NTD3DS月花より薬草日
流石にこりゃヤバい、って事で一度村に戻ってきた。
フローラさんもキースさんも、相手が相手だけに深刻な表情だ。
見えないってだけでも厄介なのに、相手はイビルジョー。
理性もクソもなく目に付く全てに喰らいつく、なんて言われている暴食の権化だ。
今は狩場を彷徨っているようだが、運が悪ければ村に乱入する可能性だってあるし、何処か全く別の地域に流れて行って行方不明になってしまう可能性だってある。
…というか、今正に行方不明になってる可能性もあるんだよな…。
アレを討伐しに行くとして、どうやって見つけようか。
いや、毀れた霊力を辿れば、俺は何とか見つけられると思うんだけど…。
とりあえず具体的な対策はあの二人に任せるとして(聞き耳立ててたら、盛大に話が明後日の方向に逸れて行ってたが)、俺は霊気に元について考えてみた。
まず、この世界に基本的に霊力は無い。
これは今のところ大前提だ。
しかしその大前提を覆したのが、あの紅玉。
あの紅玉は、そこらに転がっているものか?
ノー。
紅玉自体珍しいが、それを抜きにしても他の紅玉に霊気は宿っていなかった筈。
なら、この世にたった一つとは言わないまでも、そうそうお目にかかれるモノではないとして……それが同じ場所に二つ?
いやいや、考え辛い。。
となると、イビルジョーから霊力が漏れているのは、あのイビルジョーこそが、紅玉を現在持っているって事か?
そう言えば、紅玉を持ち逃げした古龍研究所の研究者も、ユクモ村近辺で行方を晦ませた。
で、以前に推察したとおり、紅玉が研究者の意識を操っているとしたら…。
恐らく、古龍研究所の研究者は、既にイビルジョーの腹の中だろう。
そして紅玉に宿る霊力によって、イビルジョーは……ひょっとしたら煽動型クルペッコも……本来では持ち得ない、異常な能力を得た?
あー、でも煽動型クルペッコは違うか。
あの紅玉が発見される前から煽動してたっぽいし…いやでも、あの頃はまだ統率型っぽかったような。
…突然変異のクルペッコが元々居て、それが霊力を受けて更に煽動型になってしまった?
…検証のしようが無い。
でも、イビルジョーが紅玉を持っている(腹の中にあるのかもしれんが)のは確かだろう。
そうでもなければ、突然イビルジョーが霊力を纏ったり、姿を消したりする理由が無い。
…イビルジョーも、研究員同様に紅玉に操られている可能性もある。
しかし、そうだとしたら紅玉の目的は何だ?
モンスターに異常な能力を与えて強化する……まぁ、真っ先に被害を受けるのは人間だよな。
というより、被捕食者全般が被害を受ける。
何せ、よりにもよってイビルジョーだ。
突然変異な訳でもないのに、生態系を狂わせる程の食欲を持った文字通りのモンスターだ。
下手な古龍が力を得るよりもタチが悪い。
…そう考えると、煽動型クルペッコとも一つ共通点が出来るな。
両者とも、生態系に甚大な被害を与える可能性が高いって事だ。
煽動型クルペッコは周辺のモンスターを暴走するレミングスに変え、イビルジョーは外敵の心配が殆ど無い状態で、その異常な食欲を満たす為に行動できる。
…共通点と呼ぶには少々コジツケが過ぎるかもしれないが…。
そういや忘れかけてたが、あの妙な動きをするティガレックスはどうなった?
ひょっとしたら姿の見えないイビルジョーに食われてたりしてな。
NTD3DS月G級ハンターにも狩りの誤り日
フローラさんの発案で、他のレジェンドラスタも呼ぶ事になった。
と言うか俺が完全に除け者にされる事が決まってしまった。
話の途中でリタイアさせる事になってしまった、とフローラさんは申し訳なさそうだった。
しかし普段の天然気質とは全く違った表情で、これはもう決まりだと言い切った。
いや、理由は分かるよ?
フローラさんキースさん、ナターシャさんを見れば、今の俺はレジェンドラスタの人達には遠く及ばない事は簡単に分かる。
姿の見えないイビルジョーなんてとんでもない代物を相手にするには、どう考えたって、どんなに下駄を履かせたって力不足だ。
霊力やGEパワー、神機と言ったこの世界にない力を考慮に入れても、だ。
それなら、足手まといになるのが目に見えている俺を無理に連れて行くより、確かな腕を持っている他のレジェンドラスタを2人呼んで、レジェンドラスタ4人組で挑んだ方がいい。
何か色々と制約があるらしいレジェンドラスタだが、その分抜け道も多いって事か。
しかしなぁ…なんかこう、納得がいかない…。
これがゲームの話なら、多分主人公的立ち位置に居る俺が関わらなきゃ話にならんと思うのだが。
でもこれってリアルの話だし。
「ヤツはこの手で!」と言うほどの因縁も無い。
いや、確かにあの紅玉を掘り出したのは俺だけどね?
そうやってモヤモヤして拗ねている顔がカワイイ、って言われてもこれは嬉しくないなぁ。
NTD3DS月損して得とっても±0日
レジェンドラスタを呼んで、到着するまで3日ほどかかるらしい。
それまでの調査に協力する事は認めてもらった。
ちなみに新しく来るのは、ナターシャさん…ではない、残念ながら。
姿が見えず、よく動く相手には防御力が高い方がいい…という事で、ガンナーは無し。
となると防御も固められて、盾にしても心が痛まな…もとい、壁役を任せられる人がいい、という事で、タイゾーさんなるガンランス使いと、エドワードさんなるランス使いを呼ぶそうな。
ちなみに、盾にしても心が…の部分はキースさんである。
表現はともかく、女性の背に隠れるなど男としてあってはならぬ、とかそんな話なんだろーか。
まぁ、女性である前にハンターではあっても、言われてみると気にならないでもないか…。
さて、それはともかくとして、例のイビルジョーが居るらしき周辺を探りまわってみた。
キースさんが言うには、「ほぼ予測の範疇」との事。
何がどう予測の範疇なのかよー分からんかったが、要するに行動範囲が大体予想通り、という意味らしい。
イビルジョーは食べ物を求めてフラフラ彷徨う習性があるらしいのだが、周囲に多くの食べ物があるなら、無闇に移動する事は無い。
通常のイビルジョーの食欲なら、暫くは移動する事は無さそうだ。
うーむ、俺は毀れ出た霊力を基にしてイビルジョーを探そうとしてるんだが…流石にレジェンドラスタはパネェな。
姿が見えないだけなら、案外経験則だけでどうにかしてしまえるんじゃないかと思えてきた。
ま、それでも楽観は禁物。
できる事はやってお
さっきティガレックスの遠吠えが聞こえた。
普通の声じゃない。
明らかに霊力が乗ってる。
以前に見たあのティガレックスか?
明日は遠吠えが聞こえた方向の調査に行ってみる。
NTD3DS月百聞は一狩りにしかず日
????
ティガレックスは確かにいた。
霊力を宿していたと思われるヤツが。
ただ、前のヤツとは別物っぽいんだよなぁ…。
明らかに大きさが違う。
で、このティガレックス…発見した時には、既に食われていた。
イビルジョーか、他のティガレックスかは定かじゃないが……まさかと思って近辺を調べまわってみると、微弱ながら霊力を宿したモンスターが多数。
…恐らく、死んだティガレックスの残骸を喰らって霊力を得たのだろう。
という事は、あのティガを倒して食ったヤツは、もっと強い霊力を得ている筈。
まさか、あの紅玉の狙いはコレか?
何かのモンスターに食われて取り込まれ、霊力を宿させる。
その体の一部を食うか何かして、他の生物が霊力を得る。
そして霊力を得たほかの生物を、紅玉を取り込んだモンスターが食う事で、更に強い霊力を得る。
…いずれは怪物が出来上がりそうだ。
ああ、それでイビルジョーなのか?
際限なく霊力を持った獲物を取り込めるように。
そして、霊力を溜めて溜めて……ひょっとしたらミラボレアスのような古龍になる?
…流石にこれは想像というか妄想の領域だな。
あんまり外してない予感はあるが。
まぁいい。
イビルジョーになったのが偶然なのか必然なのかはともかくとして、やる事は一つだ。
無論、討伐である。
でも俺は参加させてもらえないんだけどね!
真面目な話、イビルジョーだけを倒しても、ここら辺のモンスターに宿っている微弱な霊気は消えないんだよな…。
どうしたもんだろうか。
NTD3DS月3乙の功名日
レジェンドラスタが到着した。
…予想に違わず、濃い人達だなぁ…。
タイゾーさんはまだいいよ。
突然英語で叫んでハッスルしたり、やたら暑苦しい理論をムダに爽やかに語るだけだから。
…というかこの人、明らかにSYU☆ZOっぽい。
実際、この人が到着してからちょっと寒さが和らいだような…。
或いはビ○ーズブートキャンプでも可。
だが問題はエドワードさんだ。
なんというか言動が高貴すぎる、のはいい。
話しづらいが悪い人ではない…と言うより、所謂ノーブレス・オブリージュを体現しようとしているような人だ。
紅茶談義にはついていけないし、価値観の違いに戸惑いもする。
だが本当に問題なのは、言動の端々からにじみ出る、何と言うかその……特殊な趣味の片鱗が…。
今日だって、到着早々に温泉に入りに行った。
一応、状況を詳しく説明しようと思ってついていったんだが……何故赤フンドシ?
ムダにヒラヒラと棚引かせて、我が肉体に恥じる所など一つも無い!と言わんばかりに仁王立ちしていた。
このクソ寒いユクモ村で、フンドシ一丁で仁王立ちしていた。
温泉入れよ。
と言うかフンドシにしたって異常に面積が少ないの付けやがって。
そしてポージングするな。
…なんかこう色々と不安になる人達だ。
動きや武器防具の扱いを見るだけでも、俺じゃ及ばない相当な手練だというのは分かるんだけどさぁ…。
NTD3DS月無い回復薬は使えない日
やっぱりアナタも参加しなさい…なんて事は言われず、レジェンドラスタ4人での討伐と相成りました。
ま、当然かな…釈然としないけど。
姿の見えないイビルジョーだが、詳細を聞いても「それくらいなら、4人揃えば勝てるさッ!」と叫んでいた。
カウンターと防御突きで大体どうにかできる、だそうな。
…楽観的とはいえ、一応考えてんのね。
エドワードさんは……「姿が見えない…それでは誰にも見てもらえない。 だが逆に考えるんだ。 姿が見られないからこそ、いつでも何処でも脱ぎ放題」………片鱗じゃなくて露出癖そのものが出てきてるんだが…。
これに天然のフローラさんと堅物のキースさんが加わる。
うん、独り身での狩りがいかに気楽かよく分かるな。
俺はあの中には入っていけない一般人だよ。
ちょっと特殊な力を持ってるだけで、あそこまで俺のキャラは濃くない。
…討鬼伝世界でヒャッハーしてた頃の俺なら入っていけたかもしれん。
この世界に来てから、ちょっと大人しすぎかなぁ…。
A.BEEさんに怯えて隠れてたもんなぁ…。
さて、それはそれとしてどうするか。
無理についていっても足を引っ張ってしまうのは確定だ。
それはゴメンだから………普通に待ってるのも面白くないな。
よくよく考えてみれば、仙人と異名を付けられる程に山篭りしていたのに、最近はレジェンドラスタさん達と一緒に村に戻って休んでたからな。
よし、山篭り再開だ!
そうと決まれば、皆に一言くらい挨拶しておかねばなるまい。
フローラさんとキースさんには世話になったし、タイゾーさんとエドワードさんには強敵を押し付ける訳だしね。
では、ちょっと行ってきて今日は寝ます。
挨拶に行って戻ってきたんだが、ヤバい。
いや挨拶自体は穏やかに済んだんだけどね。
フローラさんが「討伐が終わったら、今まで手伝ってくれたゴホウビあげるよ~」って。
こう足を軽く持ち上げてフトモモの辺りをチラチラ見せながら。
そして俺の股間を意味ありげに見つめながら、ニコッと。
普段の天真爛漫な笑みとは違い、少し艶っぽい笑顔でした。
何故?
確かに俺をオカズにしてたみたいだが(そして声の質からして処女っぽかった)、何故唐突にお誘いを?
そんなに好感度高かったか?
いやそれよりも問題なのは、「帰ってきたら続きをしようね」なんて死亡フラグだよエビチュさん!……間違ったミサトさん!
でもどっちのフラグだ!?
普通に考えればフローラさんだが、相手が見えないイビルジョーとは言え、レジェンドラスタ。
ゲーム的に考えればどれだけ攻撃を受けても死なない乙らないゾンビみたいなハンター。
それがそうそう死ぬとは思えん。
死亡フラグを考慮に入れても、だ。
となると、俺か?
明日からまた山篭りするつもりだったが、そこで何かに会うのか?
まさか透明イビルジョーに直撃?
確か、今は凍土のあたりに居るようだったんだが…。
…嫌な予感がする。
狩場に向かうのは止めよう。
明日でイビルジョーの討伐が終わったら、フローラさんを出迎えなきゃいかんし。
……あれ、普通にお誘いを受ける方向で考えてますね?
…まぁ、「帰ってきたら『続き』をしようね」、だからねー。
ソコまではもう触られちゃったり触り返したりねー。
フローラさんにも火がついちゃったみたいだから、最低限そこは逃げずに受け止めたり打ち込んだりしないとねー。
NTD3DS月五十狩百狩日
レジェンドラスタの方々が、見えないイビルジョーの討伐に向かいました。
…出発前から見えなくなる頃まで、実に騒がしい一団でございました。
俺は昨日の死亡フラグの予感もあり、ユクモ村に臨戦態勢で待機しています。
ただ待っているだけというのもヒマなので、日記を書いてる訳ですが。
最近は村で過ごしていた時間も長いからか、仙人様扱いはあまりされていない。
おじいちゃんおばあちゃんも、あんまり何度も頼むのも悪いと思ったのか、通ってくる頻度は落ちている。
その分楽になっているらしいので何よりだ。
話は全く変わるのだが、メゼポルタについて。
以前、受付嬢達に何かあったら教えてほしい…と伝えてはいたのだが、今のところめぼしいイベントは無いそうだ。
一度、メゼポルタの近くでラオシャンロンが発見された事はあったのだが、進行方向は全く別。
メゼポルタに一切被害は出なかったらしい。
…なんだかなー、やっぱり俺が居たからあんなに連続して襲われたんだろうか?
あのままいくと、ルコディオラどころか、それこそミラボレアスとかアマツマガツチとか呼び寄せかねなかったんだろうか。
そう考えると、見えないイビルジョーの問題も切欠は俺だったっぽいし…。
冗談抜きで、俺は疫病神か?
そうだとしたら、本気で何処か人里離れた場所に山篭りするしかないんだけど。
…今、村の近くからティガレックスっぽい遠吠えが聞こえた。
そーだねー、そーいえば最初に見つけた霊力付きティガレックスはまだ発見できてなかったんだよねー。
これが死亡フラグっぽいな…行ってきます。
俺、帰ってきたら禁欲とか忘れてフローラさんをヒィヒィ言わせるんだ…。
神無月3乙すれば口無し日
やっぱムリだったよこんちくしょう。
畜生、フローラさんとのアレやコレやが……。
妄想だけだが、ナターシャさんとの3Pまで計画に入れていたというのに。
霊力付きティガがホントに洒落にならんかった。
亜種より強力かつ広範囲の咆哮が特に。
念のために耳栓(大)も付けていったと言うのに、まさか霊力の波で物理的(霊力で?と思うかもしれないが、とにかく無理矢理抑え付けられる感じだった)に動きを阻害してくるし。
あの霊力咆哮のおかげで、霊的なエネルギーに耐性のある俺以外のハンターは、まとめて使い物にならなくなってしまった。
体が痺れて動かなくなってしまったのだ。
ゲーム風に言えば、エリア全体に問答無用で麻痺の効果が出るとかフザケンナ
まさかとは思ってたが、あの煽動型クルペッコみたいな真似までしてきやがった。
と言っても、死兵増産するのではなく、周囲の虫モンスターとかが異常な興奮状態になって、俺に突貫してくるくらいだったが。
どっちにしろ、ティガレックスを相手に足止めのモンスターが居るとか、冗談ではない。
煽動型とは違うな……突撃型…いや、カミカゼ型ティガレックスか?
実際、突っ込んでくる他のモンスターは自爆や同士討ちお構いなしだったし、当のティガレックスの飛び掛りとかに巻き込まれて散ったモンスターも少なくなかった。
最近ご無沙汰だった神機を持ち出し、鬼杭千切りまで使ってようやく仕留めた。
鬼杭千切りの反動で動けなくなった所に、ティガレックスの最後っ屁の咆哮を喰らって吹っ飛ばされ、そして興奮状態で突進してきたアイルーの自爆に巻き込まれてお陀仏。
…あのネコ、次の世界で三味線にしてくれる……。
にしても、やっぱり鬼杭千切りは使いどころが難しいな…。
攻撃力は絶大なんだけど、当てる事自体が難しいし、それ以上に使った後の反動がデカすぎる。
ハンターハンターで言えば、使った直後に絶状態になってしまう。
それさえなければ、アイルーの自爆にもまだ耐えられた。
そしてデスワープ直後もまともに動けない状態だったから、今更オウガテイルの群れに死ぬほど苦戦しましたよ。
危うく一日分も日記をつけずに、討鬼伝世界に飛んでしまうところだった。
神機も反動でかなりのダメージを受けてたから、半ば壊れかけ状態になっちまってるしなぁ…。
早い所、ゴッドイーター達に合流しないと。
万が一、合流し損ねたら?
流石にここから極東支部までの距離を、アラガミとの戦闘を避けながら進むのはキツイ。
さて、ちょっと気分を切り替えるか。
フローラさんとのナニができなかったのは痛恨だし、ナターシャさんとの甘酸っぱいメモリー(矢でケツを狙われた事ばかり覚えてるが)が無かった事になってしまったのは悔恨だが、そればかりに拘っていられない。
次のループで会ったら口説いてみよう……健全なお付き合いになるか、泥沼になるかは置いといて。
今回のループでの最大の問題だったのは、言うまでも無くあの紅玉だ。
A.BEEさんも問題だったが、方向性が違うのでスルー。
極端な話、アレさえなければ多分、上位依頼の中盤くらいまでは充分いけたと思う。
それだとステキな出会いが無くなってしまうが、今はそこは置いとこう。
MH世界のモンスターが霊力を持つ事が、あれほど厄介だとは…。
しかし考えてみれば、納得いかなくもない。
霊力は生命力だ。
なら、ムダに生命力に満ち溢れまくっているあの世界のモンスターが霊力を使えるようになれば、とんでもない量や質の霊力を発するようになるだろう。
その対策は、何か?
簡単だな。
発生させなきゃいいんだ。
あの時期あの場所でジエン・モーランと戦わなければ…いや、戦ったとしても掘り出さなければ、そもそも問題は起こらない。
別の誰かが掘り出すんじゃないか?という可能性はあるが…俺の居ないメゼポルタが平和だったことを考えると、同じように俺が居なけりゃ発掘されない、という可能性も高い。
もし次のループで、俺以外がアレを掘り出したような形跡が見られたら……その次のループからは、俺が紅玉を回収して、そのままふくろに入れておくとしよう。
さて、今日はこれくらいにして、休むとしよう。
明日の朝早く移動して、上田もといゴッドイーター達に拾ってもらわないと。
神無月売り言葉に狂竜病日
無事、帰還するゴッドイーター達に合流。
もう言い訳と言うか捏造も慣れたものだ。
アッサリと居住区へ連れて行ってくれた。
…と言うか、上田さんを適当におだてれば疑念とか放り出してくれるんで、非常に簡単なミッションである。
とは言え、面倒なのはここからだ。
何かしらの手段で、新型神機を持っているゴッドイーターとして不自然なく入隊しないといけない。
前みたいに、潰れた実験施設のモルモットだった設定で行くか?
でもそれだと色々な方面から怪しまれたし、行動に制限がつくし、何より注目が(特定の要らん人達から)集まってしまう。
…よし、ここは討鬼伝世界みたいに、次回以降のループに備えてちゃんとした任命書みたいなのを偽造しとくか。
この世界は討鬼伝世界と違ってデジタル技術が活きている。
極端な話、理屈さえ合ってればそう簡単には不正は露呈しない。
そして今、俺には榊博士の権限を一時的に使えるコードがある。
以前ループの事を榊博士に話した時、「次回以降のループなら、これは使えるだろう?」と渡されたコードだ。
いやぁ、どう使えばいいのかなーとか悩んで忘れかけてたアイテムだけど、これは便利だわー。
榊博士一人を丸め込む事ができれば、その権限を使い放題とかヤバいわー。
そして榊博士を丸め込むのに理屈は要らない、ただ別世界の材料とか投げてやればいい。
そうすりゃ好奇心のままに突っ走って、色々な事を棚に上げてくれる。
…ちょっと楽観しすぎではあるけどね。
さて、そうと決まればまず最初にやる事は一つ。
オオグルマの汚ッサンが日本に来る時のタイミングと経路を特定・操作して暗殺するぜ。
ここは一体どこやねん。
と言う訳で、多分また夢を見ているっぽい。
俺は確か……そうだ、MH世界で普通にクエストこなして寝た筈だ。
そしたら突然この夢。
いや夢って大抵唐突な物だけど。
でも明晰夢にしたって唐突過ぎないかい?
今俺が見ている夢は、多分元の世界がモチーフになっている夢だ。
でも、行った事もない外国で、少なくとも景気がとても悪そう。
道行く人達の格好からして、現代でないのは確実だ。
うーん……なんちゅーか、ヨーロッパっぽい?
言葉は…何とか通じる。
相手が言っている事は何故か分かるし、更に俺の言葉は何故か片言になっているようだが、通じてはいるようだ。
…まぁ、夢に理屈を求めても仕方ないか。
とりあえず、赤い服を着た官憲っぽい連中に絡まれました。
…普通に剣とか銃とか持ってるな。
警察とかだったらヘタに逃げるのも振り払うのもヤバいし、増して夢の中とは言え捕まるのもなぁ…。
でも捕まるのも無理は無い。
だって街のド真ん中で大剣持って鎧まで着込んでるからね。
そりゃ普通は問答無用で職質だよ。
夢の中とは言え、抵抗があるな…なんて思っていたのも束の間。
警察の方から、いきなり剣抜きやがった。
こっちが抵抗もしてないのに、いきなり抜刀とは何事か。
ひょっとしなくても、実は警察じゃない?
よく分からんが、職質と言うよりはインネン付けられてた感じだったし…。
ま、そーゆー事なら遠慮は要らない。
斬りつけてきたので、鎧の手甲で軽く弾いて(剣はナマクラ、腕はボンクラ…)、持ってた大剣で軽~~~~く張り倒してあげました。
…色々粉砕した感触や音がしたけど、呻いてるから生きてるよね!
……ところで、周囲が騒がしくなってるけどなんじゃろ?
知らん間に、周囲の一般市民(だと思う)が剣持って、さっきぶっ飛ばしたエセ警察と同じ格好してる連中と斬り合ってるし…。
うおっ、鉄砲とかアブネ!
でも鎧に傷一つ付けられませんでした。
…なんかムカつくから、お前は拳な!
前歯が何本か折れる程度で!
…なんか際限なく騒ぎが大きくなってるな。
今度は青い服来た警察っぽいのまで乱入してきたし。
逃げるか。
さて、適当な路地裏に逃げ込んで、鎧を脱いだ。
どうやら一般市民でも剣を持ってるのが居るようなので、大剣から目立たないようにヌヌ剣に切り替える。
服はインナーになるが…なんか半裸でフラフラしてるオッサンとかも居るし、妙な事をしなければ目立たないと思う。
後は…有事の際の飛び道具として、小物を幾つか。
討鬼伝世界でタタラのおっさんに作ってもらった趣味の産物もある。
夢なんだから、使っても無くならないね!
さて、どうしたものか。
夢とは言え、衝撃とかダメージ、痛みは普通に感じるっぽい。
下手な事をして、死ぬほど痛い激痛とか味わいたくない。
まぁ、デスワープする度に味わっている訳ですが。
とりあえず街をブラブラしてみたが、やっぱ景気が悪そうだな…。
人は結構多いんだが、飢えてる人が多そうだ。
反面、建物とかはかなり立派な物が多い。
何かの教会みたいな所もあって、入ってみたが…ステンドグラスの装飾が見事なもんだ。
素人目にも、かなりの値打ち物だと一目でわかる。
…ワリと新しい、そうでなくても手入れされている。
という事は、それだけそっち系の仕事があるって事だよな?
仕事があるのに、景気が悪そう…。
……経済とかよく分からんが、健全な状態じゃないってのは分かるな。
さて、目が覚めるまでの間、どうしようかねぇ。
どうせ夢なんだから、普段やらない事がしたいよな。
…あの建物、高いな。
よじ登ってみるか。
「いたぞ、あそこだ!」
「止まれ市民!」
「殺人者を逃がすな!」
その途中にコレだよォ!!
「オイ、殺人者って一体何したんだよ!?」
「いいから走れ!」
だから!
誰を殺ったのか知らんけど、それは横のコイツだって!
なんか暗器っぽいので喉元をブスッとやってたんだって!
俺は大剣でブッ飛ばしただけで死んでないって! 多分!
俺はちょっと建物によじ登ろうとしたら、偶然その場にバッタリ居合わせただけの、この夢を見ている人だって!
…うん、普通に考えりゃそれで無関係を主張したって誰も信じないよね。
にしても、この横で走ってるにーちゃんの身軽なこと身軽なこと。
俺もゴッドイーターパワー(具体的には身長を超えるくらいのジャンプとか)が無ければ追いつけそうに無い。
普通の人間なら追ってこれないだろうってルートを選択して走ってるのに、何故かこのにーちゃんは平然と付いてくる。
俺を追いかけてるんじゃなくて、俺と同じように普通の人は通れない道を通って追っ手を撒こうとしてるみたいなんだが。
しかもどれだけ走っても、ロクに息切れしてないようだ。
どんな体してんねん、夢の中とは言え。
で、結局壁を越え屋根を走り、ふくろの中にあった煙幕玉とか使って、それでもまだ追いかけてきて、何処か高い所に追い詰められて。
「…俺だけなら逃げられるが、君はどうする」
「俺一人なら逃げられるアテは、2つほどある」
「そうか。
なら幸運を祈る」
敵が迫ってくる前に、にーちゃんは更に高い所に上っていった。
…どうする気だよ、一体。
まぁいいや。
モドリ玉モドリ玉。
緑色の煙が晴れても、俺は何処にも戻れなかった。
追いかけてきた衛兵達の「何がしたかったんだ、コイツは?」という視線が痛かった。
…とりあえず、モドリ玉での逃走はムリ。
となるともう一つの手段を使うまで。
「あっ、おい何をする気だ!」
「I can FLLYYYYY!!!」
叫んで屋根の上から跳んだ!
自殺じゃないよ!
ハンターはな、密林のベースキャンプにあるクッソ高い崖から、かち上げ状態で落下してもダメージ一つ負わずに生きてるのさー!
落下中、隣で落っこちてきてるさっきのにーちゃんと目が合った。
お互い目を丸くしていたと思う。
無事着地。
周りの人から何だ何だって目で見られたが、構うもんかい。
いやそれよりも横のにーちゃん!
「ふぅ…これは驚いた。
まさか地面に直接落ちても平然としているとは」
「藁に落ちたから平気って理屈もどうかと思うぞ、にーちゃん。
………藁?」
………………… い ー ぐ る だ い ぶ
「アルノ・ドリアンだ。
…少し話さないか?
巻き込んでしまった侘びもしたい」
…アサシンクリードォォォォォ!!??!?!??
い、いや落ち着け。
アルノのにーちゃんの目が明らかに不審者を見る目だが、落ち着け!
アサシンクリードって言っても、アルノなんて名前の主人公は俺は知らない。
モブのアサシンって可能性もある。
…でもあのシリーズ、毎年発売されてんだよな…。
俺は別にアサシンやテンプル騎士じゃない、単なる流れの一般人だ。
ちょっと特殊な力を持ってるだけで、狙われる要素は無い筈!
それに狙われたって夢だしな、うん夢だよな夢夢。
…よし。
「一杯奢ってくれるなら付き合おう、友よ。
何せ遥か遠く、東方から流れ着いたばかりで、ここの事を何も知らなくてね」
「東から来たお客人か。
ならばこのフランスを代表して歓迎しよう。
…この時勢でなければ、諸手を挙げて歓迎できたんだがな」
あ、ここフランスだったの?
アルノの奢りでメシ食って。
「さて、友よ。
君は一体何者だ?
あの高さから落ちて平然としてられる、俺についてこられる脚、そして人の体を優に超える程のジャンプ力。
とても常人とは思えない」
「俺?
俺は……あー、そうだな、ここの言い方に合わせて言うと…」
ハンター、じゃ分からないしな…。
ゴッドイーターとかもっと分からない。
モノノフ……モノノフ…の方が分かりやすいと思うが………よし、ここはこうしよう。
どうせ夢だし、そこまで深く考えなくてもいいだろ。
俺は趣味に走る。
「俺は…忍者かな」
「ニンジャ?
なんだ、それは」
「東方の島国の………暗殺者、アサシンみたいなもんかな」
「…ほう?」
フランスのどの時代だか分からないが、NINJAは伝わってないらしい。
まぁ、多分今頃の日本って鎖国とかしてるだろうしね。
「忍者にも色々ある。
人ごみに紛れて情報収集や工作を行う者も居れば、鍛えられた技と体を持って敵地に忍び込み、暗殺に従事する者も居る。
俺はちょっと特殊な忍者でな。
普通の人には無い能力を幾つか持っていて、それを使う忍者だ。
普通は見えない物が見えたりする事もある」
つまり霊力とかミタマとか鬼ノ眼の事な。
アルノのにーちゃんは何やら考え込んでいたようだが、
「さっき飛び降りて平気だったのも、その能力と言うヤツか?」
「いや、アレは単なる肉体操作術。
難しいが、能力とかは必要ない。
俺の持ってる能力は……そうだな、限定ではあるが、攻撃が当たっても当たらなかった事にしたり、体力を回復させたりするものかな。
…ああそうそう、普通の忍者はこういう道具を使ったりもするな」
ふくろから出した、手裏剣を手渡してみた。
…実用性を考えず、タタラさんに作ってもらった趣味の一品だ。
「投擲用の道具か…。
なるほど、回転させる事で威力を増すのか」
「刃を増やして、毒を塗ったりもする。
生憎と、ソッチ系統の訓練はあんまり受けてないけどね」
「…俺も厳しい訓練を詰んだつもりだったが、その上を行きそうだな」
「あー……どうだろ」
確かに厳しかったが。
デスワープ直後は、未だにブルファンゴに追い掛け回されるし。
返り討ちにした事もあるが。
「とは言え、『同じ』アサシンとしては、その技に興味がある。
…君を招待したい」
「…は?
同じ?
招待?」
…な、なんか面倒事の予感が…。
「俺もアサシンなのさ。
ようこそ、遥か遠く東方より来たりし、同胞よ。
今度はフランスを代表してではなく、フランスのアサシンとして歓迎しよう」
…忍者は暗殺者でアサシンだが、教団のアサシンじゃねぇよ!!
しかし俺もアサシン教団には興味がある。
どうせだから行ってみよう。
…アサシンでもない者を、教団本部に連れてきたとかでなんか一悶着あったみたいだが、詳しくは知らない。
ただ言える事は、俺と教団の間で色々と技術交流が出来上がってしまったという事だ。
まさかアルノに霊力の素質があるとは…。
霊力を使うと、見つかりにくくなったり、身体能力が上がったりする。
本人は「メレーブースト」「ライフブースト」「ステルスブースト」とか呼んでいた。
体力回復とか、動きを早くする術(言うまでも無くミタマだ)を見せたりしたが、特に驚かれたのは「堅」のミタマだ。
何せガードゲージをしっかり回復させてれば、ステルスアサシンの直撃を食らってもほぼ無傷で反撃できるからな!
…アルノ以外にも、素質があったのがちょくちょく居るらしい。
教団では最近、東方から伝えられたNINJAの秘術として霊力ブーム、忍者ブームが到来しているとか。
ちなみにアルノが最初に興味を持った、飛び降りても平気な術…これは霊力には関係ない、ハンター式肉体操作術だが…はあんまり流行らなかった。
必要となる肉体の土台が厳しすぎるそうだ。
………アサシン教団は、どうなってしまうのだろうか…。
俺?
俺が身に着けたのは…イーグルダイヴだよ。
ハンターの俺が覚えても意味ねーな。
…あと、なんか最近目がおかしいな…。
討鬼伝式の鬼ノ眼が進化して鷹の目になろうとしてんのかな。
…鬼から鷹か。
なんかランクダウンしてるような気がする。
しかし…一体いつになったら目が覚めるのやら…。
外伝:アサシンクリードユニティ編