネルギーもその場にあったままだった。

 でも水、しかも運河じゃな…。水は何処から沸いてるんだ?

 

 

「主に山ですが、何処の水源が汚染されているのかも不明です。………実は、イタリアで問題になりつつある黒蛛病は、もう一つあります。……その……法整備が間に合わなかった為と言いますか、貧しさの為と言いますか…」

 

 

 ?

 

 

「……男性も女性も、情熱的でスキンシップの強い人が多くて……つまりは、ついつい触れてしまう訳です」

 

 

 …黒蛛病に感染してたとしても?

 

 

「していたとしてもです。自覚症状のない間に触れてしまう事もあれば、自覚があっても食糧確保の為に、それを隠して体を売る者も居ます。そうやって感染した『買った方』も、自覚の在る無しは不明ですが、また別の相手を買い…」

 

 

 ……なんつーか…その、HIVじゃあるまいし…。

 

 

「もっと性質が悪いです。粘膜接触や、傷との接触ではなく、触れるだけで感染しますから。幸い、今のところ黒蛛病が発病した人も、感染した人もごく少数で、隔離・隠蔽されています」

 

 

 そこは同じか。しかし隠蔽までするとは…。

 

 

「一見すると、単なるタトゥーと見分けがつきませんので。蜘蛛のタトゥーはあまり見た事はありませんが」

 

 

 ふぅん…。外国じゃタトゥーは珍しくないからなぁ…。

 しかしどうしたものかな。直接感染者は、数が少ないなら俺が直接治療する事もできるが、水…水源は厄介すぎる。

 やり方が分からないし、アメリカでの例を考えると、浄化された黒蛛病エネルギーが水質に何かの影響を与えるかもしれない。

 下手をすると、ヴェネツィアの水に毒が混入なんて…いや、幾ら何でも薄すぎるか。

 

 

 

 …薄い?

 

 

 なぁフラン、現状でもヴェネツィアの水は汚染されていて、でも滅多に感染者は出ないんだよな?

 

 

「ええ。余程長い間、水に触れ続けた者しか発病しません。その為に、危機意識が薄いのは否定できませんね」

 

 

 と言う事は、今後はともかくとして、今は無理に浄化を考えなくてもいい訳だ。現在の感染者を完治させ、予防する方法を伝えればいい。

 それを怠って発病したら…悪いが、そこは自業自得か、運が悪かったって事で。

 

 

「予防…どうやって?」

 

 

 それは今から考える。

 

 

 

 

 

 

 さて、そうこうしている間にライブである。

 今回のステージは、町の中心部、象徴的な噴水広場で行われる。…確かに一見すると綺麗で雅な場所なんだが、水に触れやすいって事は、それだけ黒蛛病感染の危険も高いんだよなぁ。

 それを浄化する為のライブだから理にかなっていると言えなくもないが、なんかこう、モニョる。いや地雷処理だって、処理の為に万全に対策しても、結局は地雷原を歩いていくんだけど。

 

 ともあれ、水の都がお湯の都になりそうなくらいには、ステージは熱狂の渦に包まれている。まだ始まる前なのに。

 この熱気に上手く血の力を乗せられれば、それだけで相当な範囲の水が浄化できそうだ。結局は、何処からか流れ込んでくる黒蛛病エネルギーを断ち切らねばならないので、一時的な処理にしかならないが。

 

 

 

 …で、ミカ。何だか落ち着きがないけど、どうかしたのか?

 

 

「べっつにー。単にライブの前で、体が疼いてるだけだよ」

 

 

 

 体が疼く(意味深)

 

 

「意味深…どういう意味?」

 

 

 …穢れ泣き疑問の視線が痛い。

 でも仕方ないじゃないのよ。本人に自覚はなさそうだけど、これ発情してるって。ライブ=エクスタシーの公式が、体に刻まれかけてるわ。

 実際、アメリカでの2回のライブで、濡れてたり雌フェロモンムンムンだったりで、俺も理性が飛びかけたし。

 

 

「よく分からないけど…後はほら、ちょっとドゥーチェ…アンチョビの様子が気になるかなって」

 

 

 ああ…。ちょっと、身内の事で悩んでるんだよ。気にかけてくれるのはありがたいが、ちょっとそっとしといてやってくれ。

 アンチョビがおかしいと調子が出ないのは分かるけど、難しい問題なんでな。

 

 

「だったら猶更、力になった方がいいと思うけど…うん、今は時間もないし、アンチョビが失敗した時のフォローは考えておくよ」

 

 

 頼む。…頼んでおいてなんだけど、ミカも心配なんだけどな。前2回のライブで、両方とも体力使い果たしてぶっ倒れたし…。

 

 

「うっ…そ、そこはタカネさんやカエデさんにも言われてるから、気をつける」

 

 

 

 

 

 

 話は変わって、ステージの方。今回は、俺も最初から最後まで見て居られそうだ。近場にはアラガミも居ないし、調査が必要な水は噴水を通じて集まってくる。警備の必要も無さそうだ。

 

 関係者席に座り、イタリア人の皆さまの熱気に乗って騒ぐ騒ぐ。

 …と言うか、このノリ、何か覚えがあるなーと思ったら、チームアンツィオによく似てるわ。と言うか、よくよく考えてみればアンツィオってイタリアの都市名だった。

 それを知らずに命名していたそうだが、一体どういう意図で名乗っていたんだろうか。

 

 とにかく、チームアンツィオも周囲のノリに乗せられたのか、いつも以上に元気がいい。何処で覚えてきたのか、周囲を巻き込んでウェーブやったりサイリウム使ってオタ芸やったり。大丈夫かなぁ…何かやらかさないといいんだけど。

 

 俺も同じようにライブを楽しみながらも、観察だけは続けていた。

 飾り付けられた噴水を通して、薄っすらと黒蛛病エネルギーが振り撒かれている。俺の視覚には、煌びやかなステージに、不気味な色のモヤが薄くかかっているように見える。

 それが気になって、今一つライブに集中しきれない…いや観察の為に集中しちゃいけないんだけど。

 

 尤も、そのモヤもずっと漂っている訳じゃない。歌声が響く度に、観客の歓声が響く度に、浄化されて風に吹かれて飛んでいく。

 しかし…周辺から感じる血の力の総量は、全く変わらない。

 …思った以上に厄介だ。オールステータス1か0の雑魚敵が、地平線まで蠢きひしめき合っているようなものだ。一撃で倒せるし、ダメージもほぼ受けないが、終わりが見えない。

 

 今回のライブも大盛況のうちに終わりそうだが、黒蛛病対策としては今一つ…という結果になりそうでならない。

 とりあえず、隔離されている黒蛛病患者達を完治させるだけでも意味はあると思うが。

 

 

 これ以上観察していても成果は得られそうにないので、ライブに集中する事にした。

 

 

 

 

 

 

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