※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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第420話

 

 

 一息ついて、明日奈は姉御を布団に寝かせようとして眉をしかめた。布団は自慰その他による体液で、ベトベトだったからだ。一体どれだけ続けていたんだろうか。

 情事の跡が残る布団に寝た事は何度かあるが、少なくとも病人(?)を寝かせるのに適している訳ではない。

 家の中を物色させてもらい、新しく布団を敷いた。その途中、寝巻の予備も発見したので、汗と体液を拭いて明日奈に着替えさせてもらう。

 

 

 

 とりあえず、一段落か。持ってきた薬は、もう半分くらい呑ませてしまったが、過剰摂取にならなかっただろうか?

 いやそれよりも……おい明日奈、こりゃ一体どうなってんだ。明かに正気じゃなかったぞ。しかも明らかに、俺を性的に襲おうとしていたし。あの眼力は、初めて迫って来た時の明日奈以上だった。

 一体、姉御に何が?

 

 

「……発作よ。練さんは、薬で抑えておかないと、こうなって理性が吹き飛んでしまうのよ」

 

 

 それは、もう見たから分かった。吹雪の為に薬の補充が出来ずに、発作が起きてしまったんだろう。

 …男を近付かせたがらないのは、これが理由か?

 

 

「…それもあるけど、こうなった原因が…」

 

 

 言い辛そうにしている明日奈。やはり、相当にヤバい裏事情があるらしい。

 それを勝手に言う訳にはいかないのも分かるが…。

 聞かされたところで、何か力になれるかは分からない。放っておいてくれと言われそうな気もする。

 

 

「…いいよ、明日奈…。迷惑かけちまったから、あたしが話すよ…」

 

 

 あ、練の姉御…。意識ははっきりしてるのか?

 半分寝ているような顔付で、目だけ開いて俺を見る。布団で横たわり、顔は天井を向いたまま。

 

 

「ああ、薬のおかげでね。無様なところを見せちまった…」

 

「練さん、無理しなくても」

 

「いいよ。どうせ皆知ってる事だ。隠したところで、どうなるものでもない…。……あんた、女人禁制の鍛冶場をあたしが扱ってる事に、疑問を持ったことはないかい?」

 

 

 何度か思った。ただ、他に出来る人も居ないようだし、腕もしっかりしてるようだし…。

 

 

「…あたしもね、最初はモノノフだったのさ。鍛冶に興味はあったけど、女人禁制を理由に学ぶ事も出来なかった。…学んでいる暇があったら、鬼と戦わなくちゃいけなかったし、あたしもそれ程拘っちゃいなかった。それが変わったのは、オオマガトキが起きた時だ」

 

 

 オオマガトキ…戦ってたのか。里の防衛?

 

 

「ああ。戦うと言っても、当時は最年少のモノノフだったし、素質は…言っちゃなんだけど、白浜の奴とどっこいどっこいだったから、大した事はできなかった。それでも戦いに参加してた」

 

 

 オオマガトキでの戦いで生き残ってりゃ、充分古強者に分類されると思うけどな…。それで?

 

 

「…最初はまだ良かった。鬼達は大群で強かったけど、こっちにも猛者は沢山居たし、あの頃はまだ霊山や他の里とも連携が取れてた。どうすれば勝てるのか、鬼達を一掃できるのか、先の見えない戦いだったけど、皆の士気は高かったんだ。…最初だけは。迫ってくる鬼達に気を取られている内に、いつの間にか異界が溢れ出した。他の里との連携が断たれ、霊山からの援護も無くなった。…見捨てられたんだと言う奴も居れば、異界に阻まれて援護を送ろうにも遅れないんだと言う奴も。異界はあたし達の想像よりずっと深く、命を賭けて突破しようとしたモノノフは、一人だって帰ってこなかった。…異界の中で瘴気にやられて力尽きたのか、それとも抜けられたけど霊山や他の里が助けてくれなかったのか…考えたくもないが、一人だけ逃げ出したのか。……それすら分からないのも、疑心暗鬼に拍車をかけた。それに加えて…もう知ってると思うが、里を守っていた結界石の破損だ。…これで纏まっていられる訳がない」

 

 

 ……おかしな話じゃなかった。

 むしろ当然…いや、改めて思い返せば、この里の状況が異常なのだと言える。

 

 孤立し、常に敵に狙われ、未来が見えず、限られた備蓄を何とか遣り繰りして運営されている里。だと言うのに脱走者すら出ていない。むしろ基本的に和気藹々としている。寒雷の旦那が上手く差配していると言うのもあるが、人はそんなに強い生き物ではない。…いや例外は居るけど。例えばフロンティアとかに一杯。

 

 

「戦力にならないあたしへの風当たりも、段々強くなっていった。仕方ないね、非常時だったし実際に弱かったから。…皆の余裕がどんどん削れていって、ささくれ立った空気が漂い始めて、それが煮詰められて…。皆、体も心も限界だった。鬱憤が溜まって、今にも噴き出しそうになって…………そんな時、私は鬼の攻撃を避け損ねて重傷を受けた」

 

 

 そこまで口にして、練の姉御は体を起こした。

 震えている体を抑えつけ、隣に置かれていた湯呑を手に取る。冷めていた茶を一気に呑み込み、落ち着こうとするように大きく息を吐いた。

 

 

 

「あの時…あたしは皆の手で、里に連れ戻された。だけど、その後あった事は………治療じゃなかった。多分」

 

 

 …多分?

 

 

「……まわされたんだよ」

 

 

 ……まわ…?

 

 …回す。回転? 吐くまで回転させられて、三半規管を……いやそーいう話じゃない。

 相撲のマワシの筈もない。

 まわす…まわすって…。

 

 

 

 

 

 …………輪姦…?

 

 

 この里のお人好し連中が? 追い詰められてたからって…?

 

 

 

「……信じられないかい? あたしもそうさ。今でもね…。単なる悪夢だったと言われた方が、まだ納得もいく。事実、目が覚めたあたしは、治療をされて部屋で横たわっていた。…周りには、同じような怪我人が何人も居たけど、『そういう事』をした形跡はなかった」

 

 

 …それなら、単なる夢なんじゃ…。

 

 

「同じ記憶があるんだよ、そいつらにも。重傷で動けないあたしを連れ込んで、最低限の治療だけして、寄って集って圧し掛かったって記憶がね。

 勿論、あいつらにそんな趣味嗜好は無い。あたしを女扱いしてる奴なんて数える程だったし、怪我人を甚振る事も、女に狼藉を働くのも言語道断って奴らだった。起きた途端に腹を斬ろうとしてた奴も居たな。

 それを止めようとして騒いでいる内に、訳も分からない内に、疲労と痛みであたしは気絶して…また輪姦される夢を見た。今度はもっと人数が多かったっけな。

 あたしは眠る度にその夢を見た。あたし以外の連中も、何度も何度も同じ夢を見た。里の女達にもその話はどこからか伝わっていて、庇ってくれたけど…夢からは逃げられなかった。

 …追い詰められて参っちまってた事もあって、段々現実と夢の区別がつかなくなってきた。体の傷が癒え始めた頃には、里の男の殆どが夢を見てた。

 そんな状況で、ゆっくり休める筈がない。皆どんどんおかしくなっていった。夢なのか現実なのか分からないままに、押し寄せる鬼と戦って、あたしを襲って、また戦って。

 あたしはあたしで、いつの間にかそういう状況に慣れちまってた。もうモノノフとして戦う事はできないって、分かってたからかもしれない。夢でも現実でも、輪姦されてる間はその事実から逃げる事ができた。

 いつの間にか、あたしは前線で戦ってるモノノフ達の……慰安婦、っていうのかね。そんな役割になってたよ。そう明言された訳じゃない。

 でも、そういう…夢か現かはともかくとして、そういう事をする事で鬱憤が晴れるモノノフだって居た。…最初は罪悪感で死にそうな顔をしてたけど、良くも悪くも慣れていったんだろう。

 求められた事だって何度もあった。その内の何度が現実だったのかは分からない。

 

 …そんな生活が、どれくらい続いたかね。異界が侵蝕しきって、この里の行動が完全に制限された頃になって、夢は段々見なくなっていった。

 あたしが重傷を負った頃、鬼が何かしらの術を仕掛けたんだろうって言われてたんだけど…そんな事は関係ない。夢だろうと現実だろうと、やっちまった事は記憶に残る。そういう意味じゃ、全部現実同然さ。

 そんな状態で、元の関係に戻れると思うか?

 

 

 …あたしは輪姦される生活が続いたおかげで、体がすっかり染まっちまった。薬で抑えつけておかなきゃ、あんたを襲おうとした時のようなあの様さ。

 里の連中は連中で、あたしに負い目が出来た。

 …だからだよ、あたしが鍛冶屋をやってられるのは。モノノフとして戦う事ができなくなったあたしは、別の役割を求めた。

 死んじまった先代の鍛冶師も、あの夢を見てたからね。せめてもの罪滅ぼしだと、女人禁制の原則を曲げて、あたしに鍛冶を仕込んでくれた。途中で亡くなって、中途半端にしか習得できなかったけどね。

 

 …ま、大体こんなところさ。今となっては気楽なものだよ。負い目があるからか、里の連中はあたしに色々と融通を利かせてくれるから」

 

 

 

 …成程なぁ。里人の態度が、どこか練の姉御に余所余所しいところがある気がしてたが、そういう事だったか。

 思えば、明日奈や神夜が人の精神に働きかける鬼に対して、激しい怒りをみせた事も何度かあった。同じ女として許せんわな。

 男達に対しても、下手に突き回すと里が崩壊するような大事になりかねない。和気藹々とやってるようで、その底にはそれなりの闇があった訳だ。それを封じ込めようとして、それぞれが意識的に和を保つようにしていたんだろう。

 皮肉なもんだ。鬼が里を崩壊させようとして仕掛けた術のおかげで、上辺だけでも里がまとまってるんだから。

 

 練の姉御に対しては……正直、俺からは何も言えん…。

 今まで似たような事を何度もやってたけど、強姦の被害者に対してどう声をかけろと言うのか。しかも本人は、鬱屈と後遺症を持ちながらも既に立ち直っているのだ。

 同情も配慮も侮辱にしかならない。

 

 

「とは言え、いつも薬を飲んでなきゃいけないってのは、結構面倒なものがあるけどね…。鍛冶に夢中になってる内に、飲み忘れそうになる事もあるし、先日みたいに急な吹雪で薬が切れちまう事もある。…どうしようもないけどね」

 

「………」

 

 

 明日奈、そんな目で俺を見るな。どないせいと言うのだ。

 

 とはいえ、違和感はあるっちゃあるんだよな…。鬼が術をかけていたのはほぼ確定。それで追い詰められて、練の姉御も含めて皆がおかしくなっていったのも分かる。

 それで…夢か現実か分からないまま輪姦され続けたとして、そんな体質になるだろうか? 心に傷が出来るのなら分かる。だが、それで薬を飲まされる前のように、オスに飢えるようになるだろうか?

 適応した、或いはモノノフとして復帰できない現実や、辛い環境から逃避する為に自ら壊れたのかもしれない。

 

 …でもそれは違う気がする。上手く言えないが……この人は、意外と強かな女だ。実直なだけじゃない。

 悲惨な記憶や過去の関係を武器にして、自分の立場を確立するくらいには。

 

 

 うーん……あんまり何でもかんでも見通したようなつもりで考えるのも良くないが…。

 ちょっと言動を思い返してみるか。

 

 

『迷惑かけちまったから、あたしが話すよ』

 

『あたしも最初はモノノフだった』

 

『大した事はできなかった』

 

『まとまっていられる筈がない』

 

『弱かったから』

 

『限界だった。鬱憤が溜まって』

 

『重傷を受けた』

 

『まわされた』

 

『夢と現実の区別がつかなくなって』

 

『もう戦う事はできない』

 

『夢からは逃げられなかった』

 

『状況に慣れて』

 

『モノノフ達の…慰安婦、っていうのかね。そんな役割に』

 

『鬼が何かしらの術を』

 

『戦う事ができなくなったあたしは、別の役割を求めた』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …ん? 役割…?

 

 何でここで、役割なんて言葉が出てくる? それ自体はおかしくない。

 里がこの状況じゃ、誰だって何らかの貢献を求められる。罪人だろうと被害者だろうと、そこに変わりはない。いくら負い目があっても、何もできない、しようとしない奴に食わせて行ける程余裕はない。

 だから練が自分に出来る事を求めるのは分かるし、里の連中が多少の融通を利かせてそれを受け入れるのも分かるが……このタイミングで、自分から役割って言葉を使うのは、何だかおかしくないか?

 

 普通に考えれば傷心もいいところだ。男性恐怖症、人間不信になってもおかしくない。ヒステリックに叫び声をあげ、罵声を振り撒いて被害者として慰謝料とか請求しても、誰も責めはしないだろう。

 

 だけど、練の姉御は『役割』を求めた。暴行の対価ではなく、謝罪でもなく、『役割』を。

 考えてみれば、男を遠ざけようとする節こそあれ、里人に対して憎悪や嫌悪を持っている様子は全く見られなかった。俺に対してもそうだ。

 数年間の間に、忌避感が薄れた? それにしては、話す様子が淡々とし過ぎていたように思える。

 

 …信じがたいが…彼女にとって、輪姦された(かもしれない)事は、既に『忌まわしい過去』ではない。今の自分を形作る一要素でしかない。

 壊れてしまったから割り切っているのか、元々そういう気質なのかは分からないが。

 

 

 してみると………それを元に考えると……。『別の役割』が鍛冶屋。『元の役割』は? モノノフ? それとも…。

 

 

『モノノフ達の…慰安婦、っていうのかね。そんな役割に』

 

 

 …慰安婦でも、一つの役割には違いない。名誉不名誉はこの際関係ない。

 練の姉御にとっては、これらは自分の居場所を確保する為の行為に過ぎないのか。

 

 叩き伏せられ、女性として最悪の屈辱を味わわされた事さえ、『仕事』でしかないのか。

 …いや、おかしな事ではない。その精神性はともかくとして、考えてみればAV女優なんかと同じようなものだ。お水関係の女性だって、ある意味では同じと言えるだろう。

 行為と引き換えに、金銭ではなく立場と安定を得る。他者の目線や評価がどうあれ、自分の立ち位置にプライドや誇りを持っている人はいる。同情すべきでも蔑むべきでもない。

 

 

「…なんだい?」

 

 

 いや、俺がどうこう言うべき事じゃないって事が理解できただけだ。あんた、ある意味恐ろしい人だな。

 

 

「何をどう考えてそうなったのかは知らないが、納得したならそれでいいさ」

 

「…………」

 

 

 明日奈、不満そうな顔をするな。気持ちと考えは分からんでもないが、これはお前が考えてるような問題じゃない。

 

 気遣われるより、犯されるより、傷つけられるより、ひょっとしなくても殺されるより。

 練の姉御にとって我慢ならないのは、自らが無価値…『何もできない者』に成り下がる事。それこそが、何よりも許せない事だったんだろう。

 戦った結果の負傷であっても、世話をされるだけの極潰しになるくらいなら、嬲り者にされてでも皆の鬱憤を晴らして、里に貢献できる方を選ぶ。……狂ってるな。

 

 

「何か妙な目で見られている気がするな…。…まぁ、こんな事言っても、やっぱり発作はどうにかしたいんだけどね。真面目な話、一々薬を飲むのも面倒だし、仕事に支障が出てる。調合の為の労力も、楽なもんじゃないだろうし」

 

 

 今の立ち位置が変わってしまっても?

 

 

「変わらないだろうね。発作が無くなったとしても、私が許すと言っていても、あいつらの負い目は消えない。お人好しだから、猶更ね」

 

 

 …間接的に、俺の類推を肯定するような返答が来た。

 彼女は自分がどう見られているのか理解し、それを意識的に利用して振る舞っている。うーん、女は見た目じゃ分からんなぁ。

 

 こりゃ下手な事しない方がお互いの為だな。練の姉御が策謀で害をなしてくるとは思わないが、迂闊に踏み込めば里人の意識がこちらに向きかねない。

 

 

 とりあえず…暫く安静にしとけよ。薬の材料、まだ足りてないから採ってくる事になってんだ。

 

 

「ああ、頼んだよ。…そうそう、それと前にも言った気がするけど、偶には武器の手入れに来な。応急処置的な事ばっかりやってると、いざって時にどうにもならなくなるよ」

 

 

 あいよ。

 ほれ明日奈、帰るぞ。言いたい事は色々あるようだが、後で聞いてやる。

 

 

「…分かりました。病人の傍で騒ぐのもよくありませんし…」

 

 

 明らかに納得していない顔の明日奈だが、同時に仕方ないとも思っているようだ。

 そう何でもかんでも解決できるものじゃないと言うのは、頭では分かっているんだろう。

 

 …明日奈が考えてるような理由じゃないんだよなぁ…どう納得させたものか。

 

 

 

 っと、ああそうだ。確証はないけど、発作ならどうにかできるかもしれないぞ。

 ただ、交合でつけられた傷は交合で治すんで、交わる必要があるけども。

 

 

「へえ、じゃあ気が向いたら頼もうかな。悪いけど今は、そういう気分じゃないんだ。薬のおかげで、性欲が抑えられててね」

 

 

 体を要求するのにも等しい、しかも非常に怪しい提案だったが、練の姉御はあっさりと受け流した。

 怒りすらしないのは、そういう事に本当に抵抗が無い為。或いは真に受けていないのか。

 

 どっちにしろ、明日奈に軽く蹴っ飛ばされながら、俺達は鍛冶屋を後にした。

 …おい明日奈よ、人肌で心を癒せるかって最初に効いてきたのは君でしょうが。

 

 

 

 

 

 

 

 出掛ける気分でもなくなってしまったので家に戻る。

 いそいそと飯やら風呂やらの準備をしてくれる明日奈を横目に、しみじみとこの里に来てからの事を思い返す。

 

 …小さいながらも一致団結している、暖かい(物理的には寒い)里だと思っていたけど、意外と闇が深いよなぁ、この里…。

 上辺で仲良くしているよりも、同じ脛に傷を持つ集団の方がまとまりがいいのは皮肉な物だ。

 

 しかし、練の姉御は納得ずくで今の立場に居るのだとしても、明日奈や神夜が気にしている。男としてどうにかしてやりたいと思う。

 …「また大きくなった」らしい、練の姉御のオパーイで遊んでみたいとは思ってない。半分くらいしか。大きさで言えば神夜のが上なんだけど、褐色おっぱいだもんなぁ…。いや勿論、神夜の真っ白なマシュマロ巨乳や、スレンダーなのに出るとこ出ている明日奈の乳や、どんな扱われ方をしても悦んでしまう雪華の乳も好きなんだけど。何でもいいんだろうって? おっぱいに大小好みはあっても貴賤はないよ。

 

 

 それはそれとして、探せばまだまだ闇が埋もれていそうな気がしてならない。人が集団生活を送ってるんだから、よくも悪くもそういう物は増えていくだろうけど。

 深く考えると色々怖い事になりそうだし、去っていく予定の余所者があまり首を突っ込むべきでもないだろう。今更だけど。

 

 

「はい、お待ちどうさま。ご飯が出来たわよ」

 

 

 お、ありがとう。今日も美味そうだな。

 …? 明日奈、どうかしたか? やっぱり練の姉御の事か。

 

 

「…うん」

 

 

 本当に、どう言ったものかなぁ。

 俺の推測は、練の姉御に肯定されたようなものだったが、それじゃ明日奈は納得しないだろう。

 肉欲の味を覚えたからと言って、そういう考え方を受け入れられるようになった訳じゃない。もしも自分がそんな立場だったら…と思うだけで、どうにもできない程拒絶を見せるだろう。

 惚れた相手以外に抱かれる等、苦痛でしかないだろう。……その割にはレズプレイオッケーになってるけど。

 

 

「発作だけでもどうにかできるかも…っていうのは、本当なの?」

 

 

 正直、試してみないと分からないけどな…。

 詳細は省くけど、練の姉御のあの症状は後遺症と言うより……自分からそうなった節があるから。別におかしな事じゃない。似たような例なら幾つかある。

 蜘蛛が苦手な人って結構居るだろ。実際の蜘蛛は、頭の中で思い描く蜘蛛程気色悪くないのに、苦手だ嫌いだと思っているから、どんどんその印象が強くなっていく。

 それと同じで、『自分はこういう者だ』『こんな事があったのだから、こういう風になっている筈だ』と、自分で自分に暗示をかけ続けてるようなものだ。

 

 かなり厄介な症状ではあるが、究極的には自己認識によるものだからな。

 確実ではないし完璧には程遠いだろうけど、それさえ壊してしまえば……まぁ、体もある程度適応しているだろうから、そこから元に戻るのにちょっと時間がかかると思うけど。

 それも含めて、練の姉御本人の意思次第だ。

 幾ら治療行為だからって、抱かれるのをあっさり受け入れられると思うか?

 

 

「……思わないわ。あんな事があったんだから、猶更」

 

 

 ……明日奈にはこう言っているが、多分必要であればあっさりと受け入れる。これは単に、納得しやすいだろうからこう言っているだけだ。

 

 

「それに、自己暗示でああまでなるって言うのも、正直ちょっと信じられないし」

 

 

 普通は無いな。本人の気質と、環境と、認めたくない現実からの逃避、鬼の術による異常な精神状態…色々と噛み合ってああなったんだと思う。

 人間の精神なんて、根っこは柔軟でも上面は脆いもんだ。

 

 

「普通、逆じゃない? 表面をどんなに取り繕っても、心の底の弱さは覆えないっていう」

 

 

 どっちも同じ事だよ。解釈一つでどうとでも言える。

 

 とりとめもない話をしながら、明日奈の表情は陰って見えた。それだけ練の姉御の事が気になっているんだろう。姉御は姉御で、そういう皆の心配を知っておきながら開き直っているのだからタチが悪い。

 正直な話、俺から練の姉御に働きかける気はなかった。

 そりゃ体は美味そうだし、明日奈達がこんな表情をするのも気分が悪いし、ああいう女を都合よく染め上げて自分専用にすると言うのも心惹かれるものはあるが、

 向こうから「発作をどうにかしてくれ」と言われない限り、練の姉御に手を出す気はない。

 

 外見はともかく、性格的に好みじゃないって事なのかねぇ。俺に好みなんてものがあるのかが疑問だけど。

 

 

 

 

 

 その夜は、明日奈の気分が乗らなかった……練の姉御がされた事を連想してしまうんだろう……事もあり、交合ではなく夜通し語明かす事にした。

 事後ではないが、ピロートークみたいなものだ。同じ布団の中で、ピッタリ寄り添って話し込んだのは事実だしな。

 俺の上に明日奈が寝ころんで、柔らかくてスベスベして、ナニがギンギン滾ってたけど、そこは適当に抑え込んだ。欲に溺れるばかりが房中術ではないのだよ。…むしろ欲との付き合い方こそが房中術の本懐なので、こっちの方が本来の使い方とも言える。

 

 俺が大きくしているのに気付いた明日奈は、申し訳なさそうな顔をして、手や口だけでもする?と言ってくれたが、そこまで行ったら絶対止まらなくなる。大人しく会話を楽しむだけにした。

 結果的にはそれで大正解だったようだ。自分に合わせて抑えてくれたと思ったのか、今までとは少し違った好意を感じる。体だけの関係じゃない、思いやってくれているという信頼感と言うか。

 

 

 

 布団の中で話していたのは、里の外…主に外国の事だ。外国と言っても、この時代の異国がどうなってるのかよく分からない。討鬼伝は時代や背景的に幕末付近だと思ってたけど、実際は超がつく程未来の話だった…なんて説も聞いた事があったような無かったような。

 ともあれ、俺の知っている外国と言えば、MH世界の各地方、GE世界の極東とライブツアーで訪れた一部地域くらいだ。崑崙山のド真ん中に放り出された事もあったけど、あそこは岩ばかりで何もなかったしなぁ…。

 しかし、それでも明日奈の興味を強く引くには充分過ぎた。

 知らない言葉、知らない土地、知らない人々、知らない風習、知らない素材…。物心ついてから、この里から出た事のない明日奈にとってはどんな物語よりも煌めいて感じられただろう。…この世界に同じ物があるか、あったとしても残っているかは非常に疑問だが。

 

 明日奈に頼まれ、幾つかの外国語を教え始める。と言っても、文脈とか教えるのは非常に面倒くさいので、単語程度だが。

 木綿季の忘れ形見(成仏してないけど)である、いつぞや見せた連続斬撃の名前の意味も教えてやる。…知らずに使っていたらしい。木綿季からも名前の由来は聞いていなかったのだそうな。

 …ちゅーか、木綿季は何処からマザーズ・ロザリオなんて名前を引っ張って来たんだろうか。南蛮人とどっかで会ってたのかなぁ…。いや母親のロザリオってくらいだし、実はお母さんがキリシタンだったとか? 今度会った時に聞いてみようか。

 

 

 暫く話していたが、二人揃っていつの間にか寝落ちしてしまった。まぁ、偶にはこんな日もいいだろう。

 あと、発音がかなり怪しいけど、明日奈が幾つか英単語を覚えました。……今後はエロい言葉も教えていく予定です。

 

 

 

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