※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

389 / 611
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!

天魔な鎮守府が! 天魔な鎮守府がぁぁぁぁ!!!!!

……つ、作り直しか…ギリギリセーフ…。
事情が事情だから仕方ないですよね…。

うぅ、心臓止まるかと思いました…。
毎回思いますが、やっぱりこういうのは保存しておきたい…。
でもNNDDじゃダウンロードできなくなってるんだよなぁ…。
と言うか、規約的にはツールを用いてのニコ動アクセスは禁止の筈だし。

ううむ、しかしやはりコメントごとローカルに保存しておきたいし、できれば順に再生するツールもほしい…。


第389話

凶星月 十一日

 

 

 予想以上に…いや、予想外にと言うべきだろうか? 俺達が『使える』という評価を受けているらしい。

 まだ2回程度しか異界の探索に向かってないが、それでもミフチ、ヒノマガトリ、ツチカヅキと立て続けに撃破し、大した傷も負っていない。

 本来4人編成の筈の部隊なのに、3人での探索でその戦果。元々実力はあったと言われている明日奈・神夜はともかく、俺の場合は侮られている所もあったんだろうけどな。外様のモノノフがどの程度のものやら、って。まーそれは別に構わん。見返してやるのは、そう難しくない。

 もう暫く慣らし運転と言うか、どれくらい使えるか様子を見る筈だったが、その辺をすっ飛ばしてもうちょっと前線に出してみてもいいんじゃないか、という意見が出ているらしい。

 

 こちらとしても異存はない。神夜は言わずもがな戦狂いだし、明日奈もそれ程ではないにしても、先日の夜に教えた戦い方を試したがっている。

 具体的には、この里には無いミタマスタイルとか、MH世界の技とかね。流石に一晩で完全に習得するのは無理だったが。

 

 ちなみに、二人に教えたこれらの技術だが…里の他の連中に教えるのはどうかと聞いたら、難色を示された。

 理由は大きく分けて二つ。

 まず、そう簡単に覚えられるような代物ではない事。『使う』だけならまだしも、『使いこなす』のは非常に難しい。かつて、3つの世界の戦い方をミックスしようとして物凄く混乱した覚えがある俺としても、この意見は否定できない。

 モノノフ達の戦い方は、体系づけられ、頭から足先まで一貫した理屈が通った代物だ。それは最強でも無敵でもないが、矛盾が少なくハイレベルで纏められた物なのは間違いない。下手に異物を入れても、混乱を来すだけである。

 

 

 二つ目の理由は………これは今一つ実感しにくい事なのだが、『鬼纏があれば、それ以外の技など不用!』みたいな風潮があるからだ。

 …正直、え、何その理屈…って思ったのだが…若いモノノフを中心に、そのような雰囲気が漂っているらしい。無論と言うべきか、やはりと言うべきか…その中心となっているのは、鬼纏の開発者であり、里の若手モノノフの中心でもある泥高丸。

 何も文字通り、他の技なんか一切必要ない…と言う訳ではなく、小手先の余技を覚えるくらいなら、鬼纏の練度を上げろ、という話らしい。

 

 実際、鬼纏を見てみたが、そう言っても許されるくらいには劇的な効果を持った戦術なのは否定しない。動く速度が2倍になると考えれば単純に考えても、隙は半分になり、火力は2倍になる。戦闘力が4倍になる、くらいの考えでもいいんじゃないだろうか。

 その鬼纏中心の気風を前にして、大した実績もない俺が「こんな強い技あるぜー、教えてやるから皆覚えようぜー」みたいな事を言っても、鼻で笑われるのがオチ…だそうだ。

 

 むぅ、確かに無理強いして覚えさせるような物じゃないな。曲がりなりにもハンターの技だ。一朝一夕で覚えられるものじゃない。

 仮に大きな戦力になるとしても、貴重な時間を削って覚えさせられるかと言うとな…。ここのモノノフ達は基本的に兼業なのだ。その兼ねた仕事が、里の生産力に直結していると言ってもいい。戦力は増したが、食料生産量が減って飢えてしまった、じゃ話にならん。

 もし教える事が出来るとしたら、もっと懐に余裕ができて、そして俺の戦績が認められてからになるだろう。

 

 

 尤も、これは里全体で言ったら、の話だ。神夜と明日奈は特にそういった風潮も関係なく、貪欲に俺が教えた技術を吸収していった。…強くなりたいとか戦いたいとかではなく、物珍しさが動機の半分を占めていたようだが、それは別にいい。

 実際、教えた技や戦い方も、まだまだ『試す』ばかりで本来の戦い方に混ぜる様子はない。新しいオモチャを得た子供のようだ…学校にもっていかないだけ自重してるね。

 

 

 

 さて、周囲の評価はともかくとして、俺自身の意思だが…率直に言えば、もっと異界の深い場所に調査に行きたい。深い…と言うか、濃い場所、と言った方がいいだろうか?

 異界の深い場所へは、他のモノノフ達が先に踏み込んでいるが、何も見つかっていない。専ら、沸いて来る鬼達を倒すだけだ。

 彼らが見落としている物を見つけられる可能性もあるが、あまり可能性は高くはないと見ている。

 

 何かあるとしたら…そして探すとしたら、今まで誰も踏み込めてない領域だろう。即ち、異界の瘴気が異様に濃い領域。瘴気の発生源も、そこにあると睨んでいる。

 …尤も、これくらいの事はこの里のモノノフ達だって考えている。濃すぎる瘴気の為に実行できず、行ける場所を虱潰しに探すしかないのだ。

 

 

 と言う訳で、異界の危険そうな領域に突撃しようと思うんだが、どうだろう。

 

 

 

「「いやいや流石にそれはちょっと」」

 

 

 揃って首と手を横に振る明日奈と神夜。 

 なんだよー、ノリが悪いなぁ。特に神夜、瘴気が濃いトコだと強い鬼と戦えるぞ?

 

 

「それは心惹かれますが、戦う前に動けなくなってお陀仏してしまうのが目に見えてますので…」

 

「そうですって。いくら神夜でも、鬼と戦う為に自殺はしませんって。命は賭けますけど」

 

「だってそれはモノノフですので」

 

 

 せやな。モノノフもハンターもゴッドイーターも命懸け前提やからな。

 じゃなくて、まぁ聞きなさいって。

 まず、ここに耳飾りがあります。この辺では手に入らない素材で作った、特注品です。これを付けてください。

 

 

「…贈り物ですか? 嬉しいですけど、そんな手で懐柔されたり…」

 

「明日奈さん、頬が緩んでますよ。と言うか二人同時に渡すんですから、そういう色気のある話じゃないですよ。…付けましたが、これでどうなるんです?」

 

 

 異界の瘴気を無効化できます。つっても、濃い所の奴は完全には無理だけど。

 それでも歩き回れって帰るだけの時間は作れるから、これで戦いも探索も問題ない。

 尚、材料も無ければ作り方も知らないので、あるのはこの二つの現物だけだ。分解なんぞした日には全てパー。

 その名も素敵、抗毒珠SP・改。…あっちに居た時にコツコツ作ってた…と言いところだが、暴れ回ってたらいつの間にやら素材が集まっていた。瘴気対策はどうやったって必要になるのが分かってたから、特に何も考えず作ってたんだよね。

 

 ………って、何よその目?

 

 

「何って言われましても……あまり嘘の類を吐かれる方とは思っていませんが、流石に胡散臭いこと極まりないです」

 

 

 …そうか、それもそうだな。耳飾り…ピアス一つで毒を無効化するなんて、普通はそうそう信じられんよなぁ。

 それを言ったらタマフリで傷が癒えたり、宿したミタマの力で気絶しなくなったりするのも似たようなものだが、これはモノノフにとっては当然の力だ。

 ついでに言えば、ミタマの力ではステータス異常的な意味での『毒』は解除できるけど、タイムリミット的な意味での『瘴気』はどうやったって無効化できないからなぁ。信じられないのも無理はない。

 

 んー、だったらとりあえず、今日の探索はそれを付けて行って、効果を見てみるってのはどうだ? 耳飾りだけなら、そう邪魔にはならないだろ。…アクセサリつけたまま格闘するとか、現実で考えると正気の沙汰じゃないけどな!

 

 

「まぁ、そういう事なら…。本当に効果があるなら、とんでもない事になりますけど…」

 

「? すぐにもっと強い鬼と戦えると言う事ですよね?」

 

 

 あらバトルジャンキー(今更感)。 

 まー効力は今日の探索で実感してもらうとして、今日の探索に希望はあるかな? 神夜は戦えるならどこでもいいだろうけど。

 

 斬冠刀は今宵も血に飢えています! なんて笑顔で返事をする神夜。血に飢えているのは君だ。

 

 

「んー……でしたら、一つ希望が。先日みたいに、色々な資源を確保できる場所がいいです。何だかんだ言っても里って追い詰められてますし、今まで使い道のなかったものが使える物だって分かれば…」

 

 

 成程。備蓄を作るのは重要だな。となると、どうするか…。

 まず一番重要なのは食料。二番目に武器防具の為の鉱石貴金属類。三番目に薬品…?

 

 

「いえ、鍛冶に使う鉱石や貴金属は、いくら練さんでもすぐには扱えないと思います。腕の良い方ですが、それだけに慎重極まりないです」

 

 

 確かに。なら二番目に薬の材料、三番目に武具の材料で行きますか。

 明日奈、いい場所あるか?

 

 

「ちょっと待って、受付所にあった依頼は…………あ、これなんか良さそう」

 

 

 ほほう。…? 何だコレ、砂? が報酬?

 へぇ……これがここで武器を強化する為の素材なのか。他にも鬼の部位もあるようだけど…何と言うか、使う所が限定されてるな。

 角とか爪とか牙とか尻尾ばかり。いや鬼を素材にするのって大体がソコなんだけど、同じ爪でも色々あるからな、特にMH世界のは。

 

 

「外の里ではそうなのかもしれませんが、この里にはその技術が伝わってないんですよ。今ある技術だって、書物なんかから必死で再現したものなんです。先代の本職の方が、オオマガトキで亡くなってしまって…。それ以来、あまり備蓄がある訳でもないので迂闊に実験もできないんです」

 

 

 そりゃそうか。鍛冶屋が使う炭や石炭の量は尋常じゃないからな。下手に使えば里が干上がる、か…。

 本気で追い詰められてるなぁ、この里…。……今は俺も他人事じゃないか。

 

 ま、何とかしてやりますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして本日の探索の結果。

 

 

 

 なに、この物騒な里。いや異界化した影響かもしれないが、武器に転用できる物が山ほどあった。それはもう、石ころからその辺の草木まで。

 衝撃を与えると破裂するキノコ、異様に硬くて鋭い形の虫、火をつけたら燃料にするには厳しいくらいの爆発を起こす石、着弾したら発光する草、触れると瘴気をバラまく野草…。

 

 ……んん~~~? なんかこう、スッゴイ覚えがある資源達なんですけど? 初見でも使い方の見当がつくくらいには。

 「多分コレ使えるな」と言って、試しに幾つか使ったり混ぜ合わせたりしてみたんだが、7割くらいは思った通りに上手く行った。明日奈の尊敬の視線が心地よい。神夜がどうやって戦いに転用しようか考えている目がちと怖い。

 

 二人からの視線はともかくとして、これ、なんかMH世界の虫や植物に似てるんですが? 流石にそのままじゃなくて、いくつも相違点があるけども。

 例えば、上記で書いた異様に硬くて鋭い形の虫。形状からして、思いっきり投げつければそれこそボウガンの貫通弾みたいな効果が出そうだった。

 普通に投げたら、そのまま飛んで逃げた。仕留めてから投げつけたら、やっぱり貫通弾。

 

 着弾したら発光する草は、MH世界の光玉と同じような手順を踏めば、何故か光玉ではなく音響玉みたいになった。

 衝撃を与えると破裂するキノコは、そのまま火薬みたいに扱えた。

 

 

 ……微妙にズラしてる、ズレてはいるが……確かにMH世界と同じ進化の系譜を感じる。

 どういう事だ? 今まで異界の中を何度も歩き回って来たが、これ程あからさまに別世界に似た事は無かった。

 

 いや、そうでもないか。異界の中だと考えなければ、山ほど例はあった。MH世界に現れる怨霊のようなモンスター、霊力の残滓。GE世界で現れた、MH世界と討鬼伝世界を模したようなアラガミ達。

 討鬼伝世界でも、その影響が出たと思えばおかしくはない。原因はサッパリ分からないから、おかしいと言えばやっぱりおかしいが。

 

 とりあえず、明日奈には「前いた所では似たような物を沢山見たから」で誤魔化しておいた。嘘は言ってない。

 

 

 まぁ、実入りが大きいのはいい事だ。

 神夜は結構強い鬼と戦えてご満悦。

 明日奈は戦いもそうだが、沢山の備蓄が手に入った事で満足。

 俺としては、二人が対毒装備の効果を認めてくれた事で一歩前進。

 

 まーとりあえず好調と言っていいだろう。

 手に入れた資源の殆どは寒雷の旦那がやってる万事屋に持ち込み。ただ、それだけ渡されても「使えもしない物を山ほど持ち込んで、何をしろってんだ」と言われるんで、使い道を実演しておいた。

 マニュアルも書き出すだけ書き出しておいたが、すぐに受け入れられる事はないだろう。俺が虚偽を流していると疑われる…かはともかく、迂闊に試して毒があった、なんて事になりかねない。瘴気をばら蒔く野草を使った調合だってあったしね。

 だがこれを広める事、研究する事には非常に前向きだ。ここら辺は期待している。

 

 

 それに対して、俺が絶対に他言しないようにと頼んだのは、対毒装備こと抗毒珠SP・改だ。

 こればっかりは、取り上げられたら溜まらない。別に俺達以外のモノノフが異界の濃い領域を探索したって構わないのだが、何処かで死なれてしまってはそのまま装備が行方不明になってしまう。

 そんなの明日奈と神夜も同じだが、基本的に俺と一緒に動くから、こっちはまだいい。

 要は俺の都合だ。

 

 ま、もしも異界を晴らす手段や、異界が濃くなる現象を見つけたら、それと一緒に報告せざるを得ないだろうけどな。

 どうやってそんなトコに踏み込んでいったんだと言われたら、薄情せざるを得ない。

 ………強引に取り上げられそうになったら、力で反抗する事も視野に入れておくべきか? 里で孤立するってレベルじゃないムラハチ状態になりそうだが。

 

 

 

 




討鬼伝世界登場人物表

討鬼伝モノノフからの登場人物
・牡丹……里長をやっているミタマの女の子。元は神垣の巫女らしい。
    ミタマなので、見える人と見えない人がいる。
    好きな物はおはぎ。

・寒雷…元モノノフ、現在は万事屋の店主。体格のいい、豪快なオッサン。
    好きな物は焼き鮭。

・雪華…シノノメの里に所属する神垣の巫女。
    一見するとクールな雰囲気だが、心優しく割とフレンドリー。
    好きな物は甘味。特に風華の甘味は種類を問わず大好物。

・練…勝気で姉御肌、褐色美女の鍛冶師。
   結構なナイスバディだが、「またサラシがきつくなった」という言葉からしてまだまだ成長しているらしい。
    好きな物は米。朝の三杯は元気とおっぱいの源。

・風華…祭祀堂の巫女。
   修行途中に祭祀堂の主となってしまった為、修行不足。
   どちらと言うと、マスコット兼甘味作成係と思われているようだ。
   天狐と友達。
   好きな物はお手製甘味を食べて蕩けている風華の顔。
   世が世なら「5杯はいける」と評したであろう彼女は、非常に小食である。


他作品からの登場人物
・明日奈…ソードアートオンラインより。
     武器は細剣(レイピア)。
     戦いばかりの生活に嫌気がさし、潤いがほしいと思っている。
     好きな物は蕎麦と肉。初めて肉付け蕎麦を食べた時は、真理を垣間見た。

・神夜…無限のフロンティアより。
    武器は斬冠刀(特注の太刀、と言うより大剣)。
    戦狂いの気質がある。
    好きな物は牛乳…かと思いきや、真顔で『返り血』と答えた事がある。


オリキャラ(と言うよりネタバレ防止の為、バレバレだとしても引用元を黙秘するキャラ)
・白浜屋の店主…落ちこぼれのモノノフ。
        好きな物は卵焼き。孵らない卵ってゆーな。

・泥高丸…でいこうがん。
     里で一番腕が立つと評判のモノノフ。
     明日奈とソリが合わないようだ。
     新戦術『鬼纏』を開発した人物らしい。
     好きな物は味噌汁。だけど一番好きな味噌汁は、もう口にできない。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。