※この作品はR-18です。

狩りゲー世界転生輪   作:時守 暦

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さて、明日はワールドシーカー発売日。
どんなものか…。
発売前、体験版さえ無しにあれこれ批評をする声はなるべく当てにしない事にしていますが、やはり不安は募るもの。
神ゲーとは言わない、トロコンしようと思えるくらいのゲームでありますように。

と言うか、GE3はまだ高難易度ミッションが出てないんかい…。



またしても暗い愚痴になりますが、やっぱ店長とソリが合わん…。
人間関係が一番の離職原因って話に心底頷きたくなります。
明日も帰り際のお説教がほぼ確定。
ワールドシーカー発売日なんだから帰らせろ、と言うのは流石に理由としては酷すぎるけど。


それはそれとして、アンケート機能を使ってみたくなりました。
上手くできてるかな?



第428話

 ここまでが参拾溌日目。

 そんでここから参拾玖日、つまり今日の事。

 

 新しい関係を構築し、朗らかに(強弁)微笑む雪華と風華を後に、里を周る。今日明日でこの里から出るんだなーと思うと、急に名残惜しく思えてくる。

 よくよく考えれば、やりかけて途中で辞めてしまった事とか、考えついたはいいけど実行に移してない事とか、どんどん思い出されてくる。

 

 具体的には風呂屋を作るって考えとかね。色々考えたけど、最終的には風呂じゃなくてサウナとか岩盤浴を作れないかと考えてたんだよ。

 異界の中には、マグマとか流れてる場所もあるからな…。その辺の岩盤を上手く取ってきて加工すれば行けるんじゃないかと思ったんだ。結局、マグマのある異界は見つからなかったし、そうでなくともどうやって温めるかを思いつけず、お蔵入りになったんだけど。

 サウナにしたって、中の蒸気や熱気を逃がさない部屋の作り方が分からなかった。アイデアを出すだけ出して、なーんにも出来なかったよ。

 

 他には…そうだ、この里にない武器の使い方を教えてくれって言ってたモノノフも居たっけ。基本的な使い方は教えたけど、技と言えるものはまだ教えてないんだよな。ゲーム的に言えば特殊技とか溜め攻撃とか、その辺の奴を。

 でも、そこは今後、霊山との交流が復活すれば、徐々に情報も入ってくるだろう。中途半端にしか教えられなくてすまないと思うが、白浜君みたいに一緒に行く訳にもいかないし。

 

 

 そうそう、超界石の調査は、結局しなかった。それどころではなくなった、とも言う。

 元々、超界石調査の目的は、両さんが居た例の塔のに関係しているのではないかという疑惑からだ。その疑惑自体はまだ続いているが、両さんが既に帰って来たからな。

 塔自体の存在も謎のままだが、現状で慌てて調査するべき事でもない。

 

 

 …両さん、オオマガトキモドキの穴を通って帰って来たけど…開いてて良かった……のか? アレが無かったとしても、自力で帰ってきそうな人だが。

 結局、あの穴を開いたままにするのか…。やらかしておいて何だけど、本当に大丈夫だろうか。あそこから、鬼や瘴気が溢れ出したりするんじゃなかろうか。

 本願寺顕如=サンが監視・調査を手伝ってくれているが、どうなる事か。

 

 

 本願寺顕如=サンとも、あまり話はできなかった。ていうか思い切り説教されてブン殴られてから、会っていない。

 最後に会った時には、尼さんの屁がどうの、とブツブツ言っていたが……尼さんの屁? …妙な趣味でも拗らせているんだろうか? しかし怖くて聞けない。

 

 そういや、木綿季にもまだ会いに行ってない。

 あの夜以来、時々明日奈に憑いて里に遊びに来たり、夜の乱交に混じったりしているが、あの子はどうするんだろう。

 役目で言えば、結界石の彫像(シオ)に留まり、結界の維持を補助する筈だ。しかし、今の雪華には…言っちゃなんだが、補助はあまり必要ない。結界の隙間を消しきる事は出来ていないが、霊力が増大している為、結界を張っても体に負担はかからないのだ。

 あの子の性格を考えると、里の外を見てみたいとか言って、明日奈に憑いてくるくらいの事はしてもおかしくない。

 

 里の天狐ともあまり仲良くなってないが、これはまぁ趣味みたいなもんだからいいとして。

 

 えーと、他にもまだまだあるなぁ。これってアレだな、カラオケの終了時間が迫ると、歌いたい歌を思い出すような感じ。

 ともあれ、今からでも出来る事はある。まずは木綿季に会いに行こう。

 

 

 

「ちょいといいかい」

 

 

 うん? おや、練の姉御じゃないの。外を出歩いてるとは珍しい。

 

 

「そうかい? 私だって、鍛冶場に籠りっきりって訳じゃないさ。休みにしている日もあるし、 日が落ちてからは日用品の買い出しに行く事もある。まぁ、確かに昼の休憩で外に出るのは珍しいかもね」

 

 

 ふーん。で、俺に何か用事? ああ、旅立ちの挨拶だったら、こっちから出向こうと思ってたんだけど。

 

 

「ああ…ちょいと頼みたい事があってね。ここじゃなんだ、店までいいかい?」

 

 

 はいよ。

 2,3日すれば練の姉御ともお別れかぁ。仕方ない事だけど、出会いはともかく別れは慣れないなぁ。

 

 

「永遠にお別れって訳でもないんだ。少なくとも、何れ雪華には会いに来るだろ。その時にまた会えるんじゃないかい」

 

 

 そうだね。…あれ、雪華との関係、ばれてる?

 

 

「隠してるつもりでもなかったろうに。安心しなよ、色々と普通じゃないというか、神垣の巫女にするような扱いじゃないって事までは…うん、まぁ多分、一部しか気づいてないから」

 

 

 ……その一部がこれ以上増えない事を祈るよ。あと、風華との新しい関係についても。

 と言うか、雪華との関係を知ってるなら、よくそれで俺と二人きりになろうなんて思えるな。

 

 

「別にいいんじゃないかい。合意も無く抑えつけて犯した訳じゃないようだし、本人も納得しているようだし。…深い関係になった女をあっさり捨てて、里を去る事についてはちょいと頭にくるものがあるが、誰かが行かなきゃいけない仕事だしね」

 

 

 別に捨てるつもりはないが、そう見えるよなぁ。身勝手極まりないのは変わりないし。

 …とは言え、行かなきゃ暫くした後、オオマガトキ第二段…俺がやらかしたモドキも含めれば第三段?で何もかも滅ぶし。

 

 話しながら鍛冶場に入ると、炉の火が消えていた。…今日は休みの日だっけ?

 

 

「いや、そこに看板だしてるだろ。午後は臨時休業だ。あんたに話があったからね。何日か前から出してたんだが………まぁ、あんたは武器の手入れに来ないから知らなかったか」

 

 

 いや何度か手入れを頼んだでしょ。

 

 

「あれは本来の得物じゃない。作ってから殆ど使ってなかった物だ。大方、この里の武具と同じ程度の物を適当に見繕って使っていたんだろう。…何処に持ってたのかは知らないけど。手入れに出したのも、私を信用しているという……見せかけだ」

 

 

 …御明察。頭に来るだろうけど。

 

 

「いや別に。技術が不十分なのは自覚してるし、見繕った武器であの出来だ。本命の武器がどんな代物なのか興味はあるが、私の手に負える物じゃないのは分かっている。…今日の話は、それにも絡んでくるんだが…まず上がってくれ」

 

 

 奥の間に通され、ちゃぶ台を挟んで向かい合う。…以前入ったのとは別の部屋だな。練の姉御がハイライト無しでオナッてた姿を思い出したが、振り払う。

 お茶を淹れられ、啜って一息。

 

 

「さて、話と言うのは他でもない。あたしの発作を治してほしい」

 

 

 ほう。構わないが、どんな心境の変化だ。前にその話をした時は乗り気じゃなかったと思うが。

 

 

「別に嫌だった訳じゃない。方法からして怪しい話だったから、信じられなかっただけだ。犯された後遺症の発作を、交わる事で回復できるって言われて信じられるか」

 

 

 …それを言われると、反論のしようが無いな。

 で、今は信じていると?

 

 

「正直、半信半疑だ。だが、お前はもう里の外に出ていくんだろう。そうなったら試す事さえできなくなる。どの道、交わる事に忌避感も羞恥心も無い。だったら試すだけ試せばいいだろう」

 

 

 …相変わらず、精神的に突き抜けてるなぁ。この際だからはっきり聞くが、練の姉御にとってその発作は里の中で優位に立つ為の武器でもあった筈。

 発作がある限り、かつての傷が癒えていない練の姉御を、里の男達は無碍にできない。それどころか、罪悪感から何かと融通を利かせようとする。

 発作を治す手段が無かったとは言え、そういう部分も意識していたろう。

 治してしまっていいのか?

 

 

「ああ。治せるもんなら、治してしまいたい。何度も薬を呑まなきゃならんし……不味いんだ、あれ。融通云々も……意図して利用してきたのは認める。だが、これからはそうもいかない。鍛冶仕事だって、外との交流が復活すれば、私より腕のいい鍛冶師が来る事もあるだろう。そうなれば私の『役割』は終わりだ」

 

 

 そんなに極端なもんかね。ここの里の人達なら、見知らぬ名工よりも知ってる日曜大工を選びそうだけど。

 

 

「モノノフの装備にそんな事を言うようなら、そいつは遠からず死ぬよ。鉄火場で命を預ける道具なんだ。多少は信用信頼で相手を選ぶのも分かるけど、装備は出来る限りいい物を揃えるのが当たり前だ。それをあたしの存在が、足を引っ張って選べなくするようじゃ鍛冶師なんぞ廃業したほうがいい」

 

 

 まぁ、そうだな。使い捨ての道具だって必要だけど…。つまり、自分の役割を全うするのに邪魔になったから、発作を治したいと。

 

 

「それに加えて、報酬も兼ねる」

 

 

 報酬?

 

 

「あたしの体にどれだけ価値があるかは分からないが、その分好きに使っていい。それくらいしか、対価に出来る物が無い。大体の事は、あの夢の中でされてるからね。首を絞めながら犯すとか、豚の鳴きまねをさせるとか、何なら殴って憂さ晴らしに使っても構わない。代わりに、旅先で得た鍛冶技術や、素材なんかを寄越してほしい」

 

 

 夢とは言え、そこまでやってたのか…。誰かの無意識の願望なのか、鬼が意図的に悪夢として仕込んだのか…。

 要するに、このままだと鍛冶師としての立場も役割も無くなってしまうから、ヤらせる代わりに情報をくれって事か。

 前の時は食指が今一つ動かなかったが、一度だけの関係、体だけの関係として割り切るなら、練の姉御の体はヨダレが出そうな程美味しそうだ。どっちにしろ治療の為に抱くんだし、そのついでに好きにしていいと言われれば……うん、まだまだ初心者の3人娘には使えない、アレとかコレとかソレとか使ってハッチャけてもいいよね? あぁ、新しいトラウマができないように加減はするが。

 

 しかし、モノノフとして戦うのは役割だから、かつて輪姦されたのは役割の為、発作が起きても役割の為、体を差し出すのも役割の為…。ワーカーホリックってレベルじゃないな。

 何が切っ掛けだったのか、生来のものなのかは分からないが、イカれてる。…色に狂ってる俺が言えた事でもないか。

 

 ともあれ、その取引には乗った。

 

 

「ありがとう。それじゃ、どうする? 今ここでするかい?」

 

 

 そうしたいところだが、まだ顔見せに行かなきゃならない人も残ってるし、その間に寝床の準備でもしといてくれ。

 今から始めても、中途半端な時間になっちまいそうだし。

 

 

「はいよ。禊もやっておく。午前中だけとは言え、鍛冶仕事で汗を掻いたからね」

 

 

 あ、それは無しで。

 

 

「…まぁ、そういうのが好きだった奴も居たさ。執拗に脇とか舐めて来たっけな」

 

 

 

 

 

 さて、練の姉御の事は、雪華に言っておくべきかなぁ? 同じ男に抱かれた者同士、何となく勘付くような気がする。

 浮気を気にするような雪華じゃないが、一応報告だけはしておくか。

 

 

 その後、里でまだ挨拶をしていなかった人達と一通り歓談。餞別として、自家製の漬物をくれる人も居た。…これ、確か練武戦前日の…文化祭?で、超絶人気の奴なんですが。ジッサイウマイ。

 夕方と言うにはまだ早いが、空の色が変わり始める頃、練の姉御の部屋に戻って来た。

 

 遅くなった。待たせたかな?

 

 

「フー フー ああ、気にしなくていいよ。 フー 言われた通り、風呂には入ってない。ま、入っても同じだったみたいだけど」

 

 

 …? 息が荒い。運動していたのでもないのに、体が汗ばんでいる。

 これは………興奮? いや、発作?

 

 

「薬飲んでないんで、フー、軽い発作がね。前に見られたみたいに意識が飛ぶ程じゃ、フー、ない」

 

 

 何でまた…。もう薬の在庫が無くなったのか?

 

 

「治療を頼むんだから、薬が効いている状態だとまずいんじゃ、フー、ないかと思って。それに性欲と性感を麻痺させる薬だから、フー、報酬にも支障が出る」

 

 

 律儀やなぁ…。確かに、薬で麻痺してると余計な手間がかかりそうではあるけど。

 奥にある床の間に案内され、練の姉御自らが整えた布団が目に入った。

 悪く言えば大雑把、よく言えば豪快そうな姉御の性格に反し、プロの仕事かと思う程に綺麗に整えられた布団。その前に立って、練の姉御は振り返る。

 

 

「それじゃ、初めておくれ。…私からも何かした方がいいかい?」

 

 

 普通に交わるようにしてくれればいいよ。後はこっちで治療する。

 

 

「普通に交わった事……は、考えてみれば無かった気がする。ん? いやそうでもなかったっけ? …まぁいいか。やる事は同じだ」

 

 

 そーね。俺の腕の中で善がれ、で済むものね。

 布団の前に立つ姉御を抱き寄せ、腕の中に抱え込む。全く躊躇わずに腕を絡ませ返してきた。

 

 練の姉御の身長は、俺よりも頭一つ分程大きい。女性としては珍しいくらいの体格だ。

 その為、頭を抱え込まれると、丁度乳房に顔が埋まる事になる。野暮ったい上着を脱がせると、中に押し込められていた匂いがムワッと広がった。

 

 据えた汗の匂いだが、不快感は感じない。元々、体臭が薄い体質なのか。

 

 

「嫌だったかい?」

 

 

 まさか。頼んだのは俺だぜ。

 にしても、ちょっと意外かな。サラシしか付けてないんだ。女の間で流行ってる下着とか、作ってくれって頼まれてたろうに。

 

 

「鍛冶仕事の為に、そんな洒落た物をつけてもね。どうせ、汗であっという間に駄目になっちまう」

 

 

 胸の揺れを抑えるだけなら、サラシで充分って事か。

 

 何重にも巻かれている包帯に、指をかける。白い包帯と、褐色の肌のコントラストが目に焼き付いた。

 谷間に指を差し込んで包帯を下に引っ張ってやると、強い一瞬の抵抗の後、弾け飛ぶように双丘が顔を出した。

 

 これは…サイズだけで言えば、神夜に匹敵するんじゃないか?

 

 

「また大きくなったな…。やっぱり抑えつけられている反動かな…」

 

 

 むしろ、常時薬を呑まなきゃならないくらいのアドレナリンやら女性ホルモンやらが、妙な形で影響してるんじゃないだろうか。或いは、幼い頃に性経験を積んでしまった事により、ホルモンバランスが云々。

 全体の体格で見れば、バランスはいいくらいなんだけどなぁ…。

 

 何にせよ、乳房の深い谷間に顔を捻じ込み、舌を這わせる。

 サラシで閉じ込められていた据えた匂いと、汗が渇いた後特有のしょっぱさを存分に満喫する。

 

 

「そんなに胸の谷間が好きかい? それじゃ、こうしてあげるよ…!」

 

 

 頭を抱え込まれた体勢はそのままに、練の姉御に押し倒される。布団の上に横たわったかと思うと、容赦なく体重をかけて来た。

 乳圧が体重で増加され、2メートル近い体の重さを顔に集中される。頭の下には枕、左右には褐色巨乳、前には谷間の一番奥。

 窒息死させるつもりかと思うくらいの乳圧を、思うさま堪能する。確かに、一般人からすれば天国であると同時に命の危機でもあるが、乳から酸素を得る事が出来る俺にとっては単なる極楽よ。

 

 

「随分好きだねぇ。これをやられた奴らは、最初はともかく最後の方は息苦しくなって悶え始めるんだけど。…ふふっ、随分興奮してるじゃないか。服の上からでも分かるくらいだよ」

 

 

 そういう練の姉御も、体温だけで分かるくらいの乗り気ですな。発作の為だけじゃないようだ。

 相変わらず乳房で視界を塞ぎ、動きを止めながら、練の姉御はお互いの体をまさぐり始める。

 

 服を脱いでいくのが、動きから分かった。同時に、俺の服を開けて、素肌同志を接触させ始める。

 場数を踏んでいる為か、動きに乱れも迷いも無い。

 

 女の体は、その気になれば何処ででも男を悦ばせられる…と言うが、練の姉御は既にその領域に達していた。服を放り出しながらも各所を接触させ、体温を伝え、挟み込んで刺激する。

 自分だけでなく、男の性感体をよく知っており、それらを絡め合わせて互いを昂らせる。

 

 思ってたより上手だなぁ。

 

 

「あの頃は、これがあたしの役割だったからね…。上手くやろうとして、色々試したり、話を聞いてみたりしたのさ」

 

 

 せっかちなのか、体の昂ぶりを抑えきれないのか、それとも単に作業として割り切っているからなのか、練の姉御は早速本番…俺のナニを下の口で咥え込もうとしたが、俺はそれを制止した。

 

 

「…? なんだい、今更嫌とは言うまいに」

 

 

 忘れてないか? 治療が先だ。

 個人的にも、主導権を握っていたいし、そっちの方がやりやすい。

 

 

「そうかい。ならあんたに任せるよ。…あんまり焦らさないでおくれよ。これでも、ちょっと期待してるんだ」

 

 

 生憎と、そのお願いは聞けないなぁ。ゆっくり時間をかけてやるからな。

 練の姉御の体に押し倒されたまま抱きしめ、背中を撫で回す。フェザータッチや柔らかい刺激に慣れてないのか、もどかしそうに体をくねらせ、肌を擦りつけてくる。

 立ち上るフェロモンと汗の匂いで、股間の愚息がいきり立つ。練の姉御の入り口にピッタリ狙いをつけながら、触れるのは先端とその周辺のみ。

 

 体の内部に触れるのは、口の中のみ。舌を絡ませ合い、唾液を啜りながらも愛撫は続く。

 決して決定的な刺激は与えず、徐々に昂らせていく。堪え切れなくなった練の姉御が体を擦りつけ、俺の体を使った自慰を始めても、決して一定以上にいかせる事はない。

 

 それをどれだけ続けたか。体感時間操作を全開で使っている為、実際の時間としてはほんの僅か………いや、多分30分くらいは経ってるな。

 体感時間で言えば……ざっと半日くらい?

 

 その間に、練の姉御の様子は明らかに変化していた。

 行為を始める前から続いていた、発作による不自然な性的興奮は鳴りを潜め、乱れていた呼吸も深く静かなものに落ち着いている。

 

 いや、落ち着いていると言うのは見間違い、表面上のみだ。深呼吸を何度も繰り返しているような練の姉御は、その実今では心身ともに非常に昂っている。

 

 

「…なんだか、おかしな気分だね」

 

 

 こんなに時間をかけて交わる事が?

 

 

「あたしを抱いた男は、大体自分のやりたいようにやって、短時間で終わらせてたからね」

 

 

 …早いの?

 

 

「そういうのも居たけど、自分の事だけ考えて、堪えたり、あたしの様子を伺う必要もなかったからだろ。…おかしな気分っていうのは、それだけじゃないよ。いつもの発作以上に獣欲が膨れ上がってるのに、あたしが平静でいられるのが、さ。頭の中が真っ白になりそうな程なのに、普段通りのあたしで居られる」

 

 

 それが治療法だからな。

 ポリネシアンセックスの応用だ。

 

 

「ぽり…し?」

 

 

 日ノ本の外、もっと南にある国に伝わってる房中術さ。本来なら、5日間かけて交合する。

 初日から4日目までは接吻や愛撫のみで準備を整え、5日目で本番。この時も、結構な時間をかけて行為を行う。

 

 当然ながら、4日間ずっと『そういう事』をしながら過ごすんじゃない。日中は飯も食うし仕事もする。昂った体を持ったまま、普通に過ごす事もできるんだ。

 

 

「合点がいった。あたしの治療ってのは、要するにそれか。発作を起こさなくするんじゃなくて、発作が起きてもそのまま行動できるようにする事。その為に…」

 

 

 その通り。今にも暴走しそうな体を適度に抑えつけて、発散させるんじゃなくて体と精神を慣れさせる。

 …あれだな、要するにスーパーサイヤ人状態に体を慣れさせるのと同じ理屈だ。多分。

 

 そもそも発作を起きないようにする事も考えたけど、有効な手段が思い浮かばなかったし、性欲を感じないのもそれはそれで異常な話だ。

 

 

「確かに、いつもよりずっと体が熱いのに、我を忘れる程じゃない…。この状態を刻み込めれば、発作も大したことはないって受け流せるようになりそうだ」

 

 

 刻み込むというか、認識を改められれば…かな。発作の切っ掛けはともかく、そこから我を忘れる程の衝動に襲われるのは、言っちゃなんだけど半分以上は思い込みによる影響だったから。

 

 

「思い込みね…。何となく気付いてはいたけど、あたしは自分で自分を苦しめてたって事か…」

 

 

 …里の中での立場を作る為に、半ば確信して放置してたろ…。

 ま、その辺の後ろ暗い話題はここまでにして。時間をかけて、ゆっくり楽しもうか。その方が、治療の効果も高いだろうしな。

 

 

「…そうだねぇ。こんな気分は初めてだし、これなら焦らされるのも悪くない。じっくり楽しませてもらおうか。…交わってる間に、相手の顔をじっくり見るのも初めてだしね」

 

 

 やれやれ、経験が偏ってんなぁ。こんな顔でよければ、好きなだけ見るがよろしい。

 

 

「ああ。その顔を気持ちよく歪めてやりたくなってきた。昂ぶりを保つのは、お互い様なんだろう? 達しないように気をつけな」

 

 

 

 

 

 それから、練の姉御は緩々と奉仕を始めた。行為自体も文字通り非常にゆっくりしているし、手コキだって触れるか触れないかギリギリの力加減。はっきり言えば、『触れられてない』とさえ思える行為。

 しかし、『そうされている』と思うと確かに体は昂ってくる。

 

 焦らされるのは俺も一緒だ、とでも言いたげに、体中に手を這わされる。

 実際、俺も昂ぶりを持て余しそうになっていた。何だかんだで、こういうゆったりしたセックスには慣れていない。激しく貪り合うのがいつものやり方だ。治療も何もかも放り出し、突っ込んでぶちまけてしまいたい衝動に駆られる。

 それを見て取った練の姉御は、唇の端を釣り上げて更に行為を続ける。治療が台無しになっても構わない、と言わんばかりだ。

 

 

 

 

 体感時間にして、更に4時間くらいが過ぎた頃だろうか? お互いに、時間を忘れて昂らせ合う。絶頂だけはしてはならないと、妙な意地だけが残っていた。

 既に言葉を発する事すら忘れ、互いが与え続ける快感の海で微睡み、揺蕩っているような感覚。

 

 

 練の姉御は、俺が射精をすまいと堪えている事を察すると、更に行為を激しくさせ始めた。

 指で肉棒を弄り回すのは当たり前、乳首を舐め、首筋に唇を堕とし、耳に舌を差し込み、アナルに小指を突き入れようとする。

 

 逆に、俺は練の姉御がつい達してしまわないよう、リミットギリギリまで快感を注ぎ込み続ける。

 尻を揉みしだき、乳房を捻り上げ、淫核をフェザータッチで撫で回し、耳元で睦言を囁いて、内股に獣欲の先端を擦りつけて粘液を刷り込む。x

 

 意外と言うかなんというか、一番大きな反応を引き出したのは睦言だった。

 虚言を弄したつもりはない。練の姉御に対して持っている、好意的な印象を素直に…いや、ちょっとムードを意識して囁いただけだ。

 しかし、それは練の姉御の調子を著しく狂わせるものだったらしい。

 

 『立場』『役割』に拘り、練の姉御はそれに従う事に全く躊躇いを持たない。もしも人身御供の役割でも請け負ってしまえば、鬼に喰われに行くのにも、自刃するのにも、崖から飛ぶのにも、全く躊躇わずに実行するだろう。

 だが、今はそのどちらも纏っていない。今ここに居るのは、治療と同時に男に抱かれている、一人の女でしかなかった。

 そこへ、甘い睦言を囁かれて、自分でも思った以上に真に受けてしまったらしい。泰然とした態度が崩れ、赤面し、声を必死に我慢する。

 さっきまでとは全く逆の、経験豊富なのに初心な女がそこに居た。

 

 幸いなのか不幸なのか、それが発覚したのは本番の直前だった。

 体が充分以上に昂ぶりきり、練の姉御も発情しながらも冷静という状態に慣れてきた。

 さぁこれから、と言う時に突然だったので、その豹変には本当に驚いてしまった。

 

 

 まぁ、すっごい燃えたけどね! 予想外の所からとは言え、何をしても平静を保っていた女を、自分のテク一つで身悶えさせるのはいつだって至高の愉悦だ。

 そのまま挿入してやれば、入念に準備を整えられていた事もあり、全く抵抗なくスムーズに呑み込んだ。いや、それどころか奥へ奥へと、貪欲に求められているのがよく分かる。

 

 そこからピストン運動に入ったが、これまた反応は劇的だ。ひどくゆっくりとした動きしかしていないのに、彼女はオーガズムの底に叩き込まれたかのように、半泣きで善がり声を上げ続けるのだ。

 それも、他人に対して常に被り続けている外向けの表情ではなく、心の底から悦び恥ずかしがっている表情で。言葉にならない、原始的な、いっそ動物の鳴き声とすら表せる声で、練の姉御は知らない絶頂にすすり泣く。

 それを見て、俺が暴走しなかったのは奇跡と言っていいだろう。辛うじて、練の姉御の治療の為、という意識が残っていた…んだと思う、多分。

 

 ただ、それ以外の事は…全て忘れて交わっていた。行為は単純なピストン運動、正常位。交わる以外の愛撫は無し。

 技巧どころか、お互いに言葉すら忘れて交わりあった。響くのは荒い呼吸と喘ぎ声のみ。

 何度射精しても、練の姉御がオーガズムに達しても、お構いなしに腰を振り、抉り、締め付け、注ぎ、絞り取る。

 自身の性欲に溺れているだけなのに、俺達の交わりはいっそ見事な程に噛み合っていた。

 

 

 ようやく落ち着いたのは、夜も更けた頃。練の姉御の腹は、臨月のように膨れ上がっており、溢れ出した精液と愛液は水たまりのよう。

 練の姉御は何度も気絶を繰り返して、今では朦朧とした目で天井を見上げるばかり。辛うじて呼吸はしているようだ。

 部屋には濃厚すぎる性臭が立ち込めており、呼吸をするだけで媚薬を注ぎ込まれるようだ。今からでも続きをしたい気分になったが、これ以上やったら流石に冗談抜きで死んでしまう気がする。

 

 扉を開けて、換気を始めた。

 ……真夜中に素っ裸で、月を見上げるのもいいもんだなぁ。丸くなった練の姉御の腹を撫でながら、夜風に暫く身を晒していた。

 

 

 

 

 その後、起きてきた練の姉御だが……『お前との交わりに比べれば、発作も過去の経験も大した事ないな…』なんて言われてしまった。

 …治療は成功、と言う事にしておこう。

 

 

 

 

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