※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

394 / 611
明日の朝から帰省予定ですが、ネットは普通に使える…筈。
問題山盛りのスタッフのおかげで徹夜後に帰省になるかと思いましたが、退職してしまいました。
結局、自分じゃ何も仕事してないも同然なのに、人件費6万円くらい持っていきやがったなぁ…。


それはそれとして、ボヘミアンラプソディ、見てきました。
やっぱフレディの背中はカッコイイなぁ。Tシャツ一枚のシンプルさ。
初めて見た時は「ホモっぽいおっさん」と思ったものですが。

曲は迫力の一言でした。映画館なのに、思わず拍手しそうになりました。
扱う題材が題材だから仕方ないけど、ホモネタっつかゲイの話はちょっとアレだったけど…。

なにより驚いたのは、ロックなんかには縁の無さそうな推定80歳以上のお婆ちゃん(しかも車椅子)が見てた事なんですけどね。

アサシンクリードオデッセイでも何気なく選んだ選択肢で、ホモォな一夜を過ごす羽目になったし、半裸の色狂いっぽいにーちゃんも居るし、何だかホモネタに縁がある今日のこの頃。



第394話

凶星月 十八日

 

 

 

 ダイッコンッラン、大混乱ですッ! 寒雷の旦那がふんどし!と叫びながら、大根片手に全裸で飛び出してくるくらいの大混乱。どうやら風呂の最中だったらしい。ふんどしは自分が着ける奴を忘れて叫んだのだとか。モロ出しじゃん。

 寒雷の旦那だけじゃなく、里全体が超絶錯乱状態になっていた。ただし女の子達はしっかり服を着て飛び出してきた。残念。

 

 まぁ、無理もないよな…。やった俺だって、未だに信じられないんだから。本当に異界を浄化できるなんて…。

 

 

 流石に全ての異界を浄化できた訳じゃないが、それでもかなり広範囲の異界が無くなった。

 シノノメの里の生存圏が広がったのだ。これを繰り返していけば、異界を切り開いて霊山までの道を作るなり、いつかは全ての異界を浄化しきる事もできるかもしれない。

 

 逆に気になる事が増えたのも確かだが……まぁ、それはいい。

 

 

 フンドシだけ身に付けた寒雷の旦那に引っ張られ、祭祀堂に連れてこられた。旦那は蹴っ飛ばされて服を着せられてたが、それはまぁいい。

 祭祀堂の奥にはミタマの気配…相変わらず非常に見えにくいのだが、里長の牡丹が居るのだろう。

 

 周囲には、一人、また一人とモノノフが集まってきている。どうやら、異界が消えた原因について話をすると言う事が広まったらしい。

 話すのはいいけど、素直に信用されるのかねぇ…。

 何せ、外様の俺と、持て余されていた明日奈と神夜だ。目撃者は……あぁ、天狐が居たっけ。

 確か風華がこの子と話せるんだったな。証言してくれっかなぁ…。

 

 

 ともあれ、ざわめきは消えないものの何とか皆が落ち着き、雪華と寒雷の旦那が厳しい目で見守る中、俺達は語り始めた。

 俺の私物である、毒を無効化する道具について言及した時点で、かなりのざわめきが起きた。信じられない、って感じのね。寒雷の旦那が事実だと保証してくれたが、それでも半信半疑なようだ。明日奈も神夜も最初はそうだったんだから、無理もない。

 没収するべきでは、なんて声も聞こえたが、今は放置しておこう。

 と言うか、寒雷の旦那、本当に秘密にしててくれたんだなぁ。里長の牡丹の姿は見えないが、驚愕してくる気配は伝わってくる。

 

 

 

 話は進んで、異界の中の事を順に話す。周囲の人達にも聞こえるように。

 鬼の見張りを避けて進み、本来ならこの地を守っていたであろう結界石っぽい石像を見つけた事。

 何故かそれが本来の形とは、似ても似つかない形になっていた事。

 穢れの塊とすら言える、触れただけで汚染されそうな瘴気に満たされていた事。

 寒雷の旦那に資料を見せてもらったが、どうしてもそれが結界石としか思えなかった事。

 結界石を利用して、異界を広げている鬼が居るのではないかと探っていた事。

 しかしその鬼は見つからず、鬼に利用されて害となるくらいなら、止むを得ず結界石を破壊する決断を下した事。

 

 結界石を破壊するという言葉に、雪華が大きく目を見開いたが、最後まで聞いてくれ。結局、壊すどころか浄化できたんだから。

 

 

 

「ああ、そこまでは俺も把握してる。だが、昨日の話では成功する望みは薄いという話だったと思うが?」

 

 

 実際、当初考えていたやり方だと失敗した。

 そうだな、まずはこれを見てくれ。今日まで明日奈にも神夜にも見せてなかったが…俺の奥の手にして、結界石と異界浄化の鍵となった術。『鬼の手』だ。

 

 青白く、大きな腕を具現化して見せると、一際大きなざわめきが広がった。

 

 

「言いがかりをつけるつもりはないが、随分な名前だな」

 

 

 モノノフは近眼四ツ目の守り人、鬼を狩る鬼だぞ。鬼の目だって使ってる。手を使ったっておかしくはないさ。

 一応言っておくが、これは他所の里でもありふれてる物じゃない。異界の浄化をしようって知人が居て、そいつが作り上げた…試作品が近いのかな。俺も、本来とは違う装着の仕方をしてるし。

 そいつにしても、実際に異界を浄化できた訳じゃない。理屈の上では上手く行くと言ってたが、成功例は無かった。今回の事を話してやったら、喜び……はしないか。「私は天才だから当然だ」くらいは言いそうだな。

 

 

「その知人とやらには興味が尽きないが…結局、それでは成功しなかったと?」

 

 

 そうだな。異界ではなく、結界石(仮)を浄化するつもりで使ったんだが、それも上手くはできなかった。

 大部分の瘴気は浄化できたが、次から次に瘴気が湧き上がってきてな…。

 

 

「そうですね。ですから、『ああ、やはりこの石碑が異界を生み出す元になっているのだ』と確信しました。三人がかりでの鬼祓なども試してみたのですが、どうしても浄化しきれず…」

 

「これはもう、壊すしかないっていう所で……この子が出てきたんです」

 

 

 ひょい、と明日奈が差し出したのは、超界石のところでよく見かける黄色い天狐。キュイ?と首を傾げる動きは、速鳥を一撃で悩殺できそうだった。ちなみに、シノノメの里でもかなりの攻撃力を持っているようだった。何人か鼻血出してるのが居る。

 

 

「あっ、華天…」

 

 

 華天て。エビの天ぷらかよ…この世代に天ぷらなんてあったっけ? まぁいいか。

 ネーミングセンスはさておいて、本格的にぶっ壊そうとした時に、こいつが駆けつけてきた。えらく興奮して抗議してくるんで何かと思ったら、華天曰く『石の中に友達がいる』って言うんだ。

 

 

「ん? お前、天狐と会話できるのか? 風華が話せるのは知ってたが」

 

 

 こっちから話しかけるのはあまり得意じゃないが、大体の意味合いは分かるよ。

 そんなに驚く事か? 俺が知ってるだけでも、3人…いや虚海は元千歳だから2人か? 話せる奴がいるぞ。

 

 まあ、それは置いといて…誰か生き埋めにでもされてるのかと思ったら、そこにいるのはミタマらしかった。納得ではあるな。ミタマだったら無機物の中に居てもおかしくはない。

 俺、全然感じ取れなかったよ…モノノフなのに。

 

 

「同じくです。神夜やこの人と違って、探知能力には自信があったんですけど、全然…。でもあんまりにも騒ぐし、この子の言う事もひょっとしたら…と思って」

 

 

 サラッとディスられた気がするけど、実際見るのも聞くのも苦手だからしゃーない。

 で、もう一回瘴気を出来る所まで払ってみたんだが、そこまでやってようやく明日奈が石像の中のミタマを感知できた。

 

 更に調べてようやく分かったんだが…やはり、結界石を使って異界を広げる術がかけられていたのは間違いない。鬼の仕業だろうな。

 そしてどうやらそのミタマ、鬼に捕らえられて石像に押し込められ、異界を増やす術の燃料源として利用されていたらしいんだ。

 

 

「ミタマを? 鬼が? そんな事が出来るのか……いや、出来ない理由が無いのか。鬼に捕らえられているミタマは珍しくない。大抵が腹の中に居るんだが、それだって鬼の活動の燃料とされている訳だしな」

 

 

 そういう事。実際、かなりキツかったらしいぞ。敵に利用されているという屈辱に加えて、徐々に力を搾り取られて吸い殺されるような気分だったとさ。

 ついでに言うと、結界石に満ちる瘴気があまりに濃すぎて、それが檻の役割を果たしていたらしい。

 

 

「それが消えたから出てくる事が出来たって事か…。最初に浄化した時に、出てこれなかったのは?」

 

 

 あまりにもあっさり瘴気が消えたんで意表を突かれたのと、中にミタマが居るって考えてなかったからな。逃げ道が上手く出来上がってなかったらしい。

 予め声をかけて、ミタマを引っ張り出すような感じで…ってやれば一発だった。

 

 燃料源であるミタマが居なくなった為、結界石にかけられていた術は機能停止。

 何をどうやったのかよく分からんが、抜け出したミタマが術に細工をして、逆の効果を持たせたらしい。更に、そこに思いっきり力を注ぎ込んで、鬼の手の効果も利用した結果、爆発的な効果が産まれて結界石周辺の異界が一気に浄化された。

 

 

「逆の効果……成程、瘴気を放出する力を、吸収するか、集める形に変えたのか…。術の返し方としては珍しくない部類だが、それ程の効果を叩き出すとなると…。そのミタマの名は?」

 

「本願寺顕如、だそうです。本物…と考えるにはちょっと大物過ぎる気がしますが。何でも別の場所で鬼に捕らえられ、連れてこられて石像に押し込められたとか…。包囲するのは第六天魔王だけで充分だってぼやいていました。あと、ようがしがどうの、ぺどのぬがどうのと…あと、人名だと思いますけど『ようこ』って名前が聞き取れました。分かります?」

 

 

 ようがしは洋菓子だと思うけど、ペドって言われても…。ようこはもっと分からん。

 

 

「いや、ミタマが意味もなく名を偽るとは思えん。分霊の類であれば、本物かどうかを疑っても意味が無いしな。………ん? ………おう、そうだな。そのミタマは今どこに居る? と牡丹が言ってるぞ」

 

 

 石像に留まってる。俺達には既にミタマが……俺のはちょっとミタマと認めたくないけど……憑いてるから一緒には来れないし、また異界が迫ってこないように見張り、備えも必要だろう…だってさ。

 実際、異界浄化の効果を発揮させ続けるには、燃料源が必要らしいから、渡りに船と言えなくもないな。

 ただ、鬼に間近に迫られれば抵抗できる力は無いに等しい。その為の警護はやってくれ、という話だった。

 

 ついでに言うと、結界を張る力も引き受けてくれるんで、神垣の巫女の負担も少なくなるだろう…だってさ。

 チラリと雪華を見たが、まだ信じられないと言った驚愕の感情しか浮かんでいなかった。

 

 

「うむ…人に憑いてないミタマにとって、鬼は天敵だからな…。無理もない。承知した。モノノフのお役目として組み込もう。いずれにせよ、異界が浄化されたからと言って、全ての鬼が居なくなった訳ではない。巡回の強化は必要だ。ところで、結界石の形が変わっていた謎は解けたのか?」

 

「そこはさっぱりです。本願寺顕如が石像に閉じ込められた時は、記録に残っている土偶の形をしていたそうです。ですがそれ以来、ずっと閉じ込められて外の状況も掴めなかった為、何があったのか全く…」

 

「そうか…。色々と訳の分からん事だらけだが、何にせよこれは大きな一歩である事には変わりない。俺達シノノメの里だけではない、鬼の脅威に晒されている人間にとって、大きな一歩だ! 是が非でも、これを広めねばならん! 今後の動向については後日通達する。疑問もあろうが、今日くらいは大騒ぎしても構うまい! よし、蔵を開けての大判振る舞いだ! お前ら、今日は飲み明かせ!」

 

 

「「「「「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」

 

 

 

 考える事山ほどあろうが、まずやる事が宴会かよ。いやまぁ、妙に突っ込まれたり、絡まれたりするのを防ぐにはいい方法だと思うけど。

 閉塞して、磨り潰されそうになっていた里にようやく見えた希望の火。ここで士気を向上を図らない手はないか。

 

 まぁ、取り敢えず…今日はバカ騒ぎしますかね。

 

 

 




討鬼伝世界登場人物表

討鬼伝モノノフからの登場人物
・牡丹……里長をやっているミタマの女の子。元は神垣の巫女らしい。
    ミタマなので、見える人と見えない人がいる。
   最近の趣味…大声で歌う事。聞こえる人が少ないので、歌い放題。

・寒雷…元モノノフ、現在は万事屋の店主。体格のいい、豪快なオッサン。
   最近の趣味…囲碁や将棋。牡丹に一勝もできずに、ちょっと落ち込んでいる。

・雪華…シノノメの里に所属する神垣の巫女。
    一見するとクールな雰囲気だが、心優しく割とフレンドリー。
   最近の趣味…雪だるまを作る事。

・練…勝気で姉御肌、褐色美女の鍛冶師。
   結構なナイスバディだが、「またサラシがきつくなった」という言葉からしてまだまだ成長しているらしい。
   最近の趣味…茶道に興味がある。

・風華…祭祀堂の巫女。
   修行途中に祭祀堂の主となってしまった為、修行不足。
   どちらと言うと、マスコット兼甘味作成係と思われているようだ。
   天狐と友達。名前は華天。
   最近の趣味…甘味を食べている時の雪華の観察。


他作品からの登場人物
・明日奈…ソードアートオンラインより。
     武器は細剣(レイピア)。
     戦いばかりの生活に嫌気がさし、潤いがほしいと思っている。
     最近の趣味…彼氏が出来たら、と妄想する事。

・神夜…無限のフロンティアより。
    武器は斬冠刀(特注の太刀、と言うより大剣)。
    戦狂いの気質がある。
    最近の趣味…試作した寝具でお昼寝。

オリキャラ(と言うよりネタバレ防止の為、バレバレだとしても引用元を黙秘するキャラ)
・白浜屋の店主…落ちこぼれのモノノフ。
    最近の趣味…もし自分が最強だったら、と妄想して小説を書く事。虚しくなってすぐやめるけど、ついついまた書いてしまう。

・泥高丸…でいこうがん。
     里で一番腕が立つと評判のモノノフ。
     明日奈とソリが合わないようだ。
     新戦術『鬼纏』を開発した人物らしい。
     最近の趣味…鬼纏の改良。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。