※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

42 / 611
ふむ…デスループ物としては、もっと頻繁に死なせないといけないような気がしてきました。
そーいや元はと言えば、もっと短いスパンで話を区切るつもりだったんだよなぁ…。
やっぱりアレか、エロを絡めた辺りからそれが崩れ始めたか…あれ、普通に序盤の事だ。


第42話

 

P3G月溺れる者はナバルデウスに掴まる日

 

 俺も多少は弓を使える、と零したら、強制的に次のクエストの武器が弓になってしまった。

 弓二人ってバランス悪いな…まぁガノトトスが相手だからいいけど。

 

 ところで、俺の弓の使い方って、基本的に討鬼伝世界の弓なんだよね。

 以前からMH世界の弓のビンを組み合わせて使ってるんだけど、動作と言うか…メタ風に言えばモーションと内部数値?

 何かと討鬼伝世界の弓の方が使い勝手がいい。

 

 使用する武器のタイプに影響されないんで色々と戦略を立てやすいし、攻撃手段も多彩だからな。

 その代わり弓自体はMH世界の物の方がダントツで強力なんだが。

 

 

 それで言われた通りに色々と弓での技を見せてみたんだが…番え射ちがえらく気に入られてしまったようだ。

 理由はいうまでも無いだろう。

 見た感じと言うか演出が割りとキレイだからだ。

 着弾した所から、噴水みたいに矢の雨が飛び出すからな。

 ダメージソースにするには威力が低いんだけど、そこはナターシャさんである。

 美しさ優先だった。

 

 

 だが、他の弓の技に関しては「磨けば光りそうだけど、美しくない」とキッパリ言われた。

 俺の腕が悪いっていうのもあるだろうけど、多分印をつけてのホーミングとか、あの辺がイマイチ美意識にそぐわないっぽいな。

 

 ナターシャさんの美意識の基準が、ちょっとだけ見えてきた気がする。

 簡単に言えば、一筆入魂ならぬ一矢入魂と言うヤツだ。

 討鬼伝世界で同じ名前のスキルがあったが、あれとはまたちょっと別。

 

 多分、モンスターと対峙して、弓を構え引き絞って放つ…この一瞬の極限まで研ぎ澄まされた集中力が、ナターシャさんの美意識の根っこだろう。

 一瞬、一発、一撃…色々な物を一つに纏めて、余計な物を取り去って、完成された絵画や動画のようなシンプルさ。

 そして最初から最後まで、射手の手と意識によってのみ左右される結果。

 そういうのをひっくるめて、美しさと言っている・・・のだと思う、多分。

 そのワリには服装はシンプルじゃないが、そこら辺は趣味の領域だろう。

 

 まぁ、そういった美意識からしてみると、オートでホーミングする呪矢とかは今ひとつ受け入れ難いらしい。

 ただ、利便性が高いのは認めていたし、上手に飛ばせれば演出効果も高いので、この辺は使い方次第である。

 

 

 

 

 

 つまり見た目を上手く使って演出すれば、某フつくしい魔闘家・鈴木のレインボー・サイクロンが(あまり効かないという結果も含め)再現できるかもしれませんな。

 ところでSFC時代、あの漫画を原作にしたゲームで専用のBGM(あまつさえ歌詞まで作られている)に、信じて送り出された彼女並みにド嵌りしていた記憶が蘇ったんじゃが…。

 確か題名が、「イクぞ!(シリヲカソウ) 僕らの鈴木の唄」だったっけ?

 ・・・カタカナの部分が何か違った気がするな。

 生かすぞ、だったっけ?

 …これもちょっと違う気が。

 

 

 うおおおお、頭の中でエンドレス!

 聞かなくなってから十年以上、この世界の濃度の濃いゴタゴタを超えて、尚も無駄に高い再現度でBGMが垂れ流しに!!

 ああイカン聞きたい歌いたい叫びたいナターシャさん風に替え歌したい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 身悶えしていたら背後から脳天を射られました。

 避け損ねて矢鴨みたいになったまま日記を書いてるけど私は元気です。

 

 

 

 

 だがそんな事よりも、俺の地力が低いのが最大の問題だと断言された。

 短期間であろうと、自分のパートナーが弓の扱いが下手なのが我慢できないらしい。

 レジェンドラスタとして活動している時なら自重もしたようだが、今は調査のための一介のハンター。

 猛烈なスパルタで弓の扱いを叩き込んでくれておりますれば。

 

 

 

 弓の扱いよりも、尻を狙った矢を避けるのが上手くなった一日目。

 

 

 

 

 

P3G月獣欲、業を制する日

 

 

 ヤワラって素晴らしい二日目。

 

 

 いやなんというかもう、底力ってスゲェわ。

 何があったって、雪山での調査中に、崖の近くでキャンプして肉を焼いてたんだが・・・そのニオイに引き寄せられたらしいティガに奇襲を食らった。

 

 「この際生肉でもいいかな」と思う程度には空腹を堪えつつ、こんがり肉を焼いてた俺に飛び掛ってきたんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして気がつけばティガレックスの顔面を腕と脇でホールドし、バックドロップ・・・というより巴投げの要領で崖に放り出していた。

 逆さまに落っこちていくティガレックスに、俺もナターシャさんも唖然としていたよ。

 落下した結果、首の骨をやっちゃってティガはお陀仏。

 潰れたトマトになってなかったのは流石と言うべきだろうか。

 

 とりあえず、こんがり肉はGな感じに焼けたので、美味しくいただきました……ナターシャさんに取られたけどね。

 この恨み忘れるものか。

 

 

 

P3G月幽霊の正体見たりチャガナブル日

 

 弓を討ったり射られたりしつつ、上位領域を探索し続けた結果。

 そろそろ本格的に、何か起きそうだ。 

 ナターシャさんのカンもそう叫んでいるらしいし、俺の首筋と霊感もチリチリする。

 

 これまで調査を続けてきたが、正直な話、あまりめぼしい成果は上げられていない。

 確かに普段とは違う行動をしているモンスターは多かったが、その原因は不明だし、行動にしても大騒ぎするようなものでもない。

 以前やりあったようなジンオウガ異常個体のような奴らもいるかと思ってたんだが、それも無し。

 

 …こういうパターンだと、大抵トンでもないのが控えてるんだよな…。

 嵐の前の静けさが静かであればある程、嵐は大きくなる。

 

 一端武器を弓から太刀に戻す。

 普段は文句を言うナターシャさんだけど、今回ばかりは一言二言で終わった。

 

 二人で手分けしてアイテムその他を徹底的に準備し、有事に備える。

 この1件を乗り切れば、何かしらの進展は得られると思う。

 それでナターシャさんの任務も終わり、って事になるのかね。

 ちょいと寂しいが…まぁ、そうも言っていられんか。

 デスワープでもしてしまったら、それこそナターシャさんとは会った事も無いって事になってしまうし、逆にナターシャさんだけが…なんてことになったら寂しいとかいうレベルじゃない。

 何とか生き延びるとしよう。

 

 

 

 

 

P3G月意地を張るより食い意地を張ればアラガミに至る日

 

 凡その予想はしていたが、やはり来た。

 モンスターの群れの襲撃だ。

 小型・中型モンスターがメイン、その他数体の大型モンスターだったが、その数と種類が圧巻だった。

 この辺で出てくる中型以下のモンスターが全種類居るんじゃないかってレベルの。

 

 一体一体は大した事はないが、妙に連携を取ってきたし、倒しても倒してもキリが無かった。

 まぁ、それ自体は予測されていた事だ。

 大型モンスターを複数の中小型モンスターが倒そうと思ったら、数の力に頼るだけでは足りない。

 何らかの理由で、明確な指示の元に統率されているのではないか、というのは、俺とナターシャさんの調査から出た、予測のような確定事項だった。

 

 ただ、思っていたよりもずっと大規模で、大勢だったというだけで。

 

 

 弓は大勢を相手にするのには向いてないんだよなぁ…、

 引き絞ってタメて、狙って放って逃げて…しかもほぼ定点攻撃。

 ナターシャさんもやり辛そうだった。

 

 それでも本人の力と装備の力の相乗効果で、最大タメしてない拡散弓でザコを一掃するのは凄かったが。

 

 

 さて、それはそれとして。

 俺も延々と斬りまくって、なんとか攻勢を退けられた。

 幸いと言うべきか、狙いはあくまで俺とナターシャさんだったらしく、討ち漏らしがユクモ村に向かってくるような事は無かったようだ。

 ハンターを狙い打ちにしてきたというのも問題だが、それ以上に問題なのは、この異常事態の原因だ。

 

 

 仕留め損ねたが、やはりあの異常なクルペッコが居た。

 アレの声に従って、襲ってきたモンスター達は連携を取っていたように思える。

 

 半ば予想はしていた事だが……統率型クルペッコとでも呼ぼうかな。

 しかし、ナターシャさんはこの名前に首を傾げていた。

 名前が率直過ぎるとか美しくないとかではなく、どうにもシックリ来ないらしい。

 何か違和感があるそうだ。

 

 

 呼び方の是非はともかくとして、思ったより自体は差し迫っているようだ。

 今回襲ってきたモンスター達は『上位』で、俺達が襲われた場所は上位に近い『下位』の領域だった。

 あのクルペッコの目的や生態は分からないが、上位下位の領域を超えさせるような強制力があると見ていい。

 狩猟環境不安定ってレベルじゃない。

 ヒヨッコのハンターの仕事に、上位モンスターが突然出現する可能性が出てきたのだ。

 それが繰り返され、範囲が広がっていけば、ユクモ村がモンスターに直接カチコミを喰らう未来もそう遠くないだろう。

 

 ナターシャさんが帰る前に、あのクルペッコだけは仕留めなければ。

 

 

 

P3G月錆びてもクシャ日

 

 色々と逸っていたが、ナターシャさんに蹴っ飛ばされて、一日休みを取らされた。

 …何とか落ち着いたよ。

 落ち着きすぎて、シモとアルコールが欲求不満になってる事も自覚しちゃったが。

 

 

 欲求不満はともかくとして、今回の襲撃で、あのクルペッコの手駒は大分減った筈だ。

 あれだけのモンスター達が一度に倒れれば、生態系に深刻なダメージが入る事すら考えられる。

 あのクルペッコがどれだけの数を、どれくらいの時間をかけて編成したのかは分からないが、体を休めて、そして間を置かずに追撃をかければ、仕留めるのはそこまで難しくない筈だ。

 

 

 

 

 だが何故にこんなにフラグが建っている気配がするのかッ……!

 

 

 

P3G月ミラボレアスの呪いも信心から日

 

 統率型クルペッコを追いかけて、上位領域のキャンプでお泊り。

 美人で露出度高いおねーさんと、星空の下でお泊り。

 …色気のある展開が欲しくなってきますね。

 いや、ナターシャさんはお色気たっぷりなんだけど…ちょっと残念美人のケがあるが。

 

 それはそれとして、やはり上位領域のモンスター達が少し少ない気がする。

 やはり先日の一件で、数を減らしているのか。

 

 …それはそれで厄介な話だ。

 今回襲ってくる敵が少ないのはいい事だが、統率型クルペッコが残った戦力を手元に集めている可能性があるし、何よりも生き残ったモンスター同士で縄張り争いが激化する。

 焙れたモンスターが人里に向かってくるかもしれない。

 厄介な事になったものだ。

 

 

 それはそれとして、ナターシャさんがいつになく厳しい顔をしている。

 あんなに厳しい顔をしているのは、毎朝の服装チェックの時くらいだ。

 

 何事かと思ったら、「殺気が溢れかえっている」だそうだ。

 確かに、俺も妙な圧迫感を感じている。

 霊力とかじゃなくて、なんといえばいいのか……迫ってくる壁?

 助けてくれぇ!

 …じゃないな、そんな無機質な感じのじゃなくて、もっとこう、雑多な何かが大挙して押し寄せてきているような。

 

 もっとこう、ヒステリックな何かが感じられる気がする。

 …理屈で言えば、統率型クルペッコも無傷ではないし、以前の狩りよりは楽になるかもしれない。

 上位領域の何処かに潜んでいる統率型クルペッコの痕跡も、既に掴んだ。

 

 だが手負いの獣は何とやらと言うし、やはり楽には行きそうにない。

 

 

 この按配だと、太刀よりも大剣の方が良さそうだ。

 盾になる、攻撃範囲が広い、そして通称デンプシーという延々と続く攻撃もある。

 溜め斬り?

 GE的チャージアタックもあって有効なのは確かだが、今回はザコ敵がゾロゾロ出るのが予想される為、動きが止まるのは良くないし、あまり一撃だけの火力を高めても意味がなさそうだ。

 只管に高火力の一撃より、そこそこ火力の在る手数の方が優先される。

 

 

 

 景気付けというか心を落ち着かせるには異性の温もりが定番なんだが、水浴びしているナターシャさんをこっそり見学しちゃ駄目かなぁ…。

 そこそこ好感度はあると思うし、狩りの後の昂ぶりが上手く噛みあえばおヘソくらい触らせてくれるよーな気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P3G月カエルでガノトトスを釣り、ガノトトスでラギアクルスを釣る日

 

 

 今日も元気だ酒がウマイッ!!

 

 最近禁酒してたけど、今回ばかりは解禁ッス!

 流石に今度ばかりは死ぬかと思ったッス!

 隣で達人ビールをカパカパ呑んでるナターシャさん諸共、本気で死ぬかと思ったワイ。

 

 G級並みの実力を持つナターシャさんでも、まさか上位でここまで死を身近に感じるとは思わなかった。

 そう言わしめるくらいの死地だった。

 

 何があったのかって言われると、あった事は単純。

 前回同様、小~中型を中心にした群れに襲われただけだ。

 無論、あのクルペッコに率いられた連中で、その数自体は以前よりは少なかった。

 そして散々苦労したが、問題のクルペッコを仕留める事もできた。

 

 

 予想外だったのは、あのクルペッコ……想像していた以上にタチが悪かった。

 

 

 そもそも、アレを「統率型」クルペッコだと思っていたのが間違いだった。

 ナターシャさんが統率型クルペッコという呼び名に対して違和感を持っていたのは、多分この為だ…どんだけカンがいいのやら。

 

 で、あのクルペッコが統率型ではないなら何かというと……そうだな、「煽動型」クルペッコ、とでも表現すればいいんだろうか。

 

 どう違うのか?と言うと…まぁ文字通り、あのクルペッコはモンスター達に指示出しなんぞしていなかったって事だ。

 あのモンスター達の群れは、一つの命令系統で動く群隊ではない。

 文字通り烏合の衆と言えるだろう。

 

 だが烏合の衆と言えど、数が集まり、勢いを増せば郡以上の脅威になる。

 例えば……あーアレだ、中世ヨーロッパやら戦国時代やらで流行ったような、暴徒と化した民衆の一揆やら革命やらをイメージすればいいと思う。

 軍略も戦略も戦術も無しに、被害が出ようが誰を途中で弾き飛ばそうが、鍬やら斧やら握り締めて、血走った目での集団スタンピード。

 

 コエェよ。

 強いとか弱いとか言う以前にマジ怖い。

 

 しかも、煽動型と銘打たれたのは伊達ではない(銘打ったのは俺だが)

 煽動というのにも色々あるが、ここで重要なのは二つ。

 周囲の人々(この場合モンスターだが)を煽り、行動を起こさせる事。

 そして、自分の気持ち(建前の場合も多々あるが)を周囲に伝染させる事だ。

 

 指示していたと思えていたのは、これだったんだろう。

 大型のモンスターを狩る、ハンターを逆に狩るというのがどういう感情と損得の元に行われる行為なのかはともかくとして、小型モンスター達が強者である筈の大型モンスターを恐れず立ち向かう。

 …というよりは、自分達の被害を考えずに押し寄せる。

 

 死兵の群れが押し寄せるようなもんだ。

 そりゃ大型でも負けるわ。

 

 

 

 そして最もタチが悪かったところは、あのクルペッコ自身はまるで煽られていないって事だ。

 つまり、煽るだけ煽って周囲のモンスターを死兵に変えたら、自分自身はその場でドロン。

 ケツ捲くって逃げるのだ。

 そして遠目から死兵と獲物の様子を伺い、勝ったならそれで良し、勝てなければまた周囲を煽って死兵を作る。

 

 …そして自分自身はほぼノーリスク、無責任な逃走。

 

 

 

 本気でタチが悪い。

 弱肉強食、食って食われてナンボの世界で善悪の概念を持ち出しても仕方ないが、あのクルペッコは間違いなく「悪」だろう。

 自分がリスクを少なくして獲物を仕留める為に、周囲のモンスターの命を使い捨てにしているようなもんだ。

 効率はいいだろうが、生き延びる為の工夫だと褒める気にはなれない。

 煽られるのが小中大型モンスターを問わない辺り、話に聞いた狂竜病よりタチが悪い。

 

 これはアレだな、吐き気を催す邪悪呼ばわりされても仕方なかろう。

 

 

 

 

 いやー、しかしあのクルペッコを仕留めたナターシャさんの連射はマジで凄かったわ・・・。

 レジェンドラスタの真髄を垣間見た感じだった。

 死兵が少なくなってきて、新たな兵を補充する為に姿を見せた煽動型クルペッコ。

 丁度そのタイミングで、俺がモンスターの突進を止め損ねてナターシャさんがフラアウェ~イして、しまった!と思ったよ。

 でも空中で回転して体勢を立て直し、続いて突進してきたドスファンゴの背中を蹴って悪魔も泣き出しそうなエネミーステップ。

 そして空中からの一点集中超連射。

 

 見事に煽動型クルペッコの喉元を何本もの矢で射抜いて見せた。

 しかも明らかに弓のリーチから外れているくらいの長距離から。

 

 

 

 あれは俺には無理だわ…。

 討鬼伝世界の呪矢とかを使っても、あれほどの威力と正確性を併せ持った連射は無理だわ…少なくとも今は。

 

 ナターシャさんとは色々と美しさについて語り合ったり(ちょっと意味深)した仲だが、あれほどの美しさは無かった。

 そりゃ褒め称えもするよ…。

 だが、本人的には敵の攻撃を受けてのカウンター、という時点でお話にならないらしい。

 褒められるのは悪い気はしないみたいだが、今ひとつ不満げだった。

 

 

 

 ま、それにしたってG級並み(とナターシャさんは言っている)の厄介なクエストをクリアしたのだ。

 お祝いに呑んだって構うまい。

 

 しかしナターシャさん、酒に強いねー。

 以前からたまーに、話題に飲み比べで負かして下僕にされた誰かの話を聞いてたから、呑み比べの誘いはのらりくらりと避けてるけど。

 丁度、村長さんが通りかかったので、身代わりにしてみた。

 …こっちもかなり強い。

 さすがは竜人族。

 

 

 

 

 ああ、それにしても…ナターシャさんとの仕事も、そろそろ終わりか。

 異常な行動の原因だったと思われる煽動型クルペッコも倒した。

 煽動型が産まれた原因が分からないのは…気になるが、異常個体は珍しくないらしいし。

 

 

 寂しいが…ま、元々のスタイルに戻るだけだな。

 ナターシャさんには、俺がここに居る事は秘密にしてもらうよう念押しした。

 A.BEEさんに見つかって追い回されるのは御免蒙る。

 幸い、ナターシャさんは「腐」の方面には美しさを全く感じないタイプの人のようだから、密告する心配もないだろう。

 

 さて、俺も日記はこの辺にして、もうちょっと呑むかな…。

 

 

 

 

 

P3G月一狩り万銭日

 

 

 予想通り、ナターシャさんのお仕事終了が近いそうだ。

 それはいいんだが、宴会が終わっても何度も呑み比べに誘われるのは何故だろう。

 確かにナターシャさんは美人でビューテホーで女王様っぽい人だけど、俺は下僕呼ばわりされてゾクゾクするような感性は(あまり)持ってないよ。

 

 それはともかく、「残り少ない期間だけど、もっと弓の美しい扱いを仕込んであげるわ」ってまたスパルタが始まっている。

 キツいと言えばキツいが、まぁ許容範囲内かな。

 と言うかこれ、ナターシャさんに弟子入りしたって事になるんだろうか。

 

 

 

 にしても、何だな。

 先日の煽動型クルペッコとやりあった辺りから、俺の中のノッペラミタマ達がちょっと騒いでいる。

 死線を潜った事で霊力が昂ぶってたみたいだから、もうちょっとでパワーアップできそうな感じだったんだが…生憎、今回は何も無しのようだ。

 残念。

 

 

 

 

P3G月狩心あれば獲物心日

 

 

 トロピカルヤッホーーーーーー!!!

 

 ナターシャさんが、帰っていってしまったよ…いや別にそれでハシャいでるんじゃないよ。

 弓の扱いのスパルタ特訓も、かつてのツバキ教官とかの特訓に比べれば………あれ、よく考えたらあんまり辛くなかったな………まぁ、とにかくそこまでキツくなかった。

 

 んじゃ何でこんなにハシャいでるかって?

 

 

 

 

 

 

 

 去り際に ナターシャさんが  頬にキスしてくれました。

 

 

 

 

 

 

 「短い間だったけど、結構いい線行ってたわよ。 これは餞別ね」

 

 とか言って、チュッと。

 

 おおおおお、なんだこのむず痒い感じ。

 もっとエロエロで過激でヒワイで退廃的な事を、かつて……特にアリサやら那木やら橘花やらに散々散々散々散々ヤりまくっていたというのに!

 あの頃とは違う、そしてあれらに匹敵するくらいの高揚がッ!

 なんかこう、甘酸っぱい感じの高揚がッ!

 

 そして颯爽と踵を返して、ガーグァ車に乗り込んでいったナターシャさん。

 耳とか頬が赤くなってたのを見逃しませんでした。

 ひょっとして、頬とは言え初チュー?

 流石に聞ける状況じゃなかったけど。

 

 

 …これはアレだ、期待してよかったんだろうか?

 もっと積極的に言い寄っておくべきだったんだろうか?

 

 

 

 

 

 いやいや、待った待った。

 男としてそうするべきだったのかもしれんが、何の為に山篭りしてたのか思い出せ。

 A.BEEさんから逃げる為というのもあるが、そもそも前回の討鬼伝世界でのように、色欲に溺れない為だったろう。

 いくらナターシャさんに脈アリと見たとて、いきなり色恋性愛に突っ込んでどうする。

 

 …惜しい。

 どうかんがえても色々な意味で惜しかったが、ここは修行の成果が出たと思っておくか。

 それに、がっつかないからこそ、ナターシャさんの好感度が高くなったんだと思うし。

 

 

 

 でもやっぱ惜しい…。

 

 

 

 




寒くて運動しに行く気にならない…。
早く春にならないかなぁ。
そうなったら眠くて運動しに行く気になれないけど。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。