凶星月厄日
デスワープして討鬼伝世界へ来た。
今は耐毒装備で身を固め、その辺の廃墟に隠れて日記を書いている。
どうやら適合試験に失敗したらしい。
しかし、思ってたより苦しくなかったな。
苦しさ自体は身悶えするよう物で、こっちの世界に転移した後も暫く悶えていたんだが。
アレならランポスに喉元食いちぎられた時とか、ドスファンゴに体当たり食らって体中ボロボロになった時とか、人間やめてハンターボディになる為の魂から改造されるような特訓の方がキツかったぞ。
…比較対象がおかしいのか?
ともあれ、デスワープしたという事は死んだという事で、あの状況から死ぬ理由なんて一つしかあるまい。
にしても、あの後あの世界はどうなるんだろうか?
主人公=極東支部初の新型ゴッドイーターである俺が失敗に終わって……あ、ひょっとしたら実は俺は主人公じゃないとか?
俺の失敗を元に研究して、そこから現れたのが真の主人公こと…えーと、神薙だったっけ?
まぁ、もう確認もできない事だ。
次回にGE世界に行く事があったら、新型の情報にだけは耳を済ませておくとしよう。
日記を書いている途中、気付けば独り言を喋っていたようだ。
声を聞きつけて、小型の鬼が何体か近付いてきていた。
支部長にも独り言を治したほうがいいって言われたし、気をつけるとしよう。
さて、今回は耐毒装備のおかげで時間制限はほぼ無し。
食料も私物入れに充分入っている。
ヴァイパーバイトもある…どこまで効果があるかは分からないが、流石にアラガミみたいに全く効果なしではないだろう。
後は運を天に任せ、異界の出口を探して彷徨うのみだ。
運がいいならこんな状況にはなってないと思うが、逆に悪運が強いからこんな風になっているとも言える。
要するに運なんて考えずにとにかく進めって事だ。
何か発見があったら、細かく日記に書き込んでいこう。
凶星月災日
異界を彷徨い、早五日。
そろそろ食料の備蓄も尽きてきた。
その辺の野草を食いつつ温存してきたが、限度というものがある。
と言うか肉や魚を焼いてた匂いで鬼が誘き寄せられるとか、計算外だった。
あいつら普通の食い物も食べるのね。
ところで、おかしな事が幾つかある。
まず、俺の身体能力が妙に強化されているような気がする。
ゴッドイーターの適合試験を受けたからか?
ナンチャラ因子のせいか?
でも適合できなかったからデスワープした訳だし…。
理由は今ひとつ分からない。
でも役得だと思っておこう。
そして次の疑問。
本日の昼間、色違いの餓鬼を発見した。
これは多分アレだろう、英雄の魂を取り込んだ餓鬼って奴だ。
ゲームではミタマを求めて何度惨殺した事か…結局目当てのミタマは出なかったが。
アレを倒せば、ミタマが手に入るだろうか?
周囲に大型鬼の姿も無かったし、この世界の敵の実力を測っておきたかった事もあって、後ろから思いっきり殴りかかった。
ヴァイパーバイトで散々斬り付けた結果、麻痺も攻撃も効くには効くが、どうもイマイチ。
何というか、物質を斬っている感触よりも、液体に斬りつけているような感じが強い。
これが気のせいでないのなら恐らく、純粋な物理力より、霊力とかそんな感じのオカルトパワーが必要なのだろう。
何せ相手は、生物学的なモンスターではなく、魂だの何だのに属するバケモノだ。
やはり、ミタマを宿す必要があるのだろう。
と、ここまで考えたとき、根本的な疑問に気がついた。
俺、ミタマを宿せるのか?
それは訓練…修行って言ったほうがそれっぽい…次第でどうにかなるにしても、複数のミタマを宿すには稀有な才能が必要だった筈。
俺がムスビノキミ役だとは限らないが…仮にそうだったとした場合。
ゲームの中の主人公のスキルが、必ずしも俺に宿る訳ではない。
カリスマもそうだし、GE世界で新型の適合試験に失敗した事からも、それは明らかだろう。
ミッションはまぁ、周回を繰り返してトライアンドエラーアンド物資溜め込みを繰り返せばどうにか出来ると思う。
人間関係も、極端な話、俺が主人公役にならなくても誰か代理を見つければいい。
ゲーム内の人間関係をそっくりそのまま再現する必要なんか無い。
が、討鬼伝のストーリーだけは話が別だ。
オオマガドキを起こすのは鬼の側で、人間の集団の中で手を打ってもとても届かない。
オオマガドキは、どうしようも無く起こってしまうだろう。
そしてオオマガドキを鎮める為には、ムスビの君としての力…幾多の英霊の絆を紡ぐ力、即ち複数のミタマを宿す力が要る。
これは探したところで見つかる物だろうか?
見つかったところで、それがモノノフである可能性は?
もしモノノフであったなら噂くらいにはなっているだろうし、そうでなければ霊山辺りの秘密兵器として隠蔽されている可能性が高い。
いや待て、一つだけ可能性はある。
もしも俺に複数のミタマを宿す力が無くても、それだけの絆を紡ぐ方法が。
だけど実現できるか?
実現できなければ、実現できるまでに貶めるまで。
よし、メモしておこう。
ミタマはモノノフの一人につき一つが基本。
なら、それだけの器を用意すればいい。
一人で一つしか宿せず、大勢のミタマが必要なら、数百人のモノノフを用意し、それらの絆を結べばいい。
まだ思いつきで、具体的な方法なんて思い浮かばないが、こういった方法があるのだとメモしておけば、いずれ役に…立つといいなぁ。
凶星月仏滅日
相変わらず、異界の中の道はサッパリ分からない。
流動が激しい時は、後戻りさえできない。
袋小路と袋小路が繋がって、道がなくなる事さえあった。
道のない道を行くのはかなり疲れる。
でも、多少の発見もあった。
耐毒装備をしているのに、僅かではあるが瘴気に犯される感覚があった。
まさか耐毒装備が効いてないのか…と思ったが、どうやらちょっと違うらしい。
どうも、異界の中には特に強い瘴気が溜まっている所があって、そこでは耐毒装備では処理しきれなくなるらしい。
もうちょっと上等な装備ならどうにかできるかもしれないが…でも今の装備のスキルって毒無効であって、半減じゃないんだよなぁ。
装備が上等になっても、発動するスキルが同じなら、これ以上の効果が発揮されるか微妙な所だ。
推測だが、瘴気の強いところはやはり強い鬼が出やすい所なのだろう。
実際、デカいクモ…ミフチだかマフチだかの姿が見えた。
アレならやり過ごすのは比較的簡単だ。
厄介なのは空を飛ぶタイプの奴。
取り敢えず、瘴気の強い所は極力避けて行こう。
多分流動も激しい場所だろうし、なるべく安定した道を通りたい。
凶星月安楽死日
完全に食料が尽きた。
調味料も尽きた。
その辺の野草を食って飢えを凌いでいる。
ついでに、ついに鬼に手を出した…食料的な意味で。
率直に言ってマズい。
いやもうマズいとか言う以前に気分が悪いわ色々な意味で。
仕留めて食った鬼は餓鬼だったのだが、肉はついてないは骨はやたら硬いは、オマケに食ったら何か恨めしい声が聞こえてくるは。
しかも食ったら瘴気に犯される感覚が強い。
耐毒装備でも、流石に食った毒は防げないのか。
ゲームではドクテングダケの毒も防げたような気がするが…やはり完全に防ぐには、オカルトっぽいパワーが必要なのだろうか?
どっちにしろ、背に腹は変えられん。
折角ここまで来たんだし、何も掴めず飢えて死ぬのは御免だ。
行く所まで行ってやろうじゃないの。
凶星月地獄日
気のせいか、周囲の景色が変わってきた気がする。
それに瘴気の濃さも和らいできたようだ。
ひょっとして出口が近いのか?
瘴気の弱い道を辿ったのが良かったか?
前回、人里に出た時はどうだったっけか…逃げるのに必死だったし、瘴気にやられてたからよく覚えてない。
凶星月極楽日
ついに異界を抜けた。
安心して、その場で倒れてしまうところだった。
周囲に人が暮らしている形跡は無いが、幾つかの足跡ならあった。
形からして武装した具足のようなので、ここは恐らくモノノフが異界に出入りするのに使っている道なのだろう。
つまり、この道で待っていれば、人と遭遇できる可能性は高いって事だ。
正直な話、もう動くのも億劫だ。
異界の傍には危険な動物も野盗の類も多分居ないだろう。
幸い、異界は広がってはいないようだし……GE世界と同じ轍を踏まないように鎧と武器を仕舞い込んで、もう寝ると言うか気絶。
凶星月煉獄日
前回日記から暫く間が空いた。
と言うのも、人里に運び込まれていたからだ。
予想通り、俺が居た所はモノノフ達の通り道で、ぶっ倒れていた俺を見つけて慌てて里に運んだらしい。
この里はマホロバの里と言うそうだ。
ゲームでは聞いた事の無い里である。
ついでに言うと、以前辿りついた里とも違う場所だ。
あそこの名前は……なんだったかな、なんか北の方の里だったのは覚えてるんだが。
そしてビックリ、俺が居た異界は単なる異界ではなく、あずまの国があった場所の異界だそうな。
何故あそこに倒れていたのか、という問いに対しては、
「普通に暮らしていたら、突然目の前が真っ暗になって、気がつけば変な荒野に居た。
バケモノは居るし倒れそうになるくらい息苦しいので、必死で逃げ回っていたらあそこに出た」とだけ言った。
里の人達は、随分と親切にしてくれた。
そして異界やら何やら、彼らにしてみれば常識そのものな事も懇切丁寧に教えてくれた。
と言うのも、どうやら彼らは俺がその手の知識が全く無い、一般人だと思っているらしい。
実際この世界の常識なんぞカケラ程度しか知らない訳ですが。
話を聞いてみて色々分かったのだが、討鬼伝の世界は、元々は俺の前世の世界と同じくらいには文明が発達していたらしい。
だがオオマガドキで全てが異界に沈んでしまい、残ったのは古来から鬼達と戦ってきたモノノフ達の里だけ。
食文化やインターネットと言う偉大な技術も、今や残骸すら残っていない。
モノノフ達は、言っては何だが異能者の集団だ。
鬼という存在を世間一般に知らせない為もあり、外の文明と交わる機会は極端に少なかったのだと言う。
当然、それらの存在を外の文明の中で生きてきた一般人(つまり俺)が知っている筈も無く。
そして、突然起こったオオマガドキによる破滅なんぞ、それこそ何が起きたかサッパリだと思われているらしい。
とにかく、今はゆっくり休みなさいという事だった。
事実、俺も正直疲れている。
毒は装備のおかげで殆ど遮断されていたとは言え、瘴気の海の中に何日も居た。
加えて、まともな栄養が取れなかった上に、なんだか分からない鬼まで食った。
暫く心身ともに休んだ方がいいだろう。
これからの事は、その後考えよう。
鶴亀月滑った日
数日ほど心身共にゆっくりし、美味しい和食に舌鼓を打つこと数日。
いかん、このままではニートになってしまう。
真面目な話、医者からはもう暫く安静にしてほしいとは言われている。
肉体面では回復したようだが、異界の瘴気の影響力を甘く見てはいけないそうだ。
まぁ、瘴気って実際には毒ガス同然だし、言いたい事は分からないでもない。
が、ずっと世話になってばかりという訳にもいかない。
今は病人扱いされているので据え膳下げ膳の生活だが、いつまでも甘やかしてくれる訳ではない。
GE世界程ではないにしても、この世界だって余裕は無いのだ。
取り敢えず、異界を放浪している間に拾った各種ガラクタが幾らで売れるか聞いてみた。
………まぁ、節約すれば2~3日は飯が食えるな。
所詮は拾い物だし、こんなモンだろう。
ついでに、里の中を歩いてみたんだが…どうすっかな、手に職を付けられそうにないです。
と言うのも、昔ながらの(と言うと失礼かもしれないが)人の手による職人芸で、人里の流通が保たれているからだ。
例えば服を作るのには、ミシンなんか当然無いから手縫いオンリー。
しかも道具も気軽に作れる物ではなく、異界の鬼達から集めた素材で道具を作っているそうな。
他にも、外の世界では廃れて名前さえ知られなくなったと思しき、古き良き不便な道具が沢山ある。
…技術で飯を食ってくのは無理だな。
単純な肉体労働なら自信がある。
伊達にハンターやってない。
鶴亀月後ろの○太郎日
肉体労働には自信があったが、まだ安静にしていろと働かせてくれなかった。
いつまで寝てればいいんだ。
実は心配されているんじゃなくて軟禁されているんじゃないか、と思ってしまった。
失礼失礼。
と言うか、今日はモノノフについて色々聞いていたのだが、コレ失敗だったかもしれない。
何が失敗だったって、質問の順番と言うか。
①俺の他に、あずまの国から脱出してきた人は居ますか?
⇒ 残念ながら、君だけだ。(ご家族や友人も、もう…)
②鬼を倒すには、どうすればいいですか?
⇒ モノノフの修行をして、ミタマの力を借りる事だ。(…復讐、か?)
③モノノフと言うのは、俺でもなれますか?
⇒ 生き延びたのに、鬼と戦えば命を捨てる事になる。(知人が全て死んでしまって、ヤケになっているのか)
折角拾った命なのだ、戦う事ではなく生きて次に繋げる事を考えろ。
…()の中は推測だけど、多分間違ってないんじゃねーかな…。
いや確かにご家族ご友人とは全く別の世界に来てしまいましたが、復讐とか出来る状況じゃないんですが。
別に鬼にやられたって訳でもないし。
モノノフになれるか確認したのは、討鬼伝のストーリーに関われるかどうかの問題だし。
オオマガドキに沈んだあずまの国から生きて抜け出してきたのは、討鬼伝の主人公だけ、という話だった筈。
勿論、知られてないだけで他に居るか、或いは後から誰か抜け出してくる可能性はあるが、GE世界での事も考えると、俺に主人公役の立ち位置が回ってくる可能性は非常に高い。
さて、どう思われているかはさておいて、モノノフになる事事態は特に問題ないようだ。
厳しい修行が必要で、仮にそれを全うしたとしても、そういう血筋の人…古くからモノノフとして続いている家系の人に比べると、その力は格段に落ちるらしい。
…という事は、原作主人公は一体…?
単なる一般人からの突然変異か、それとも過去に現人神こと日本の象徴の血筋でも入っていたか…或いは、素質は普通の一般人だったけど、ミタマの方に選ばれた結果がアレとか?
何にせよ、暫くはモノノフとしての修行はおろか、労働さえさせてもらえそうにない。
どうしたものか…。
鶴亀月宵闇日
説得は諦めた。
何故にそんなに硬い意思で阻むのか、と言いたくなるくらいにモノノフにならせてくれそうにない。
…と思っていたら、意外な所から助けが出た。
いや、助けと言うか逆に原因だった訳だけども。
俺の治療をしてくれた医者の人が、俺にモノノフの技術を伝えないようにと触れ回っていたらしい。
一体何故?と思ったら、実は新手の鬼なのではないかと警戒されていたようだ。
GE世界に引き続き、またかよ…と思っていたら、こっちにも一応理由はあった。
異界の中で、餓鬼を殺して食ったのだが、これが原因で俺の体の中に瘴気が紛れ込んでいるらしい。
だから人間の姿をしているけど鬼の気配があるってんで、怪しまれていたとか何とか。
いや、殆どの人は純粋に労わってくれてたみたいなんだけどね。
これを話してくれたのは、体の中の瘴気が抜けてきて、弱い鬼でも存在を保てないくらいに瘴気が弱ってきたからだそうだ。
ただ、瘴気の濃さは弱くても、量がえらく多い為、他者からの干渉でこの瘴気をどうにかするのは難しいとか。
正直、自分では全く自覚がありません。
で、この度、正式にではないが、モノノフとしての訓練を少しばかり教えてもらえる事になった。
いわく、体の中に取り込んだ瘴気は、徐々に弱くはなるが自然に全て無くなる事は無いのだそうだ。
だから自分で浄化しないといけない訳だ。
つまりは、ゲームで言う鬼祓を自分に対してかけるって訳だな。
これをやっておかないと、体の中が瘴気に徐々に犯され、体が動かなくなっていったり、寿命が縮んだり、最悪(よっぽど強い瘴気じゃないとコレはないが)鬼と化してしまう事すらあるらしい。
どれもデスワープすれば直るような気はする。
今回教えてもらえるのは、鬼祓だけだ。
他の戦いの為の技術は、全く教えてもらえない。
…どうやらまだ、復讐の為にモノノフになりたがっていると思われているらしい。
別に戦えるようになったからって、一人で異界に突撃するような真似はしないって…。
とは言え、戦闘能力必須な身の上だし、モノノフ達の訓練風景を見て、ちょっと盗んでみるとしますかね。
鶴亀月魔羅日
あたまいたい
鶴亀月知恵熱日
また日記に間が空いた。
と言うかマジ頭イテェ。
モノノフの訓練が、予想外な方向に辛すぎる。
鬼と戦う技なのに、何だって座学がメインになるんだ。
いや、俺だけなら分かるんだ。
実際に戦う為の訓練じゃなくて、自分の瘴気を鬼祓する為の訓練なんだから、それだけに特化するのも分かる。
呪文と言うか祝詞みたいなのを覚えなきゃならんのも分かる。
が、何故に他のモノノフ志望の若者達も座学から始まってるんだ。
普通、こういうのは肉体を作り上げるのが優先か、最低でも同時進行なんじゃないのか。
こういう責め苦は初めてだ。
モンハン世界でも座学はあったけど、体が資本と言わんばかりの実技に力入れまくってたし。
GE世界に至っては、まず最初に生きるか死ぬかの適合試験があって、訓練はそこからという始末。
座学オンリーで腰が痛いよ。
理屈は、一応説明してくれてんだけどね。
曰く、鬼と戦うにせよ鬼を祓うにせよ、本来人間に備わった力ではそれに足るだけの力は無い。
なので、他の何かから力を借りてこなければならない。
神仏とか、ミタマとか。
で、どういう相手からどういう力を借りるのか。
それをしっかり理解してからでないと、モノノフの修行は無駄になってしまうらしい。
それで、実際の戦いの最中に、力を借りる為の長ったらしい祝詞なんぞ唱えていられるヒマがある筈もなく。
それを補う為にモノノフ達に伝わっているのが、二つの技術。
ゲームで鬼祓をする時にプレイヤーの回りに出る、文字の羅列…えーと、名前を間違って覚えているかもしれないが、経文唱だ。
あれを出すのは人間自身の力で、それを回す事によってお経を一回唱え、神仏から力を借りる為の呪文とする…ってマニ車かよ。
一回転する度にお経一回、ゆとりニルヴァーナ万歳ってか。
それから武芸に関しても、同じような事が言える。
人間が持っているオカルトパワーだと、小型ならともかく大型の鬼を退治するのは非常に難しい。
これも神仏・英雄から力を借りねばならない訳だが、長ったらしい祝詞なんぞ(ry
経文唱と同様に、別のもので念仏を再現しているのだそうだ。
例えば、今日教わった(そしてまともに思い出せる数少ない)例だと、不動明王とか。
この場合念仏じゃなくて真言(一字咒)となるらしいが、この力を借りるのに
「ノウマク サンマンダ バザラダン カン」
(あまねき金剛尊に礼したてまつる。ハーン) と唱えると言う。
達人ともなれば、これをより簡略化し、「カン」の一言で力を発動させる事も出来るらしいが、それは置いといて。
これらの呪文を、体の動きや武器の動きで再現するらしい。
昔から刃物は呪物の一面を持つと聞いた事があるし、手を使って印を結べるなら足を使って結べてもおかしくは無い。
要するに、例えば太刀を構えるのであれば、下記のようになる訳だ。
太刀を握る手で(ノウマク)
抜く際の刃の軌跡で(サンマンダ)
抜いた後の構えで(バザラダン)
そして斬りつける動作で(カン)
勿論、こんな事がそう簡単に出来る筈が無い。
例えて言うなら、儀式をしながらケンカをしろと言っているようなものだ。
体の動かし方に大きな制限ができるし、集中力だって二分されてしまう。
しかも、この辺はまだよく教わってないが、何かしらのルールを破るとあっという間に効果が発揮されなくなってしまうらしい。
これが出来るのは、古来から鬼と戦い続けてきたモノノフ達が効率的な動きを纏めて伝えてきたのと、文字通り呼吸と同じレベルで体がその通りに動く、延々と繰り返される修行があってこそだろう。
うーむ、俺に出来るのかな。
仮に出来たとしても、他の世界に行った時に動きに制限が出来るのは困る。
取り敢えずは、鬼祓に集中するか。
つまりは明日からまた座学だ。
そしてこれらを覚えたら覚えたで、経文唱の文字を出す為の精神集中。
つまりは座禅で、座ったままなのは変わらなかったりする。
朝晩で出勤⇒店の立ち上げ中にネタ(死に方とも言う)を考える⇒忘れる
教えてくれゼロ、俺はこれを何度繰り返せばいい…。
ギアスで忘れないようにしてくれぃ。