しばし調べて、32ビットPCでやっていたのが原因と判明。
以前、既にサービス終了したブラウザゲーム(R18)経由でウィルスに感染したっぽいから、メインPCでやるのは気が進まないなぁ…。
そのメインPCも、起動時に散々エラーが出るし、異音はするしでそろそろ寿命っぽい。
もう5~6年だものなぁ…。
まぁ普通にプレイ中ですが。
濡れ場は1キャラにつき1個かな?
信頼度上がる度に1シーンは流石に期待しすぎだったか。
おっと忘れるところだった、1/4くらいまで連続更新予定です
魔禍月 漆日目
里に到着する頃には、もう日が昇り始めていた。
2つめの異界浄化の後、神夜と明日奈を結界石に元に残して、俺は一度里に戻った。
真っ当に考えれば、神夜だけを残して明日奈を連れ帰るべきだったんだが、明日奈も木綿季…呼び捨てでいいと言われた…も何やら話がしたいと主張したからだ。
神夜を残したのは、率直に言えば二人のボディガードだ。何せ、今の明日奈は防具無しだ。普段だって軽装だけど、在ると無いとでは雲泥の差だしね。
異界が祓われたとは言え、鬼が全て消え去った訳じゃないし、直接戦闘能力を持たないミタマの木綿季の警護だって必要だ。
戻った里では、最初の時程ではないが、結構な騒ぎになっていたようだ。
明日奈が鬼に連れ去られたと、師範を通して通達が出ていたから猶更である。…先に俺一人帰って来た事に、えらく心配されたが…大丈夫だって、無事無事。ただちょっと女の会話をしたいからってんで、俺だけ先に帰って来たの。勿論、理由はそれだけじゃないけども。
出迎えてくれた雪華や寒雷の旦那、いざと言う時の戦いに備えていた泥高丸、鍛錬の疲れで殆ど動けないのに様子を見に来た白浜君に事の次第を報告する。
異界浄化については、大まかな所は前回と同じなので省いた。結界石の中のミタマが、木綿季だと言う事には驚かれたが、それだけだ。寒雷の旦那達とは、接点が薄い子だったらしい。むしろ、白浜君の驚きの方が大きかった。そういや君も同年代だね。
木綿季を利用していた巨大ウーパールーパーについては。
「ふむ…そりゃウシヲキナだな」
牛翁? 魚にしか見えなかったが。
「俺に言うな。あと、多分牛じゃなくて潮だ。昔、里の外で転戦していた時に見た事がある。お前が言う通り、捕らえたミタマの声を利用してモノノフを誘い出し、餌場に連れ込んで捕食する鬼だ」
ふぅん…。俺も結構色々見てきたけど、初めて見聞きしたな。
「珍しい鬼と言う事もあるが、基本的に巣穴から出てこない鬼らしいからな。非常にしつこい鬼で、標的と定めたら延々と追ってくる。俺が奴を見かけたのも、標的を追いかけていく時だったようだ。奴がいる場所では、モノノフが何人も不審死する。死んだ筈のモノノフの声が聞こえると言い出し、数日後には傷一つない死骸が見つかる。…鬼招き、と呼ばれていた」
「…死者を利用するか。気に入らん鬼だな…。俺も、もし兄さん達の声でも利用されたら…」
まぁ、死者という意味ではミタマも同じだけど、俺達は利用してるんじゃなくて力を借りてるんだしな…。
既に討った鬼の事はともかくとして、異界浄化自体は何とかなった。………っぽい。
「ちょっと待て、ぽいって何だぽいって」
いや、よくよく考えてみたら、結界石の術を反転させる方法が分からなくってさぁ。一つ目の結界石を浄化したのと見た時の行為を、見よう見まねで再現したんだわ。
実際、上手く行ったは行ったんだけど………なんかこう、手応えに妙な違和感が。
「何か懸念があると言う事ですか?」
あるという事です。あると言う事なんですが、具体的には何も…。何せ自分の手で異界を浄化するのも初めてだったんで、比較対象が全くない。『こういうものだ』と言われると、反論もできない。
ただ、なんかこう………あるべき所から、何かを『ずらした』ような気がして仕方ない。
「流石にそれだけでは何とも言えんな。当事者であるお前の感想や感覚を無視する訳ではないが、具体的な原因がさっぱり分からんのであれば、対処の仕様もない。現状、最優先するべきは異界の浄化。ひいては、他の里との連絡、協力体制の確立だ」
ん…まぁ、そうだな。やっちまったものは仕方ないし。
とは言え、後でちゃんとしたやり方を本願寺顕如=サンに聞きに行こう。
「あの、ところで結界石の維持はどのように? 木綿季さんのミタマは…」
前と同じように、石に留まってくれるとさ。ただ、長年石に閉じ込められ続けて、退屈だったと騒いでいた。
ずっと石に留まるんじゃなくて、自由時間が欲しいって言ってたぞ。
「自由時間って……ま、まぁ、短時間であれば、結界の維持もそこまで負担にはなりませんが…」
「…ミタマになっても相変わらずなんですね、木綿季さん…」
呆れた様子の雪華と白浜君だった。
さて、報告はこれくらいにしておいて。寒雷の旦那、二つ目の結果石に護衛を回す事はできそうか?
「ああ、そこは問題ない。そうだな、今動けるモノノフは…」
何人か立候補者が出た。どうやら木綿季のかつての知人のようだ。
…白浜君、流石に君は寝てなさい。まだ疲労が抜けてないんだから。話がしたいなら、その内里に遊びに来る時間を作るからその時にしな。
とりあえず、今報告する事はこれくらいだ。質問はまた今度受け付けるから、今日は解散解散。
俺も、結界石の護衛を案内して、明日奈と神夜を迎えに行かなきゃならんし…。流石に眠たくなってきた。
後の事は、特に書く事も無かったので省略する。
…ああ、いや一つだけ。迎えに行った時、様子がなんか変だった気がする。
明日奈はテンパっていたようだし、神夜は何だか膨れっ面だった。そして木綿季は…声しか聞こえないが、明かに面白がっていた。何かあったんだろうか?
魔禍月 溌日目
白浜君の様子を見に行く。まだ訓練を初めて1週間と経ってないが、ハンター式訓練法はヒジョーに厳しい訓練だ。根を上げていてもおかしくない。多分、この時間なら道場の隅っこで訓練中だろう。
道場に近付くと、中から雑巾を散り散りに引き裂くような悲鳴が聞こえた。
…ふむ、この感じだとまだまだ大丈夫だな。悲鳴を上げる余力があるんだから。
中を覗いてみると、数人のモノノフが練武を行っているようだった。だが、明かに集中できてない。
理由は明白で、白浜君の悲鳴と、何故か一緒に訓練している師範の必死の様が気になっているからだ。
具体的な内容は記載できない。ハンター式肉体操作術と同じで、一応機密事項だし、そもそもどうマイルドに表現しても検閲削除不可避の有様なんだから。
…あれ、何で師範まで同じメニューやってんの?
なぁなぁ、そこのにーちゃん。
「ん? お、おぉ、あんたか。異界の浄化、お疲れさん」
どうもご丁寧に。…で、何で師範も白浜君と同じ事やってんの?
「いや……白浜に特別訓練をさせてるらしいんだけど、その内容が過酷すぎて、白浜だけにやらせるのが心苦しくなったらしい。『貴様だけに地獄は見せぬ! 共に煉獄を巡ろうぞ!』って言い出して、それであの状態」
…確かに過酷な訓練だけど、そこまで厳しいかなぁ…。描写するのも憚られる程ではあるが。
「…そういや、あれってお前が提案した訓練方法なんだって? 案外鬼畜だな。異界浄化と練武戦での優勝以来、お前に教えを請いに行こうかって話を何度か聞いてたんだが、あれを見て皆尻込みしてんだぞ」
むぅ…まぁ、端的に言えば人間が人間のまま、それ以上になる為の訓練だからな。そりゃ厳しくもなるか。感覚が麻痺しとった。
しかし実際、これくらいやって鍛え上げないと、白浜君が一端の実力者になるのは無理だろう。
「無理って言うかそれ以前の問題です! 確かに指示に従うとは言いましたが、これは幾ら何でもやり過ぎじゃないですか!?」
「白浜ぁ! 無駄口叩く力があるなら、体に力籠めぃ! ぬっ、ぬぉぉぉっ、吾輩も腕が! 腕がぁ! だがまだまだぁ!」
「はいいぃぃぃ!!! ああああ死ぬ死ぬ死ぬこれちょっと力抜けたら死にますってこれちょっとくきぃぃぃぃぃぃぃ!?」
必死だのー、無駄口叩くなと言う方も言われた方も。
しかしまだ大丈夫。必死こいて訓練しながらも俺に気付くだけの注意力が残ってたし、喚くだけの力が残ってるし。
死ぬ死ぬ言ってる間は大丈夫。
死ぬ気でやってみろ。死なないから。
「いや流石に我輩もこれはちょっと冗談抜きで死ぬって刃が首に堕ちたら普通に死ぬぅぅ地獄廻りは比喩であって!」
大丈夫大丈夫、まだいけるまだいける。
「『まだ行ける』は『もう駄目だ』ってモノノフの標語にもあるじゃないっすかぁ!?」
『もう駄目だ』と思ってからが本番だ、ともあるな。
諦めたら人生終了ですよ。
「うぉぉぉぉ我輩は猛烈に後悔しているぅぅぅぅ!!!」
「ちょっ、師範! 一緒に特訓してくれて感動してたのにぃ!」
「感動されようと死ぬのは嫌じゃぁ!」
んー………負荷あーっぷ。
「…………!!!!!」
「…………!!!!!」
うむ、叫ぶ余裕もなくなったな。これで良し。
横で声をかけたモノノフがドン引きしてるが、仕方ないじゃないか。ドスファンゴに追いかけさせたりしようにも、この辺には獣が少ないんだ。他の方法で負荷をかけようと思ったら、そりゃこうなるよ。
「…実は俺も訓練法とか聞きに行こうかと思ってたんだけど、やめとくわ…」
そっか? …まぁいいけど、この線香が燃え尽きたらトドメもとい助けてやってくれ。
そんじゃ、俺はもう行くから頑張ってねー。
「いやいや、あんな拷問な訓練させるなら、せめて最後まで監督してやれよ!」
御尤もだが、それでもいいって条件で白浜君を鍛える約束したからね。
道場から出ると、背後から「じぇろにもぉぉぉぉ」という叫びが聞こえた。だが何の意味も無い。
さて、白浜君と師範はもう暫く生と死の境をフラフラしてもらうとして、これからの事だ。
牡丹の戦略眼によると、一つ目の異界を浄化した時同様、消えた異界に居た鬼達が、他所の異界に押しかける可能性が高いそうだ。
鬼同志の縄張り争いによる疲弊を期待する…つもりだったのだが、今回はあまり効果が無いかもしれない。
牡丹曰く、『そろそろ指揮官級の鬼が出てくる筈だから』だそうだ。
異界が二つ浄化されてから動き出すとか、対応が遅いなぁ…と思ったけど、指揮官級ともなれば相当に強く、そして深い異界に住んでいる筈。浅めの異界が消えたとしても、思いっきり他人事だったんだろう。自分に被害が来ないと動かない上司…か。鬼の世界も世知辛い。
ともかく、指揮官級が出てきて縄張り争いを強引に収める可能性がある。普通に考えるなら、縄張りを新たに用意するとか、元々住んでいた奴に割りを食わせてでも住まわせてやるか、になるんだが……人間社会と違って、『弱い奴はタヒね』的な対応をしても、何らおかしくないんだよなぁ…。
何にせよ、異界浄化班は暫く様子見と斥候に専念する事になる。その間に、指揮官級の鬼を見つけられればいいんだけどな。
とりあえず、今日の俺は一つ目の結界石の所に行く事にした。本願寺顕如=サンに、術の利用の仕方を確認しておかなければいけない。今回は上手く行ったが、我流でやって何か致命的な事をしでかしていた可能性だってあるのだ。…と言うか、しでかしてしまった気がして仕方ないし。
天気もよくて比較的暖かい日なので、散歩がてら行ってみよう。
「ん? なんだ、お前か」
なんだ、泥高丸か。どうした、こんな所で。
「何って、日課の墓参りだが。墓のある辺りの異界が浄化されてから、毎日欠かさず参っているぞ。そういうお前はどうなんだ。いつもの二人も、珍しく居ないじゃないか」
あの二人は、よくわかんないけど秘密の相談があるとか言って、神夜の家で話し込んでるぞ。その後は木綿季の所に行くそうだ。
死に別れた友人との再会が、余程嬉しかったんだな。
「それはそうだろうよ。俺だって、兄さんや親父と…母さんや妹に会えたなら、人目も憚らずに号泣する自信がある」
…ま、分からんでもないな。俺も死に別れたと思ってた人と会った時は……。(相手にその記憶はなかったけど)
とりあえず、俺は結界石の所まで行くんだが…道は同じか。偶には男二人で連れだって歩いてみるか?
「構わんぞ。色気がない事夥しいが」
それぞれ得物を片手に雪原を歩く。
里に近い辺りは、警備隊が念入りに鬼を狩った為、小型の鬼の痕跡すらない。自分の功績を過剰に誇りたい訳じゃないが、ここが異界に沈んでいたとは、とても思えない程だった。
「お前がシノノメに来てから、一月程度か…。よくもまぁ、それだけでこうまで事態が動いたものだ」
正直、自分でも出来すぎだと思う事はあるな。事態が好転しているなら文句はないが。
と言うより、今までが停滞しすぎだったのもあるんだろう。鬼との戦いが始まって、どれだけ時間が経ったか。
伝承に聞くムスヒノキミがモノノフを結成した時から数えても、百年以上の時が経過した。だが、鬼の正体は一考に判明せず、むしろモノノフは歴史の陰に隠れて衰退する事すらあった。挙句、何が切っ掛けで発生したのかも分からない、オオマガトキなんて大災厄で人の世は滅ぶ寸前だ。
…別に今までが怠けていたと言う訳じゃないが、もっと早くに異界浄化なり、鬼を発生させない方法なりについて研究するべきだったんだろうなぁ…。
「…難しい事を考えてるな。俺にはその辺の事はよく分からんが…里の外のモノノフは、みんなそうなのか? 俺も世間知らずなのは実感したが、もっと外の世界に触れるべきか……今は触れようにも接触が断たれているけども」
いや、大体は目の前の鬼を斬るか、逃げ切るかで手一杯だな。そう考えると、異界浄化を試みていた博士とか、その必要性を早くから理解していた西歌って優秀と言うかなんというか…。
「異界浄化の術、か…。術の研究は鬼纏ばかりだったから、正直よく分からん。しかし…応用は効くか? 瘴気を取り込んで力にするのが鬼纏。そして瘴気自体は、異界に満ちている…鬼から零れ落ちた瘴気の塊に拘らず、空気中を漂っている瘴気を集めて取り込めば…」
よく分からんけど、それって静電気を集めて雷にしようとしてるようなものだと思うぞ。出来そうな奴も居るけども。
さて、もうすぐ墓場……なん…だけど…?
「どうした? …また来たよ、兄さん、親父…」
墓に向かって手を合わせている泥高丸はともかくとして。
ねぇ、何、あの……何?
向かいに見える山に、なんか黒い穴が見えるんですが。
故人と会話している(流石に比喩表現)泥高丸は放置して、暫く黒い穴を観察する。どう見ても、尋常・真っ当な現象ではないな。
黒い穴と言えば、クサレイヅチの巣を連想するが……なんかこう、違うな。クサレイヅチの巣は空に空いた穴だけど、あれは……多分、地表に開いてる穴だ。
それに、よくよく見てみれば印象も大分違う。クサレイヅチの巣は、色々な物を飲み込む大渦巻のようだった。それに対して、あの穴は……トンネル? 入るも出るも好きにできるっつーか。あくまで、遠目からの印象なんて、実際にはどうなのか分からないけど。
…実際、仮にあそこにクサレイヅチが居るとしたら、俺の本能が察して速攻で突撃してるような気がするし…。
「……ふぅ。すまん、待たせたな」
親父さん達とのお話は終わりか? それはいいから、ちょっとあれ見てみろ。
「あれ? ……………ありゃあ……なんだ?」
俺が聞きたい。この辺で同じ事が起きた事はないのか?
「無いな。毎日ここに来ているが、昨日はあんな物は無かったぞ。警備隊からの報告も無い…。………いやその、今日は墓参りに気が行ってたけど、終わった後ならちゃんと周囲も見るからな?」
どっちでもいーけど、ちゃんと周囲の警戒はしとけよ。まだどこに鬼が出るか分からないんだから。
さて、どうしたもんか…。
「どうもこうも、俺達より詳しくて、よく見てる専門家が居るじゃないか。ほら、この先の結界石に。元々、会いに行くつもりだったんだろ」
結界石? …あ。本願時顕如=サン…。
言われてみりゃ、それもそうだな。距離的にもここから近いし、ミタマだから結界石から動けないだろーし、ずっと見ててもおかしくない。
どっちにしろ、結界石の使い方について教わらなきゃいかんのだし。よし、行くか。
ド突かれた。
ミタマにド突かれた。警策で叩かれるならまだしも、『仏罰!』と叫んで実体化した拳で殴られるとは思わなんだ。へっ、坊主にしちゃいい拳もってんじゃねぇか…。
…いえ、ナマ言いましたゴメンナサイ。だからその背後に見える、千手観音像(どう見てもH×Hな感じの)をしまってください。
…ミタマって実体化なんてできたのか…。
結界石の警護を行っていた、数人のモノノフ達もドン引きしておる。
「いや出来る訳ないだろ。初めて見たぞこんなの…」
『いえ、結界石の中に居るからこそできた事です。普通は不可能ですね』
と言うか、前よりもはっきり見えるし聞こえるんですが。
『それも、結界石の中だからこそ。この石の性質を使い、ミタマの力を強化する事ができるのです。無論、結界石の中に留まっている時のみですが』
「流石は高僧と言うべきか…。そんな事が出来るなんて、聞いた事も無い。…まぁ、元々狭い世界しか知らないし、その話によるとミタマとなってからしか使えない術みたいだから、知らなくて当然ではあるが…」
『ええ、私もここに押し込められ、脱出の手段を探る内に知りました。試したのは今回が初めてですが。…それよりも』
あの、お説教が続くのはこの際仕方ないとして、せめてその理由を先に説明するか、あの山の黒い穴について何か所見をいただけないでしょーか…。
『ええいいでしょう、正にその事についての説法なのですからね…!』
千手観音がパワーアップして再臨した。
…結論から言うと、あの黒い穴はおもっくそ俺のせいだった。
穴が目に見える形で出現したのは、半日ほど前。異変を発見した警護隊が一人、伝令に走ったのだが…どうやら入違ってしまったらしい。
本願寺顕如=サン曰く、兆候はもう少し前からあったらしい。具体的には、二つ目の異界が浄化された時から。
…手応えからして、なんかやらかしたんじゃないかって気はしてたんだけど…大当たりだったか。自己流でやった結果、結界石の効果が妙な形で地脈やら何やらに作用してしまい、その結果あの穴が出来上がったのだそうだ。
遠く離れてる筈なのに、よく検知できたなぁ…。
え、俺以外に出来る人が居ないから? そりゃ御尤も。
で、結局あの穴は一体何なんですか?
…うわぁ。
「うっへぁ……」
話を聞いて、泥高丸諸共に変な声を出してしまった。
本願寺顕如=サンでも間近で見て調べた訳ではないので確証は持てないが、曰く『第二のオオマガトキになったかもしれない物』だそうだ。
そもそも、術と言うのは厄介で繊細なものだ。それは鬼の物であっても違いはない。下手に弄ると、術者にさえも分からない現象が発生しかねない。その術の規模や力の大きさが大規模であるなら、猶更だ。
言ってみれば、俺が結界石の術を見様見真似で弄ったのは……そうだなぁ。
も〇じゅの制御装置を、『ボタンを押すだけだから簡単だよね、世ゆーよゆー』とホザいて、一度見ただけで説明すら受けてない操作を記憶頼りにやりやがったようなもんだろうか。
そりゃ仏様も顔が300個くらい一気に消えるわ。百式観音で顕現して、生前の格闘技術をフル活用して殴りに来るわ。怒りの後光で立川に初日の出が何度齎される事か。
術が乱された影響は、地脈に干渉して妙な結果…つまりあの黒い穴…を生んだが、幸いな事に小規模ですんだ。
もしもそのまま術の影響が止まっていなかったら、ブラックホールよろしくシノノメの里も、下手をすると霊山、ウタカタ、マホロバさえも巻き込んで、何もかもが消え去っていたかもしれないのだ。
『私の慈悲深さがよく身に染みたところで…何か言う事はありませんか?』
私が愚かでございました。伏してお詫びいたしますので、次の結界石の浄化の際にはお手伝いをお願いするか、安全な術の逆転方法のご教授をお願いいたします。
『…まぁ、よしとしましょう。とは言え、知っての通り私はここから動けません。非常に不安ですが、術の教授といきましょう』
ありがたきシアワセ。…明日奈に任せちゃダメかなぁ…。ダメだよなぁ。勿論明日奈にも覚えてもらうつもりだが、次のループの事とかも考えると、俺も知っておかないと。何せ異界の浄化だ。万難を排して身に付けるべき技術だもの。
土下座する俺を横目に、他のモノノフ達に何やら報告を命じていた泥高丸が戻ってきて、首を傾げた。
「ふむ…話は聞かせてもらったが、なんだな。その理屈で行くと…あの黒い穴の向こうは、元々鬼達が居た場所…と言う事になるのか?」
…そう言われてみればそうだな。鬼達は昔からちょくちょくこの世界に現れてはいたけど、オオマガトキで『門』が開いてこちらの世界に溢れ出した。
と言う事は、もっと大きく成ればオオマガトキ第二段になるであろう、あの穴の向こうは…。
『可能性はありますが、正直なんとも…。流石に前例が無さすぎて、推測しか成り立ちません』
「だが、もしもそうだとしたら…さっきも言っていた話だが、鬼達の正体や生態をより詳しく調べる機会にもなる訳か」
おいおいおいおい、泥高丸、本気か? 下手すると、あっち側に行ったら戻ってこれないかもしれないんだぞ!?
そもそも、今のこの里の状況で調べに行く余裕があるのかよ。
「それはそうだが…いや、それ以前にあれを閉じる事はできるのか? できるなら素直にやればいいんだが、出来ないのなら使い道を考えた方が…」
『……一時的に封じる事なら、不可能ではありません。ですが、流石に暫く術を構築するのに時間がかかります。その間、あの穴から鬼が出てくるのか…』
あの穴の向こうが鬼達の世界って事は、瘴気に満ちてる世界だよな…。こっちに流れ出てきて、異界が再びって事は…。
『あり得ますが、今のところ大した量の瘴気は流れ出ていません。結界によって、放っておいても浄化される程度です。向こう側は鬼の世界でも、鬼が少ない場所なのかもしれませんね。さて、推測の話はこれくらいにして…結界石の術の利用について教授しましょう。ここ暫く色々と研究して、明かになった事もあります。成果を語るにはいい機会ですね』
あ、これ長くなる奴や。と言うか成果を語るなら、警護してるモノノフ達にでも語ればよかろーに…。
はぁ…帰ったら寒雷の旦那や牡丹、ひょっとしたら雪華にも超絶説教喰らうだろうし、こりゃ今日はもう何もできないな…。
討鬼伝世界登場人物表兼コメント
Q.最近見た夢で、印象に残っているのは?
討鬼伝モノノフからの登場人物
・牡丹……里長をやっているミタマの女の子。
A…生きてた頃の夢かな。…空腹を感じないだけ、ミタマ状態の方が楽だわ。
・寒雷…元モノノフ、現在は万事屋の店主。体格のいい、豪快なオッサン。
A…金で満たされた蔵の中で、乾いた笑いをあげてた夢だ。…代わりに飯がないって夢だったが。
・雪華…シノノメの里に所属する神垣の巫女。
A…霊山に居た頃の知人が、集団で謎の踊りを踊っている夢が…。
・練…勝気で姉御肌、褐色美女の鍛冶師。
A…夢なんか殆ど見ないからなぁ…。覚えてもいないし。
・風華…祭祀堂の巫女。
A…華天になって、異界の中を走り回る夢を見ました。
他作品からの登場人物
・明日奈…ソードアートオンラインより。
A…まぁ…木綿季が呼んでる夢よね。
・神夜…無限のフロンティアより。
A…夢の中で、熟睡している夢を見たのですが。
・白浜君…既にお察しの通り、史上最強の弟子の白濱兼一君です。
A…筋肉痛で眠れません…。
・泥高丸…ジャングルの王者ターちゃんより、マット・コーガン改めでいこうがん。
A…夢の中でも、鬼纏の研究を続けているが何か。